・スラム上がりの男連中を絞り倒して脱走開始した
地下牢の出口を無警戒に出たところで見張りに見つかってしまった。
もっとも出口が一つしかない以上見つかるのは時間の問題だったのだが。
【見張り】
「なんだ?脱走者か?……って痴女!?」
【令嬢シルヴィアーナ】
「服を奪った挙げ句に渡さなかったのは貴方方でしょうに」
「それにここで起こったことなんて貴方に分からないわけがないでしょう」
【見張り】
「確かに毎日のように盛ってるなあとは思ってたがな」
「ってことはあんたがその被害者だってわけだ」
「って言ってもここに捕まったってことはなんかやらかしたんだろ?」
「自業自得だし同情する気にもならないな」
【令嬢シルヴィアーナ】
「貴方はあの男たちみたいにいきなり手を出して来たりはしませんのね」
【見張り】
「あのなあ。男が全員野生の獣みたいな性格してるわけじゃないぞ」
「正直言うとその格好を直視しない程度にあんたを見張らなきゃいけないのもきついんだよ」
「その気になるにしても臭いがきつすぎて萎えるしな」
かなり失礼な言い回しである。
だが、ぐうの音も出ないほどの正論でもある。
【令嬢シルヴィアーナ】
「この体を好きにしてもいい代わりに通してくれたりとかはしませんの?」
【見張り】
「するわけないだろ」
「脱走者なんて出したら俺が首になるんだよ」
「それにこんな格好の女相手なんて興奮なんかできないしな」
「さあさあ、もどったもどった」
「自分から戻れば脱走しかけたなんてことは見なかったことにするぞ」
こういう無様な姿にこそ興奮できる性癖の持ち主も居るが、この男はそうではなかったらしい。
【令嬢シルヴィアーナ】
「そう。では仕方ありませんわね」
【見張り】
「なに?」
【令嬢シルヴィアーナ】
「ではごきげんよう」
「運良く助かればいいですわね」
次の瞬間、シルヴィアーナの手から火球が勢いよく撃ち出され、あっという間に見張りは吹き飛ばされてしまった。
そのままシルヴィアーナは立ち去っていった。
服や靴を奪うという発想はなかったらしい。
仮にあったとしてもサイズが違いすぎたのだが……
数時間後、今回の脱走が大騒ぎになり、この見張りの責任を問われたが、最終的に脱走を許してはいけない罪人の居る地下牢の警備人数を最低限にした責任者が責任を取ることになったらしい。
そして、シルヴィアーナが居た牢屋で謎のミイラと、大いびきをかいて寝ているならず者の男が発見された。
男は叩き起こされた挙げ句散々に取り調べを受けることになったらしい。
支離滅裂な下品な話を一方的に聞かされることになるだけで終わったらしいが。
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