99社落ちた俺が酔った勢いで妹の部屋に乱入した結果、自分以外全員美少女なvtuber事務所に所属する事になった件〜頭のおかしい奴らを添えて〜   作:なべたべたい

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第四回シキル杯
26話 シキル杯チーム主人公その1


最近、特に無人島に行ってからは、阿久津の配信のほとんどが、外での配信になったせいで、ネットで阿久津は、vtuberの皮を被った別の何かや、vtuberもどきなどと呼ばれ、リスナー達から全くvtuber扱いされなくなっていた。

 

流石にvtuberとして活動している阿久津は、それを容認したくなく、リスナーに注意したが、その反撃としてリスナー達から、ならvtuberっぽい事をしろと言われたので、阿久津はちょうど出るはずだった人が用事で出れなくなって、人枠空いた何か銃を撃つゲームの、個人勢のvtuberが主催をしている大会に参加する事にした。

 

 

EPEXそれは、隔絶された島の中で、3人1組でチームを組み、60人20チームの中から1位を目指して戦っていくバトロワ系のタイトルであり、他にも特徴といえば、複数のキャラが用意されていて、そのキャラごとにスキルと必殺技が設定されていたり、時間が経つごとにダメージを喰らうフィールドの範囲が広まっていき、そのためいつ何処でも敵と接敵する危険性があるゲームで、配信が始まってから現在まで、高い人気を維持しているゲームだ。

 

そしてそんな人気なタイトルならもちろん大会もあり、そして今回私が参加するのはどこかの企業や公式が行う大会ではなく、とある個人勢vtuberがこれまでも何度か開催していた大会だ。

 

そして今はその練習試合中だ。

 

「おい、カンナ右から来てるぞ!」

 

そう叫ぶのは、私のチームメイトの一人である、EPEX配信を中心に活動する個人勢vtuberの突翼《つよく》アタル。EPEXのうまさはvtuber界隈では目を引くものがあるが、それ以上に態度の悪さが目立つ、それと一人称は俺だが、これでもれっきとした女性だ。

 

「わかってる。アタルこそ早く敵倒してくれる?さっきからずっと撃ってるじゃない」

 

そんなアタルに言い返したのが私、UPライブ所属vtuberのカンナだ。私は特にEPEXにこだわって配信をしているわけではないが、前にこの大会に参加した時は、奇跡的だったが、惜しくも3位入りを逃したのが悔しく、それからは自分でも驚くほどEPEXにどっぷりとハマることになった。

 

「わわわ、二人とも落ち着いてください!」

 

そしてそんな私達を毎回諌めてくれるのは、UPライブよりも大手のvtuber事務所ファーストに所属している、渋田利《しぶたり》ナカヨだ。

 

二人がお互いに言い合っていると、アタルが少し被弾し、カンナが一瞬そっちの方に意識を向けたのを察知したのか、敵が一気にカンナ達に距離を詰めてきて、そのままカンナがダウンすると、そのままの流れでナカヨも連続でキルされて、アタルはアタルで、普通に撃ち合いをしていた相手に撃ち負けて、カンナ達のチームは、特に何の活躍もせずに全滅した。

そしてその後もカンナ達のチームは、お互いの息が合わず、ほとんどの試合を初動で乙り、そのまま何の成果も無く、練習試合1日目は終わった。

 

ドン!

 

台パンをする音が配信に鳴り響く。

 

「あの時、カンナがちゃんと、右から来た敵倒しとけばな」

「はぁ?私のせいだって言うの?アタルだってあの時、普通に撃ち負けてたじゃん」

「そ、それは、お前らが倒されたせいで、そっちに気を取られたからで」

「何?人のせいにするの?いつもゲームの腕で、人を小馬鹿にしてるくせに、ゲームも下手くそなんて救い用がないわね」

「はぁ?」

「何よ文句あんの?」

 

罵声を浴びせ合う事はないが、配信に乗せていいのかわからないほど、配信の空気が悪くなった。

 

そしてそこに、ナカヨがトイレから戻ってきた。

 

「ちょ、ちょっと二人ともどうしたのそんなにバチバチして?」

「聞いてよナカヨ、アタルの奴が!」

「おい、ナカヨを味方につけようとするんじゃねぇ!」

「はぁ、何よ文句あんの?」

「こらこら二人とも、ちゃんと二人の話聞くから、喧嘩はやめてね」

 

何とかこの場はナカヨが二人の間に入る事で、放送事故になる事はなかった。

 

そして配信は少しギスギスしながらも終わり、カンナは今日の配信のアーカイブを見直していた。

 

そこで動画を見返して改めて感じたのは、自分がここぞと言う時に限って弾を外している事や、なんだかんだ言って口は悪いが、アタルがカンナ達のことをよくフォローしている事がわかった。

 

そして普段のアタルの動きは、ガンガン前へと突っ込んでいき、敵を殲滅する戦い方なのに、今はカンナ達をフォローしながら動いているせいか、あまり前へと出れていないこともわかった。

 

自分がチームの足を引っ張っていることを再確認したカンナは、先程アタルに強く言ったことを後悔しながら、少しでも迷惑をかけない様にと、射撃演習場でエイム練習を開始した。

 

エイム練習を始めて3時間ほど経った頃、カンナの元にアタルからメッセージが届いていた。

 

『今大丈夫?』

『はい、今は大丈夫ですけど、どうかしましたか?』

『今演習場に居るよな?』

『は、はい居ますけど?』

『俺も一緒にやっていいか?』

 

予想もしてなかった用事で少し驚いたが、さっきの試合の事を謝りたいと思っていたカンナは、それを了承すると、カンナの演習場にアタルは入ってきた。

 

通話に入って来たアタルだったが、何かを言おうとしては、口籠るを繰り返し、それと同様にカンナの方も言いたい事を言えずにいた。

 

そして、二人だけの空間を静寂が支配する。

 

「「今日はごめん(なさい)!」」

 

二人の言った事は重なり次の瞬間、まさか言う事が被るとは思っていなかった二人は、その場で笑い始めた。

 

そんな笑い合っている二人のうち、先に話し始めたのはアタルの方からだった。

 

アタルが話し始めた内容は、今日何故負けたかを研究する為に、アーカイブを見直したらしく、そこで本来なら前に出ないといけない自分が、仲間のことを信頼できずに、微妙な立ち位置でうろちょろしていたせいで、逆にカンナ達を動きづらくした事に気づいて謝りたかったらしく、1時間前にカンナが演習場で練習しているのに気づき、どうしようか悩みながらメッセージアプリを、開いては閉じてを繰り返していたらしい。

 

「特にイライラしてたからって、何も悪くないカンナに当たって悪かった」

 

それを聞いたカンナは自分の方こそ、動きが悪くてアタルの邪魔をしていた事を謝り。

 

それからは自分の方が悪いと、どうでもいい言い争いをして、仲直りをしたカンナは、自分が中距離の射撃が苦手な事をアタルに言い、教えてくれないかと頭を下げた。

 

それを聞いたアタルは男らしく胸を叩き、任せろと一言言うと、二人の秘密の特訓が始まった。

 

そしてその成果があったのか、翌日の二人の行動は明らかに昨日と変わっており、順位を着実に伸ばしていった。




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