爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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第27話

 

「それではこれより!!表彰式に移ります!」

 

 どうでも良いですけどミッドナイトの美貌と格好が大半の生徒より目立って視線を集めている件について。

 

「メダル授与よ!!今年メダルを授与するのはもちろんこの人!!」

 

 相澤先生ですかね?担任ですし。

 

「私がメダルを持って来「我らがヒーローオールマイトォ!!」」

 

 段取り下手ですねえ。

 

「常闇少年おめでとう!強いな君は!

 ただ相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ、もっと自力を鍛えれば取れる択が増すだろう」

 

 今の身体能力では厳しいですが、六式を体得できたら黒影と同時に指銃とか強そうですね。

 

「轟少年おめでとう」

 

「緑谷少年達との戦いで君に何か得る物があったかな?」

 

「一号戦でキッカケと助言を貰いました、二号戦では強さの差ってのを叩き込まれました。

 だからあなたが一号を気にかけるのも少しわかった気がします」

 

 良い言葉ですが一号二号呼びで脱力しますよ、誰だ言い出した人。

 

「俺もあなたのようなヒーローになりたかった、ただ俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃない駄目だと思った。精算しなきゃならないモノがまだある」

 

 家族関係ですか、今生での良縁には感謝ですね。

 

「顔が以前と全然違う、深くは聞くまいよ。今の君ならきっと精算できる」

 

 どうでも良いですが、表彰者へのオールマイトのハグに兄さんがヤバい顔して羨ましがっていて周囲がドン引きしてるのですが。私は遠慮したいなあ。

 

「緑谷来久少年、圧倒的だったね!!」

 

「戦闘能力だけはありますから」

 

「なーに、私も似たようなモンさ。書類仕事とかてんで駄目だからね!!」

 

「それは個人事業主としてどうなんです?」

 

「この体育祭は君に何を与えたかな?」

 

「至らなさを知りました、思い知らされました」

 

「これからだっ!そう思って頑張るのさ!」

 

「ハイ」

 

 オールマイトからのハグを躱して頷く。

 体育祭では終始余裕(脱落はしかけた)でしたが。轟君には何もできず、最後には暴走しかけた。情けないにも程がありますね。私はあまりにも足りない。

 

「さて爆豪少年!!

 伏線回収見事だったな、君は一位になった」

 

「嬉しいとは思う、だが驕りはしねえ。此処はあくまで通過点で達成できて当たり前の課題に過ぎないんだよっ!!」

 

「その向上心ごと君であり、だから君は強いんだねっ!!その不変の絶対評価を持ち続けるんだ、それが君をナンバー1ヒーローにするだろうっ!!」

 

 ボスにトップの証たる金メダルがかけられる。将来の予定にて達成することが前提の証。ですがそこに辿り着くまでのボスの苦労を思い出し目頭が熱くなります。かつてテレビで見た憧れに貴方はまた一つ辿り着いたのですね。

 

「さあ今回は彼らだった!!

 しかし皆さん!この場の誰にもここに立つ可能性はあった!!ご覧いただいた通りだ!

 競い! 高め合い! さらに先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!てな感じで最後に一言!!」

 

「皆さんご唱和下さい!! せーの

 おつかれさまでした!!!」

 

 いや段取り下手かこの人。

 オールマイト以外会場中プルス・ウルトラじゃないですか。

 教室に戻って二日間の休校とプロヒーローからの指名について説明を受ける。

 さてどうなるやら、私の戦い方はプロヒーローにどんな風に映ったのやら。

 流石に職場体験でボスと一緒の場所に参加は無理でしょうし。

 

 そして私はボスと共に帰路についていた。

 いつもそうだが今日は話したいことがある。

 

「おめでとうございますボス、目標を一つ達成できましたね」

 

「ああトップヒーローとの顔繋ぎに良い機会になりそうだ」

 

 ボスなら何処のヒーロー事務所が良いでしょうか、かなりエンデヴァーのような大手が経験を積めそうですが。

 

「言いたいことあんだろ?」

 

 ボスの問いかけに息が詰まります。

 そうです、そのつもりでしたが、思考に逃げようとしましたね。

 

「私は貴方のサイドキックには相応しくないのでしょうね」

 

 爆豪勝己に生きる目的を与えられた。

 爆豪勝己に救われて生きれるようになった。

 けれどそんな私は前世を散々活用しているくせに、前世を全く乗り越えられていなかった。

 私は強くない。

 私はただ過去の貯金を切り崩して生きてきただけだったのだ。

 決勝で記憶に呑まれそうになって、それをようやく実感したのです。

 このままでは私は彼に何も返せない。

 貰ったものの何もかも。

 

「ようやくだ」

 

 ボス?

 

「ようやく俺はお前の本気に手がかかったんだ」

 

 それはそうかもしれませんが。

 あの時の呆然とした顔はもしや。

 

「お前が本気出す場所に辿り着いた。ならソレを超えた時こそ俺は真の最強のトップヒーローになれる」

 

 辿り着いた事実を頭で処理していたんですね。

 

「相応しい、相応しくない?勘違いするな、選んだのは俺だ。お前は黙って俺についてくりゃ良いんだよ」

 

 それだけじゃない筈なのに、手加減されたと思ったり、死の恐怖だって感じた筈なのに。それでも貴方はそう言ってくれるのですね。

 

「イエス、マイヒーロー」

 

 改めて誓おう、私はこの人のサイドキックになる。いずれ頂点に立つこのヒーローの。

 

「しかしあの状態の私を下したのはエドワード・ニューゲートだけですよ」

 

「そいつはどんなヤツなんだよ」

 

「世界最強最悪の海賊団から独立した、地震を操る世界を滅ぼせる最強の男です」

 

「そんなのが山程いる世界ってなんだよ」

 

「いえ山程はいませんよ。彼と同格な実力者は世界全体からしても十人いるかどうかです」

 

「充分山程いるじゃねーか」

 

「今頃どうしてるのでしょうか。きっと彼は命尽きるその時まで最強であり父親なんでしょうね」

 

「超えるハードルが高すぎるわ、今更だが」

 

 いつもより沢山ボスと話した。

 今まで避けてきた能力や技術以外の前世の世界の話をした。

 そうすることで向き合って、そうすることで乗り越える。

 私はまだこれからだから。

 これから始めて進んでゆこう。

 

 




作者から一言。
年末年始毎日更新達成。
明日から仕事で不定期になりますが、本作で一番やりたかったシーンを書けたので満足です。
お付き合いありがとうございました。
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