転生したら転剣の世界でした   作:氷月ユキナ

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剣『……ルビー、夢でなんかあったのか?』
ルビー「何もないよ、大丈夫だから。……うん」


72 呼び出されたのは飛竜(ワイバーン)でした。…(スケルトン)だけど

 フランも起きた後に朝食を食べようとすると、ジャンさんが用意してくれたことを知った。

 

 嫌な予感がしながら行ってみると、紫色の目玉焼き、黒緑色のスープ、生焼けの謎肉、真っ青なミルクもどきがあった。

 

 味はおいしいけど、もう食べたくないな……。

 

「こちらへどうゾ」

 

 僕達が朝食を食べたらジャンさんに地下に案内された。

 

「我が研究所の真の姿に驚いておるようだね?」

『ああ、まじですごいな』

「かっこいい」

「こういうのってロマンだよね」

「オウ」

『中央の床に描かれた巨大な魔法陣。壁にかけられた鎌や杖などの道具。乱雑に並べられたフラスコやすり鉢などの器具。甕や籠からは毒々しい薬草や鉱石が顔をのぞかせ、大きな釜では怪しげな液体がグツグツと煮立てられているが……うん、いいね! 研究所と言うか、アトリエって感じだが。まさしく死霊術師の秘密の研究室といった雰囲気だ。色々いじり倒してみたい!』

 

 いじらないでね師匠……僕は怒られたくない。

 

「あっちは?」

「気になるかね?」

「気になりますよ……変な臭いもしますし」

「血のにおい」

「あー、嗅いだことあると思ったら、血の臭いかこれ」

「はっはっは、さすが獣人族。鼻が良いようだ。あっちが死体の保管室。優良な死体が保管されているぞ! あちらが危険な実験を行うための強化壁の部屋であるな。先日も少々死にかけた!」

『死体の保管室とか、やばげな響きだ。さすが死霊術師。ていうか、死にかけた? 俺達は平気だろうな?』

 

 大丈夫なんじゃない? ……原作知識があんまり信用できないけど。

 

「では、準備をするとしようか。君たちは次元収納があるから、色々とアイテムを持っていけるだろう?」

「ん。任せる」

『荷物運びか。まあ、生き残る可能性が上がるんだし、いくらでも持っていくけどな』

 

 うんうん、死霊の王(リッチ)が相手だしやれることはやったほうがいいよね。

 

「まずはこれと、これと。ああ、これも持っていくか。あれも必要であるな。まてよ、これとこれも持って行ってしまおう。どうせ我が運ぶわけではないしな。うむ。ならば、あれとこれを──」

『多すぎじゃね?』

「僕はこれでも怖いけど?」

『マジか……あっと言う間に床に小山が出来上がってるのにか……?』

「クンクン」

『こら、ウルシ! やめとけ。何が染るか分からんぞ!』

「クゥ……」

『本気で呪われたりしそうだから笑えないぞ』

 

 いや、触っただけで呪われるような危険物ないでしょ。……無いよね?

 

『仕方ない、半分ずつ入れていくぞ』

「ん」

「頑張って。僕は《次元収納》なんてないし」

 

 1時間、師匠のアイテム収納が終わった。

 

 ……これで、大丈夫かな。

 

「これで準備は万端であるな!」

『いよいよ出発か?』

「やっと」

「うむ。付いてくるがいい」

「よし、気合入れますね」

 

 僕達は小屋を出た。

 

『なあ、浮遊島に行く方法は?』

「転移?」

「ふふん。我は死霊術師であるぞ? そのような無粋な手段は使わん!」

「うーん?」

「ふははは。まあ見ておれ! すぐに分かる! ベルナルド!」

「はイ」

「準備はできているな?」

「はイ、ごメいれいどおりニ。こちらへどうゾ」

『なんだ……? 魔法陣と魔石……?』

不死魔獣(アンデッド)でも呼び出すんじゃない? 飛べる奴」

 

 名前は……『アンデー』だっけ。

 

「うむ! 上出来であるな!」

「ありがとうございマス」

「では早速見せてやろう! わが魔導の神髄を! 刮目せよ!」

 

 ジャンさんが中二病ポーズをしながら、詠唱を始める。

 

「かっこいい」

「オン!」

「はたから見たら中二病末期なのにね……」

『うーん。だが、かっこいいというのは否定できん。オラに元気を分けてくれポーズのまま、呪文詠唱を続けるジャンの周りには薄く輝く魔力が渦巻いてて、これぞ魔術師って感じだし』

 

「────」

 

「────」

 

『それにしても長いな……もう3分くらいは詠唱を続けてるぞ。詠唱短縮を持っていてこれだし』

 

 それから、さらに3分経った。

 

 ……いつまでかかるんだろう、これ。

 

「────過剰強化不死従魔(オーバースペック・アンデッド)召喚(サモニング)!」

 

 あ、やっと終わった。

 

「ふはははは! 我は名付ける! 汝の名は『アンディ』なりッ!!」

 

 『アンデー』じゃなくて『アンディ』だった……。

 

『おー、これが本職の召喚術か』

「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……こっ……これに乗って……飛んで……行くのだ……」

「なるほどー」

 

 

名称:アンディ(骸飛竜(スケルトン・ワイバーン)過剰強化(オーバースペック)

種族:死霊・魔獣 Lv30

状態:怨霊、契約、弱点緩和

生命:1034 魔力:433 腕力:539 敏捷:431

スキル

威嚇6、隠密3、鑑定妨害3、恐慌6、再生10、魔力障壁5、毒無効、猛毒牙

 

 

「……あの、大丈夫ですか? 過呼吸になってますけど……」

「ああっ……問題、無い……落ち着いてきた……」

 

 本当に大丈夫かな……。

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