転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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前回のあらすじ
ルビー「サーベルタイガー?」
フラン「かわいくない」


20 異世界の宿は完璧でした

 服屋のお姉さんに教えてもらった宿屋についた。

 

『外見も小奇麗で、悪くはなさそうだな』

 

 うし、中に入ろう!

 

『店内も、掃除が行き届いてるし、植木鉢なんかも置かれてるな。念動で確認したが埃もない。うん、いい宿そうだ。』

「師匠、小姑」

「うん、僕もそう思う」

『な!』

 

 酷い、貴女たちのためなのよ! フランちゃん! ルビーちゃん! なんて師匠が言い訳しているが、正直どうでもいい。

 

 疲れた。休みたい。

 

 ベッドでゆっくり寝たいよぉ。

 

「いらっしゃいませ」

「フラン、僕が喋るね」

「ん、わかった」

 

 よし、少しはいい所を見せたい。

 

 気合い入れろよルビー!

 

「あの、部屋は空いていますか?」

「お2人様ですか?」

「はい、2人です」

「保護者の人とか、いないかな?」

 

 前回の宿と同じ反応…。

 

 服はもう新しいものを着てるし、大丈夫だと思ったんだけどやっぱり駄目かな?

 

『ルビー、ギルドカードを出してみろよ』

「うん。これ見てもらえます」

「え? 本物?」

「はい、ギルドの方に確認していただいても構いませんよ」

「それじゃあ、もしかしてそっちの娘も?」

「ん。これ」

 

 僕と同じように、フランもギルドカードを見せる。

 

「………………」

 

 ……沈黙が長いッ!

 

 良いの? 駄目なの?

 

 駄目だったら面倒臭いんだけど?

 

「……まあ、身元がはっきりしてるならいいか。素泊まりで300ゴルド、2食付きで400ゴルドとなっています。あと、うちは個室しかないんですが。どうされます?」

 

 よし! 勝った! 何に勝ったのかはわからないけど!

 

『今日は食事つきにしとこうか』

「食事つきで1泊お願いします」

「わかりました。では、こちらがお部屋のカギになります。貴重品の管理は、お気を付けくださいね」

「分かりました」

「ん」

 

 他にも色々生活用品の説明があったが、すべて師匠の浄化魔術で解決できるので聞き流す。

 

 師匠の浄化魔術、便利なんだよね。

 

 それと歯ブラシもあった。異世界凄い。

 

「食事は、食堂でこちらの引換札をお渡しください。うちは食堂もやっているので、時間はいつでも構いませんよ」

「はい、ありがとうございます!」

 

 お姉さんに引換札を4枚渡された。

 

 よっし食券ゲットッ!

 

 ……あーでも、師匠の魔獣の肉まだあるし、そっち食べたほうがいいな。

 

 カレー食べたい。

 

「ルビー、ここで合ってる?」

「あっ、そうだと思うよ。部屋の番号も同じだし」

『まあ…悪くない部屋じゃないか』

 

 良いね良いねぇ。

 

 ベッドに机一式、サイドチェスト、衣装ダンス、それに武具用の壁掛けなんて物もある。完璧だ。

 

 この宿を勧めてくれた服屋のお姉さんに感謝だな。

 

 あーなんか感動してきた。

 

 転生してからこんなきれいな部屋で寝るの初めてじゃない?

 

「……」

「フラン?」

『どうしたフラン? 具合でも…』

「おおぉぉ! すーごい部屋!!」

『そ、そうか? そんなに凄くないぞ、普通だ』

 

 フランが叫んでベッドに飛び込んだ。

 

 このベッド、ふわふわだ…!

 

「こんな高級っぽい部屋泊まったことない! 夢のよう! ね、ルビー!」

「えっ? ああ、うん、そうだね、フラン。僕も少し感動してるよ」

 

 …本当は僕もメッチャ感動してます。

 

 ここに泊まれるのか。うわぁ~♪

 

「……師匠と出会ってからびっくりがたくさん。師匠のお陰…。師匠に…助けられてほんとによかった…」

 

 フランがベッドの上で師匠を抱きしめた。

 

『フ、フラン…』

「…師匠、僕もフランと同じ気持ちだよ? 改めて言うね。僕たちを助けてくれてありがとう、師匠」

 

 僕も、フランと同じように師匠を抱きしめた。

 

 フラン程だなんてわがままは言わない。けど、僕も師匠にとって大切な人の一人だって思われたいなぁだなんて願いながら、師匠をずっとずっと抱きしめ続けた。

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