ステインに対するアンチと独自解釈ありのため、ステインファンの方達と渡我被身子さんと荼毘さんとトカゲさんは閲覧注意。
「ふー、なんとかなったな」
エンデヴァー事務所で職場体験中に緑谷出久ことデクにメールを送られ、向かった先にてヒーロー殺しの個性により動けないヒーローと飯田とデクを庇いながら戦うことしばらく、なんとか全員怪我はしても無事生きて切り抜けることができた。
戦いの最中にヒーロー殺しの個性の効果が切れて動けるようになったデクが雄英体育祭よりもキレがよくなった動きでヒーロー殺しに攻撃し、俺がソレをサポートする形で立ち回った。厄介な個性はデクがお得意の分析で発動条件を見極め、俺が斬撃を防ぐように動いた。
とはいえ流石はヒーロー殺しというべきか、狂気に塗れた信念により鍛え抜かれ、実戦にて研ぎ澄まされた体捌きは尋常ではなく危うく斬られそうになってしまった。だが再起した飯田と轟のサポートによるレシプロバーストが大太刀を蹴り折り助けられることになった。主武器を失ったヒーロー殺しをデクと飯田が全力で打ち倒し決着したのだ。
「さすがゴミ置き場、縛れるもんあってよかったな」
「携帯できる捕縛具もコスチュームに用意しとくべきかもな」
個性での捕縛も限界あるしな。
「悪かったプロの俺が完全に足手まといだった」
「いえ一対一でヒーロー殺しの個性だともう仕方ないと思います、強過ぎる」
有名なヴィランに有りがちな個性バレも無かったから余計にな。襲われたヒーローはヒーロー殺しに予め調べられて対策されていただろうし。
「爆豪がいたから圧倒できただけだな。そのおかげで個性の復活時間を稼げて、コイツを焦らすことができたんだろう」
「極まった刃物使いはヤバいと、来久に念入りに言われてたからな」
前世だと建物や船どころか、海や空を断ち切る連中が何人もいたかららしいが。
路地裏からでればデクが職場体験先らしいヒーローに顔面を蹴られ説教され、エンデヴァーから応援要請を受けたヒーロー達がこっちの対処をしてくれた。
(贋物ね)
ヒーロー殺しの言葉が頭をよぎる。
それは聞けば一理ある考えかも知れない。
だが飯田の兄であるインゲニウム、自分が殺される寸前なのにひたすら逃げろと叫ぶヒーロー、そして心配そうに駆け寄るこのヒーロー達のこの姿の何が贋物なのだろうか。
「出久君、僕のせいで傷を負わせた本当にすまなかった。爆豪君に轟君にしても命懸けで助けてくれた。
僕は、何も、見えなく、なってしまっていた」
涙をこぼしながらの飯田の言葉。それは後悔にあふれた申し訳無さの詰まったものだった。デクも友だちなのに止めきれなかったことを謝り、轟がしっかりしろと告げる。
「ヴィラン被害者の身内がヒーローにヴィランの殺害を求めるのはよくあることだ。身内が被害を受けるってのはそれだけのことなんだろう」
そう飯田に限らない。恐らくヒーロー殺し被害者の遺族は全員復讐を望んでいる。
「恥じんな、人として当たり前の感情だ。
けれど呑まれんな、ヒーローってのはそんな思いも抱えて理不尽に立ち向かわないといけねえんだ」
そうヴィランは討伐できるモンスターなどではないのだ。生かして捕縛する、その行為を葛藤しながらやるようにいずれなるのだろう。
時間にすればほんの5分そこらだってのに、ずいぶん長く戦ったように感じたな。
「伏せろ!」
アレは雄英高校襲撃事件で見た。
「敵!エンデヴァーさんは何をっ」
肉体が一部損傷している、翼あるからと逃しやがったなあの燃え親父。
つーか手足をヒーロー殺しに斬られたデクが反応できてねえ。
マズイ!!
爆破と月歩を併用し飛ぼうとしたところで、背後から狂気を感じ振り向く。そこには拘束から抜け出しヒーローの頬を舐めるヒーロー殺しがいた。
「偽物が蔓延るこの社会も、徒に力を振りまく犯罪者も粛清対象だ。全ては正しき社会のために」
個性を発動し動きを止めた翼脳みそに飛びかかりナイフを振り下ろし仕留める。そして傍らにはデクを抱えることすらしている。なんでだよ、アンタは人助けだってできるのに。
ヒーロー殺しの姿に呆気に取られたが、すぐさま拘束し直そうと身構える。
「何故一カタマリでつっ立っている!そっちに一人逃げたハズだが!」
「エンデヴァーさん!!」
向こうのケリはついて、逃げたコイツが最後か。
「してあの男はまさか、ヒーロー殺し!」
気づいて炎を構えるエンデヴァー。
たく、デクが巻き込まれんだろうがよ。
纏めて焼かれる前に助けねえと。
「エンデヴァー、贋物」
だがエンデヴァーの姿を確認したヒーロー殺しが、息も絶え絶えの中吠える。
「正さねば、誰かが血に染まらねば、英雄を取り戻さねば!!」
その言葉と気迫にその場の全員が呑まれ、圧倒されて動けなくなる。
だが、
「来い、来てみろ贋物ども。
俺を殺していいのはオールマイトだけだ!!」
その言葉に俺はキレた。
「っけんな。
ざっけんなよっ!クソ殺人鬼!
オールマイトなら殺していい?
ヒーローは誰一人、テメエを殺そうなんてしてねえだろうが!」
ヒーロー殺しの言葉には理念がある、一理感じてしまうような熱さがある。
けれど認められない。
別の理不尽な暴力に満ちた世界を知る俺は、コイツの理念を認められない。
「今の社会は、暴力を持って生まれても誰かを助けようとする社会だ!ヒーローになることを肯定してくれる社会だ!誰もが誰かを助けることが当たり前な社会だ!」
来久の前世ではこうはならない。暴力があれば大概自らのためだけに振るうだろう。
「どんな理由であろうとも、どんな理由でなろうとも頑張ってヒーローになって人助けしてる連中を否定すんじゃねえ!!」
差別や迫害など尽きぬ問題も抱えてはいる。
でも、この今の世界は優しいのだ。
オールマイトのように誰かを助けたいと当たり前に思えるこの社会は。
ヒーロー殺しだって、その根底は誰かのためだというのに。
「気を失っている?」
俺の叫びが聞こえたかは知らない。
だが振り上げた拳をヒーロー殺しの顔面に当たる寸前で止める。
「なんでここまでできるのに、こんなやり方をしたんだよアンタは」
許せない存在。
認めてはならない存在。
それてもその信念を別の形で使って欲しかったと、思わずにはいられなかった。
保須市ヒーロー殺及びヴィラン集団による破壊活動事件。これは世界を揺るがすきっかけとなる。
そしてダイナゴッドこと爆豪勝己の知名度が世界レベルになるということを、この時の俺は知る由もなかったのであった。
爆豪勝己君は割とワンピースのロックス全盛時代が荒れた社会の基準だったりします。