転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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ネル「(様々な事への愚痴)」
フラン「ん(聞いてない)」
ルビー「アハハ……(苦笑い)」
剣(ネルさん、ストレス溜まってるなぁ)


36 ゴブリン迷宮(ダンジョン)に入りました

ゴブリン迷宮(ダンジョン) 攻略戦決行日(つまり一日後)

 

 僕たちは師匠の鞘を受け取るために、ガルスさんの鍛冶屋に行った。

 

「よお、待ってたぜ。こいつを持っていってくれや」

『おお、これが俺の鞘か!』

 

 ガルスさんから手渡されたのは、黒色が中心の……すごく見覚えのある鞘。

 

 漫画とかアニメでよく見たなぁ、この鞘。

 

「ん、師匠」

『おう。ではさっそく……』

 

 スポ、と師匠が鞘に入った。

 

 ちゃんとサイズもぴったりだな。さすがガルスさん。

 

『おー……』

「師匠、鞘に入るってどんな感じなの?」

『めっちゃ落ち着くな。台座にハマってる時と、同じくらいだ。むしろ、台座が、鞘っぽくて、落ち着けたってことかもしれない。あー……』

 

 う~んと、とにかく落ち着くんだ。ならよかった。

 

『ガルス爺さん。最高だ。さすがだぜ』

「がはは。気に入ってくれて何よりだ」

「師匠、嬉しそう」

『おう、これはいい鞘だ~』

「装飾のセンスもいいし。良かったじゃん」

「しかも、単なる鞘じゃないんだぜ? ただの鞘じゃ芸がないと思ってな、少々鞘に細工をしておいた」

『なに? 本当かロンベ〇ク!』

「ロン〇ルク? 誰だ?」

『すまん、ちょっと興奮しすぎた』

「……師匠、ロ〇ベルクって誰?」

『前世で読んだ漫画のキャラクターだ。ダ〇の大冒険っていうんだが……』

 

 ……知らねぇ。なんか聞いたことがある気がするけど、読んだことないな。

 

「ここに金具があるだろ?」

「ある」

「これをこうして外すと――」

 

 パカッっと鞘が縦に割れました。

 

 ……うん、知 っ て た。

 

「鞘が縦に割れた」

「そだね」

「おう。念動を使えば、嬢ちゃんの手を借りなくても、簡単に鞘から出れるって寸法よ」

『へぇ。こりゃいいな。鞘を元に戻すのも簡単だし』

「へぇ、思ったよりも便利そうだね」

「ん、便利」

「だろ! 強度と両立するのに苦労したんだぜ?」

 

 漫画見たときはへぇー、としか思わなかったけど、実際に見てみると凄いな。

 

 さすがガルスさん。

 

『じゃあ、ありがたく貰っていくぜ?』

「おう。頑張ってこいよ」

「ん」

「はい!」

 

 

◇◆◇

 

 

 ゴブリン迷宮(ダンジョン)前に集まった冒険者たちは、ザワザワと騒いでいる。

 

『冒険者って、こんなにいたんだな』

「うん、50人くらいかな」

「でもあまり強くない」

『ドナドが一番強いか』

「そーだね、さすがCランク冒険者」

 

 その中で、ドナドロンドさんの声が響き渡った。

 

「注目してくれ冒険者諸君!! 本日昼過ぎより(くだん)のゴブリン討伐作戦を開始する!」

 

 おぉ、ようやく始まるのか!

 

『しかしガルス爺さんが作ってくれたこの鞘……すっげー収まりがいいというか、やっぱり落ち着くな~…』

「師匠、似合ってる」

『そーか?』

「うん、カッコ良いと思うよ」

『そうかカッコ良いか!』

「ん、師匠はカッコ良い」

『そうかそうか!』

 

 これ以上褒めると師匠が調子に乗りそうなので、このくらいにしておこう。

 

「…術師の使い魔にて偵察した結果、目の前の洞窟は多数のゴブリンの巣窟になっており、ゴブリン狂行軍(スタンピード)までもはや一刻の猶予もない! 第一目標は…ゴブリン(キング)及びゴブリン女王(クイーン)撃破によるゴブリン狂行軍(スタンピード)の阻止! 可能ならばギルド管理下に置くため、迷宮(ダンジョン)の調査及び制覇…! つまりは、迷宮管理者(ダンジョンマスター)の撃破だ。町の近隣に得体の知れない迷宮(ダンジョン)があるのは、人々の安全を脅かすからな」

 

 ……そろそろ、かな?

 

「まずは作戦決行前に木材を運び込み、仮設本部を設置し……」

「うわあああぁぁぁーー!! ゴブリンが大量に出てきたぞー!!」

「何…!」

 

 お、やっと来たか!

 

 何が来たのかって? 迷宮(ダンジョン)の入り口から、ゴブリンが出てきたのさ!

 

 迷宮(ダンジョン)に入るのはDランク以上の冒険者だけだー、なーんて言われてたからね。

 

 ここまで来たのに迷宮(ダンジョン)に入らないとか生殺し過ぎる…!

 

 なので僕は、この混乱に乗じて迷宮(ダンジョン)に侵入する!

 

「くッ…昨日までおとなしかったくせにこのタイミングかよ…! 散開するな…固まれ!」

「ぎゃああ!」

「くそっ…!」

 

 あ、他のやられた冒険者さんはすみません。

 

『これはマズいな…! 寄せ集め冒険者ゆえに戦力分断されちまってる。ゴブリン…特に上位種(ホブゴブリン)は寄り集まると連携した動きを見せてくる。ゴブだからとなめてる冒険者からやられていってる印象だ』

「うん。上位種(ホブゴブリン)とか普通に強いし、油断してたら負けるのもわかるよ。それで? フラン…どうする?」

「いく」

「うん、そう来なくっちゃ」

『おう。ダンジョン突入前に、ある程度表の奴らを減らしておかんとな。冒険者が全滅したりしたら寝覚めが悪いし』

「師匠は寝ない」

「師匠って剣だよね、寝るの?」

『比喩だよ、比喩! ……気を取り直して、行くぞ二人とも! フラン、迷宮入り口付近に大技ぶち込んで後続を止める! ルビーはフランの周りにいるゴブを斬って援護してくれ!』

「ん!」

「了解!」

 

 僕は素早く剣を抜き、フランの前に出てゴブを斬る。フランの進行方向の近くにいる新米(シロウト)を襲っているゴブリンもついでに倒した。

 

「よし、と。大丈夫?」

「う、うん! ありがとう! えっと、貴女は……」

「ルビーだよ?」

「は、はい! ありがとうございます、ルビーさん!」

 

 よーしよし、大丈夫そうだね。

 

 んじゃ次っ!

 

「おい新入り! 雑魚のくせに突出するな…うわ!」

 

 うわ怒鳴られた。ま、そんな言葉の言うとおりにするわけないけどね!

 

『ち! 乱戦で奥に進めん…! 仕方ねえ…前にタイラントサーベルタイガーから吸収した()()使うか? フラン…まだ練習中だが()()いけるか』

「やってみる!」

「ん? ()()? ねえ、まさかそれって……。ちょっと待って、僕を置いてかないでよ!?」

『ひゃほーっ!』

 

 そんな僕の悲鳴をフランと師匠は見事にスルーし、()()…そう、《空中跳躍》を使った。

 

「……れた」

 

 僕は《空中跳躍》使えるのかって? 無理に決まってるでしょ。

 

 人間が《空中跳躍(アレ)》使うには、スキルを僕や師匠みたいに奪うか、天騎士っていう上級職にならないと得られない。

 

 そして、僕は《空中跳躍(アレ)》みたいなものは持っていない。

 

 それが示すことは、つまり僕は――

 

「置いてかれた…………」

 

 ということだ。

 

 ……どうやって入ろう。

 

「うおッ!?」

「飛んだ!?」

「あれは、空中跳躍? 天騎士の固有スキルのはずだぞ!」

 

 お、周りの人とゴブリンの両方が驚いてる。

 

 よし、今だッ!

 

「うりゃーー!」

 

 ドドドォン!

 

 僕は全速力で、トライ・エクスプロージョンを使った師匠たちを追って駆けだした。

現在は1000字を超えたらその日に投稿してますが、1話をもっと長くした方がいいですか?(長くするほど投稿日が遅くなります)

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