転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ルビー「……僕は好きじゃないけどね」
神『またまたぁ……神は心も読めるんだよ? なんだかんだ言って、心の底から憎んでるわけではなさそうじゃないか。ツンデレというやつかい?』
ルビー「違ぇよ!」
『ガルスじいさん~、いるかー?』
「たのもー」
「ガルスさ~ん?」
あれから四日後、装備が僕の分も含めてできたらしい。
……何で装備が出来るスピードが原作と同じなの? その方がいいけどさ。
「お! 来たな」
『ああ、どんな出来だい?』
「なかなかのじゃじゃ馬だったが、最高傑作が出来たぞ! 仲間にも手伝ってもらって……大分苦労したが、良いものが出来た。早速奥で着てみてくれ」
「ん」
「はーい!」
そして、ガルスさんが装備品を持ってきてくれた。
「見てくれ、これがお嬢ちゃんたちの新たな防具だ!」
フランの方は……原作と同じ「黒猫
僕に渡されたほうの防具のデザインはフランの「黒猫
よーし、んじゃ僕の方の装備を《鑑定》!
名称:白兎の闘衣
防御力:100 耐久値:600/600
効果:快眠、消臭、浄化、精神異常耐性付与[中]
名称:白兎の手袋
防御力:70 耐久値:600/600
効果:衝撃耐性付与[中]、腕力上昇[中]
名称:白兎の軽靴
防御力:65 耐久値:600/600
効果:跳躍付与、敏捷上昇[中]
名称:白兎の天耳輪
防御力:15 耐久値:300/300
効果:毒耐性付与[中]、騒音耐性付与[大]、属性耐性付与[中]
名称:白兎の外套
防御力:85 耐久値:600/600
効果:耐寒付与、耐暑付与、装備自動修復
名称:白兎の革帯
防御力:15 耐久値:300/300
効果:魔術耐性付与[小]、状態異常耐性付与[小]、アイテム袋能力[小]
「………………ん?」
白、兎……?
「そっちの名は「白兎
え、《神眼》持ちのガルスさんが分からない……?
それを聞いた僕の脳裏に、この前の夢に出てきた神サマの「てへっ☆」とした顔が浮かび上がり……。
「誰が白兎だアホぉ!」
叫んだ。
『いや……言われてみれば、ルビーって兎みたいだな』
「どこが!? 獣人ですらないんですけど!?」
『……おい、待て。ジジ~~ッ!! てめフランのヘソ出てんじゃねぇかァァ~~! そんなにフランのヘソ見たいのかエロ爺!』
「ちょっ、フランのヘソには理由があるからで……っつーか、僕は兎じゃねぇよ!!」
……けど、わざわざ僕の装備品に「
案外いい神なのか……?
『女になってしまったことにより、男女のギャップで苦しみ、羞恥心で悶えて、大混乱して慌てているのを必死に隠そうとしている姿を見るのがとても面白いというのに』
……いや、良い神ではないな。間違いなく。
あの最低すぎるセリフを思い出し、好感度を上げるのはやめておいた。
「凄くかっこいい」
『その上可愛いし。メチャクチャ強い』
「僕は兎じゃないけどね」
『まだ言ってるのか……? もう認めろよ……』
「ただの事実なんだけどなぁ!?」
「よくわからんが、最高の防具だろう?」
『これがタダで良いのか?』
「ああ、そういう約束だしな。余った素材は貰えるんだ、赤字は出てない。それに、この仕事をさせてくれたお前らには感謝してる、頼まれたって、金は受け取れんよ。ただ……」
「ただ?」
「1つだけ、注意しておかなきゃならんことがある。これは最高ランクの防具だけに高純度の魔水晶が要る……」
『どれくらいだ?』
「大雑把に言って、前の防具より修理費が10倍以上かかるのじゃ。まあ……そうなる」
『ぎえええ!?』
修理費は覚悟してたけど……。
「10倍……10倍かぁ……キツイね」
「じゃが、安心しろ。外套の効果に、装備自動修復が宿っておる。時間はかかるが、ちょっとボロついたぐらいなら数日で修復するじゃろ」
「え、マジ!?」
『本当、ありがとな爺さん……! ……というか、それ、全然修復に出さなくてもいいかもしれないな。ふぅ。焦ったぜ。あとは、ウルシの装備だな』
……ウルシってなんか装備してたっけ?
「そっちの犬っころの?」
『ああ、従魔証ってやつを付けなきゃならないらしくてさ。狼でも装備できそうな防具なんてあるか? それと、ウルシは平時と戦闘時で大きさを変えるんだが……』
「防具には、サイズの自動調整機能が付いてるやつも多い。それを応用すれば、問題なかろうて」
サイズの自動調整機能の応用か……そんな簡単に言ってるけど、それムズイだろ。
「ほんと?」
「オン?」
「おう。任せとけ。2日もあれば作れる」
『じゃあ、頼むよ』
「お願いします、ガルスさん!」
「オオォォン!」
『で、お代はいかほど?』
「そうだな……5万もあれば、色々用意してやるぜ?」
「じゃあ、お願い」
■□■
「……ほう、次はウルムットに行くのか」
『ああ。調べたら南下して直線で行こうとすると、険しい山ばかりで大変な上につまらんって聞いて、ルビーも大反対したからな。遠回りでも西の平原を進んでダーズって港から船で南下して回っていこうかと。平原は広いけど、
「ふむ……実はわしもこの町でやりたいことは大体やったから、そろそろ場所を移そうと思っていたところじゃ。次の目的地はウルムットでもいいか」
「じゃ、ガルスも一緒に行く?」
「……あ、フラン、ドワーフって水と相性悪くて泳げないって聞いたことあるよ?」
「おう。じゃからわしは陸路でウルムットに向かうとしよう。山の方が歩き慣れとる。向こうに着いたら捜してくれ!」
『分かった。ウルムットで会おうぜ』
「ん、約束ね」
……僕は、この後ガルスさんがどうなるのかを知ってる。
それでも、それを知らせる手段も、何かをする勇気すら僕にはなくて……。
「あははっ──」
……乾いた笑いしか出ない。
「……ウルムットで、会いましょうね」
僕は、曖昧に笑った。
心の中を、無理やり覆い隠して。