・兄に罵倒され実家からの縁切りを一方的に告げられた
口論に気を取られているうちに兵士に包囲されているのに気づくのに遅れてしまった。
ススルスと契約する前だったらそのまま諦めて無抵抗に捕まるだろうが……
【シルヴィアーナ】
「わたしは負けたくない!」
「お前たちなんかに捕まるくらいなら相打ちにしてやる!!!」
元々令嬢仕草ですら気に入らなかった。
だが、父や兄や王太子に逆らえなかった私は徹底的に叩き込まれたそれをどうにか使っていたが……
【令息ゴルディアス】
「本性を現したな、悪魔め」
「お前たち!その悪魔をそのまま囲んで叩いてしまえ!」
【兵士A】
「ゴルディアス様!その女を捕まえたら私が味見しても構わないでしょうか?」
【令息ゴルディアス】
「ああ、構わない」
「だが、俺の目の前でやるなよ?」
「穢らわしいものなど見たくもないからな!」
【兵士A】
「流石ゴルディアス様!話が分かる!」
「というわけだ!お前ら、こんな機会なんて見逃せるわけないよな?」
「やるぞ!」
急にやる気が失くなってしまった。
殺す気で来るなら全力だったが、犯す気で来るならそこまでしなくてもいい。
なにせ精液を浴びれば強くなれるのだから。
そんなわけであれだけの啖呵を吐きながらあっさり捕まった私に対して首を捻りながら兵士たちは地下牢に私を連行していったのだった。
鳥の鳴く声で目が覚める。
昨晩は延々と兵士に囲まれていたような気がする。
実際にそうだったのは周りで幸せそうに倒れている男どもとすっかり嗅ぎ慣れてしまった精臭が証明しているのだが。
【サキュバス・ススルス】
「あっおはよー」
「結局昨日は脱走しなかったのねー」
【シルヴィアーナ】
「気が変わったのよ」
「相手が体目当てなら別にいいかなって」
「それより契約はどうなったのかしら?」
「実家から勘当されてドラグホーンと名乗れなくなってしまいましたの」
【サキュバス・ススルス】
「無理して令嬢言葉使わなくてもいいよー」
「昨日の様子は上から見てたしー」
「んーじゃああなたが決めてもいいんじゃないかなー」
「今から名乗った名前があなたの本名で再契約ってことでー」
【シルヴィアーナ】
「そう、助かるわ」
「ならどうするか……」
悩んだ末にただのシルヴィになることにした。
あまり変え過ぎても自分が反応できないと思ったからだ。
【サキュバス・ススルス】
「再契約終わったよー」
「それで、あなたの兄だったイヤミ男と、婚約者だったキザ男についてのニュースがあるんだけど聞きたい?」
【シルヴィ】
「それって脱出に関係あるの?」
「ないなら聞きたくない」
【サキュバス・ススルス】
「んーなら脱出に介入できる状態じゃないってことくらいかなー言えるのは」
「あなたとあたしでここの警備はほとんど絞っちゃったからもう昼間からでも堂々と出れるんじゃない?」
「服くらいは探したほうがいいかもだけどねー」
いくら犯されても平気とは言っても最低限靴は欲しい。
というわけで周辺の探索をすることにした。
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