爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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 今回は視点コロコロ変わります。
 あと全力でネタ回です、閲覧注意。



第38話

 

「お疲れ様です」

 

 立てないくらい疲弊した兄さんとボロボロな姿のボスがモニター室に入ってきたので声をかけます。

 オールマイトとの戦いは兄さん達の勝利、けど打倒したのではなく激闘の末にオールマイトの装着したハンデ用の重しが壊れたための勝利です。

 そのため二人ともどこかスッキリしない表情ですが、学校としても本気オールマイトとの戦闘は許せませんから仕方ないですね。

 兄さんはリカバリーガールにチユーしてもらい私達とそのまま観戦します、さて他はどうなってますかね。

 

 轟君と八百万さんの方は決着がつきました。

 自身喪失した八百万さんを轟君が頼ることで前を向くことができたからですね。

 彼女はなんでもできる、なんでもできるから躊躇いがダイレクトに影響してしまうのです。

 体育祭を経て変わったサポートを意識する轟君、彼のおかげでヒーローの卵が息を吹き返しましたね。

 それを想定してくませたイレイザーヘッドも凄い教育者ですが。

 続いて芦戸さん上鳴君チームですが。

 

 

「上鳴〜、放電で何とかできないー!?」

 

「どこにいるかわかんねーのに無駄撃ち出来ねーよ、足手まといが欲しいか!?」

 

「「どわあ!?」」

 

「どこへ行けばいいのか、どこを探せばいいのかもわかんないよー」

 

「爆豪が勉強しとけってのはこういうことかよ」

 

「酸で道作るにしてもどこを溶かせば崩れないかも分からないよ」

 

「こんな時にどこに電気使えば良いかも分からねえ」

 

「「勉強しとけば良かったー!!」」

 

 

 彼らは重機にて崩される施設に逃げ惑い脱出するか、捕まえるかの判断すらできてませんね。

 正面からではなく策を弄する存在が厄介なのは当然です。そんな時に何をすべきかの判断をするにはあまりにも二人は積み重ねが足りていない。

 突破できる自力を活かしきれない知識と経験の無さ、それが二人の課題ですね。反省はしているようですが。

 

 続いて口田君と耳郎さんチームですが、決着ついてますね。虫に泣き叫ぶ口田君を耳郎さんが励まして、心根優しい口田君が耳郎さんの負傷に気づいて奮起して勝ちました。

 でも虫が怖いとか口田君といいプレゼント・マイクといいヒーローとしてどうなんですかね?これがシティ派なのでしょうか。

 

「緊急時の食料とかどうする気なんですかねあの二人?」

 

「緊急時だからといって虫は食べないよ」

 

「現代社会舐めんな前世持ち」

 

 虫に纏わりつかれて気絶って、虫っぽい外見の方もいるでしょうに。

 

『やってられっかこんなクソ試験〜!』

 

 不安要素はまだまだあるみたいですね。

 まあ峰田君が厳しいのは分かりますが相手がヤバ過ぎです。それでも個人的に放課後訓練を共にした砂藤君が気になりますね。

 

 

 切島・砂藤チーム。

 

「キリねーよオイオイ!ぶっ壊してもぶっ壊しても、壁生えてきやがる!!」

 

 切島鋭児郎の硬化した拳がコンクリートを砕く、だが生える速度は砕く速度を上回り意味を為さない。

 

「来久のヤツがセメントスはヤバいって言ってたのも納得だよ、反則過ぎる」

 

 ロギア系能力者に匹敵する個性ですよねと意味の分からないコメントを彼はしていたが、その恐ろしさは今身を持って理解する破目になっていた。

 

「けどどうすんだよコレ!!」

 

「君達は消耗戦に極端に弱い。いいかい戦闘ってのはいかに自分の得意を押し付けるかだよ」

 

 冷静なセメントスの一言は中の二人には届かない。コンクリートを砕ける自力もただ振るうだけでは意味を為さないのだ。

 

「冷静になれ切島、確か来久がこんな時どうするか教えてくれた」

 

「どんな内容だ!!」

 

「力押しが通じない相手には、力で押し通せってな」

 

「それができねえんだよ!!」

 

「一番の得手がダメなら次善策は無意味だから、得意を押し通せってことだな」

 

「だからどうやんだよ!!」

 

「決まってんだろ、出すんだよ全力を」

 

 放課後の自主練で学んだ全力の出し方、そして切島鋭児郎と言う存在の活かし方を砂藤力道はニヤリと笑いながら告げた。

 

「諦めたかな?」

 

 静かになった試験場にガッカリだと言わんばかりにセメントスが呟けば返事のように轟音と衝撃が響き渡る。

 

「何?」

 

 囲うように覆ったコンクリートは全て吹き飛び、その中央には筋肉を限界まで隆起させた砂藤力道がいた。だがそんな彼より目を引くモノがあった。

 そう彼が両腕で持つモノ。

 それは武器と呼ぶにはあまりに大きすぎた。

 大きく、分厚く、重く、ゴツゴツして。

 そして大雑把すぎた。

 それはまさに烈怒頼雄斗な切島鋭児郎だった。

 

 

 

「なるほど」

 

 モニター室にて砂藤君の考えに感心します。

 

「いやどういうこと?」

 

 兄さんは友人が友人を武器にする衝撃映像に戸惑って思考できないみたいですね、普段ならブツブツが始まってもおかしくないのですが。

 

「殴るという行為は攻撃の代表みたいなものですが、その負担は馬鹿にできません。そもそも指という繊細な作業ができる部位は存外脆いものです」

 

 故に殴るという攻撃は諸刃の剣、というか普通に避けるべき行為なのだ。

 

「砂藤君は鍛えた肉体にてコンクリートを殴り砕けますが、それはあくまで自分が怪我をしない程度の威力。つまり全力ではないのです」

 

 そして切島鋭児郎もまた同様だ。

 

「その点切島君は個性によって肉体の損傷は気にせずにすみます。ですが硬化の個性は肉体を固めるため、殴ることに全力になれない」

 

 つまりコンクリートを砕ける実力があっても、二人共それは全力ではないのだ。

 そんな中途半端ではセメントスによる消耗戦狙いは破れない、だからこそ。

 

「硬化のみに集中する切島君と振り回すことのみに集中する砂藤君。

 全力の硬化と全力のパワーこそが現状を打倒できるのです」

 

 重なりし二人の全力、まさに百パーセント中の百パーセント。

 恐らく教師側の狙いは力押しではないやり方を学ぶことだろう。例えば目視でしか操作できないセメントスをどちらかが囮になって誘導し、もう一人がゴールを目指すような。

 切島君と砂藤君の性格では難しいその選択を取れるかどうかが合否基準なのだろうが、あろうことか力技で突破しようとしていた。

 

 

「くっ」

 

 セメントスが再度コンクリートを展開しようとするが覆う前に烈怒頼雄斗を振るわれ砕かれる。

 

「もう、いいだろ」

 

 シュガードープの副作用による限界。

 それが間近に迫っていると自覚した砂藤は切島のベルトを掴み右手一本で持ち上げる。

 投球の仕草に見えるそれ、だが振りかぶるのは最大硬化の切島鋭児郎。

 残った砂糖を全て口に放り込み摂取し、爆発的に筋力を増大させる。

 

「これが最後の手段。烈怒頼雄斗ストライク!!」

 

 投げられた切島はまさに砲弾の如き速度でセメントスに一本の槍となって突き進む。

 この瞬間、セメントスこと石山 堅の脳裏に自身の丸みに溢れた二十八年の人生が思い出されていた。

 

(強、速、避、無理!!受け止める無事で!?

 出来る!? 否 死)

 

「セメントォ!!」

 

 走馬灯後に巡った思考により自らに迫る死を個性をもって回避。

 避けられた切島はそのままゲートを超えどこかへと飛んでいった。

 

「切島・砂藤チーム条件達成!!」

 

「やられたね、これが狙いかい?」

 

「本命は全力に秘す。これも来久の教えですから」

 

 全力の切島投擲にてセメントス打倒はブラフ、本命は切島をゲートの先に運ぶこと。

 だがその気迫と威力にセメントスとて呑まれてしまったのだ。

 

「とりあえず合格だな」

 

 個性の副作用で砂藤は眠りに落ち、この期末試験は終了した。

 

 

 

「って、砂藤と切島君の方ばかりに集中してしまいましたね」

 

「同時に開始だから仕方ないよ」

 

「録画してるから後で見れるぞ」

 

 とはいえ反則レベルなセメントスの真正面からの打倒は大きな成果でしょう。

 あの二人の戦法、武装色の覇気を組み合わせたらより強力になるでしょうし。

 

「麗日さんと青山君はクリアしたけど微妙かな?」

 

「ありゃ13号のミスだからな」

 

「峰田君と瀬呂君は、峰田君の頑張りでなんとかなったよ。かっちゃんのヒーロー殺しとの対話で奮起してたみたい」

 

「モテたくても、誰か救えりゃいいんだよ。

 瀬呂は最初の峰田を庇ったのが評価されたら良いんだけどな」

 

「結果として、演習試験で条件達成ならずは芦戸さんと上鳴君チームですか」

 

 それだって反省してたから無益ではないだろう。

 何はともあれ、期末テストこれにて終了です。

 

 




 作者コメント。
 セメントス相手とかマジ無理ゲー。
 
 未完で終わったベルセルクがいつまでも読者の記憶に在りますように。
 因みに作者は小学生の頃に床屋で読んでトラウマになりました(それでも全巻読んだ)
 
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