転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
剣『おりゃ』
雑魚「ゴウゴオオォォォ!」
剣『はい、瞬殺』
ルビー(あっけないなぁ……)
地下三層。
『……おい、件の『死霊喰らい』って
「うむ……だが、この調子なら無理に探さずとも攻略できるやもしれぬな。君たちが予想以上に優秀……」
いや、無理だよ……って、あれ?
「……」
『?』
「ジャンさん……なんか、おかしくないですか……? なんで、こんなに……」
「ああ、ルビー君……
『……共喰いしたとかかね?』
「ふぅむ……共喰……」
──ひた……ひた……
裸足のような、足音がした。
『足音……?』
──ひた……ひた……
「何か……近づいて……」
──ひた……ひた……ひた……
僕は、足音が聞こえる方へ剣を向ける。
原作知識通りなら大丈夫だろうが、散々それで痛い目見てるし妄信はしない。
足音に主は通路の角から、姿を現した。
「あ……居た……」
喋ってるしステファンだろうけど、怖ぇよ!
『何だ、こいつ……!? 子供……?』
「…………っ……『死霊喰らい』……ッ!」
「な……! こいつが……?」
驚く僕たちを前に『死霊喰らい』は、ただ不敵に微笑んだ。
……みたいな雰囲気だけど、その子味方なんだよね……笑ってるのも、多分ジャンさんに会えて嬉しいだけだろうし……。
「居……た……居た……ぁ……」
……あのー、本当に味方? 君。
原作知識疑いそうになるんだけど?
『得体のしれない相手だ、気を付けろよ。フラン、ルビー』
「ん」
「え、あー……う、うん……」
僕はどう行動すりゃいいの……?
『能力値が見えねぇ! 《鑑定妨害》か!?』
「……来る!」
フランは、『
「とりあえず、一撃いく……」
『おいフラン……待……っ』
──す……。
フランの剣戟は、『
「え……、……!?」
『やべぇ! ジャンが……』
「くッ……」
『
「──はい、落ち着いて」
僕は首元に剣を当てていた。
どれだけ早くても、僕ほどじゃないみたいだな。
「……あな、たは……?」
「ルビー。そこのジャンさんの……友達?」
友達、かな……多分、友達って言える、よね?
「なるほど……主の友人ですね!」
あ、完璧にステファンだ、こいつ。
「……通ってよし!」
『はぁ!?』
「ありがとうございます!」
僕にぺこりとお辞儀をするとジャンさんに抱き着いた。
「主~~ッ! やっと逢えましたぁッ!」
「『死霊喰らい』……? ! いや……『ステファン』であるか……?」
「はい! 貴方の『
「ステファンてだれ……?」
あ、フラン……そうなるよね。
『おいジャン……どういうことだ? 説明して欲しいんだが……それとBL……?』
「BLではないとルビーは思うよ」
「ぬ……うむ」
そうして、ジャンは話し始めた。
「前回『死霊喰らい』から逃げるときに、我が死霊従魔を喰らいつかせた……と言ったな」
『そういえば言っていたな』
「そうだね」
「聞いてない」
「『フランは寝てたから』」
あ、ハモった。
「…………」
フランが無表情ながら、微妙な顔をしている。
いや、そんな顔されても……。
「その死霊従魔の名がステファンだ。奴には《死霊耐性》《吸収耐性》《侵食融合》のスキルのみを持たせていた」
「聞いたことも見たこともないスキルですね」
「珍しいからであるな」
『なるほど……『死霊喰らい』に対して、『喰わせて』吸収を耐えつつ逆にこちら側から侵食をして奴の体を乗っ取ったってわけか』
「そんなところである。上手くいく保証は何もなかったが、成功していたとは……!」
「はい! 何年も時間をかけて頑張りました」
「不甲斐ない主で済まなかったな。大儀であるぞステファンッ!」
「はい!」
ジャンはステファンの頭を撫でる。
……愛の力は偉大、ってことかな。
「……しかし、『死霊喰らい』は巨人のような姿と記憶していたが……その姿、ずいぶん変わったものだ」
「……はい。この体は姿を変える事が出来るようで。この『死霊喰らい』の中にあった何者かの意識……記憶……でしょうか。『死霊喰らい』の体は大きすぎて僕が扱うのは不便だったので、『彼』に寄せた体に変化してみた次第です」
「ふむ。『死霊喰らい』は姿が一定ではないというのは真実であったか」
「それにしても……えへへ」
「む……何であるか?」
「久しぶりに主のお姿を拝見できました。やっぱりとってもカッコいいです! 見惚れてしまいます!」
「お……おぉう! そうか分かるか! そうであろう! ふははははははは!」
「はい! まさに偉大な死霊術師……素敵です」
ジャンとステファンの周りの雰囲気が、ほわわわわぁ……となる。
……あー、なんか救う方法ないかなぁ!? このままじゃ
「……チッ」
『どうしたルビー!? あの二人の世界に入りたいのか!?』
「違うけど!?」
なんでさ!?
「あっ。そういえば貴方たちは、主の新しい下僕ですか?」
「……ルビー、斬って良い?」
フランがキレたまま、僕に顔を向ける。
ちょっと待って、落ち着いてぇ──ッ!