爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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第18話

 

 なんやかんや参加者も増えて忙しくなり放課後マックもできず(泣)に時間は過ぎて迎えた体育祭当日。

 ヒーロー科のみ学校から用意されているヒーローコスチュームは他科と公平を期すために着用不可で残念がったり、全国テレビ中継を前に緊張したりと皆控室にて体育祭開始までの時間を思い思いに過ごしています。

 しかしなんで一部のクラスメートがジト目で私を見ているのでしょうか?彼らに何かしましたっけ?

  

「爆豪と緑谷弟の強さが気になって」

 

「放課後に施設借りて組手しているの知って」

 

「B組も参加しているから混ぜてもらったけど」

 

「「「組手で一方的にボコられ続けて二週間終わったよね」」」

 

 見てたのは自主練に参加された方々でした。

 

「え、何そんなことしてたの?」

 

 A組全員ではなく自分から申し出た人だけなんですよね、上鳴君なんかは不参加どころか知らなかったみたいですね。兄さんもオールマイトとの訓練を優先してましたし。

 

「二週間の放課後だけで何か出来るわけねえだろ。六式に覇気もそう簡単には身につかねえし、実戦経験とB組との個性の議論出来ただけ上等だ」

 

 集中していたボスがそこでフォローしてくれます。まあ六式という形は個性で再現なりアレンジするだけでも有用ですから無駄ではないと思います、何より。

 

「負けるという経験は貴重ですよ。負けても死なずに済むなんて実戦ではありえませんから」

 

 だから前世の私はエドワード・ニューゲートにしか負けたこと無いんですよね。

 

「いや、だからさ」

 

「なんでこう」

 

「無駄に言葉が闇深いんだコイツ」

 

「実感あり過ぎてドン引きだっつの」

 

「ケロ、爽やかな笑顔で言うことではないわ」

 

 過去は過去ですからねえ。

 

「えー、なんで誘ってくれなかったんだよ」

 

「オイラも他クラスの女の子と知り合いたかった」

 

「んな、楽しいもんじゃ無かったっての」

 

「襲撃事件の時より心へし折れかけたよ」

 

「圧倒的なんだよな、実力差」

 

「傷どころか汚れ一つ付けられなかったわ」

 

 今の私は見聞色の覇気を優先して鍛えてます、だから組手では常時使用しているため実際よりも差があるように見えてしまうのでしょうね。

 訓練でやっていることは基本私との組手です。人間はやったことしかできない、だからこそボスは自分の全力が通じない状況を経験しようとしています。あらゆる状況、あらゆる体勢、あらゆる場所、それらを経験することで実戦で出来ることを増やそうとしているのです。実際問題として、自慢の必殺技で有名なヒーローがソレが通じない状況で何もできなくなるという事例はよくあることみたいですし。

 だからボスは実戦でそうならないためにあらゆる敗北を日々経験しているのです。

 そろそろ武装色の覇気も使わないとボスの相手はしんどいのですが。

 

「緑谷一号」

 

「一号っ?!」

 

 誰ですか天然な轟君にそんな面白呼び方教えたの?名前で呼ぶのは照れくさいからとかなんとかで、緑谷兄や緑谷弟で呼ばれることは多いですが、一号呼びは初めてですね。

 

「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」

 

「へ!? うっうん」

 

 ワンフォーオール発動して押し切れればなんとかいけそうですが、まだ制御に難ありですから長期戦だと勝ち目無いですね。

 

「おまえオールマイトに目ぇかけられてるよな、別にそこ詮索するつもりはねぇが、おまえには勝つぞ」

 

 轟君もオールマイトガチファンなんでしょうか?ヒーローを志す者で憧れない人はそうはいませんけど。というか学校内ですら関係知られてるのですか、ワンフォーオールの存在を知る者が調べたら一発で個性の継承がバレますね、もう少し隠蔽に力を入れて欲しいです。

 

「おお推薦組が宣戦布告」

 

「なぜ来久さんの方ではないのでしょうか?」

 

「むしろ爆豪でしょ普通は」

 

 実力ではなくオールマイトとの間柄が轟君には重要なんですかね?

 

「急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって」

 

「仲良しごっこじゃねえんだ、何だって良いだろ」

 

 しかし兄さん、貴方はオールマイトに認められた者、言われっぱなしで良いのですか?

 

「そりゃ君の方が上だよ、実力なんて上の人はいくらでもいる、来久には勝てる気しないし。

 でも、皆本気でトップ狙ってるんだ。僕だって遅れを取るわけにはいかないんだ。

 僕も本気で獲りに行く!」

 

「おお」

 

 そうです、それで良い。

 気概で負けては勝てはしませんから。

 

「命令だ、来久」

 

 ボス?

 

「お前も全力でやれ、俺相手でもな」

 

「イエス、マイヒーロー」

 

 あまり乗り気はしませんが、貴方が乗り越える壁が高くあることを望むならば応えましょう。

 それが私の在り方ですから。

 薄暗い廊下を越え、皆胸を張り一歩踏み出す。

 老若男女誰もが注目するこの舞台で誰が頂きに立つのでしょうか。

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!

 出荷したての一年坊主共をわざわざ見に来てくれた観客諸君もちろん損はさせねえぜ、コイツラも雄英自慢の卵共!!ヒーロー科!!一年A組B組だあっ!!』

 

 司会担当のプレゼント・マイク先生により、ヒーロー科両クラスの期待の高さを叫ばれながらの入場(事件にはあえて触れてませんね)です。

 他科も紹介されますが、転入を狙っているそうですから油断できませんね。やる気の無い人もちらほら見受けられますが、彼らも日本屈指のトップエリートです。

 

「選手宣誓!!」

 

 ヒーローの格好に今更ツッコミませんが恥ずかしくないのでしょうか、あの格好。

 前世の半裸や上着を羽織っただけの海賊達より、コスチュームを着たヒーローの方がなんで卑猥に感じるのでしょうね。

 

「18禁なのに高校にいてもいいものか」

 

 天下の往来の方がむしろダメでは? 

 

「いい」

 

「静かにしなさい!!選手代表!!

 1ーA 爆豪勝己!!」

 

「爆豪強いしな」

 

「来久だと絶対やらかすから良かった」

 

 どういう意味ですか緑谷一号もとい兄さん。

 

「宣誓、我ら雄英高校一年一同先達であるヒーロー達に恥じぬよう正々堂々、力の限り戦い抜くことを誓います」

 

 良い宣誓だと思いますよけど、ボスを知る誰もが物足りなそうですね。らしくないように感じたのかも知れません、けど大丈夫です。

 

「そしてそれを踏まえて、」

 

 だって、

 

「この場にいる全ての強敵達を超えて、俺が天辺に立つ」

 

 彼は爆豪勝己だから。

 

「俺はナンバー1ヒーローに成る男だあっ!!」

 

 私は彼の後ろをついて行く。

 

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