転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
僕たちは、
ここに来る途中、クラッドが何回もちょっかいをかけてきたので、当初の到着時間よりだいぶ遅い。
お前……本当に何なの?
「今晩はここで野営……明日早く
食事と寝具は師匠の《次元収納》に入れてあるので、いつでも取り出せる。
「夜の見張り番だが、まずフランさんとルビーさん、次に俺達のパーティ、クラッド達、フリーオン達の順で頼む」
「ん、わかった」
「任せてください」
「ランクAサマは見張りなしかよ」
まーたクラッドか……もうお前帰ってくんね?
「見張りも評価の内だ。彼女に任せたら試験にならないだろう。あまりアマンダ様を頼らないようにしろ」
「ごめんね~」
「チッ」
……無視だ無視。
「フラン、さっさと焚火の所行こ」
「ん、見張り頑張る」
『お、気合入ってんなー。もちろん俺も注意しておくから任せろ』
「うん、頼りにしてる」
「フランちゃんとルビーちゃあぁぁあん! 見張りとかほかの男どもに任せてあっちで一緒に寝──」
「遠慮する」
「お断りします」
「ああん……」
最初は事情とか知ってたからあんまり雑な対応はしないようにと思ってたけど、セクハラもどきされ始めてからは僕の中の何かが切れた。
アマンダさん……強いのになんか残念。
「よォ。コネでランクDになったお二人さんよ。テメーらみてぇなお子様達が見張りできんのかよ」
「大丈夫。できる」
……もうお前帰れ。主に僕の精神のために」
「あァ!?」
……あ、もしかして、口に出てた?
『何してんだルビー……』
「……ごめん」
「テメェ……この……クソガキがァッ!
ッ!? 噓でしょ、いきなり攻撃!?
「くっ」
クラッドの槍が二連続で僕に向かってくるが、僕からしたらこんなの遅い。
余裕をもって一撃目を簡単に避け、フランの下へ行こうとしていた二撃目を剣を抜いて弾き、剣を構えてクラッドを警戒する。
……流石にこれは、看過できないしねぇ。
「ルビー!」
『ちょ、大丈夫か!?』
「うん、このくらいなら余裕で反応できる」
「な……ッ、二発とも避けただと……!? マグレか?」
……よし、ここで攻撃しても正当防衛になるよね! 多分!
「はぁ、僕に攻撃するのはまだいいよ? 失言しちゃったのは僕だし、こんなスピードなら避けられるし――」
「チィ、
クラッドの槍が横から迫ってくるが、その横払いを僕が跳んで難なく避ける。
「……もういいや。行くよ」
僕はクラッドには反応できないぐらいの速さで懐に潜り込み、剣は使わず左足で思いっきり蹴り上げる。
「ごはァ!?」
クラッドはそれをもろに受け、そのまま吹っ飛んだ。
「リーダー!」
クラッドの仲間たちが駆け寄ってきてるな。そのままテントまで運んでくれ。
「……はい、おしまい。はぁ……疲れた」
『お疲れ様。まあこれでルビー達がランクDだってのにケチ付ける奴は無くなんだろ』
「ん、ルビーかっこよかった」
「えへへ……そう?」
フランに褒められるのは嬉しい。ヤバイ、にやける。
「んふ~♡ すごいわ~中々やるじゃない、ルビーちゃん! よかったら私とも模擬戦してくれなぁい!?」
……ん? もしかしてフランとアマンダさんの模擬戦きっかけ、奪っちゃった?
「ルビーと、アマンダが模擬戦……?」
「私、緊急時とかじゃないと戦闘に参加できないじゃない? このまま何もしないと退屈で肩が凝っちゃいそうで」
「……うん、良いですよ」
まぁいいか。僕の結論は、そんな考えに至った。
閃剣士になったし、少し体と感覚にずれがあるかもだしね。この模擬戦で修正出来たら良いかも。