爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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第8話

 

 サポート科か、いつ行くべきだろうか?

 担任である相澤先生の助言に従って自身の本気、それによる破壊範囲、威力を把握する。

 だが、前世とて大規模に戦うという経験はあまりなかったようだ。もとよりCP0は世界政府の駒であり、天竜人の最終警備を兼ねた戦力、暗殺はCP9の仕事であることもあって本当に闇に葬るための始末以外で力を振るう機会は無かったのだろう。

 恐らく周囲の被害を考えずに戦ったのは生涯でエドワード・ニューゲートとの一件のみ。確か彼のグラグラの実の能力とお互いの覇気のぶつかりあいにより、一つの島がお互いの足場しか残らないほどに消し飛んだはずだ(記憶を第三者視点で見る限りだが)。

 アレが全力なら前世に届いていない今ならどれくらいだろうか?多用する嵐脚などは特に把握しておきたくはあるが、実力ある剣士が覇気を纏って刀を振るえば天を割り山を両断する、それに劣らぬ嵐脚がどこまで被害をもたらすか想像するのも怖い話だ。

 そして覇気について、見聞色の覇気はあらゆる面で有用なのだから極めるべきで、問題は武装色の覇気だ。前世とて最大の利点はロギア系能力者に攻撃できる点、無論攻撃の威力は上がるのだが、覇気を用いた戦闘が真価を発揮するのは同じ覇気使いとの戦闘。防御力の向上も攻撃に当たらないことが前提の私にはあまり意味がないのだ。

 考え過ぎか。

 単に覇気を用いた身体能力を測るだけで良い。 

 何せヴィランとの遭遇なんぞ、今までの人生で去年のヘドロヴィランの一件のみ。

 訓練こそ積んでいるが、いかに最高峰のヒーロー育成機関である雄英高校とて学生の身でヴィランとの戦闘なんて職場体験にインターンからだろう。

 焦る必要はない。

 サイドキックを志す身としてヴィランとの戦闘は避けられぬ未来なれど、前世のように行き急ぐ必要はないのだから。

 大物ヴィランと呼べる実力者はおらず、大手ヴィラン組織は壊滅し、ヒーローの飽和する社会。

 平和な今を楽しめる時代なのだ。

 

 

 しかしプレゼント・マイク先生の授業かなり普通ですね。ヒーローと教員の二足わらじは凄いのですが、期待はずれみたいな印象を皆抱いてるようです。  

 そして雄英高校のメインとも言える学食っ!!

 

「お前だけだ」

 

 全メニューを制覇するまで席を立つことなどできはしないっ!!

 

「入学二日目で何をやらかそうとしてんだよ」

 

 高校は学食で決めるものだが、やはり雄英高校にして正解だったと断言できる。

 

「いやお前俺についてきただけだろ」

 

 集中するのだ目の前の一杯に、食材に、調理に、味に、構成される全てに。

 

「おかわりですっ!!」

 

「聞けや」

 

「良い食べっぷりだねっ!!」

 

 ランチラッシュ先生にも食べっぷりを称賛されますます箸が止まらない。

 

「ほどほどにしとけよ、午後はヒーロー基礎学。場合によっちゃ戦闘訓練もありうる」

 

「生命帰還がありますので問題無いです」

 

 ボスは心配してくれるが大丈夫。六式を極めることは人体を極めるに等しい。

 

「それか、覇気よりも個性と相性が良さそうな技術だよな」

 

「肉体操作の極みですからね、頭から毛先まで己の肉体に感覚を通し操ることができます」

 

「六式には必須な技能だっけか?」

 

「いやどっちが先かは微妙ですね、六式を修めたから出来るのか、生命帰還が出来るから六式が使えるのか」

 

 いつの間にか両方できてましたし。

 

「まあいい、有用なら覚えるだけだ」

 

「それでこそボスです、おかわりーっ!!」

 

「ほどほどにしろと言ったよな?」

 

「まだ腹六分目なので」

 

「じゃあ食いながら答えろ、戦闘訓練だと仮定して注目してるヤツは誰だ」

 

 昨日の体力テストで個性を把握でき大体実力もわかりましたしね。

 

「口田君と葉隠さんですね」

 

 だとすればこの二人だ。

 

「理由は?」

 

「個性が戦闘、拘束向きではないにも関わらずあの実技試験を突破し、体力テストでも相澤先生に認められたからです」

 

 生き物ボイスに透明、ヒソヒソの実にスケスケの実の能力者みたいですね。どちらも有用だがゾオン系のような身体能力増強は見込めない、素であれだけできるなら十分脅威だ。

 

「納得の理由だな、戦闘面ではどうだ?」

 

「兄さんと飯田君ですね。戦闘は機動力が物を言います、近接戦闘になった場合はこの二人が活躍しますね。遠距離なら轟君もですが、ボスの爆破なら対処できるでしょう。なんでもできる八百万さんは戦術向きですが、戦闘向きじゃないですし」

 

 とはいえ他の生徒も劣っているわけではない。

 武闘家としての技量の高い尾白君、フィジカル面に秀でた砂藤君と障子君、拘束系な峰田君と瀬呂君に麗日さん、索敵能力が高く攻撃力の高い耳郎さんなど。

 評価すべき点はA組生徒全員にあると言える。

  

「まあ個性が戦闘に特化し、私との組手で高速戦闘に慣れているボスに勝てる人はいないでしょうが」

 

 ボスは肉体面とて同世代トップだ、筋力を付けることが体温向上に繋がり火力向上に作用すると知った日から鍛えてますからね。見た目は細いが絞られた筋力です。

 

「タイマンならな。だがルールを破るのがヴィランの存在意義。あらゆる状況を想定しないとな」

 

 よーいどんで始まる犯罪なんてないですからね。

 

「思考を止めないことが生存に繋がりますからね、前世の私には無縁な理屈でしたか(というか死因)」

 

 こうしてボスとの昼休みは過ぎていった。流石に全メニュー制覇は時間的理由で無理でしたが、満足するまで食べれました。いつの間にか人集りまでできる騒ぎになっていましたが。

 

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