「個性婚に虐待同然のスパルタ教育ね、なるほど轟焦凍君が推薦組の中でも抜きん出た実力者なのもそんな背景あれば納得だね」
選出された個性に鍛える環境、優れた個体を作る上では必須な手順ですよね。
似たような環境を知るがゆえに私も納得してしまいますが、個性が絡むと微妙なんですよね。
「かのナンバー2ヒーローエンデヴァーがそんな事をしているなんてヒーローライセンスも危うくなるスキャンダルだけど個性婚自体を規制する法律はないし、むしろ奨励されてるんだよね。イメージ悪いだけで」
なんですよね。
ぶっちゃけ似た個性の人は趣味嗜好も似てるからカップルになりやすいってデータもありますし。
強い個性を意図的に生み出すことが嫌悪される要因なんですかね?
エンデヴァーの行為がアウトならお金持ち老人の後妻に納まる若い女性とかはどうなんだって話ですし。
「スパルタ教育にしてもね、エンデヴァーの息子で後継者候補なら強くないと危ないでしょ。有名ヒーローの家族狙うとか外国だと当たり前だし」
日本だとそこまでするヴィランがあまりいないみたいですね。家族を見せしめなんて個人じゃ厳しいですし、組織的なヴィラン集団が存在できない治安なのが今の日本ですから。
「だから、可哀想だなとか、複雑な家庭だなとか、児童相談所に行けよとか、しか思えないよ普通に」
なんですよねえ。
「個性を半端に使ってることには勝手にすればって思うよ正直、っていうか手加減は君で慣れてるから」
だって六式は暗殺術で覇気は消耗しますし。
「むしろエンデヴァーに反発するならヴィランになるのが普通でしょ」
エリート教育にキレて家を飛び出すアウトローみたいにですね。
「それしないのは轟君自身が気づかない願望があるんじゃない?家族が和解する未来とか」
あるいは成りたい自分があることを無意識に気付いているから、とかですかね。
だから彼はヴィランにならない。
「何はともあれヨソのご家庭の話だよ。
ヒーローも警察も民事不介入が原則だよ」
出来ることに制限あるのがこの社会のヒーローですからね、だからヴィジランテになるヒーローもいるわけですから。
「何よりさ」
?
「君は僕に答えを求める時点で論外なんだよ」
それは、
「爆豪君は両親が恋愛結婚した結果生まれた強個性だから知らないという形で戦うと決めた。君のお兄さんは轟君の思いに負けない思いがあると伝えた。けど君は?」
轟君の境遇に対して思うこと。
轟君にどうしてあげたいと思ったのか。
「勝つ以外できないのだから勝てば?
彼を救うことが出来るのは君でも僕でもお兄さんでもないよ」
兄さんでも救えない。
彼を救えるのはきっと、
「というかさ」
そう言葉を区切ると物間寧人君は額に青筋を浮かべながら言います。
「なんで僕に相談してるのかなぁっ!?
レクリエーション種目で怪我人続出したからリカバリーガールの手伝いでヘトヘトなんだけどぉっ!!
知りたくもないスキャンダルを知って胃が痛くなるんだけどぉっ!!
ついでにチユー顔でクラスの皆が爆笑したんだけどぉっ!!(笑ったヤツはリカバリーガールに後でシバかれた)」
いやだって頭良いですし。
体育祭無関係ですし。
ウチのクラスの女子がチアガールですから。
「最後関係ないよねっ!!
君は爆豪君に従っておけば良いんだよっ!!」
まー正直愚痴を言いたかっただけみたいな感じですからね。こんな事情とか境遇とかでのやる気の差を感じるのがしんどいのですよ。
レクリエーション種目は出禁ですし。
「アメリカとかなら一定戦闘能力あればヒーローに成れるから君ならそっち向きだよ」
だから一部地域だとヒーローは賞金稼ぎって呼ばれますしね。
「まあいいさ、来年はB組がトップを飾る。
覚悟するんだね」
今年は全滅でしたからね。
そうして相談にのってくれた物間君は去ってゆき、レクリエーション時間は過ぎました。
轟君に何かをしてあげたい。
この思いに嘘はありません。
けどそれが何か分からず、何も言葉がでないなら、何もすべきではないのでしょう。
なんとももどかしい気分です。
さて、最終種目。
例年一対一の競うトーナメント形式。
今年はどうなるのでしょうね。