転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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前回のあらすじ
フラン「ん、《剣技》衝波斬(ソニック・ウェイブ)!」
ルビー「りょうかーいッ! 《閃剣》×2!」
アマンダ「は~い♡ よっ! 《鞭技》連獅子!」
ルビー(僕だけ技じゃ無いな……)


60 召喚したのは狼でした

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 

 ……ヤバい。原作知識で知ってたから覚悟はしてたけど、それでもヤバい。

 

 ──ピンッ。

 

 そんな糸を弾く音と共に毒針罠(ポイズン・ニードル)毒爆発(ポイズン・ボム)などの(トラップ)が発動し、トリックスター・スパイダーにまともに近づけない。

 

 手刀でも固有スキルの《閃剣》は使えるが、ちゃんとした剣を持っている時と比べると圧倒的に威力が低い。

 

「……本当はあんまり頼りたくないけど、この状況は仕方ないよね……早く来てよ? 師匠、フラン」

 

 

■□■

 

 

 フラン&師匠side

 

(師匠ぉっ! ルビーが、ルビーがぁっ!)

『分かってるッ! クソッ……探知スキルで捜してるが、見つからねぇ……他に良いスキルは……』

「あーもうっ、私の役立たずッ! どーすんのよ~~迷宮全部破壊するわよ!?」

 

 若干キレてるアマンダを放置して、師匠は自分のスキルを上から確認していく。

 

『……あっ! いじるのを後回しにしてた召喚スキルがあるぞ! これで捜索に秀でた奴を呼び出せれば……』

(! 師匠、何が召喚できる?)

『えっと……ウルフ、グレイウルフ、ブラウンウルフ、レッドウルフ、ブルーウルフ、グリーンウルフ、イエローウルフ、ブラックウルフ、ルビーウルフ、エメラルドウルフ、サンダーウルフ、オニキスウルフ……なんだこりゃ? ウルフ祭り? 分からん。契約した覚えなんか全くないのに……』

(ルビーを捜せるのは!? 師匠!!)

『落ち着けって! ッ────お! オニキスウルフって奴が《生命感知》を持ってるぞ! しかも、レッド以上のウルフはどいつも《反響定位》、《鋭敏嗅覚》も備えているし、ルビーを探し出せるんじゃないか!?』

(ん! 師匠、召喚して!)

『おう! 魔力を限界近くまで込めてやる! 召喚(サモン)黒石魔狼(オニキスウルフ)!』

「え……何?」

「グルルゥゥ」

 

 虚空にある魔法陣から、漆黒の狼が出現する。

 

「ガァァッ! グルルルルゥ……」

『……え?』

「……師匠? なんか、嫌な予感が──」

 

 フランが言い切る前に、黒石魔狼(オニキスウルフ)が《闇魔術》ダーク・スピアでフランを攻撃し、フランは一瞬で避ける。

 

「何これ、黒石魔狼(オニキスウルフ)!? いきなり出現した……!? ……下がって、フランちゃん。私が処理するわ」

「違う、アマンダ! 私が召喚した!」

「……え? フランちゃん、どういうこと?」

「ルビーを捜せる使い魔を召喚したら……」

「……ちょっと待って、フランちゃん。貴女、「召喚した」って言った?」

「ん」

「もしかして、名付け(ネーミング)してないからじゃないかしら」

名付け(ネーミング)?」

『なんだそりゃ』

「確か《召喚術》は召喚主が呼び出した魔獣や精霊に、「名」を与えてつながりを強めると聞くわ」

(……召喚したのは師匠。名付け(ネーミング)してあげて)

『分かった。じゃ、試してみるか……即興で悪いが恨むなよ。えーと、お前は……(ウル)……いや……ウ…ウ……よし! 黒石魔狼(オニキスウルフ)!! 今からお前の名は……「ウルシ」だ!!』

「ん、ウルシ!」

 

 師匠が黒石魔狼(オニキスウルフ)名付け(ネーミング)すると、アナウンスさんの声がした。

 

〈オニキスウルフの〈名付け(ネーミング)〉が完了しました〉

〈オニキスウルフが進化します〉

『え? 進化?』

 

 するとウルシの姿が変わっていく。

 

 進化した後には、足先から肩までで、3メートルを超えていた。

 

〈ウルシが、暗黒魔狼(ダークネスウルフ)へと進化しました〉

 

「アオオオォォォォォーン!」

『い、いきなり元気だな……もう平気なのか?』

(そうみたい……モフモフ)

『……もう大丈夫みたいだし、モフモフしていいと思うぞ』

(それはルビーを見つけてから)

 

 フランはウルシに近づいて声をかける。

 

「ウルシ、私のこと分かる?」

「オンッ」

「ん。ウルシ、この剣の臭いを見つけて」

『どっちかっていうと、狼って言うより犬だな……』

 

 フランはルビーの持っていた「幻輝石の魔剣」と「王蛇蝎の短剣」をウルシに嗅がせる。

 

「オフン……ウ~、ウゥ~~……オン!」

「ん」

 

 フランは師匠とルビーの「幻輝石の魔剣」と「王蛇蝎の短剣」を持ち、ウルシの上に乗った。

 

「行って! ウルシ!!」

「オフオフ!」

 

 ウルシは《影渡り》を使い、どんどんルビーへ向かっていく。

 

「待ってて、ルビー」

 

 フランはウルシに乗りながら、フランは祈る。

 

 ルビーが無事でいることを────

 

「ちょっとフランちゃん! 私放置!?」

 

 ……アマンダは放置して。

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