爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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 原作改変有りです(今更)


第19話

 

 ボスの宣誓に誰もが震えていた。

 雄英体育祭はヒーロー科が主役(文化祭は他科が主役だが)、ヒーロー科のみの戦闘を含めた実技試験を突破したこと、数ヶ月とはいえプロヒーローから個性を使用した戦闘訓練を受けた事実は明確な差となって表れてしまう。雄英高校の訓練施設自体は使用可能だ、自主練で己を高めることは奨励されている。

 だがそれでも差はある、ヒーロー科への転科が年間で一名いるかどうかである事実からして明白だ。

 自身が成長している間、ヒーロー科生もまた成長するのだから。

 ゆえに体育祭自体にやる気の無い生徒も多い、ヒーロー科の引き立て役だと腐る者もいる。

 けれど認めたのだ、ヒーロー科のトップが、自分らもまた彼にとっての強敵なのだと。

 やってやろう、そんな風に彼らは今思っているのでしょうね。

 そしてナンバー1ヒーローになる、というボスの宣言。

 ボスはまた自らを追い込んだのだろう。既に失笑する者とている大言壮語、だがそれでも彼はする。

 夢は、目標は、野望は、口に出し叫ぶことから始まるのだから。

 ヒーローになることがゴールだと思っている者も、憧れの人を目指す者も、ヒーローになってから為したいことのある者も、オールマイトのように成りたい兄も、ボスの宣言に魂が揺さぶられた。

 ついでに「青いわあ」とミッドナイトが涎垂らして悶ていた、全国中継ですよコレ。

 

 気を取り直して第一種目、涎を拭ったミッドナイトがカメラ映えする目線で発表したものは障害物競走。仕掛けの施されたスタジアム外周を一年全生徒で個性使用を含めたなんでもありレースだ。

 全員が移動する中、B組のメンバーとも合流。

 放課後自主練で知り合ったメンバーが声をかけるのだが、

 

「物間君はどうしたんですか?いませんけど」

 

 一名欠員。

 B組の先導役にしてリーダー格の物間寧人がそこには居ません。病欠か家の事情でしょうか。

 

「あー、あいつはちょっとな」

 

 気まずそうにB組の実力者である推薦組の骨抜柔造君が職員の待機してるテントを指差します。そこに彼は居ました、悟りきった表情で。

 

「何しでかしたんですか彼」

 

「先生方の手伝いの結果、個性でリカバリーガールの個性までコピーできることが判明してな。ヴィランに狙われることを考慮して自衛できる力が付くまでテレビとかに出すのは危険なんだと」

 

 なるほど保護と言うわけですか。 

 ヴィラン襲撃の嫌な影響ですね。

 希少なリカバリーガールの個性に相澤先生の抹消も使えるなら物間君の価値は計り知れません。

 

「ということは、今後保健室で物間君のチユー顔が見れるのですかね」

 

 アレってリカバリーガールだから平気ですけど、別の誰かだと反応に困ります。

 

「「「!?!?」」」

 

「おい来久」

 

「はい?」

 

「種目開始前にB組を壊滅させるな」

 

 ボスの言葉に寸前まで話していた骨抜君を見たら、B組メンバー+自主練参加メンバーが笑いながら震えて蹲っていました。

 物間君のチユー顔を想像したらツボに入ったようですね。いやまあ日頃からイケメンなのに顔芸な人ですからね物間君。

 

「B組のブレイン不在で大丈夫ですかね」

 

「団体戦の時に居たら脅威なんだがなアイツ」

 

 難敵不在に残念そうなボス、指揮官として間違いなく有能ですからね。

 

「しかし保護のためとはいえ、不参加とは可哀想な話ですね」

 

 ヒーローらしからぬ、と自嘲する個性であるからこそ人の目にとまる活躍をしてほしいものですが。

 

「ある程度雄英高校でなんとかはしてくれるだろうがな、あるいは雄英高校で物間を囲い込みたいのかもしれねえぞ」

 

 リカバリーガールが二人いる状態でも雄英高校としては大助かりでしょうし、人手が増えるにこしたことないですからね。根津校長のような知能の高い指揮官としては是非手元に置いておきたいでしょう。

 良かったですね、雄英高校という就職先の当てができましたね。まあ個性についての造詣が深い上、教えることが上手でしたから教師向きですし。

 さらに物間君の個性は万全のサポートがあればより活きる。そして雄英高校より優れた設備と人材のある組織なんてそうはない。オールマイトも所属している今、日本どころか世界で最強なヒーロー事務所は間違いなく雄英高校ですからね。

 

「本人が納得しているなら仕方ねえ、来年に期待するとしよう」

 

 彼の向上心なら一年あればどれほど高みにいけるか楽しみですね。

 

「ん、んんんんん」

 

「ユイガ、ユイガ笑イスギテ呼吸ガッ!!」

 

「(チーン)」

 

「吹出ぇぇーー!!」

 

「しかしB組の皆さんはどうしましょうか」

 

「まだ時間あるし大丈夫だろ」

 

 笑いすぎて動けなくなった彼らも、第一種目開始までなんとか持ち直したようです。

 いよいよ開始です。

 全力でやる、それがボスの命令なので頑張るとしましょうか。

 

 

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