覇気使いのハンター   作:狼ルプス

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激闘の最終試験

 

ハンゾーとゴンの試合が終わり、リュウマとポンズが向かい合っていると、キルアがハンゾーに声を掛けた。

 

「なんでわざと負けたの?」

 

「……わざと?」

 

「殺さずにまいったと言わせる方法くらい心得ているはずだろ? あんたならさ」

 

 

「俺は誰かを拷問する時は一生恨まれることを覚悟してやる。その方が確実だし、気が楽だ」

 

「?」

 

キルアは意味不明とばかりに片眉を上げる。

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「まさかこんな事になるとはな…」

 

「ええ、私も思いにもよらなかったわ」

 

「……ポンズ」

 

「っ、なに?」

 

「やるからには勝たせてもらう」

 

「…わかってる」

 

ポンズは構え、リュウマはそのまま構えを取らず自然体でポンズを見据える。

 

「では、構えて――」

 

「……」

 

「……」

 

ポンズはリュウマがこの中で並外れた強さを持っている事は、一緒に行動して嫌と言う程見てきた。

リュウマはポンズが罠や毒を多用するか、対人戦闘が苦手な事も知っている。

 

「始め!」

 

 

開始合図を言った瞬間、リュウマはポンズの目の前まで移動。目を見開くポンズは何故か震えており、参ったの言葉を出す為に口を開こうとするが

 

 

「まいっ……」

 

リュウマはポンズの首に目に見えない速さで手刀を喰らわせそのままポンズは意識を落として、リュウマは倒れるポンズを支える。

 

 

「悪いなポンズ、勝負には勝たせてもらうが…試験としてはここでお前には合格してもらうぞ」

 

「おいリュウマ!!テメェポンズに何しやがるんだ⁉︎降参しかけてただろうが!!」

 

「レオリオうるさい、ちゃんと加減はしてある。それと審判、俺はこの試合を降りる。参った」

 

「はあ⁉︎」

 

リュウマは突如降参を宣言し、レオリオは驚きの声を出し、クラピカも目を見開く。リュウマはポンズを抱え、他の受験者のいる壁際に戻る。

 

 

「レオリオ、悪いがポンズを診てくれ。直ぐに目を覚すと思うが…何かしら異常があったら直ぐに医師に見せるように言ってくれ」

 

「あ、ああ、構わねぇけどよ…お前、なんで降参したんだよ?」

 

「力の差と、色々とわからせるためでもあるな、ハッキリ言えば…ポンズはこの中で1番弱い。トラップの扱いはこの中で1番かもしれんが…戦闘になると不利だ。それに、次の試合の事もあるしな」

 

「っ!そうか、ヒソカか…」

 

「まぁな、ポンズがヒソカと戦う事になったらどうなるかわからん。最悪無事じゃ済まない可能性もあるしな(ここまでやってしまった以上、ポンズには最低限の武術は身につけさせないとな…それと、【念】も)」

 

「だけどよ、流石にポンズのためとは言え、気絶させるかよ普通?」

 

「言ったろ?やるからには勝たせてもらうと、それと悪いが…この二振り、預かってくれないか?」

 

「ああ、構わねぇが」

 

「第三試合! リュウマ対ヒソカ!!リュウマ選手、前へ」

 

リュウマは説明を終え、秋水と閻魔をレオリオに預け、リュウマはポケットから黒の手袋を取り出しはめて、既に待機しているヒソカの元に向かう。ヒソカに目を向けると、ヒソカはリュウマを見て、楽し気に笑みを浮かべている。

 

 

 

「……嬉しそうだな、お前」

 

「もちろん♣ 殺し合いでないのはちょっと残念だけど♠君と戦える滅多にない機会だしね♥」

 

「言っておくが、今回は刀は使わない。無手で行く。お前相手にあの刀を使えば他の奴らも巻き込みかねないし、建物を壊しかねないからな」

 

「それは残念だ♥ けど、体術もいけるみたいだし、こっちは遠慮なくいってみようかな?」

 

「それはこっちの台詞だ」

 

2人の殺気や威圧が会場内に充満し、重苦しい緊張感が覆う。レオリオはゴクリと唾をのみ、ハンゾー、クラピカ、ポックルやポドロも冷や汗が出始める。

 

 

 

 

「……それでは……始め!!」

 

 

審判の試験官が合図を告げるが、2人は動かなかった。

 

「……」

 

「……」

 

 

「来ないのかい?」

 

「うるさい変態奇術師」

 

「酷いなぁ♥」

 

「生憎、そこまで長く戦うつもりはないが、飛ばしていくぞ」

 

「楽しみだなぁ♣︎」

 

ヒソカは笑いながら腕のストレッチを始め、リュウマも手をコキコキと鳴らす。

 

そして

 

 

「武装」 

   

リュウマの言葉と同時に2人の姿がブレて、気づいたら右腕同士をぶつけて押し合いを始めていた。

 

「なっ……!?」

 

「速い⁉︎」

 

「嘘だろ⁉︎」

 

レオリオやクラピカ、ポックルが目を見開く。

 

 

「………」

 

「へぇ(強いな…力勝負じゃ僕が負けてるね。それにこの感じ…まるで鎧を触っている感触だ…)」

 

 

「指銃!」

 

 

リュウマは左手の人差し指を弾丸以上の速さでヒソカの胴体を狙う。ヒソカは左腕でリュウマの左手を掴む事で防ぎ、リュウマはヒソカの脇腹に左脚を振り上げヒソカの鳩尾に叩き込む。

 

ヒソカは後ろに下がりダメージを軽減し、リュウマの手を放して体勢を整える。

 

「剃!」

 

リュウマは視認の難しい速さでヒソカに詰め寄り、右ストレートを繰り出し、ヒソカは躱しながら右足を引き、しゃがみながら一回転して足払いを放つ。

 

リュウマはそれをジャンプして躱し、そのままの勢いで左脚で蹴りを繰り出す。ヒソカは両腕でガードし、そのまま足を掴み、リュウマを投げ飛ばす。

 

「(覇気を纏っているとはいえ、流石だな。覇気を纏ってる所に違和感は感じているようだな)」

 

体勢を立て直したリュウマは右足だけで大きく踏み出して、猛スピードでヒソカに詰め寄る。

 

そして、猛烈な連続攻撃を繰り出し、ヒソカも両手にオーラを集中させ打ち合いに応じる。

 

互いに拳を突き出し、打ち払ったり、首だけ傾け回避し、時折脚が動くが、それに合わせて相手の脚も動き、牽制する。

 

 リュウマが右ストレートを放つと、ヒソカは躱し、突き出した腕を掴んで背負い投げを放つ。

 

「っ!」

 

投げ飛ばされたリュウマは空中の中体制を立て直すと、リュウマめがけて回転して飛んでくる数枚のトランプが見えた。。

  

リュウマは全てのトランプの軌道と速度を素早く把握し難なくキャッチし、そして、指で挟んでいるトランプをヒソカに向かってお返しと言わんばかりに投げ返し、ヒソカはそれを左手指で挟んで止める。

 

 

リュウマは地面に下り立って、息を整える。

 

「………」

 

「やっぱり凄いよリュウマ♣ オーラも出していないのに、体術も見事だね♦︎」

 

「そりゃどうも、俺の師匠がスパルタだったからな。これくらい出来て当然さ」

 

「へぇ、君の師匠にも興味があるなぁ♥」

 

レオリオは大きく口を開けて、2人の戦いを唖然と見つめていた。クラピカやハンゾー、キルアも2人の攻防に冷や汗を流し、ポックルとボドロはリュウマの想像以上の動きに驚苦しかなかった。

 

「リュウマ…あんなに凄かったんだ…」

 

「ポンズ!目を覚ましたか!」

 

「うん」

 

「大丈夫か?意識はハッキリはしてるか?」

 

「大丈夫。ちょっと首が痛いだけで意識もハッキリしてる」

 

リュウマとヒソカの攻防の中目を覚ました彼女だが、声をかけるタイミングを逃し、ここまでの試合を見ていた。

 

 

 

「やっぱり想像以上に動けるのねあの子。それに一撃一撃に殺意が込められてるわ」

 

「うん、本気で殺す気はないだろうけど、それでもその殺意はここまで届いているね」

 

 

メンチとブハラも感心しており、サトツも頷いている。

 

「まだまだこんなものじゃないだろう?君の力は♣︎」

 

「舐めんな!」

 

 

 

ヒソカの挑発し、笑みが不気味に歪んだその瞬間、リュウマが一瞬でヒソカの真横に移動し、右拳を繰り出す。

ヒソカは防御をとるが余りの威力に衝撃で後ろに押し飛ばして壁際に追いやり、リュウマは詰め寄ろうとするが、ヒソカが鋭い右ストレートを繰り出し、リュウマは大きく跳び上がってヒソカの上を越え宙で体制を変え

 

「嵐脚!」

 

リュウマは凄まじい速度で脚を振り抜き、蹴りから扇状の斬撃を連続で放つ。

 

「な、なんだありゃ!?」

 

「斬撃の雨⁉︎」

 

レオリオが目を見開いて叫び、キルアも驚いている。

 

ヒソカに斬撃の雨が降り注ぎ、その場が噴煙が舞う。リュウマは着地し、周りを警戒すると、リュウマの左脇腹に突如蹴りが叩き込まれる。

 

「ぐっ!」

 

「脚から放たれる斬撃技、実に面白い体術だ♥もっと見せておくれよ、君の力を♣︎」

 

ヒソカの拳が迫り、リュウマは腕でガードし、連続で拳を鋭く繰り出し、それをリュウマはガードしながらヒソカの鳩尾に脚を叩き込み、ヒソカは後ろに吹き飛ぶ。

 

 ヒソカは床を後転して起き上がると、そこにはリュウマが拳を構えて、目の前に移動し、リュウマはヒソカの鳩尾に手を添える。

 

 

「っ⁉︎」

 

 

「ヒソカ、最後にいいものを見せてやる。俺の指は竜の爪…」

 

リュウマの、まるで竜の手のような構えにヒソカはまずいと思い離れようとするが、リュウマの手がそれを許さない。 

 

 

 

 

 

 

 

 

「竜爪拳…竜の衝撃!!」

 

 

 

ドゴォン!!とまるで大砲が放たれたような音がして、床に亀裂が走りヒソカは吹っ飛ぶ。

 

「なぁ!?」

 

「ヒソカが!?」

 

「吹っ飛んだ⁉︎」

 

「………」

 

 

レオリオとポックルが驚き、クラピカ達も目を見開く。ポンズはその姿に何もいえずただリュウマを見つめていた。

 

 

 

「……今の、彼の技?だけど」 

 

「ええ、加減はしているでしょうが、オーラも僅かに込めていました。それでもあれ程の力を…」

 

「もしあれにしっかりオーラが込めてていたら、一体どれほどの威力が…」

 

「(流石あやつの弟子じゃ、徹底的に叩き込んだみたいじゃのぉ)」

 

 

メンチとサトツも想像以上の威力に目を見開き、ネテロは満足するように感心していた。

 

 

リュウマの技により吹っ飛んだヒソカは壁に激突し、壁には衝撃により小さなクレーターができていた。しかし、ヒソカは口からは血を流しているが、顔色を変えることなく、こちらに歩いてくる。

 

「殺さないように加減はしたが、咄嗟に【硬】で防御したようだな」

 

「そうだねぇ♣今のは流石に危なかったよ♦︎オーラも僅かな量であの威力…実に素晴らしいよリュウマ♥君…【強化系】か【変化系】かな?」

 

 

 

 

「……どうだろうな?どっちも属しているって言ったら…お前はその言葉を信じるか?」

 

「……へぇ、君、もしかして♣︎」

 

「それは置いといて、この勝負、ここまでにしないか?」

 

「そうだね。殺したら失格だしね♠ しょうがないか♥思った以上に楽しめたし、次はあの刀を使って戦ってくれると嬉しいかな♣︎」

 

「お前との相手はごめんだな…審判、俺は「まいった♠ 僕の負け♦」は?」

 

 ヒソカが突如、降参を宣言する。レオリオ達は唖然とし、リュウマも驚く。

 

「……何のつもりだヒソカ?」

 

「この後も楽しみにしてる人がいてね♥ 楽しませてくれたお礼さ♣この試合は君に譲るよ♦︎」

 

「……まっ、そっちが先に言ったし、有り難く合格させてもらうわ」

 

リュウマは、手袋を外し腕を回しながら外野に向かう。審判がヒソカの敗北を認め、リュウマの合格を宣言する。

 

リュウマはポンズ達の元に戻り、壁に寄りかかる。

 

「ふぅ……地味に疲れた(竜爪拳は使うつもりはなかったんだが…じゃないと長引く可能性もあったからな)」

 

「お前……マジで何もんだよ一体……」

 

「ちょっと力のある田舎出身者だ」

 

「それで納得出来るかぁ!!」

 

レオリオの突っ込みにクラピカ、ハンゾー、ポックルも頷く。その際、預けていた秋水と閻魔はしっかり返してもらった。

 

「……リュウマ」

 

「ん」

 

「私、正直…ハンターをなめていた。あなたが一瞬で迫った時、あの時のリュウマが怖かった…殺されるんじゃないのかって思った。その恐怖を実感していなかった。もし1人だったら、誰かが助けてくれるわけじゃない。死ぬ時は1人…プロハンターになるなら避けては通れない道、それを…リュウマはわからせてくれた」

 

リュウマはあの時、殺意や害意を持ってポンズに接近しており、それを感じたポンズは何も出来なかった。

 

「リュウマ、あの勝負は結果としては私の負けだけど、約束通り…ハンター試験を合格したから言わせて。私を、鍛えてください!これから先…私がプロハンターであることに胸を張れるようにっ!リュウマのように強くなりたい!!」

 

ポンズの瞳には覚悟が宿っており、リュウマはその瞳を見て笑みを浮かべる。

 

「(いい目だ)……ああ、約束したからな。その代わり、覚悟してろよ?」

 

「望むところよ!」

 

この時、ポンズの運命が大きく変わろうとしている事に…彼女自身…まだ気付いてはいなかった。




今回出した竜爪拳はオリジナルです。シンプルに衝撃を加えた技です

ポンズの念の系統について、情報がないのでこの三つの中にします

  • 具現化系
  • 操作系
  • 特質系
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