爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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第23話

 

 眼福なクラスメート達のチアガール姿を堪能し、屋台をほぼ全て制覇し、いよいよ最終種目です。

 最終種目はガチンコ勝負。

 ドレスローザのコロシアムのようにリングでの一対一の戦いです。

 場外、行動不能、敗北宣言、をさせれば勝利。

 怪我に関してはリカバリーガールと物間君がいるから大丈夫ですね。

 初戦の組み合わせは、オールマイトの後継者である我が双子の兄緑谷出久、そしてヒーロー科であるB組を下した普通科の星である心操人使。

 肉体的には圧倒的に兄さんが上、ですが心操君の個性である洗脳は事前情報無ければ対処不可能な初見殺しの強個性。場外という勝利条件があるため心操君が有利ですね。

 兄さんは前種目の騎馬戦にてボスとのハチマキ争奪に集中していたため心操君の個性を知らない事実も心操君に有利な点です。

 とはいえ戦うには充分でも狭い舞台、兄さんが短期決戦狙いで攻撃してきたら心操君のフィジカルでは勝ち目がありません。

 洗脳にかかるかどうか、会話に乗るかどうか、それが勝敗を決めます。

 

「お前の弟って何なの?」

 

「そんなの誰よりも僕が思っているよっ!!」

 

 オイ兄。

 

「決まりだな」

 

「まあ、仕方ないね☆」

 

 フォローのしようが無いぞ兄。

 オールマイトも通路口から焦っていますよ。

 騎馬戦で組んで親しくなった尾白君も青山君も心操君の勝利を確信しましたね。

 多人数での乱戦ではなくタイマンバトルでは外部からの刺激は望めない。

 距離をおいている心操君にできたとしても苦し紛れは届かない。

 心操君の勝利です。

 

「ん?」

 

 気配が増えた?いや意識が増えたような?まるで悪魔の実の能力者のような人の中に何かいる気配。襲撃事件もあって緩くではあるが発動させてる見聞色の覇気に兄さんの中から反応がした。

 流石に距離がありますか。触れればまた別ですが恐らく原因はワンフォーオール、それが兄さんの内部から刺激を与え正気に戻したのか。

 心操君、貴方は勝っていました。

 これは勝てる戦いでした。

 けど勝てる戦いでも死ぬのが実戦。

 予想外なんてどこにでも転がっているのです。

 貴方はそれを経験できて、自身の課題にも気づけている。ならばあとは上がるだけです。貴方を応援する声はこんなにもあるのだから。

 惜しかったと呟く尾白君、残念だね☆と煌めく青山君、祝福する普通科の皆さんに、評価するヒーロー達、なんか勝った兄さんより認められてますね。

 

 続いての轟君と瀬呂君のバトル。

 拘束器具要らずの瀬呂君はヴィランの捕縛第一の現代のヒーローにもっとも適した者の一人。

 テープを用いた捕縛術に空中機動など練度が高く多彩であり優秀。この舞台でも有利に立ち回れる一人とも言える。

 ですが今回、相手が悪過ぎで不運過ぎた。

 精神的に荒れている様子の容赦無き氷結。

 審判であるミッドナイト先生も巻き込んだソレは観客の眼前まで届いていた。

 危ういですね。

 観客として訪れているエンデヴァーとの会合、それがこうも彼を乱している。

 自覚もあるようですが、不味い傾向ですね。

 っていうか次私の番でした。

 急がないと。

 対戦相手は上鳴君。

 ボスにも全力でやれと言われてますし、これ以上の醜態は晒せません。

 

 

「なあ緑谷二号」

 

 その呼び方定着してません?

 向き合い上鳴君には余裕の笑み。

 普段のだらしない三枚目顔や面白いウェイ顔とは違う自信のある勝者の顔。

 

「お前が強いのは知っている、けどな一号からお前の力があくまで体術だと聞いた。近寄らないと戦えないんだろ?」

 

 兄さんも一号で定着してますね。

 

「ならこの場所で俺の勝ちは揺るがねえ。

 この勝負、一瞬で終わるぜ」

 

 前世でも電撃ってあまり無かったので耐性付きませんでしたしね。噂のゴロゴロの実の能力者とは遭遇せずに死にましたし。

 

『試合開始っ!!』

 

「飛ぶ指銃 撥(威力控えめ)」

 

「ウェイ?」

 

『瞬殺!!』

 

 いや嵐脚も撥も使ってましたよね私。

 ガンマンの早撃ちの如く構えて撥を上鳴君の額に放てば、反応できずに命中しそのまま吹き飛び意識を失いました。

 いや、えっと。

 これはちょっと私に有利過ぎでしたね。

 

『なんつーかコレってズルくね?』

  

 ホラ、プレゼントマイク先生もそう言ってます。

 

『見えない拳銃を所持してるようなもんだしな、だが第一種目でも使っていた。ならやりようあっただろ』

 

 見えない拳銃とこの舞台で戦うとか、これ一本で下手したら勝てますよ私。

 

『アレは禁止にした方が良くね?』

 

『意味ないだろ。アイツは似た技を足に腕に下手したら頭突きでもできるからな』

 

『でもよー』

 

『緑谷二号は強い、手足拘束しても多分大概のヤツには勝てるよ』

 

 いくらなんでもそれは、いや生命帰還で髪を操ればいけますね割と。

 

『緑谷二号をどう超えるか、それが今回の体育祭のキモなんだよ』

 

 扱いがひどくないですか?

 選手じゃなくてギミックですよね。

 

 

 それからの戦いですが、

 機動戦に長けた飯田君は、その生真面目な性格をサポート科の発目さんに利用されてサポートアイテムアピールをし尽くして勝利。

 

 遠距離攻撃が出来る青山君とフィジカル女子トップな芦戸さんの戦いは、直線なレーザーの軌道を見切られ接近され個性制御のベルトを酸にて壊されて青山君の敗北。

 常闇君と八百万さんの戦いは、八百万さんが創造したモノで黒影を凌げず常闇君の勝利。八百万さんは創造に集中がいるため複雑な道具を創れなかったことが敗因ですね。

 尾白君と切島君の戦いは、硬化の切島君に対して体捌きにてあしらい場外に強靭な尻尾で投げることにて尾白君の勝利。武術を修めた者には殴るだけでは当たることはない、格闘技の経験の差が出ましたね。

 そしてボスと麗日さんの戦い。

 ボスは個性を使わずに体術のみにて勝利。

 爆破は自身の視界を遮る上、気絶程度の威力は根性で耐えきられる可能性がある。

 彼女の無重力は掌で触れることで発動する。ならば伸ばしてくる掌を腕を弾くことにて逸らし、側頭部を強打することで意識を奪う。

 この舞台だと一部を除いて体術の実力が結果にでますね。個性を扱うのがヒーローではない、個性も用いて戦うのがヒーローなのですから。

 まあ、あの受験勉強しながら体術極めるとか。学者とアスリートを同時になろうとするくらいの無茶なんですけどね。私の場合は個性のおかげでなんとかなっただけですし。

 兄さんがオールマイトの期待と心操君に麗日さんの結果と轟君の件で思い詰めている、ここからどうするかが兄さんのヒーローとしての在り方に関わるのですね。

 私はどうしますか。

 正直悩んだり思ったりすることがありましたが、最終種目が始まった時点でもうどうしようもない。

 ボスが全力でやれと命じた、ならばやるだけだ。

 そうすればどんな形であれ、何かはあるのだから。

 

 

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