転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ルビー「ま、魔力値が2614……?」
フラン「ん、すごい」
剣(こいつ、俺以上にチートじゃね?)
僕は今、アレッサギルドでギルマスに問い詰められています。
しかも、止めを刺したのが僕だから、質問がフランじゃなくてこっちに来てるし……。
「
……
原作通りの言い訳するしかないかぁ。
「えっと、あー、あの、実は
説明しながら思う。この説明、無理がありすぎない!?
「……本当に?」
「これは
うん、嘘ではない。
そして、そろそろ
「……そんな事例は今まで報告がないのですがね……はぁ、精霊もざわついてませんし、嘘ではないようですね。分かりました。信じましょう…?」
バンッ!と扉が開いた。
「いいや、待ちたまえ!! その娘は噓をついているぞ!! それで見逃すつもりかね!?」
「困ります!」
……あー、ネルさんと一緒に来たかぁ。ネルさんじゃない方にはできれば来てほしくなかったなぁ。
「……誰!?」
「何? 小娘…私を知らないのか? 我が名はオーギュスト・アルサンド。アレッサ騎士団の副長だ!!」
……《鑑定》。
名称:オーギュスト・アルサンド 年齢:29歳
種族:人間
職業:戦士
状態:平常
ステータス レベル:30
生命:108 魔力:99 腕力:52 敏捷:45
スキル
演技1、歌唱1、騎乗1、欺瞞1、宮廷作法4、剣術1、算術1、社交2、毒耐性1、毒知識2、薬草学2
ユニークスキル
虚言の理5
称号
子爵、アレッサ騎士団副長
装備
ミスリルのロングソード、銀鉄の全身鎧、赤獅子のマント、気配遮断の指輪
「私のユニークスキル《虚言の理》は嘘を見抜くスキル……私に嘘は通じんぞ」
《虚言の理》ねぇ……。
虚言の理:対象の言葉の嘘を見破る。自身の嘘を、他者から見破られにくくする。自身の嘘を、他者に信じ込ませやすくなる。
「……彼女が嘘…をついていると?」
「うむ。魔石は消滅したなどと言っているがそれは嘘だ。どこかに隠し持っているはずだ」
あー、メンドイ。今までもこうやって悪用してきたって事だろうし。
こちとら疲れてんだよ。
「……持ってないですよ。消滅したって言ったじゃないですか」
「また嘘だぞ!!」
……ウゼェ。
「さぁギルドマスター、この小娘を騎士団に引き渡してもらおう。ついでにそちらの黒猫族の小娘もな。貴族の私に平然と虚偽の申告をしたのだ。不正を見逃すわけにはいかんだろう」
「はぁ……ああ、言っておきますが、彼女たちは貴方の手に負えるような冒険者ではないですよ。なにせ
「…っ!」
「それにここは、公の場ではありません。彼女には、あくまでも私的に話を聞いております。そこで多少冗談を言ったところで、咎める法などないと思いますが?」
「貴族の私に虚をついたのだ。どんな場であれ、それは罪だ」
「もう一度言いますが、冗談を言った程度で罪になるとは、知りませんでしたな」
「とにかく! この娘は信用ならん。聞けば、出身地すら分からぬそうではないか! 他国の間諜かもしれん。全ての持ち物を騎士団に供出せよ。荷を改めさせてもらう。そうすれば、本日の無礼は不問にしてやる」
……はぁ? 馬鹿かこいつ。
「何を言っておられる!」
「では、
おいおい、原作は
もっと要求がひどくなってるじゃん。クズだなぁ。
「……何故そうなります? 今回の討伐において、自ら倒した魔獣の素材は、その者自身が獲得する権利を有しております。悪魔を倒した彼女が、魔石を得るのは正当な権利。むしろ、素材においてはギルドに正式に納納められており、こちらとしては咎める理由が一切ありません」
「世迷言を。ホブゴブリン程度の素材であれば、いくらでもくれてやる。だが、悪魔の素材のような高ランク素材を下級冒険者如きに渡すなど、断じて許さん。それにその小娘ども、独断専行をしたそうではないか。命令違反の罪があろう! そのような者に、正当な報酬とやらを受け取る権利があるかね?」
「ふぅ。命令違反を罪に問わなくてはならないのであれば、ほとんどの冒険者が対象になってしまいます。ああいう場で、独断専行する冒険者が出ないことの方が珍しいのですよ。むしろ、命令や規則に違反したことのない冒険者が居るのであれば、お目にかかりたいものです」
「所詮は底辺の者どもということか」
「まあ、お行儀のよい騎士団の方々と違い、荒っぽい人種が揃っておりますので。それにそもそも、魔石を彼女が持っていたとしても、ゴブリン迷宮攻略作戦の要請を断ったあなた方にそれを奪う権利はないでしょう」
「不確かな情報で騎士団の人員を割くわけにはいかんからな。そういうのは冒険者…底辺の者どもがやるのが相応しい」
「……冒険者を愚弄するのはやめていただきたい。彼らの献身的な働きや犠牲で今回の騒動を解決できたのです。大体あのウルス団長が断るとは思えない。まさか貴方の所で勝手に話を止めてはいませんか?」
「そ…そんな訳なかろう…! 何だァ貴様……我が騎士団…そして我が父オルメス伯と事を構える気か?」
「出来ればそう…したくはないのですがね」
……全力で関わりたくねぇ。逃げて良いかな? 駄目だよね。
「ん、分かった。じゃ、これあげるから二人とも仲直りする」
「うん?」
「?」
「ぬ?」
僕、ギルマス、クズデブ貴族野郎の全員がフランの手を見てみると、そこには『ゴブリンの角』があった。
「ぶふっ」
「~~ッ! 侮辱するか!? 汚らわしいゴブリンの角などいらぬわ!!」
クズデブ貴族野郎がフランの手から『ゴブリンの角』を奪い、投げ捨てた。
『おいおいフラン! 今の煽りは高度すぎだろ! ぎゃはははは!』
「そ…そうだよフラン……ふふっ……はは……あははは!」
「ル…ビー……こいつ…斬っていい?」
「……え? あ、今の本気だったん?」
フランはそのまま師匠に手をかけて……。
「って、待って待って! ストーップ! ウェイトだよフラン! こんなところで貴族を殺したら面倒くさいことになる!!」
『そうだぞフラン! 落ち着け! それとルビー! 悪い事とかじゃなくて面倒くさいって言ってる時点でお前も大概だぞ!! ……ギルマスの部屋で貴族を斬殺とか、アレッサの歴史に残りそうだからやめときなさい。もっと別の……そうだ! こいつ悪人っぽいし、アレ試そう!!』
「! おっけい、同時ね」
フランと師匠は、《スキルテイカ―》を使った…らしい。
目に見えないし、僕にはわからないよ。
〈師匠はユニークスキル《虚言の理》を奪取しました。フランはスキル《宮廷作法》4を奪取しました〉
あ、アナウンスさん。サンキュー!
『おお、奪えたぞ』
「ん」
「??」
ははっ、クズデブ貴族野郎は何も気づいてないし。
「わたしは100さい。ほんとか嘘かわかる?」
「何だ貴様突然。そんなものは簡単にだな……」
『くくく。大事なスキルが無くなったことに気づいて、慌てふためくがいいわ!』
……スキル奪われてるの分かるのかな~?
「…………!?」
お、ようやく気付いたか?
「早くこたえて」
「う…うるさい! その…何だ。きょっ…今日は気分が悪い! 帰る! また出直すぞ! 覚えていろよ貴様ら!」
クズデブ貴族野郎は捨て台詞をはいて、走って逃げていった。
ほんと……何なんだあいつ。
「……ふぅ、申し訳ありませんでしたね」
「あ、いえ。僕は大丈夫ですけど……」
「あれは誰?」
「彼は大貴族のボンボンであり、アレッサ騎士団の副長でもある人物です。地位を金で買った俗物でありますが、街を仕切る大貴族…オルメス伯爵の息子のため、こちらもあまり強く出れず扱いづらいのですよ。1年程前に赴任してきて以来、ことあるごとに身分を振りかざすので、町中で嫌われていますね。まあ、ギルドに対してこれほど馬鹿な行動に出るのは初めてですが」
「騎士団に文句言う」
「無理ですよ。大抵のことは、親が握りつぶしてしまいますから。だからこそ、あそこまで馬鹿に育ったんでしょうが。それに、《虚言の理》と言う嘘を見破るスキルを持っており、無下にも扱えぬのです」
「雑魚でも、副長? お金があればいい?」
「そこは国に言ってやってください。それに、雑魚は雑魚なんですが、レベルは30くらいとそこそこなのですよ。貴族にはよくいますが、身内の強い騎士や金で雇った強者とパーティを組ませて、魔物を狩らせてレベルだけを上げるのです。おそらく修練をしていませんのでハリボテでしょう。……貴女達へ目を付けられたかもしれません。十分注意を……」
「ん、大丈夫」
「はい、大丈夫です。一応、これでも僕も強いので」
「そうですか。貴女達がそう言うのであれば、構いませんが……」
フランには及ばないと思うけど、まぁまぁ強いからね。
「話は以上です。ともかく…感謝を」
はぁ……ようやく終わったな。
「で、本当に魔石はお持ちではないのですか?」
「ギルマスも言うんですかそれぇ!?」
「冗談です」
「危なかった」
「何が?」
「手が出そうになった」
「手ぇ出さないでね!? さっきの貴族とは違っていい人だからヤメテ!?」
「はははは。それは怖い。では、くれぐれも、奴には気を付けてください」
「だいじょぶ。……もう良い?」
「……フラン。その態度は少し失礼だと思うよ」
「ん」
「ええ、ありがとうございました。あ、ちょっと待ってください」
「?」
「うん?」
「受付でランクアップしていってください。すでに事務処理は終わらせていますので」
「また?」
「ええ。また、あなたがとんでもない成果を上げてくださいましたので。悪魔単独撃破の冒険者を、ランクFと名乗らせるなんて、できませんからね。とりあえず、飛んでランクDに上がってもらいます」
「Eじゃない?」
「本来であれば、Cに上げたかったんですが。あまりにも短期間ですのでさすがに、他の支部の承認が得られませんでした」
「……Cは上げすぎじゃないですか?」
「ははっ」
「ん、分かった」
これで僕もDランク冒険者か! よっしゃーーッ!
「分かった。受付に行く」
「ありがとうございます!」
「よろしくお願いいたします。そこで報酬も支払いますので、受け取ってくださいね。ボーナスも弾んでいますよ」
「ん。それはうれしい」
「おお!」
ボーナスか! 僕もいるから原作よりもお金がかつかつだし、メッチャありがたい!!
どうでもいいですが、師匠は