ダンジョンに穢れ持ち種族が潜るのは間違っているのだろうか? 再演   作:どらむすいいよね

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レベルの意味

 ヘスティアのホームである廃教会の地下にある空間で、ヘスティアとベルは一室にて契約を結んでいた。

 

「よし、ベル君。 終わったよ」

「ありがとうございます、神様」

 

 ベルは自身に満ちていく力を感じる。 神の血(イコル)が自身を組み替えるというべき感覚に少し戸惑いつつ。 そのステイタスが記された紙を受け取った。

 

 共通語(コイネー)で書かかれたステイタスは以下の通りだった。

 

 ──────

 

 ベル・クラネル

 

 Lv1

 力I:0

 耐久I:0

 器用I:0

 敏捷I:0

 魔力I:0

 

≪魔法≫

【】

 

≪スキル≫

【】

 

 ──────

 

 想像の通りのまっさらなステイタスとアビリティ。

 

 それをみて、ベルは冒険者となったと実感する。

 

「次はシルヴァ君。 こっちに来てくれ」

「ん、諒解なのじゃ」

 

 愛称で呼ばれたシルヴァリアは素直にヘスティアの部屋へ入る。 シルヴァリアは色々気にしないが、流石にヘスティアがそうはいかないと彼女を自室に呼んでステイタスを刻む。

 

「ふぁ、れべ、れべべべ……じゅぅ、な、な???」

「ん? どうかしたかの、主様?」

「……はっ。 いや、なんでもないよ」

 

「そうかの?」とドレスを着直すシルヴァリアにヘスティアは震える手で記した紙を彼女に渡す。

 

 ──────

 

 シルヴァリア・ルーカス

 

 Lv17

 力S:999

 耐久S:999

 器用S:999

 敏捷S:999

 魔力S:999

 

≪発展アビリティ≫

 剣士:A 耐異常:F 狩人:H

 

≪魔法≫

 

【テレポート】

 ・五節詠唱魔法

 ・自身を含めた任意の人物を連れ、任意の場所への瞬間移動。

 ・一度に5人まで帰還可能。

 詠唱式『外界の理。 次元分かち、天に飛べ。 掴みし道、望むはかの故郷への道。 裂け、()け、()け。 其は外界の理、一三位の法』

 

【ディメンション・ソード】

 ・速攻魔法

 ・魔力で構築した次元の刃を敵一直線に振り下ろす。

 ・魔力に3倍の補正がかかった威力となる。

 

【】

 

【】

 

≪スキル≫

二剣無双(ダブル・サーガ)

 ・二刀流の時、高いアビリティ補正を得る。

 ・剣の装備時、剣に魔力分の威力上乗せ。

 ・剣の装備時、高い敏捷のアビリティ補正を得る。

 

神速の翼(ゼファー・ジルバリオ)

 ・飛行中、移動速度倍加。

 ・飛行中、敏捷のアビリティに補正を得る。

 ・自在に、翼の体積を伸縮可能。

 

龍の乙女(ドラグ・メイデン)

 ・物理・魔法攻撃に耐性。

 ・ポーションの効率を高める。

 ・宝物探知能力(レアドロップ)の向上

 

 ──────

 

「主様……これは」

「正真正銘、君のステイタスさ。 ここまでとは予測できなかった」

 

 唖然とするシルヴァリア、頭を抱えるヘスティア。

 

「シルヴァ君。 君のそのスキルは強力なレアスキルだよね……どう考えても」

「そも、飛行できる種族は……他におるのかの?」

「いないね。 魔法で擬似的な飛行をする子もたまにいるけど」

「やぁれ……あい分かった。 人に明かす愚行は慎む方針で行こうかの……主様もそれで良いか?」

「うん、そうしてくれると助かるよ。 最悪、ほかの神たちのおもちゃにされるし……通常3つの魔法のスロットが4つでしかも習得済みなのが次元移動と次元斬とか……」

 

 頭を抱えるヘスティアの呟き。 それを聞いたシルヴァリアは神妙な顔で頷きつつ。 ヘスティアの部屋を退室した。

 

「あ、シルヴァさん。 終わったんですか?」

「うむ。 ステイタスは、まぁまぁだったの」

「まぁまぁ……ですか」

「まぁ、こんな感じじゃの」

 

 シルヴァリアはそう言いながら、自らのステイタスの記された紙をベルに見せる。

 

「レベル17っ!? え、えぇぇぇっ!? 魔法、4つ!? なんですかこのスキル!?」

「落ち着くのじゃ。しかし、4つか。 何か関係があるのかの」

「は、はいいっ! 何か言いましたか!?」

「構うでない、独り言なのじゃ。 で、まぁ。 ベルの、儂のスキル等々は内密に、の?」

「……そうですね。 わかりました」

 

 そう言いながら、シルヴァリアは考査する。 自らの戦闘特技と種族特徴、技能がスキルに関係していると、この世界の法則に落とし込まれたものと分析した。

 

 二剣無双(ダブル・サーガ)は二刀流+強化魔力撃+心眼と言うなんとも言い難いチートスキルらしい。

 

 神速の翼(ゼファー・ジルバリオ)はドレイクのLv13時の種族特徴を再現したものだろうか。

 

 龍の乙女(ドラグ・メイデン)はスカウト技能+レンジャー技能が……耐性については一切が不明であるが。

 

 魔法はソーサラーの魔法。 魔法拡大/数がテレポートに組み込まれ、ディメンション・ソードにマルチアクションが組み込まれた形だろうか?

 前々より愛用していた魔法が自分に溶け込んだ様な気分になっていた。

 

「まぁ、多くを考え込んでも仕方ないのじゃ。 して、ベル。 明日バベルへ向かう故に、朝早めに行動する……良いかの?」

「早速ダンジョンに潜るんですか?」

「戯け。 用意なく、ダンジョンに潜るバカがどこにおる? ステイタスを得たとはいえ、お主はひよっこじゃろう」

 

 シルヴァリアは冷たい視線を浴びせてベルを牽制する。

 

「儂はいろんなところを回っておってな。 危険をよく知っておる。 危険を回避するためには、きっちりとした事前準備や知識を持つことが大事なのじゃ」

「は、はい! わかりました!」

 

 シルヴァリアの言葉に、ベルは反論の余地はないと、降伏宣言とも言える返事をかえす。 そんな状況にはやくも、ファミリアの中で力関係の構図が浮かび上がっている事実に引きつった笑みを浮かべるベル。

 

「(おじいちゃん……ハーレムって目標、最初から頓挫しそうです)」

 

 なお、余談ではあるが、その日シルヴァリアはベルをソファで寝かせて、自らは床に座って眠っていたと言う……まるで武士のように背中を壁に任せながら。

 

 

 ☆

 

 

 ヘスティア・ファミリアに入団した翌日。 儂はベルを連れ立ってバベルにやってきていた。 まずは冒険者ギルドに顔を出して、冒険者の登録をする事とベルの装備をどうにかする事を目的にせねばならん。

 ベルの武器は粗末な食材用のナイフだと言う。 武器としての性能なんて、お察し故にそこそこなナイフを買ってやろうかと模索しておるが……。

 

「しかし。 機能美はともかく、ゴテゴテとしてあるの」

「はえー、大きいですね……これがバベル」

 

 儂とベルの感想はそんなもん。 冒険者ギルドに向かい、窓口に声をかけて、儂を見て驚きかけるもギルドの職員は指示をくれる。 個別の窓口に行くのかと思ったら、儂らは一緒に通された。

 

「あなたたち、ヘスティア・ファミリアの担当になったアドバイザーのエイナ・チュールです。 よろしくお願いします」

「シルヴァリア・ルーカスじゃ。 うむ、こちらこそ宜しく頼むぞ、チュール殿」

「ベル・クラネルです。 エイナさん、宜しくお願いします!」

「こらベル。 いきなり人の名前を呼ぶでない」

「あ、ごめんなさい!」

 

 いきなりチュール殿の名を呼ぶベルを注意する。 しかし彼女は「エイナさんでも構わないわ」と言葉をくれたことに内心ホッとした。

 

「親しき仲にも礼儀あり。 なのじゃが、チュール殿……いや、エイナ殿が良いのであれば儂はなにも言えまい」

 

 そう言うことで、儂らはエイナの指導の元、冒険者の登録の手続きを済ませた。

 

「二人はすぐにダンジョンに潜るの?」

「いや、それはないの。 まずは備えをせねばならん……して、エイナ殿。 この近辺に換金所はあるかの?」

「換金所? ああ、ならここから出てすぐのところにあるけれど……何かを売るの?」

「うむ。 今の手持ちではベルの装備をどうにかできそうにない故にの。 これを換金してもらうつもりじゃ」

 

 四次元かばんからずるずると《魔晶石 20点》を取り出す。 聞いた話が確かなら、魔晶石は魔石としても使えるはずだ。

 

「な、そんな大きな魔石があるなんて……それは?」

「うむ。 遠いワシの故郷にて使われてあったアイテムじゃ。 まぁ、神の恩恵(ファルナ)なんてものはなかったがの」

 

 エイナの案内に従って、ギルドの換金所に魔晶石を押し付けると、1つが10万ヴァリスになった……なん……だと……?

 

「これなら申し分のない武器を買えそうだの」

「こ、こんな大金……見たことありません」

「ほかの大規模なファミリアでならこれくらい1日で稼ぎよるわ。 では行くぞ」

 

 ヘファイストスファミリアにて、ベルの防具と武器を買う。 防具は軽鎧、武器はナイフ。 フェンサーを彷彿とさせるものだった。

 

「すんなり決まったの……時間も余ってあるし、少しダンジョンの空気に触れるか? すこし、儂も興味があるしのぅ」

「ヤッター! ならいきましょう、シルヴァさん!」

「こ、こら、引っ張るでない……全く、仕方ないのぅ」

 

 エイナの元に戻り、事情を説明しながら儂らは1階層から5階層までの魔物のデータが記されたパンフレットを受け取って、ダンジョンに行く。

 

 降りるとしても、上層の1〜3階層にしか行かないつもりだ。

 

 はじめてのダンジョンに胸を高鳴らすベルに苦笑しつつ、その後を追う。

 

 まぁ、まずは初戦……無様を晒す事もないが気を引き締めていこう。

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