「そういえば兄さん、デク呼びで良いのですか?」
学食が最高でB組と友好関係を築いたあと、先生が来るまでの時間で朝から気になっていた麗日さんのデク君呼びについて尋ねた。ボスが呼びだしたそのあだ名をてっきり嫌っていたのだと思っていたのだが。
「麗日さんがね、頑張れって感じでなんか好きだって言ってくれたんだ」
やはり幼馴染(男)より女の子ですよね。
ボスにしても(一時期かなり嫌っていたが)呼びやすいから使っているだけですし。
「そういえば学食はどうだったの?」
ヒーローグッズ購入のため金欠な兄は今日は学食を利用していない。
「メニューを三割制覇してきました」
「かっちゃんには後で謝っとくね」
あまり迷惑かけるなよと注意される、解せん。
「あとA組は学年規模で嫌われているみたいですよ」
「ちょっとその話詳しく」
「わーたーしーがー!!」
「ほら先生来ましたよ」
「オールマイトォーー!!」
「「「そっち優先かよ緑谷兄っ!!」」」
私達の話に聞き耳立ててた皆さんが、話よりも現れたオールマイトに反応して叫んだ兄に一斉にツッコミを入れました。
ヒーロー基礎学、ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う課目で今日は戦闘訓練を行うそうです。
そしてそれに伴って入学前に提出した個性届と要望に沿ってあつらえられた戦闘服が支給される。試作品だったり企業との提携もあるのでしょうが太っ腹ですよね雄英高校。まあ雄英高校卒業生はヒーローデビュー後もそのコスチュームを使用するから利益はでそうですが。
「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!!自覚するのだ!!今日から自分はヒーローなんだと!!」
オールマイトの言葉に猛りながら始まる戦闘訓練、これこれがヒーローを志す皆の夢の第一歩なんですね。
移動した先で着替えて並ぶ生徒達。
個性と好みに合わせた格好は独特だが多様で見ていて飽きない。個人的には前世の海軍のように統一されているのも格好良いと思いますが。
一部生徒(兄と峰田氏)が女性陣の格好に反応してますね。葉隠さんなんか手袋とブーツだけですし。
ちなみに兄さんは母さんの手作りのコスチュームで、私は背広に狐面だけのシンプルなものです。背広は父さんのお下がりを防刃や防弾仕様に仕立て直してもらい、顔を覆う狐面は防塵防毒と機能がついています。
ヒーローよりSPとか戦闘員みたいとか言われてますね。前世もこんな感じだったからしっくりきて動きやすいのですよ。ぶっちゃけ六式と覇気で装備の強度はなんとかなりますし。
授業内容についてはオールマイトがカンペを見ながら生徒達の質問に聖徳太子しつつも説明した。
というか皆が熱心なのも分かりますが先生の説明終わってから質問しましょうよ。
内容は対人戦闘訓練。
敵組とヒーロー組に分かれての屋内戦。
ヒーロー組は制限時間内に敵を捕まえるか核兵器の回収が勝利条件で。
敵組は制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕らえること。
班分けと対戦相手はくじで決めて、人数の関係上3人組もある。
といった感じだ。
なおそれぞれ開始前に作戦会議の時間と敵組は希望で準備時間を与えられる。
やり方に個性次第では個人戦闘による制圧戦から、状況を活かした頭脳戦、トラップを多用した攻城戦もできますね。
私が組むことになったのは八百万さんと峰田君、対戦相手は耳郎さんと上鳴君ですか。
さてどうしますか。二人ともサポート役として有能だからなんでもできますね。
そして最初の戦いはヒーロー組が兄さんと麗日さん、敵組がボスと飯田君の組み合わせです。
「なあよお」
「なんです?」
訓練を地下モニタールームで見ていると、峰田君から声をかけられます。
「片方は双子の兄で、片方は幼馴染なんだろ。親しくて詳しいならどっち勝つと思うんだ?」
勝敗予想ですか、飯田君と麗日さんの個性と実力は昨日知りましたからそれを加味して。
「敵組、ボスと飯田君ですね」
今回は麗日さんが運が無い感じですね。
「おう、そらどうしてだ?」
切島君も気になったようで尋ねてきます。どちらも身内だから贔屓目は無いと判断したようですね。
「単純に戦闘力差、戦闘力の合計が敵組が上です。
ボスも飯田君も対人戦闘で兄さんと麗日さんより強いからです」
ボスはこの中で実力が頭抜けていて、兄さんと飯田君は出力は兄さんが上でも個性の熟練度と体捌きは飯田君が上、暴発を警戒してぎこちない動きの兄さんより動きやすい場所の飯田君は強いでしょう。麗日さんは触れたら勝てる反則的な個性ですが今回は相性が最悪です。爆破にエンジンは無重力にしても機動できる個性ですし、そもそも彼女では二人に触れることが先ずできない。
「作戦次第ではまだ希望がありますが、それも敵組の油断がないと無理でしょうね」
ボスが油断なんてするとは思えませんが。