転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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42 下位悪魔(レッサーデーモン)は強敵でした

 ピカッ!

 

 フランが倒れた僕を介護してくれていたら、後ろの迷宮核(ダンジョンコア)が輝いた。

 

『ん? なんだ?』

「し、師匠! あれ!」

 

 最初は何かと思った。だって、()()()()()()()()()()

 

「……え?」

 

 だから、めまいもする中で《鑑定》した僕は驚いた。

 

 だって、そこには……。

 

 

名称:下位悪魔(レッサーデーモン)

種族:悪魔・魔獣

ステータス レベル:12

生命:760 魔力:964 腕力:288 敏捷:270

スキル

穴掘り1、威圧4、運搬1、恐慌2、斧技2、斧術2、毒耐性7、土魔術3、毒魔術3、魔力障壁2、闇魔術6、闇耐性8、暗視、自動魔力回復、皮膚硬化、魔力上昇[小]、腕力上昇[小]

称号

悪魔男爵

 

 

下位(レッサー)……悪魔(デーモン)……?」

 

 居るはずのない、奴が居た。

 

 上位悪魔(グレーターデーモン)と同じように肌がタールみたいに黒くて、蝙蝠みたいな翼が生えていて、角がある姿だった。

 

「……ッ!」

 

 咄嗟に構えようとしたが感覚が滅茶苦茶で、自分が立つことすらままならないことに気づいた。

 

『ルビー、大丈夫か?』

「……ごめん、無理みたい」

『……分かった。フラン、さっきの上位悪魔(グレーターデーモン)よりは弱いが、それよりもヤバイ相手だ。気を付けろよ?』

「ん!」

「はっはぁ! やる気じゃねーか! いいねぇ! じゃあ、行くぜ?」

 

 下位悪魔(レッサーデーモン)上位悪魔(グレーターデーモン)とは違い、距離をとって《闇魔術》のビームを()()()()()()()()()

 

『フラァァンッ!』

「んっ!」

 

 師匠はそれを《フレア・ブラスト》で迎え撃ち、相殺をした。

 

 あぁ、完全に僕が足手まといになってる。クソっ……。

 

『くっ……! これはキツイな。まさかこんな強敵と連戦するなんて』

「ん。でも、勝つ!」

「おーおー、凄い殺気だなぁ! だが、そいつを庇いながら勝てんのか?」

「当たり前」

「そうかよ、ならやってみせろぉ!」

「ん!」

 

 フランは下位悪魔(レッサーデーモン)に剣を構えて、下位悪魔(レッサーデーモン)も《闇魔術》の詠唱を始めた。

 

 フランはひたすら下位悪魔(レッサーデーモン)に近づいて剣を振るい、師匠はそれの援護を《火炎魔術》で行い、下位悪魔(レッサーデーモン)は近づかれたら《斧術》で対応しながら距離をとって遠距離砲撃をするという行動を繰り返す。

 

 僕にできることはないかと考えるが、今の僕はそもそも動けない。

 

 ……クソったれ。

 

 

◇◆◇

 

 

 師匠side

 

 ルビーは実質戦闘不能の状態で、しかも相手は下位悪魔(レッサーデーモン)……。キツイな。

 

「——《ブラック・ボム》!」

『フラン避けろッ!』

「ん!」

 

 くっ、下位悪魔(レッサーデーモン)を無視してあの無能迷宮管理者(ダンジョンマスター)を殺せればいいが、そうするとルビーを狙われちまう。

 

 考えろ……どうすれば、この状況を打開できる。

 

 ……俺をさっきみたいにフランに迷宮管理者(ダンジョンマスター)に向けて投げてもらうのはどうだ?

 

 いや、そんなことをすればフランが下位悪魔(レッサーデーモン)に殺られる……。

 

 なら、このまま下位悪魔(レッサーデーモン)を倒せれば……やっぱりそれはキツそうだな。

 

『フラン…ルビーと一緒に撤退するなら今のうちだぞ…』

「…確かに今の状況じゃマズい…と思う。…でも、あの下位悪魔(レッサーデーモン)(アレッサ)に行ったら、たくさん人が死ぬ…。それにお店やギルドが壊される。それはとてもこまる…。だから……力を貸して、師匠…!!」

『…!!』

 

 フラン……!

 

『ああ、分かった! 俺たちで倒すぞ、フラン!!』

「ん!!」

 

 フランめ、そんなこと言われたら引くに引けねーじゃねえか!!

 

 だが、何をすればこいつに……!

 

「……師匠。提案がある」

『っ! ……なんだ?』

「ん、それは……」

 

 

◇◆◇

 

 

 ルビーside

 

 僕は、ずっと見ていることしかできなかった。

 

 フランと下位悪魔(レッサーデーモン)の戦いを。

 

 その時、急にフランが動いた。

 

 そう、迷宮管理者(ダンジョンマスター)に向かって駆けだしたのだ。

 

「……え!?」

 

 僕は、この隙をついて下位悪魔(レッサーデーモン)に殺されるかと思ったが、下位悪魔(レッサーデーモン)()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そこで気が付いた。

 

 僕があの下位悪魔(レッサーデーモン)の立場だったら、フランは僕のことを見捨てて迷宮管理者(ダンジョンマスター)を狙ったと思って、フランを追う。

 

 僕を殺せたとしても自分が死んでしまったら意味がないからだ。

 

 けど、フランにとって下位悪魔(レッサーデーモン)は予想外の行動をした。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「っ!?」

『はぁ!?』

 

 このままじゃ、フランはあの斧で殺される。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……其の…火の…矢を…もって……彼方の…敵を…穿て……《ファイア・アロー》」

 

 使ったのは、ただの《ファイア・アロー》。

 

 しかも、グラグラしている視界で。

 

 だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その火の矢は、ルビーの狙い通り下位悪魔(レッサーデーモン)の斧の軌道をずらし、フランには当たらなくなる。

 

「フラァンッ!」

「ん! はぁぁぁあああああああああーーッッ!!」

 

 フランは師匠で迷宮管理者(ダンジョンマスター)の魔石を『身代わりの腕輪』と同時に斬り、それで全てが終わった。




ルビーが言った《ファイア・アロー》の詠唱はオリジナルです。

これで大丈夫かな……?
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