原作アンチ有り、注意です。
「試してみたが使い所が限られるな」
「威力は中々ですね」
雄英高校体育館γ、通称トレーニングの台所ランド。頭文字で略すと問題が発生しそうなその場所で今日も私とボスは訓練に励んでいた。
今回試したものは協力技。武装色の覇気を扱えるようになったボスだがまだ覇気の持続時間は短い。だからその短い時間で戦局を覆せるような技を生み出そうとしているのだ。
前世の記憶から参考になりそうな技を選んで試してみたのですが、いざやってみると問題がありますね。
「一発で小手がオシャカだな」
「やはり拳ではなく武器でやるべきですね」
元の技も武器を用いた技。
拳では威力の差と肉体の負担が大きいです。
「ヒーローってのは武装がタブーみたいな風潮あるのがな。武器はあくまで肉体と個性ってな」
「確かに徒手空拳ばかりですね、ヴィランが武装するのだから警棒ぐらいは持つべきだと思いますが」
コスチュームの防刃性は高いのだが、刃物類は使い手しだいで山を斬り海を割り嵐を断ちますからね。
武器として使わなくても、斬撃を受け止める防具として携帯すべきだろうに。
「折りたたみ式警棒くらいなら認可も下りるだろ、普段は使わないで非常時と協力技の時だけ使うようにしてな」
「それが妥当ですね、あとはボスの個性に合わせたギミックがあればなお良いです」
コスチュームのように爆破剤を貯める機構のついた警棒、要望を出したら作ってくれますかね?
「フフフ、お困りのようですねお二人さん」
「この声はっ!!」
「サポート科の発目だろ」
聞こえてきた声にわざとらしくノッたのにボスは面倒くさそうな反応です。
「そう、その要望っ!そのサポートアイテムっ!この発目明が請け負いましょうっ!」
「プロに頼むからいいわ」
「なぜですかっ!!」
「この流れで断るのは凄いですよボス」
あっさり断るボスに驚く発目さん。
体育祭で能力あるのは分かりましたが、まだ学生ですからね。
「休校日なのに熱心だね君達」
安全のため様子を見に来たセメントス先生の言葉を聞きながら、ボスにまとわりつく発目さんの姿を私は眺めていた。
雄英体育祭の翌日、新たな発見もありながら時間は過ぎていきました。
「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」
「俺も!」
「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
「ドンマイ」
本日雨天にして登校日。
体育祭にて全国に認知された雄英生達は、ヒーローに常に付き纏う周囲の反応を体験していた。
かくいう私とボスもだ。
雄英体育祭での活躍と激戦に1位と2位という結果。下手をしたらあの一日だけで同世代でもっとも有名になってしまったのかもしれません。
登校中の通学路で声をかけられたりサインや握手を強請られたりもしてかなり戸惑いました。
そんな話でクラス内が大盛りあがりしていたのですが、チャイムの音でピタリと切り替わります。
相澤先生に挨拶をし本日の授業開始です。
科目はヒーロー情報学、特別という言葉を相澤先生が言うとより重みが増すのは、彼の日頃の行いのせいですね。
「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむヤツきたあああ!!」」」
両腕を上げて、芦戸さんなんか飛び跳ねながらのクラスメート達のその叫びに、すいません正直引いてます。こういった所で乗れないのは前世の価値観のせいなんですかね。
「というのも先日話した「プロからのドラフト指名」に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2、3年から、つまり今回来た指名は将来性に関する興味に近い」
そして興味ゆえに削がれたらキャンセルもされる、というわけですね。事務所として利益を考えたら当然ですね。
「頂いた指名がそのまま自身のハードルになるんですね!」
「そ、でその指名の集計結果がこうだ。
例年はもっとバラけるんだが、この三人に注目が偏った」
爆豪、4582。
緑谷二号、4367。
轟、4016。
ですか、次の常闇君が360だから確かにかたよってますね。というか薄々気がついてましたけど一号二号呼びは相澤先生発ですね。
しかし、最終種目に残った芦戸さんや青山君に指名が無いとは意外ですね。兄さんは怪我のせいだと思いますが(なお尾白君は72)
「これを踏まえ指名有無関係なくいわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
割と有名な話ですよね。
初職場体験の雄英高校生を取り上げるサイトとかもネットにありますし。
そして社会にでるがゆえにコードネームが必要なわけですか。
「付けたら地獄を見ちゃうよ!」
仮でも適当な、と相澤先生が言いかけた所で現れるミッドナイト先生。
ただでさえ体育祭で注目されているのだから、当然ヒーローネームも世間に気にされますよね。
相澤先生は自身にセンスないからと(自分のヒーローネームも友人であるプレゼントマイクが付けたらしい)ミッドナイト先生に査定をお願いするようです。
「将来自分がどうなるのか、名を付けることでイメージが固まりそこに近付いてく、それが「名は体を表す」ってことだ。オールマイトとかな」
むう、深い。
前世だと名前なんて記号でしたから、そこまで考えたことありませんでした。
思えば前世での海軍と海賊の二つ名も本人をよく表してましたね。
さてヒーローネーム、どうしますか。
今まで考えたことないのに十五分で決めるとか難易度高いですよ。
そして出来た人から発表。
トップバッターの青山君と芦戸さんのやらかしにより大喜利っぽい空気になったり、梅雨ちゃんのおかげでなんとかなったり、切島君が憧れを背負おうとしたりと、皆のそれぞれの思いに場が盛り上がっていきます。
そして私の番になり、自然と湧き上がった思いを形にします。
「超人ヒーロー イージスゼロ」
かつてサイファーポールの一員だった私。
思い出したくもない記憶を敢えて背負う。
そうでなければ踏み出せないと体育祭で思い知りましたから。
「ところでなんでゼロなの?」
「前世での呼び名が零番だったからですね」
(((だからクソ重たいんだってコイツの前世ネタは)))
ミッドナイト先生の疑問に答えたらまた空気が重くなりました。正確には『はー681期零番』でしたけど、私以外残らなかったから零番とだけ呼ばれることになったんです。
そしていよいよボスの番、その実力と在り方からクラス内で信頼されているので、皆安心した様子で見守っていますね。
「大爆殺神ダイナマイト」
そのヒーローネームが公開されるまでは。
轟君の個性が使用されていないのに凍り付いたように固まる教室の空気。
自信満々でドヤ顔なボス。
引き攣った表情のミッドナイト先生に、寝袋に潜り込み就寝中な相澤先生。
(おいどうすんだよコレ)
(冗談だよな、本気じゃないよな)
(クソダセえ、マジダセえ)
(普段が見た目に反して真面目なヤツだからツッコめねえんだけど)
(世話になってるからセンスを指摘できねえよ)
(爆豪傷ついたら嫌だし)
(誰かなんとか言ってくれ)
ざわめきが皆の気持ちを表してますね。
「ず、随分自信満々ね爆豪君」
(((ミッドナイトォォォ)))
「小二の時から決めてましたから」
(((だからかっ!!)))
フフンと胸を張るボスにツッコミたそうなクラスメート達ですね。
ですがこのままだと皆が可哀想ですね。
「とりあえず大爆殺神は消しましょう」
斜線ひいて訂正です。
「何してんだお前」
「ダイナマイトだとありきたりだよ。調べたら結構な数のヒーローが登録してるよ。あ、ヴィラン名でも多い」
「爆破的な個性ならイメージしやすいからですかね」
「多分それが理由だね」
(((幼馴染双子、もっとやって)))
「なら漢字に変換しますか、切島君みたいに」
「そっちだと人物名でいるね、大奈舞斗さん。さらに切島君のパクリならダメだよ」
「むう、なら爆殺ナイトではどうですか?オールマイトみたいでしょう」
「爆殺がダメだって」
「おい勝手に決めるなお前ら」
呆気に取られてたボスがいいますが、すいませんがこればかりは。
「かっちゃんごめん。でもさ親戚の集まりの時に双子の弟が大爆殺神ダイナマイトのサイドキックなんです、とは言いたくないんだ」
それは私も嫌ですね。
「良し、ならばダイナマイトと大爆殺神からそれぞれとってダイナゴッドはどうかな?」
「ロボみたいですがありですね。ボスは神みたいなものですし」
「それは君しか思ってないけど、一応仮決めだし」
「ええ!!それでいきましょうっ!!」
「もうそれで良いよ」
ふう、なんとか決まりました。
ミッドナイト先生も頷いてくれましたし、ボスも不承不承ながらオーケーしてくれました。
まさかこんな地雷があるとは驚きですね。
最後に兄さんがあだ名だったデクをヒーロー名に決めて授業が終了しました。
「ケロ、爆豪ちゃん気にしなくても大丈夫よ。全て完璧な人より欠点あるほうがよっぽど魅力的なんだから」
「慰めはありがたいが、俺のネーミングセンスは欠点レベルなのか」
梅雨ちゃんの慰めの言葉がトドメですねえ。
オリジナルヒーロー名。
緑谷来久 「イージスゼロ」
爆豪勝己 「ダイナゴッド」
今話のアンチ要素
原作爆豪君のヒーロー名とネーミングセンスについて。