転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
ルビー「……僕が死なせないよ、フラン」
剣(フランもだけど、ルビー、微妙にヤンデレ適正ありそうなんだよな……)
全員が眠りから起きると、師匠が新しくゲットした《鑑定偽装》がジャンさんの《魂魄眼》に効かないことを確かめた。
そして、攻略再開。
「
名称:フライ(カスタム・ガスト)
種族:死霊・魔獣 Lv7
生命:22 魔力:401 腕力:8 敏捷:36
スキル
希薄化7、地図作成6、通心3、影分身7、魔力吸収6、罠感知3、物理攻撃無効
「カスタム・ガスト?」
「うむ、霧状の死霊である。こいつは迷宮を先行し、自動で地図作成していくスキルを苦労して持たせた死霊従魔だ」
『うお、増えてる!!』
師匠が叫んだとおり、カスタム・ガストのフライは増えていた。
「分身し何処でも入り込み、スキルで迷宮の地図を創りその情報を、通心で我が灰色の脳みそに届け続ける……このフライが居れば、迷宮探索も無駄なく捗るというものだ」
『こいつも探索専門だな。なるほど、ジャン有能だな……』
「さて、これで後10分もすれば、この先の地図も手に入るだろう」
「陣形は?」
「踏破の手順は変わらんよ。セルカンを先頭。君らには遠距離攻撃を担当してもらう」
「まかせて」
フランがやる気だが、僕は一つ思いついたことがある。
「あのー……ジャンさん」
「ふむ、何かね?」
「いっぱいに増えるなら、一匹位殺してスキル奪っていいですか?」
そう聞くと、ジャンさんは顔をしかめた。
「ルビー君……フライは分身しているだけで、実際に増えているわけでは無いのだよ。
「へぇ……そうなん──は?」
……今、ジャンさんは何て言った?
「ふむ? もしや知らなかったのかね」
「……逆にジャンさんには、どうしてわかったんですか?」
「我が《魂魄眼》に、見えぬものなど無いのだよ」
「…………」
それなら、今まで殺してきた魔獣の魂を、僕は奪って吸収しているってことか?
……いや、逆に言えば、
もし、そうなら……いや、これはあまり考えないでおこう。
「……分かりました、やめておきます」
「ああ、頼むぞルビー君」
今は、迷宮攻略に集中しよう。
『そういえば、前にも来たことあるって言ってたが、この階層の構造は頭に入ってるのか?』
「いや、この先のエリアをフライが突破できなかったので、構造は分からん。今回はさらに改良を重ねた故、問題はないがな」
「じゃあ、この先のことは分からない?」
「うむ……では、これを渡しておこう。戦闘前に、飲みたまえ」
「これは?」
「ふははははは。我特製の、滅霊ポーションである! 飲むだけで、死霊からのダメージ軽減効果があるし、精神支配などの特殊攻撃への耐性も上がる」
『すごい高性能だな! もしかしてけっこう貴重品か?』
「大したものではない。市場に流せば、1本20万ゴルド程であるな」
『高!』
「え、ちょっ……お金払えって言われても無理ですからね?」
「我にとっては、はした金だ。気にするな! 材料は2万ゴルドもかかっておらんしな!」
『うお、さすがランクB冒険者だな……20万がはした金とか』
「じゃあ、貰っておく」
「それと、渡してあるアイテムは自由に使ってくれて構わん。君たちが離脱して困るのは我だからな」
え、マジで? すげー!
『太っ腹な依頼主で嬉しいよ。ただ、俺ってば貧乏性だから、アイテム使うの躊躇しちゃうんだよな。RPGでも、エリクサーとか世界樹の葉とか、最後まで残してクリアするタイプだし』
「あー、すっごい分かるわ。僕も完全回復のアイテムとか残しとくタイプなんだけど、ラスボス戦で大分残って複雑な気分になるんだよね」
『だよなー。フランが危険な目にあったら、そんなこと言ってられないだろうけど、普段はどうしてもね』
「うんうん……こんな話できるの師匠ぐらいだし、なんか嬉しいなぁ」
『この世界にRPGとか無いしな』
「あったら世界観ぶっ壊れるよ?」
『そりゃそうだ』
細かいですが、ルビーの《簒奪》を固有スキルからエクストラスキルに変更しました。
まぁ、大して変わらないですけど(笑)。