転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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少し前、ここに僕が書いているもう一つの作品の話を誤って投稿してしまいました……本当にお騒がせしました。
すみませんでしたッ!


64 酒場でワイワイ騒ぎました

「じゃあ、カンパーイ!」

「乾杯」

「乾杯!」

「いぇーい!」

 

 その夜、僕たちは酒場に来ていた。お別れ会兼ダンジョンお疲れさま会、らしい。

 

 アマンダさんとネルさんもいます。

 

「あーあ。フランちゃんとルビーちゃんとお別れなんて、お姉さん寂しいわ!」

「私もよ。どうしても行っちゃうの?」

「ん。ダンジョンに行く」

「あはは……まぁ、どうしても行きたいですね」

 

 ジャンさんたちにも会いたいし。

 

「ダンジョンと私どっちが大事なの!」

「そりゃあ、ダンジョンでしょ! アマンダなんて、出会ったばかりじゃない。その点、あたしは1ヶ月近い付き合いだもんね?」

「むう。長さじゃないの! 私なんて、寝食を共にした仲なのよ!」

 

 二人は話題を変えながらお酒を飲み、どんどん酔っていく。

 

 僕は飲んでないよ? 未成年者の飲酒は危険です!

 

『2人がだんだん酔ってきたな。スキンシップが激しくなってきたし』

「そだね……撫でられてたウルシも影に避難してるし……」

『そういや、ルビーは照れたりしないのか? 自認は一応男だろ?』

「必死に抑えてるんだよ察しろ!」

 

 さっきから、こう、大きい果実が押し付けられてるし、色々とヤバいの!

 

「私もフランちゃんとルビーちゃんについてっちゃおうかな~」

「孤児院は?」

「あら~、フランちゃん知ってたのね。でも大丈夫よ。子供の面倒は院長たちに任せてれば問題ないし? むしろ、出稼ぎに出て沢山お金稼いだ方が、孤児院のためになるってもんでしょう? だから、フランちゃんと一緒にダンジョンに潜る~」

「ん。構わない」

「え? 本当? 嬉しい!」

 

 待って待って!? ちょ、原作ぶっ壊れるッ!

 

「だめよー」

「えー。なんでよネル~」

「あんた、契約忘れてるの?」

「あー、あれねー。もう、面倒な契約結んじゃったわ!」

「ギルマスの甘い言葉に乗ったあなたが悪いんでしょ!」

「ううぅ」

 

 ……危ねー。そういえば、そんな契約結んでたな。

 

 忘れてた……。

 

「契約?」

「そうなのよ! 私、ギルドの依頼以外じゃ、アレッサから長期間離れられないの!」

「なんで?」

「えーとねー」

「こら、アマンダ。こんな人がいっぱいのところで!」

「あーそうでした。──サイレンス!」

「結界……かな?」

『そうみたいだな。内緒話をするにはちょうど良い魔術なんだが、俺たちのいるテーブルどころか、周辺のテーブルまで巻きこんでるぞ』

「え?」

 

 僕が周りを見ると、急に音が消えて慌てまくってるお客さんたちが──

 

「……僕は何も見なかった」

『おい』

 

 しょうがないでしょうが……僕にアマンダさんは止められないんだし。

 

「私たちが行ってたダンジョンあるじゃない? あそこって、結構重要なのよ。なにせ、魔鉱石を大量生産できる場所だし。鉱山なんかよりも安定して供給できるし? でもー、ダンジョンはギルドの管轄でしょ? 国でも、おいそれと手が出せない訳。でも、国はどうしてもアレッサのダンジョンが欲しい」

「ん」

「それで、アレッサは北にあるレイドス王国の国境に結構近いじゃない?」

「そうなの?」

「そうなの。レイドスとは仲が悪いし、あそこの国は結構イケイケだから。最悪、アレッサがレイドスに狙われる可能性もあるわ」

 

 レイドス王国か……上層部のクソは潰したいな。

 

「魔鉱石に関する話だって、隠し通すことは無理だろうし。秘密なんて、いつかばれちゃうものなのよね~」

「だから、国はそれを理由にして、ダンジョンを国の管轄にしようとしていた時期があるの」

「ただ、アレッサのギルドも国に取り上げられたくないわけよ。だって、アレッサってあのダンジョン以外に目ぼしい物がないし。あのダンジョンを取り上げられちゃったら、アレッサのギルドは収入激減よ?」

「あたしたちのお給料も、カットよカット!」

「だからギルドとしては、隣国に攻め入られたとしてもアレッサを守り通せるだけの戦力がありますっていう、保証が必要なの。ランクA冒険者を常駐させるとかね」

『それで、アマンダはアレッサから離れられない訳か』

「国に睨まれてるから、騎士団も弱いし。ウルス団長はアレッサ出身だから、無理にとどまってくれてるけど。昔はもっと酷い騎士団だったのよ!」

「うわぁ……マジですか?」

「マジもマジ、大マジよ……って言う訳で、私はこの町から離れられないのよ~」

「なるほど」

「フランちゃんとルビーちゃんのお世話を色々したかったわー!」

「だから、無理なのよ!」

「じゃあ、せめてここは私が奢っちゃう!」

「やったー。さすがアマンダ!」

「あら、ネルはダメよ? フランちゃんとルビーちゃんだけ~」

「けちー!」

「ケチで良いでーす! フランちゃんルビーちゃーん。他の町に行っても私を忘れないでね?」

「ん。忘れない」

「というか、アマンダさんみたいな変じ──凄い人は忘れられないですよ」

「ルビーちゃん、今私のこと変人って──」

「言ってないですよ」

「いや──」

「言ってないですよ」

「アッ、ハイ」

 

 口が滑った……!

 

「何! フラン嬢ちゃんとルビー嬢ちゃん、アレッサを出るのか!」

「な、なんだと!」

『あれ? サイレンスの効果がいつの間にか切れてたな。つーか、誰だ? どっかで見たことあるんだが……。ああ、最初にゴブリンの大軍と戦った時、援軍としてやって来たランクD冒険者か。確か名前はエレベント』

 

 よく覚えてるな……僕はこいつ誰だよ状態なんだけど。

 

「おいおい、まじかよ」

「くっそ、パーティに入ってもらおうと思ってたのに!」

「なにぃ! 俺たちが狙ってたんだぞ!」

「おいおい! あの百合ップルに手ぇ出すんじゃねぇ! あの二人は二人組だからこそ尊いんだろうがッ!」

「それもそうだな……」

「ああ、あの百合に挟まろうとした俺が馬鹿だったぜ……」

 

 何言ってんだこの冒険者たちは!? 僕とフランはそんな関係じゃねぇッ!

 

「……ね、ルビー?」

「え、何? なんでそんなキラキラした目で見てるの?」

 

 そんな期待した目で見られても、どうしろと?

 

「あらあら、若いわねぇフランちゃん」

「あー、そういえばあんたの歳って──」

「ネールー?」

「ひぃっ」

 

 そして今更だけど、ネルさんとアマンダさんの仲良いな。

 

「よーし、嬢ちゃん達の恋を祝してカンパイだ!」

「うおー!」

「かんぱーい!」

「乾杯!」

「カンパイー」

「もっと酒持ってこい!」

「樽で持ってこーい!」

「がはははは!」

「飲め飲め!」

「いっき! いっき!」

『まさにドンチャン騒ぎだな』

「感想それだけ!? 僕は絶賛混乱中なんだけど!? 恋って何、師匠とフランの話?」

『お前…………はぁ』

「なんかため息つかれた!? もぅヤダ、フラぁン……」

「よしよし」

 

 うう……フランに頭撫でられるの落ち着くぅ……。

 

「フランちゃん、ルビーちゃん、飲んでるー?」

「ん」

「ん……? あ、はい。飲んでますけど」

「これジュースじゃない! もっと良い物がぁ」

 

 そうしてアマンダに渡されたのは、どっからどう見てもお酒であり……。

 

「……あの、これ何ですか?」

 

 僕は一応聞いてみる。

 

「何って……単なる麦ジュースよ!」

 

 ですよね!?

 

「いただく」

「いただかないでフラン!」

 

 未成年者の飲酒は危険だよッ!!

 

「えー、けちぃ。ちょっとだけよー」

「……ルビーが言うなら」

「しょうがないわねぇ。なら、これは私がいただくわよ!」

「おおぉ! アマンダさん良い飲みっぷり!」

「色っぺー!」

「楽しいわね!」

「ん」

「……うん、楽しいね」

『だな』

 

 ああ……本当に、楽しいなぁ。

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