僕、緑谷出久には双子の弟がいる。
名は緑谷来久、天然パーマでそばかす顔で目の大きい僕とは似ても似つかない、糸目長身ストレートヘアなイケメン。身長や物腰からよく来久の方が兄扱いされるけど来久曰く、先に生まれたの兄さんですよとのこと。個性の効果か幼少時はおろか乳幼児の頃まではっきり覚えてるらしい。
そんな弟を苦手、嫌い、忌避する時期が僕にはあったのだ。そう個性診断テストの日から。
個性が僕には無くて来久にはある。その事実が不公平だと感じて、ヒーローに成れないと突きつけられた八つ当たりで弟を嫌うようになった。その行為こそ何よりもヒーローらしくないのに関わらず。また個性発現以降憔悴し、周りから心配される来久が大切にされているように特別扱いされてるように見えたこともそれを煽ったのかもしれない。今となればそんな過去の自分を殴りたいくらいだ、来久の個性を知った以上とてもそんな風には思えない。
個性の中には本人に害にしかならないモノもある、来久の個性『前世』はその最たるもの。そう来久は前世の記憶の統合でいつ死んでもおかしくなかったのだ。
幸運なことはあった、来久の前世が自意識が無かったこと。統合された情報が記憶のみで済んだこと。まあその影響で常識や知識が前世に引っ張られてしまうことが多々あるらしいが害というほどではない。なお体質も受け継いでいることが後に判明したが、前世によってはそれこそ今の生活環境が劇毒な前世なら本当に即死していたらしい。
これは僕の傷、忘れられない過去。
ヒーローに成りたがっていたのに、僕は自分のことばかりで弟を救わなかった。かっちゃんと違ってヒーローに成らなかったんだ。その事実が傷として心に残っている。
だからもう間違わないと誓う。オールマイトに後継者として認められ、来久に応援されたのだから。
僕は、誰かを救える僕になる。
そんな決意をしている僕の横で談笑する二人。
「個人移動にも速度規定法案ですか、迷惑な」
「困るよねーHA HA HA、まだ草案らしいけど」
「自動車なんて、アラバスタの超カルガモやFワニより遅いから追い越しますよ普通」
「追突しそうで確かに危ないけど、結構いるからねスピードヒーロー」
「空中移動にも制限とは、空いててラクなのに」
「空中は渋滞無くて便利なのにね」
なんだその超人談義。出来ないから普通は。
オールマイトと来久は意外と話が合う、主にそのおかしな身体能力が理由で。お互いの出来る事が噛み合うため話が弾むそうだ、羨ましい、妬ましい。
「いよいよ明日試験日、雄英高校にて君達を待っているよ」
「OBだからお手伝いでもされるのですか?」
「卒業生のヒーローは体育祭とか文化祭ではよくゲスト参加しているよ来久」
オールマイトの言葉に首を傾げていたので知っている情報を伝える、そこら辺はまだ詳しくないだろうし。
「(ヤベ)そんな感じだよHA HA HA」
「「?」」
なんか気になるけどオールマイトが試験に関わるならよりやる気がでるよね。
この十ヶ月、控えめにいっても地獄だったけど準備はできた。
ワンフォーオールの試しも来久との簡単な模擬戦(手も足も出なかった)も済ませた。
いよいよ明日、一般入試実技試験だ。
「デクか……、俺の前に立つんじゃねえ」
翌日早朝、来久と一緒に行こうか聞いてみたら来久はかっちゃんと行く予定らしい。なら3人でとも思ったけどついでに僕の個性について説明しておきたいらしい(あとはベーコンレタスな誤解について)、後でバレて説明するより今のタイミングの方が良いだろうと判断したんだって。
けれど雄英高校入口で会ったかっちゃんはいつもどおりのかっちゃんがだった。
かっちゃんの後ろに従者みたく控える来久は微妙に疲れた表情だ。
「ボスは他者に気を取られずに前だけ見据えて進んでいけ、と言っています」
「「言ってないよ(やん)っ?!」」
「それでは兄さんもそちらの方も良き受験を」
そう言ってかっちゃん達は去っていった。相変わらずな二人だ。
あと来久の言ったそちらの方?
見れば僕の横には女子がいた、来久のいつものにツッコミをいれたのだろう。
「兄弟で雄英なんてすごいねえ、お互い頑張ろう」
流石雄英高校、受験生すらコミュ力高し。
女子と数ヶ月ぶりに喋っちゃったよ(なお前回は中学校にて「来久君に手紙渡して」だったそうな)
めったにない出来事に僕は思わず「おっおおぉおおおお」と言ってしまった。
講堂にてボイスヒーロープレゼント・マイクによる試験説明がされた。つい癖でブツブツ言う僕に幼馴染と双子は他人のふりしてスルー。さらに途中プリントについて尋ねる受験生にこちらまで注意され注目されるというトラブルまで起きてしまった。ただでさえヘドロヴィランの件があるのに悪目立ちばかりだな僕は。
そして試験本番。
さっき注意してきた眼鏡の人に何かしでかすのかとガン見されて凄く居心地が悪いです。さっき話した女子に頑張ろうというのはやめておこう。
「ハイスタートー!」
けれどプレゼント・マイクの言葉には身体が勝手に反応して走り出していた。
唐突だけど、来久の基本的な訓練方針は「やったことのあることしかできない」だ。
人間は初めてに直面したら動けなくなる。
どうなるか分からないから恐怖するのだ。
だから来久は僕の初めてを潰すことに専念した。
知っていれば動ける、なら全て知っておけば良い。
板を割った、板を割れる。
ビルから飛んだ、ビルから飛べる。
瓦礫を躱した、瓦礫を躱せる。
重いものを運んだ、重いものを運べる。
熊と戦った、熊と戦える。
岩を砕いた、岩を砕ける。
鮫から逃げた、鮫から逃げれる。
あらゆることをこの十ヶ月経験させられた、そう身体作りの疲労で動けなくなっていても。
うん、やっぱり来久の頭オカシイ。途中でオールマイトが咎めても首を傾げてたし。
ゆえにプレゼント・マイクの唐突な開始も僕はもう慣れていて、だからこそ動けた。
ワンフォーオールによる全身強化で加速し、僕は発見した仮想敵に殴りかかった。
実技試験それぞれ
爆豪勝己 原作よりタフで戦い慣れているため最多の撃破数、救助Pもかなり稼ぎ、歴代トップクラスの記録 なお0P敵も撃破
緑谷来久 見聞色の覇気で索敵、月歩と剃で移動、嵐脚で仕留めた 0P敵は試しに六王銃にて撃破 終始余裕な態度のため一部教師の受けは悪い
緑谷出久 原作と異なり撃破Pを稼げたが、人助けを優先気味だったためそこまでではない、なお本人は知らなかったが救助Pに加算されていた 0P敵は麗日を助けるために無茶して撃破 腕の負傷はその場で治された
心操人使 洗脳した受験生に撃破させようとしたが、攻撃の衝撃などで正気に還るため対して稼げなかった
葉隠透 美少女、とにかくかわいい 彼女の実技試験の詳細求ム そしてかわいい