転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ギルマスからの依頼を受けてから1時間後、僕たちは宿にいた。
『ふんふんふーん♪ レア魔石5つも貰っちまったぜ』
「そうだね……フランが意外と交渉上手かったし」
『じゃあ、吸収するか』
「ん」
『どんなスキルが入ってるか、分からないんだよな……』
「あ、そっか。《鑑定》でも分からないんだっけ」
《鑑定》を使うと何の魔獣の魔石か分かるが、スキルまでは表示されない。
Cランクの魔石は、
Dランクは、要塞ヤドカリ、
「楽しみ」
『まあ、福袋っぽいけどさ』
「福袋?」
「あー……あれと似たようなものか」
『ああ、なんというか、夢と希望と少しの絶望が詰まった袋のことだ』
「なんかすごい」
『それを手に入れるために、数多くの戦士たちが挑み、散ってゆくのさ』
「師匠は中を見たことある?」
『まあな』
「すごい!」
「すごい……かなぁ……?」
『さて、どんなスキルを吸収できるかなっと』
師匠は5つの魔獣に『刃』を当てて、吸収した。
『キタキタ~! 大物を喰らうこの感触……!! 魔石んま~~♡』
「ヨカッタネ……」
「フラン、目が冷たいよ」
それで? 師匠のステータスはっと。
名称:師匠
装備者:フラン
種族:インテリジェンス・ウェポン
攻撃力:434→478 保有魔力:2050→2500 耐久値:1850→2300
魔力伝導率・A
スキル
自己進化〈ランク8→9・魔石値3146→3630/3600→4500・メモリ70→79・ポイント2→47〉
おう……大分伸びてるね。
保有魔力:2500か……僕は魔力:2523だし、すぐに超えられちゃうな。
◇◆◇
次の日。朝食のカレーを食べた僕とフランは、ポーションとかの準備をランデルさんのお店で済ませた。
そして、魔石をもらってから二日後の当日。
「師匠、ルビー。集合場所ついた」
『お?』
「うわー、個性豊かなパーティばっかだな」
そこにいたのは、ガラの悪い男たちのチームと、エルフっぽい人がリーダーらしいチーム、監督役の男の人。
「おはよおおお♡ 私の出る夢とか見ちゃったりした? よく寝れた?」
……それとアマンダさん。
「……ん、出てきた。悪夢だった」
「僕は出てきてないです。全くもって」
「ああん、二人ともひどい……」
アマンダさんを適当にあしらったところで、金髪のイケメンさんが話し出した。
「そろったところで聞いてくれ。この調査依頼はランクE2パーティの昇格試験を兼ねている。俺はクルス。Cランク冒険者パーティ『紺碧の守り手』のリーダーだ」
名称:クルス・リューゼル 年齢:28歳
種族:人間
職業:瞬剣士
ステータス レベル:33
生命:256 魔力:175 腕力:113 敏捷:178
スキル
悪意感知3、隠密2、回避5、宮廷作法3、気配察知4、剣技5、剣術7、護身術4、指揮2、瞬発7、耐寒4、毒耐性5、罠感知2、気力操作
称号
正義漢
装備
火炎のミスリルロングソード、軽銀鋼の鎧、軽銀鋼の篭手、軽銀鋼の脚甲、百脚蜘蛛の外套、耐毒の腕輪
「こちらの二人がメンバーの、リグとアイゼール。彼らと共に、今回の全体統括役兼試験官を務める。武器は剣を使う。よろしく頼む」
「師匠はあの人どう思う?」
『イケメンだな。見紛う事なき金髪イケメンだ。しかも、若くしてCランク。装備は白くてピカピカだし、お金も持ってそうだな。家名もあるし、貴族出身だろうなぁ。なんとなく気品が感じられる顔立ちだし。きっとモテモテなんだろうな! ちっ!』
「完全に決めつけじゃん。けど称号に正義漢っていうのがあるし、悪い人じゃなさそうだけど」
『……そうだな、とりあえず呪わんとこう。まあ、フランに粉かけてきたら、即殺だけどな!』
「やめてあげて。可哀想」
『じゃあルビー、あいつがフランを口説いてたらどうする?』
「魔力全部込めた《閃剣》撃つ」
『……俺と同レベルじゃね?』
違う……と思う。思いたい。
「では、俺に続いて自己紹介をしていってくれ」
「……フン。俺の名前はクラッド。Eランクパーティ『竜の咆哮』のリーダーだ。俺の得物は槍。こんな試験スパっとクリアしてやっぜ。気合い入ってンで、そこんとこヨロシク」
名称:クラッド 年齢:23歳
種族:人間
職業:戦士
ステータス レベル:20
生命:127 魔力:97 腕力:67 敏捷:47
スキル
運搬2、軽業4、危機察知3、空腹耐性3、拳闘術1、槍技1、槍術4、恫喝3、登攀3、気力操作
称号
なし
装備
上質の鋼鉄の槍、岩石牛の甲鎧、岩石牛の腕甲、大蜘蛛のブーツ、石蜘蛛の外套、自然治癒の腕輪・微
スパっとクリア……フラグ立てるなぁ。ま、すぐフラグ回収しないといいね。
というか……
「師匠」
『ああ、あのクラッドってやつ、ずっとお前らを睨んでるな。こんなに可愛いフランとルビーを睨むなんて、頭おかしいとしか思えん』
「……え、僕も?」
『ああ、睨まれてるのに気付かなかったのか?』
「いや、その……可愛いって言った方」
『……はぁ、安心しろ。お前は可愛い。TSっ娘でも……いや、だからこそ良いところもある。つまりお前もフランと同じく美少女だ』
「え、あ、ありがと……?」
な、何だろうこれ……喜ぶべきなのか? 怒るべきなのか?
わ、分からん……。
「え~と……私はフリーオンと申します。ランクEパーティ『樹海の目』のリーダーです。武器は得意ではありませんが、精霊魔術などを使えます」
名称:フリーオン 年齢:49歳
種族:ウッドエルフ
職業:精霊使い
ステータス レベル:26
生命:71 魔力:233 腕力:36 敏捷:60
スキル
弓術1、採取2、栽培4、邪悪感知3、樹木魔術3、植物知識7、眠気耐性3、精霊魔術5、土魔術3、水魔術4、薬草知識4、精霊の加護、魔力操作、森の子供
装備
黒斑楡の杖、赤猿の胸当て、森蜘蛛糸の服、森蜘蛛糸の外套、産水の指輪
……ああ、あの人がギルマスのスパイか。原作知識あってよかったー……。
あんまり目立たないようにしよっと。
「師匠」
『金髪糸目エルフ。それ以外の何物でもないな。ギルマスよりは若々しくは見えるけど』
「うん。こう言うのはちょっとあれだけど、平凡だね」
白髪紅眼の中二病感あふれる僕とは大違いの平凡さだ。
「あ、次は私か。アマンダよ、よろしく♡」
「やっぱりアレ、アマンダさんか……」
「ランクAが何故……」
何故かは知ってるけど、理解はできない。
いや、頼りにはなるけど会うたびにハグされるのはなぁ……。
「では最後のお嬢さんたち」
「私はフラン、ランクD。好きなものはカレー、よろしく」
「カレーって伝わらないんじゃない……? あ、僕はルビーです。ランクはフランと同じDで、使う武器はこの剣です。よろしくお願いします」
僕はあまり他の冒険者を刺激しないように敬語を使う。
「チッ……」
……効果はなかったみたいだけど。
「フン……やっぱりてめェだったか。ギルマスに取り入ってランクアップさせてもらった、自称ランクDのガキっつぅのはよ!!」
はぁ……こんなとこは別に原作沿いじゃなくてもいいのに……!