転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ルビー「何もないよ、大丈夫だから。……うん」
フランも起きた後に朝食を食べようとすると、ジャンさんが用意してくれたことを知った。
嫌な予感がしながら行ってみると、紫色の目玉焼き、黒緑色のスープ、生焼けの謎肉、真っ青なミルクもどきがあった。
味はおいしいけど、もう食べたくないな……。
「こちらへどうゾ」
僕達が朝食を食べたらジャンさんに地下に案内された。
「我が研究所の真の姿に驚いておるようだね?」
『ああ、まじですごいな』
「かっこいい」
「こういうのってロマンだよね」
「オウ」
『中央の床に描かれた巨大な魔法陣。壁にかけられた鎌や杖などの道具。乱雑に並べられたフラスコやすり鉢などの器具。甕や籠からは毒々しい薬草や鉱石が顔をのぞかせ、大きな釜では怪しげな液体がグツグツと煮立てられているが……うん、いいね! 研究所と言うか、アトリエって感じだが。まさしく死霊術師の秘密の研究室といった雰囲気だ。色々いじり倒してみたい!』
いじらないでね師匠……僕は怒られたくない。
「あっちは?」
「気になるかね?」
「気になりますよ……変な臭いもしますし」
「血のにおい」
「あー、嗅いだことあると思ったら、血の臭いかこれ」
「はっはっは、さすが獣人族。鼻が良いようだ。あっちが死体の保管室。優良な死体が保管されているぞ! あちらが危険な実験を行うための強化壁の部屋であるな。先日も少々死にかけた!」
『死体の保管室とか、やばげな響きだ。さすが死霊術師。ていうか、死にかけた? 俺達は平気だろうな?』
大丈夫なんじゃない? ……原作知識があんまり信用できないけど。
「では、準備をするとしようか。君たちは次元収納があるから、色々とアイテムを持っていけるだろう?」
「ん。任せる」
『荷物運びか。まあ、生き残る可能性が上がるんだし、いくらでも持っていくけどな』
うんうん、
「まずはこれと、これと。ああ、これも持っていくか。あれも必要であるな。まてよ、これとこれも持って行ってしまおう。どうせ我が運ぶわけではないしな。うむ。ならば、あれとこれを──」
『多すぎじゃね?』
「僕はこれでも怖いけど?」
『マジか……あっと言う間に床に小山が出来上がってるのにか……?』
「クンクン」
『こら、ウルシ! やめとけ。何が染るか分からんぞ!』
「クゥ……」
『本気で呪われたりしそうだから笑えないぞ』
いや、触っただけで呪われるような危険物ないでしょ。……無いよね?
『仕方ない、半分ずつ入れていくぞ』
「ん」
「頑張って。僕は《次元収納》なんてないし」
1時間、師匠のアイテム収納が終わった。
……これで、大丈夫かな。
「これで準備は万端であるな!」
『いよいよ出発か?』
「やっと」
「うむ。付いてくるがいい」
「よし、気合入れますね」
僕達は小屋を出た。
『なあ、浮遊島に行く方法は?』
「転移?」
「ふふん。我は死霊術師であるぞ? そのような無粋な手段は使わん!」
「うーん?」
「ふははは。まあ見ておれ! すぐに分かる! ベルナルド!」
「はイ」
「準備はできているな?」
「はイ、ごメいれいどおりニ。こちらへどうゾ」
『なんだ……? 魔法陣と魔石……?』
「
名前は……『アンデー』だっけ。
「うむ! 上出来であるな!」
「ありがとうございマス」
「では早速見せてやろう! わが魔導の神髄を! 刮目せよ!」
ジャンさんが中二病ポーズをしながら、詠唱を始める。
「かっこいい」
「オン!」
「はたから見たら中二病末期なのにね……」
『うーん。だが、かっこいいというのは否定できん。オラに元気を分けてくれポーズのまま、呪文詠唱を続けるジャンの周りには薄く輝く魔力が渦巻いてて、これぞ魔術師って感じだし』
「────」
「────」
『それにしても長いな……もう3分くらいは詠唱を続けてるぞ。詠唱短縮を持っていてこれだし』
それから、さらに3分経った。
……いつまでかかるんだろう、これ。
「────
あ、やっと終わった。
「ふはははは! 我は名付ける! 汝の名は『アンディ』なりッ!!」
『アンデー』じゃなくて『アンディ』だった……。
『おー、これが本職の召喚術か』
「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……こっ……これに乗って……飛んで……行くのだ……」
「なるほどー」
名称:アンディ(
種族:死霊・魔獣 Lv30
状態:怨霊、契約、弱点緩和
生命:1034 魔力:433 腕力:539 敏捷:431
スキル
威嚇6、隠密3、鑑定妨害3、恐慌6、再生10、魔力障壁5、毒無効、猛毒牙
「……あの、大丈夫ですか? 過呼吸になってますけど……」
「ああっ……問題、無い……落ち着いてきた……」
本当に大丈夫かな……。