転生したら転剣の世界でした 作:氷月ユキナ
魔剣・
そして、僕は。
「──げほっ」
「ぐ、ぅ……」
「くかか……接近戦ならいけると思うたか……?」
なんだあれ……!? 攻撃すり抜けたんですが!?
『
「う、うん……幻影とかじゃないよね?」
『ああ、剣だがルビーに当たってるし……』
「そう、だよね……ケフッ」
く……まだダメージ残ってるな。
「ジャンさん、この状況を挽回できる手とか無い?」
「……挽回できる、と断言はできないが時間を稼いでくれないか。奥の手がある……奴の気を引き付けてほしい」
「はいはーい、任せて! フラン……合わせられるよね?」
「ん、愚問」
一緒に後ろに下がっていたフランと二人で構えて、再び
「くかか……作戦会議はもういいのか……? では、ゆくぞ」
また
「──さ、踊ろっか」
■□■
「…………ねぇ、これ戦い始めてからどのくらい経った?」
『そうだな……一時間くらいじゃないか?』
「そんな経ってたんだ……通りで辛いわけだよ」
最初の殴打以降はそんなに目立った負傷はしていないが、それでも動き続けていたら疲れる。
「くかかっ……息が上がってきたようだな」
「……うるせー」
「さぁ、我が軍門に下るときだ。絶望せよ」
僕の言葉もさらりと流した
……だけど、それでも。
「ねぇ、
「どうした……?」
「僕は君の軍門に下る気なんて無いし、絶望だってしないよ。だって──僕は信じてるからね。
「彼だと……?」
──ズン
──ゴゴゴゴゴゴゴ……!
僕たちがいる
「……成功したようである、な」
「な、何だと!? ぐゥッ……! こッ……この感覚……まさか……そんな……ッ!」
「……ジャンさん、何したか聞いてもいいかな?」
「勿論だ、ルビー君。我が配下ステファンが、『怨念炉』を破壊したのだ」
「えっと……『怨念炉』ってなんですか? 初耳の言葉なんですけど」
「『怨念炉』は、おそらく奴の無限に近い魔力の源である。我の読んでいた『名無し』君の日記に、実験には多くのものの『怨念』を使用したとあった。この膨大な魔力仕掛けが施されている広大な
あの時点で『怨念炉』のことを予想して対策を立てるところとか、やっぱりジャンさん抜け目無いなー。
頼もしい限りである。
「本来『怨念炉』を破壊してから挑むつもりであったが、
「ああァ……『怨念炉』の魔力が消えて……いく……ァ……ァ……あァァァ……ァ……吾輩の悲願がァァ……何年もかけて備えた……奴ら……王国……への、復讐の要がァァあ……ッ! 許さん……許さんぞ貴様らァ……ァ……」
「…………クソ」
あぁ……本当に、胸糞が悪い。
レイドス王国……ラスボス眠ってるし、腐ってる連中は強くなったら潰してやろうかな?
「……おなじにおいをかんじる」
「…………え?」
『……? どうした? フラン』
「奴隷だったとき、先の見えない……ずっとつづくくらやみにいて。もしこの手に力があったらあいつらを殺せるのにって、そんなことをずっと考えてた日々……」
そう……そうか、そうだね。
やっぱり、フランは気づいちゃうよね。
「……もしかして、あなたが『名無し』?」
「吾輩、が……何だと……?」
この無力感と罪悪感で押しつぶされそうな戦いで。
「…………僕は、どうしたらいいのかな。フィー」
どうしても、心のどこかで諦めきれないルビーさんです