恭に比べて短い場合が多いですがご了承お願いします。
また、章機能等がまだ理解しきれていない為唐突に何度か消す事があるかもしれません、その場合は修正中と言うことでこれもご了承ください。
第一話・裏 雛の考え
~妖怪の山~
(今日も結構集まったわね)
私は自分の体を覆う黒い厄を見ながらそんな事を考えていた。
今日は里や寺、湖の館も含めて数カ所を廻ったから結構な量になっている。
(早く山の神社に行かないと周りに迷惑が掛かっちゃうわ)
そんな事を思いながら先を急いだ。
ここまで厄を溜め込んだ自分が通り過ぎる後の道には少し四散してしまった濃い厄が漂っている。
もしそこを他の妖怪や人間が通れば必ず何かしらの不幸に見舞われてしまう。
それは時に……災害クラスまでの不幸にも達するのだ。
それを未然に防ぐため、普段から厄をかき集めているのである。
(まあ……自分の力にも影響するからというのもあるけれどね……あら?)
前方の上空から落ちて来ている影を見つけた。
よく見ると細い何か……少し動いているように見えた。
「何かしら……」
この幻想郷において空から何か降ってくるなんてことは特に珍しくも無かった。
しかし何故であろうか……少し興味を引かれてしまう。
(……一応確認しに行こうかしら)
そう決めて空に飛び立った。
どちらにしろ厄の影響を長く地上に残すのもいやなので飛んで向かうつもりであった。
空を移動する妖怪や人間には悪いが。
(見えてきたわね)
普段より厄で力が増している為か予想より早く近づく事が出来た。
やはり動いているように見える、物では無さそうだ。
(もしかしてあれは……人間?)
更に近づくとそれは人間であった。
しかも飛んでいるのでは無く明らかに落下している。
少し前に飛んでいる人間と戦った事はあったが落下してくる人間を見るのは初めてである。
(って冷静に見てるんじゃなくて助けないと!)
更に速度を増して近づいていく、しかし、既に木々が近づいていてもう間に合いそうも無かった。
(ダメかしら……え?あれは……)
人間が落下しようとしている場所、そこにに大量の落ち葉が積み重なっているのが見えた。
そしてその落ち葉の山に落下していく。
私もその場所の目の前に降り立った。
(大丈夫かしら……?)
木々の間を抜けてゆっくりと近づく。
先程は周辺の大木と変わらない高さに匹敵する程積み重なっていた落ち葉が今は目の高さぐらいまで散っていた。
落ち葉の山の中を除くと先程の人間が横たわっているのが見える。
(ん~私には里の人間が考えたタブーがあるけれど……こういう場合は仕方ないわよね……)
そう言い聞かせながら落ち葉をかき分けて人間の元に向かった。
目の前まで行くと改めてその姿を確認する。
黒い短髪に成人を迎えたばかりであろうか少し幼さが残る顔立ち。
顔には右頬から首の後ろにかけて傷跡が見える。
服装は厚めの灰色のコート? と言うのだろうか、それには肩に紫の模様が描かれている。
また首元から藍色の服が覗いており、ズボンは髪と同じ黒色である。
「ねえ?あなた大丈夫……?」
声を掛けるが反応がない、しかし顔付近の落ち葉が動いており、体も少し上下している為死んではいないようである。
(気絶しているのね、でもさすがにここに放っておくのは……)
空を見上げるとまだ日は残っているが少しすれば日が傾き始めるだろう。
そしてここは妖怪の山……放置していればどうなるかは想像できた。
(早く何処か安全な所に運びたいけれど、今私は……)
自分の腕を見る。
体を覆うように広がっている黒い厄……この状態で彼に触れた場合、妖怪に食い殺されるより辛い結末が待っているかもしれない。
(……それでも、今はやるしか無いないわ)
少し考えてから決心が着いた。
普段の自分の行動は人間の為である。
なら今自分がやるべきことも同じであった。
落ち葉の上に横たわる彼を担ぐ、それと彼の荷物であろう入れ物と小太刀も掴む。
(ん?)
いざ飛び立とうとした時、急に何処からか視線を感じた気がした。
しかし、辺りを見渡しても木々の生い茂る深い森の中しか見えない。
(野生の動物や妖怪が嗅ぎつけたのかしら?……それなら尚更早く神社に向かわないと)
そう思いつつゆっくりその場を飛び立つ。
今から戻れば神社の宴会には間に合いそうである。
(厄があるから結構軽く感じるわね、でも……この厄のせいで彼に被害が及ぶでしょうね……ごめんなさい……)
そう心で謝りながら神社に急ぎ飛んで行くのであった……
~守矢神社~
「……星が綺麗」
守谷神社の縁側で私は一人空を見上げながら佇んでいた。
宴会は既に終わり、天狗や河童は皆もう帰宅し終えている頃であろう。
(今日は普段とはまた違う一日だったわね……無事でよかったわ)
さり気なく後ろ振り向いてみる見る。
少し開かれた和室の襖の隙間から中の様子が薄っすらと伺えた。
そこには神社に向かう途中に助けた人間が寝息を立て眠っている。
(橘 恭(たちばな きょう)で合っていたわよね?宴会中に見せてくれた文字は)
彼が起きてきて再度自分と顔を合わせた時に自己紹介で書いてくれた文字はこんな漢字であったはずである。
しかし、話せない人間は初めて合った気がした。
(あの白い板でどうにか会話が成立していたけれど……彼も不便よね……)
落ちていた荷物を持ってきておいて正解だと思った。
あの板はその荷物にくっついていた物である。
彼の必需品であったようだ。
(にしても、私の厄を弾いていたあの力……あれはなんだったのかしらね?)
彼に自分の厄の影響を受けていないかどうか確かめようとして近づいた時。
つまり石に躓いて倒れそうになった私を彼が支えてくれた時である。
咄嗟に掴んでしまった彼の腕を見ると自分の体に纏わり付いてた厄が触れた瞬間、周りに四散していったのを確認できた。
(あれは私の能力とは関係なしに彼自身の力で厄を弾いたということになる……でも彼は『外来人』よね?)
彼が寝る前にこの神社の巫女、東風谷 早苗(こちや さなえ)から幻想郷について話を聞いていた。
その時隣で一緒に話を聞いていた限りで彼は外から来た人間であるとわかった。
外から来た人間は基本何かしらの理由で飛ばされてきたり、妖怪の力で連れて来られたりするらしい。
その人間の大半は能力も弾幕も扱えない普通の人間だそうだ。
(でもそうなると彼はその人間達のなかでも異端と言うことになるわね……)
なにせ自分のかき集めた厄を弾けるのである、彼も何か力を持っているのかもしれない。
そのことに関しては今後彼に聞くことにしよう。
(でも……人間にあんな近くで触れたのは何年ぶりかしらね……)
石に躓いた時の事をもう一回思い出す。
たとえあのまま倒れても自分も一応神の一角、倒れたぐらいではなんともない。
しかし彼は妖怪の類である事を時前に伝えていたのに自分を助けてくれた。
妖怪がどのような者か理解していないためもあったのであろうと思い。
後の宴会中、少し自分の能力ついてや妖怪について説明してからそれでも自分を助けたかどうか聞くと『別に妖怪でも命の恩人です、これぐらいするのは当然ですよ、逆にまだまだ自分に出来ることがあれば言ってください』と書いていた。
(単純というか何というか……こちら側にはあまり居ないタイプの人間ね、厄神の私に、出来ることがあれば言ってくれなんてね……)
そんな事を思いつつもう一度後ろを振り向いて彼の寝顔を見てみる。
大人になったばかりの整った顔立ちの青年……彼は何故こちらに来たのだろうか?
(まあいいわ、私は厄神としての仕事をこなすだけだもの……でも……)
その場を立ち上がって開いている襖を閉めた。
そしてそのまま縁側を歩いて行く。
(でも彼が……本当に厄の影響を受けないのであれば、彼と関わるのも悪くないかもしれないわね……って私は何を考えてるのかしら……)
そんな事を思いながらその場を後にするのであった……
雛「ここは私が主役なのね」
毛玉「前に書いていたのもこんな感じでやってたから出来たら同じようにしたいです、まあ元のデータ吹っ飛んで手探りなんで変わってるかもしれないですが……」
恭(自分のお酒シーンが省かれた気がする……)