独自解釈タグが火を噴くシーンまで本日中に更新することにしました。
実は現時点で書き溜めは結構あるのです。
歩ちゃんの実技試験獲得ポイントについて
・敵ポイント
飯田くん以上の機動力(三次元ゆえに)+麗日さん以下の殲滅力。
原作におけるこの二人のポイントが52・28のため、大体その中間ぐらい。
・救助ポイント
0ポイント敵出現までは棒立ちになっていた緑谷くんを助けたぐらい。
0ポイント敵粉砕時、街への被害を抑えたことでやや加点。
落下する緑谷くんを麗日さんと協力して救助した扱いでポイントを分け合う。
原作における麗日さんのポイントが45(これ一つではなさそう)なので半分ずつ分け合ったとして諸々合わせて30ポイント前後。
最終的なポイントは70前後、順位は三位~五位辺りのどこか。
ちなみに緑谷くんは歩ちゃんが事後処理をしたことで原作以上に「後先考えずに行動した」扱いになったこともありちょっぴり減点。
ひそかに原作以上にぎりぎりの合格になっていました。
「「「―――"個性"把握……テストォ!?」」」
寝袋に入り足元から声を掛けてきた不審者、もとい、担任の相澤先生に促されるまま、体操服に着替えて集合させられたのはグラウンド。
「入学式は!? ガイダンスは!?」と問いかけるお茶子ちゃんを、諸君らにそんな悠長に構えていられる時間はない、とバッサリ切り捨てて説明は続く。
途中、通常入試首席合格だったらしい爆豪さんという男子生徒に、計測種目の一つであるソフトボール投げを行わせ、彼の"個性"『爆破』を活用した大記録に盛り上がる生徒達を冷たく一瞥する一幕を挟んで曰く。
―――"個性"を禁止した上で測られる平均記録は時代に即していない。
よって"個性"を含めた現状の『最大限』を今ここで測定する。
総合記録最下位の生徒は『見込み無し』と判断し直ちに除籍する。
これに「理不尽過ぎる!!」と抗議したお茶子ちゃんに対し返ってきたのが、
(……『干渉』と気が合いそう)
毎度反論を入れていたお茶子ちゃんを横目に、わたしが何も言わなかった理由がこれに尽きる。
この先生の論調は、わたしの反論を逐一正論で叩き潰す『彼女』と実によく似ていると感じた。
……この思考に対し何も言ってこなかった辺り、『彼女』も同意見なのだろう。
クラスメイト達十九人もまた、そのときのわたし同様、反論する余地は持たず。
「―――まずは50メートル走。二人一組ずつ走れ」
その指示に、総員黙って従うのだった。
第一種目 50メートル走
出席番号順に二人ずつ計測は進み、迎えた九組目。
隣を走るのは何の因果か、入試の中で二度手助けをすることになった男子、緑谷さんだった。
出番を待っている間に何かしら話しかけようかと思ったのだけど、何やら追い詰められた表情でずっと何かを呟いていたので、集中を乱すのは良くないかと思い遠巻きにすることに。
……そもそも私語が出来るような空気でもなかったし。
《あの0P敵を粉砕するほどの"増強系"。風圧に警戒しておいた方が良さそうね》
(【
《さっきの組を見る限り多少は許されるようだけどね》
(ああ、そういえば)
『彼女』に言われて、ひと組前の計測の様子を思い起こす。
合図と同時に爆豪さんが背後に伸ばした両手を爆発―――手の平から爆発を放つのが彼の"個性"らしい―――させてスタートダッシュを行ったのだが、爆発音に紛れた「わっ!?」という悲鳴は間違いなく隣のレーンを走る葉隠さんの声だった。
……彼女の『身体が透明な』"個性"のせいで分かり辛かったけど。
彼女の記録に少なからず影響したと思ったが、これに対して相澤先生は何も言わなかったので、そういうことなのだろう。
だからと言ってわたしは誰かを妨害しようなんて考えたりしないが。
《まあ【
(…………はい)
実家の敷地内なら大丈夫と、台風の中で鍛錬させられた記憶がよみがえる。
頭の中からかかってくるプレッシャーに、隣を気にする余裕は一気に無くなった。
「―――【自己自在】っ!」
クラスメイト達の驚く声を意識の片隅に流しながら、全ての力を前方へ【反射】、【加速】。
制御の難しい速度に達するか否かという辺りで、ゴールを越えたことに気付き、徐々に減速。
「干河、3秒27」
「……やっぱり50メートルじゃ速度が出し切れないですね」
「何か同じようなことさっき聞いた気が」
横からそんな感想が聞こえてきた辺りで「あれ?」と気付く。
長距離ならいざ知らず、この距離なら一息に踏破できてもおかしくない"個性"の持ち主が、未だ隣に辿り着いていないことに。
「緑谷、6秒83」
わたしの記録から約三秒半遅れてのゴール。
ひょっとしてと思い、横で見ていたお茶子ちゃんに聞いてみれば、やはり"個性"を使う素振りもなく普通に走っていたとのこと。
「……"個性"の発動自体に反動があるタイプなんでしょうか」
「……ああ、そっか、私らあの後見てへんかったから……」
あの日、人前でキラキラ(婉曲表現)を吐き散らかし搬送されたわたし達に、周囲に目を向ける余裕などあるはずもなく。
予想が当たっているとしたら、彼にとっては初日からとんでもない試練だなと、自分達も渦中にいることを含めても、そう思わざるを得なかった。
第二種目 握力
(……握る部分とそれ以外を別々に対象化、片方に掛かっている重力を反対向きに、そして両方を【加速】、【加速】、【加速】!)
―――113.7キロ
「スゲェな!? 女子の記録じゃねえ!!」
「でも握力計に触ってなくね!?」
「最早何計ってるんだそれ!?」
クラスメイト達の突っ込みに「《確かに!?》」と思って先生を仰ぎ見たところ、「構わん」の一言を貰えてほっと一息。
……緑谷さんは『何か』を思い出したらしく目が怯えていたけど。
ただその後、八百万さんという女子生徒が"個性"で作ったらしい万力で握力計を締めあげている様を見て、向けられたクラスメイトの視線が少し痛かった。
《……アレがアリなら、コレもアリになっちゃうわよね》
「……なんか、ごめんなさい」
第三種目 立ち幅跳び
「干河、お前の飛行技だが、飛行時間に制限はあるか?」
「いえ、わたし自身のみを"個性"対象にしている限りほぼ無制限です」
―――
「アリなんすかそれぇっ!?」
「測るだけ時間の無駄だからな」
……ありがたいけど総合成績にはどう反映されるんだろうか。
第四種目 反復横跳び
(……【加速】、【反射】、【加速】、【反射】、【反射】【反射】【反射】【加速】【反射】【反射】【反射】【加速】―――っ!)
「残像っ!? 残像できてんぞっ!」
「幾ら何でも速過ぎるだろっ!?」
「というかコレ計測出来てるのか緑谷ぁ!?」
カウント役の緑谷さんの目が追いつかなかったらしく、記録は一旦保留。
次に計測した峰田さんという男子生徒が触れると反発する弾? を頭から出す"個性"を活用し、ぎりぎりカウント可能な速度で100回を超える記録を計上。
それから「……二倍くらいか?」という相澤先生の一言で、わたしの記録は200回となった。
第五種目 ソフトボール投げ
この種目で、わたしの立ち幅跳びに続き二人目の、記録:∞が出た。
お茶子ちゃんの触れたものを無重力にする"個性"により、彼女が投げたボールはふわふわと空の彼方へ消えていき。
暫くそれを眺めていた相澤先生は、やがて計測器に『∞』を表示させ、記録にすると宣言。
わたしは《何でそんな機能付けているのよ》という声を聞きながら、戻って来るお茶子ちゃんを笑顔で迎えた。
「やったね、お茶子ちゃーん」
「やったよ、歩ちゃーん」
「仲良いなあ……∞コンビ」
「あれで入試が初対面ってマジかよ」
「最初名前逆だと思ってたわ」
「ああ、それぞれ相手の名前呼んだんだと思ったよな」
そしてわたしの出番が来たとき、また相澤先生に尋ねられた。
「何かしらの制限があるなら聞いておくが」
「あ、わたしは今回『∞』は無理です」
クラスメイト達からも含めて意外そうな目を向けられたので、"個性"の制約について説明した。
対象化の射程範囲は半径二メートルだが、操作の限界範囲は半径三十メートルまで。
なので、ほどよく加速させつつ操作限界ギリギリまで飛ばし、そこから理想の投射角を設定して射出する予定であると申告。
「―――理想の射出位置と角度をこの場で計算するのは無理があるので、前者を垂直水平距離共に正弦余弦45度……約21メートル地点に、後者を30度に設定しようかと思っています」
「……既にそこまで細かな調整が可能なのか」
驚かれながら申告通りの操作を行い、記録は252メートル。
《概算結果は約270メートルだけど、空気圧とかあるものね》というのが『彼女』の感想。
投げ終わった後で、待機するクラスメイト達の中に戻ってお茶子ちゃんを探すと、教室でも少し話した眼鏡の男子―――飯田さんと話しているところだった。
どうやら次に投げる緑谷さんについて、そろそろ大記録が出ないと危ないのではという話をしていたらしい。
「……そういえば飯田さんも入試の時、同じ試験会場でしたよね?」
「ああ、覚えていてくれたのか。てっきり視界に入っていなかったのかと……」
苦笑いを浮かべる飯田さんに、はて、と首を傾げる。
何か気にするようなことをしたかと浮かんだ問いに、頭の中から回答があった。
《教室のアレのせいね》
「あっ……ごめんなさい」
「いや、気にしないでくれ。それより何か聞きたいことがあったのでは?」
「えっと、緑谷さんの"個性"についてなんですけど―――」
「あいつは"無個性"のザコなんだよ!」
「ひゃっ!?」
「"無個性"!? 彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」
「は?」
わたしの言葉を遮り、突然背後から怒鳴り声を浴びせてきた爆豪さん。
驚きで一瞬身を竦めたわたしが振り向くより早く、飯田さんがそれに反論。
身の置き所に困りながら向けた視界にお茶子ちゃんの手招きが見えたので、言い争いが始まる前にとそちらへ避難。
「あの会場に居た飯田さんなら緑谷さんの"個性"の反動について見ているかと思ったんですけど」
「今はやめとこか、うん」
―――その後、結果的には確認しにいく必要もなく、緑谷さんの"個性"についてはクラス全員がその大きすぎる欠点を知ることになった。
途轍もない強化倍率の代償となるのは、なんと強化した部位の粉砕骨折。
雄英には強力な"治癒系個性"の持ち主『リカバリーガール』が常駐しているからいいとしても、本来ならたった一度の使用で数ヶ月の療養期間が必要になる"個性"。
同じ"増強系"らしい砂藤さんという男子生徒が「パワー負けしてるけど全く羨ましくねぇ……」と真顔で呟くほどの凶悪過ぎるデメリット。
一人助ける代わりに木偶の坊になって終わり、ヒーローになれる"力"じゃない、という相澤先生の正論に対して、緑谷さんが出した返答はまさに斜め上。
壊れる部位を指一本に抑えて大記録を叩き出し、まだ動けますと宣言する姿に《いや、そういう問題かしらぁ……?》と珍しく自信無さげな声が聞こえた。
―――その後、持久走とは? と思いつつ飛行していたらバイクに追われ。
流石に長座体前屈の計測器に『干渉』するのは違うなあ、と普通に測り。
上体起こしに活かせる手段は無いな、と普通に測り。
全ての種目の計測が終わり、クラス全員が何となく最下位の人間を察して沈鬱になる空気の中で、
「ちなみに除籍はウソな」
「「「……!?」」」
「君達の最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「はーー!!?」」」
誰よりも凄まじい反応をしていたのが、すわ、この世の終わりかという顔をしていたところから奇跡の生還と相成った緑谷さん。
そんな彼に相澤先生は、その指リカバリーガールに治してもらってこい、と淡々と教師のサイン済み保健室利用書を渡して校舎に戻っていった。
(……どう思います?)
《……もし本当にその権限を持っていて、毎年こんなやり取りをしているとしたら、二年生以上の学年に除籍された生徒が数人は居るでしょうね》
相澤先生と似た所がある『干渉』なら、即答してくれるかと思っていたわたしの予想に反して、『彼女』は相当に悩みながら返答した。
《けれど除籍された生徒の保護者はまず納得しないし相応に揉めることになる。それはあの先生が嫌う非合理な気がするのだけど……》
(じゃあ、やっぱり本当に嘘?)
《……人となりが分かれば本当にやる人間かどうかも想像できるでしょうけれど、それには情報が足りな過ぎるわ。まあ、とにかくヒーローを目指そうというなら、嘘だと思い込んで行動するのは危険極まりないとだけ言っておくわよ》
(あ、はい)
出席番号を確認すべくA組全員の苗字を書き出そうとする。
→折角なので記憶だけでいけるか挑戦する。
→残り二枠になったところで歩ちゃん未記入に気付き、残り一枠。
→十数分唸ったところで尾白くん未記入に気付く。
→思わず爆笑。ごめんね尾白くん。
→かな順並び替えで歩ちゃんが爆豪と緑谷の間になることに気付く。マジかよ。
→並走相手が爆豪から歩ちゃんに変わったお陰で爆風の妨害を受けなかった緑谷くん。50m走記録ちょっぴり良化(7.02 → 6.83)