転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ルビー「ホント!?」
フラン「ん、嬉しい」
ゴブリン討伐から10日。
今日もいつも通り依頼をして魔獣を見つけたら殺して、アレッサに帰ってきていた。
最近はステータスが低い奴ばかりなので、スキルを奪ったりしている。
しかもステータスを奪いすぎると、またあの状態になりそうなので気を付けているからだよ。
「おォ! フランちゃんとルビーちゃん! また依頼かい?」
「ん」
「あ、どうも」
この人は門番のデルトさんです。良く話しかけてきてくれるけど、そのせいで師匠にロリコンって言われちゃってる人
けどフランも結構気を許してるみたいだし、悪い人じゃないのは事実だ。
「今日も可愛いなぁ」
……師匠の言う通りロリコンなのかなぁ。
「ああ! そういえば気を付けなよ。アルサンド子爵は知っているかい?」
「ハムサンド?」
「ハムサンドはおいしそうだけど違うよ。もっと油だらけでマズそうなやつ」
『そもそも食い物じゃねぇよ! あれだよ。確かオーギュスト・アルサンド……多分この前ギルマスの部屋で文句言って突っかかってきた騎士団副長の貴族じゃないか?』
「ホホウ?」
「ほら、ゴブリンの角を捨てた貴族がいたじゃん」
「ああ、雑魚副長?」
「ぶはっ」
ざ、雑魚副長って……!
「はっはっはっは。そうそう、その雑魚副長だ」
「あれがどうしたの?」
「ああ、何やらフランちゃんのことを探しているようだ。注意しておいた方がいい。昨日も、奴の部下だっていう奴が、君がここを通ったか確認しに来たし」
「へぇ?」
オーギュスト・アルサンド……一応だけど警戒した方がいいかな?
「奴は貴族だし、町じゃ好き勝手さ。しかも、嘘を見破るスキルというのを持っているらしいんだ」
「知ってる」
「知ってます」
ま、もう無いけどな。
「そのスキルは、貴族の社会じゃとても有効なスキルなんだと。相手の弱みを握ったり、政敵を追い落としたりな。やつらは、空気を吐くのと同じくらい簡単に嘘をつくからな。そのせいで、あの子爵が問題を起こしても、実家が揉みつぶしちまうんだ。おかげで余計に調子に乗って、より馬鹿なことをしでかすんだがな。二人との関係はわからんが、何をしてくるか分からんから気を付けな」
「分かった。気を付ける」
「色々注意しますね」
「そうした方がいい。しかも、少しやばい噂を聞いたんだ」
「噂、ですか?」
「ああ、何日か前から、アルサンド子爵の様子がおかしくなり始めたとか」
「どんな風に?」
「急に挙動不審になって、精神を病んだっていう噂が出始めたと思ったら、王族相手に酷い失態を演じたとか。詳しい内容は分からないけど、父親のオルメス伯も激怒していて、今度ばかりは見捨てられるんじゃないかっていう話まである。その後はさらに酷い変わりようで、呪われたとか、邪神が乗り移ったとか、いろんな噂が飛び交っている」
『うわー、そんな相手にストーキングされているかもしれないってことか? それは怖いな』
「だね。ひえー」
『お前……全然怖がってないだろ』
「えへへ……」
「じゃあ、いってらっしゃい」
「ん、分かった。ありがと」
「わざわざ忠告、ありがとうございます!」
……その後の宿への帰り道。
ゴブリンから奪ったスキル《警戒》が、誰かの気配を二つ感じ取った。
これは……原作のことも考えるとオーギュストと、青猫族のギュランか。
『……振り向くなよ、二人とも。誰かにつけられてる』
「ん」
「……うん」
『二人、か。撒くのは簡単だが、いつまでもこういうのに付け狙われるのはごめんだな』
「うん。……裏道にでも行く?」
『ああ、それが良いかもな』
師匠のOkもありわざと裏道に入ると、気配がこっちに近づいてきた。
「……何かよう?」
おお、フランに強者感が出ててカッコいい!
「!! …きっ、貴様…」
おお、やっぱりオーギュs
「あッ…あのときわわ私に呪いをかけたァ、二人組だろォォお!」
「いや誰ぇ!? 誰っていうか魔獣!?
か、《鑑定》!
名称:オーギュスト・アルサンド 年齢:29歳
種族:人間
職業:戦士
状態:衰弱
ステータス レベル:30
生命:108 魔力:99 腕力:52 敏捷:45
スキル
演技1、歌唱1、騎乗1、欺瞞1、剣術1、算術1、社交2、毒耐性1、毒知識2、薬草学2
称号
子爵、アレッサ騎士団副長
あ、良かった。ちゃんとオーギュストだ。
状態:衰弱……衰弱ってレベルじゃねぇ。
「ねぇ、アレって……?」
『多分、オーギュスト子爵だよな? え? 僅か10日で何があった?』
「同意見」
ぜ、全力で関わりたくねぇ。
「お、お前らのォォせいでェ私はおしまいだァァ!! 責任を取ってもらうぞォォ!」
「どちら様?」
「な、なに? 我を忘れたとでも、言うのか!」
「初対面」
「ほ、本当か? ひ…人違い? い、いや、嘘をつくな! そんなわけがない!」
「だって見覚えない」
よし、僕もフランに加勢しよう。
「すみません……僕もあなたとは会った覚えがないのですが……」
「え? 本当に人違いか? いや、嘘だ! 嘘だろ?」
「嘘じゃない。じゃあ、そういうことで」
「え? え? 嘘じゃないのか? 嘘じゃない?」
「嘘じゃないです。では」
「じゃ」
……思ったよりも簡単に押し切ったな。
よし! ギュラン戦、スルー!
「あ! いや!! その剣は!! お前やっぱりあの時のギルドの冒険者ではないか!!」
チッ、無理かぁ。
「そ、それにその特徴的な白髪はぁ……や、やはり嘘だったのか! くそっ、どいつもこいつも嘘ばっかつきやがって!」
「いや、お前が言うなよ!」
思わず突っ込んでしまった。
「お、お前ら、その剣を、こ、こちらに渡せ!」
「いや」
「いやですけど。これは僕の剣です」
元
「う、うるさい! 薄汚い冒険者風情が、き、貴族様に逆らうんじゃない! と、とっとと渡せ!」
「やだ」
「人の話聞いてました? 僕は渡したくないって言いましたよね」
「おお、俺を誰だと思っている! お、オーギュスト・アルサンド様だぞ!」
「知ってますけど? それが?」
するとオーギュストは、自傷行為を始めた。
「え……? な、何やってんの……?」
「? 気が触れた?」
『面倒だな。逃げるか斬るか、どうする?』
「どうしようか?」
師匠と相談していると、オーギュストが叫んだ。
「ゆっ許さァァん!! おいッ……ギュラン!」
「フン、ガキが二人、しかもそのうちの一人は黒猫族か……。任せてください。俺たちの一族は、こいつらの扱いにゃ慣れてますんで。身ぐるみ剥いで奴隷商に売っちまいましょう」
そうして出てきた青猫族は、フランの猫耳とかと違い、顔そのものが猫なのですこしキモかった。
……奴隷をやってたんだし、殺そうか。