リュウマ達は飛行船で三日間移動し、パドキア共和国に着いたリュウマは、少しため息を吐きゴンを見ていた。
「人の事言えないが……態々観光ビザで入国しなくても、せっかくハンター証があるのに意味ないだろ?」
「コレはまだ、やる事を終わらせるまで使わないって決めたから」
「俺も含めた全員が付き合う事になったが…」
「俺はせめてキルアを連れ出すまではな」
「2人が使わないなら私も付き合うことにした。どっちにしろゴンとレオリオがここを去れば、私も引かざるを得ないしな」
「私もクラピカと同く」
「そうかい(本当、面白いなこいつ)」
リュウマもこの通りハンター証は使っておらず観光ビザを使い入国している。ククルーマウンテンがあるデントラ地区までは列車で向かう。
「見えてきたぜ」
列車の窓から巨大な山が見える。標高3722mの死火山で、周囲は樹海で囲まれており、そのどこかにゾルディック家の屋敷があると言われている。
「暗殺一家のアジトか……実際見ると嫌な雰囲気だな」
「うむ……周囲の聞き込みから始めるか」
「まず宿を確保して作戦を立てようぜ」
「なんで? 大丈夫だよ。友達に会いに来ただけなんだから」
「ゴン…あんたねぇ…」
「アホかお前!」
「痛ったぁ!何すんのさ…」
「今から行くところは暗殺一家の住処、簡単に会わせてもらえるはずないだろうが、門前払いされるがオチだ。クラピカとレオリオの判断は概ね正しい」
ゴンが不思議そうな顔をしてレオリオとクラピカに言う所をポンズはため息を吐き、リュウマは呆れながゴンの頭を殴る。
「後クラピカ、聞き込みはいらないぞ。ゾルディック家の門までは観光バスが出てるからそこに行くまでは簡単だ」
「そうなのか?」
「観光バスぅ!?暗殺一家の住んでる場所が観光地になってるのかよ⁉︎」
リュウマ達はバス停に向かい、デントラ地区では1日1回。山景巡りの観光バスが出ており、その山がククルーマウンテンである。そのため、必然的にゾルディック家のことも観光の目玉とされている。
「リュウマ、ここについて結構詳しいけど…キルアの家に行った事があるの?」
「家自体は実際にはないが…後、キルアの祖父と面識はあるんだ」
「嘘⁉︎」
「キルアのお爺ちゃんと⁉︎」
「キルアの爺さんと知り合い⁉︎」
「一体どう言う経緯で知り合ったのだ?」
「簡単に言えば師父の数少ない知人の一人なんだ。修行がてら師父と仕事に同行する事もあって偶々居合わせたことがあるんだ。ここには来た事はあるが実際山のほうまでには行った事はない。おそらく俺が寝ているうちに会いに行っていたんだろうな…」
「お前の師匠…一体何者なんだよ?」
「強さで言えば10本指に入ると言われる実力者だ…俺でも勝てる自信はねぇよ」
「10本⁉︎」
「マジか⁉︎」
「後ゴン、お前の親父さんも、おそらくその中の10本には入ってると思うぞ?」
「っ⁉︎」
リュウマの師の話にリュウマを除いた者は驚きゴンに関しては瞳を輝かせ笑みを浮かべていた。
「取り敢えずこの話はここまで…バス停に向かうぞ。今日逃したら行くのが明日になるぞ…」
一同はククルーマウンテンへ向かうために観光バスに乗った。バスガイドの説明を受けながらしばらく走ると、レオリオが小声で話しかけてきた
「見ろよ…」
レオリオが言った方向、ばれない程度に首をひねると2人組の男が座っていた
「明らかに堅気じゃねぇよな」
「うむ…」
「おそらくアマの賞金首ハンターね。まぁ…相手が相手だから当然と言えば当然ね」
「仮に行けたとしても…何をされたかわからず瞬殺されるのがオチさ。ハンター試験中、レオリオ達はキルアの実力を見てるならわかるだろ?」
「確かに…あれはすごかったわな…」
「ああ…凄まじいものだった」
レオリオとクラピカはハンター試験を思い出し、あの賞金首ハンターに同情する。しばらく男たちの観察をしていると、バスガイドが話し始める
「えー皆様、右手奥をご覧くださいませ」
言われた通りの方向を見た見ると、ものすごく大きな山が見えた
「あちらが、ゾルディック家が住むといわれる、ククルーマウンテンでございます。樹海に囲まれた標高3722mのあの山のどこかに彼らの屋敷があると言われています」
「近くなると迫力も違うものだな」
「出かけるのも一苦労しそうだぜ」
しばらくガイドの説明が続くが、退屈だったのかレオリオは爆睡してしまっていた。
「………」
「リュウマ?」
「ん……なんだ?」
「もしかして…眠たいの?」
ポンズはリュウマの異変に気づき…先程から瞼が瞑りかけている事に気づく。
「すまない…どうにも日当たりも良くてな…」
「寝てもいいわ。目的地に着いたら起こしてあげるから」
「大丈夫なのか?」
「問題ないわ。レオリオだってあの通りぐっすり寝てるから…」
レオリオに関してはイビキをかいているためポンズは呆れるしかなかった。
「……すまない。お言葉に甘えさせてもらうわ」
リュウマはそのまま目を瞑り1分もせずに規則正しい寝息を吐きはじめる。
「寝ちゃった」
ポンズはすぐに眠ったリュウマを見て思わず笑みを浮かべる。
それから少しすると、バスが停車する。目の前には大きな壁があり、番号が書いてある。
「ここは通称『黄泉の門』と呼ばれております。入ったら最後、出られないという意味だからです。ちなみにここから先はゾルディック家の私有地となっておりますので、見学は出来ません」
「なにぃー!? まだ山まではるか向こうだぜ!?」
「はい。ここから先の樹海はもちろんククルーマウンテンも全て、ゾルディック家の敷地となっております」
「……マジかよ」
「これ全部庭ってことよね?」
「暗殺者は凄腕となると依頼料も破格だからな。これくらい当然と言えば当然か(まっ、念能力も関係してもいるんだがな…)」
レオリオはあまりの敷地範囲に引いており、ポンズは驚いていた。リュウマは冷静に説明する。
「ねぇガイドさん」
「はい」
「中に入るにはどうしたらいいの?」
「………坊や、私の説明聞いてました?」
「うん、でも俺」
「中に入れば二度と生きては出られません!殺し屋の隠れ家なのよ」
「ハッタリだろう」
先ほどバスに乗っていた二人組がガイドの横を通り過ぎて行った。
「誰も見たことがない暗殺一家、奴らの顔写真でさえ1億近い懸賞金がかかってるって話だ」
「まじかよ!くっそ!キルアの写真撮っとけばよかった!」
「………」
「レオリオ……」
ポンズとリュウマはレオリオにジト目を向き呆れており、クラピカも同様だった。
男たちは守衛のところまで行くと門を開けろ、と脅し始める
「こ、困りますよ!私が旦那様に叱られてしまう…」
「心配すんな!どうせお前のご主人様は、俺たちに始末されるんだ」
守衛がしかたなく鍵を渡すと、男は守衛を投げ飛ばす。ゴンとポンズは守衛のそばに行き、怪我がないことを確かめる
「おじいさん、大丈夫?」
「怪我はないですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」
男たちは構わずに鍵を開けて扉に入っていく
「ああ、また…ミケが餌以外の肉食べちゃうよ…」
「「ミケ?」」
ゴンとポンズが守衛の言葉に首を傾げる。
「「ぎぃやああああああ!!!!」」
すると、扉の先からもの凄い悲鳴が聞こえてきた少し間を開けると、ひとりでに扉が開き始める、すると中から骸骨なり変わった賞金首ハンターだった。
「なにあれ!動物の手⁉︎」
骸骨は大きな生き物の手に抱えられて外に投げ捨てられる。長い爪、そして毛がびっしり生えた手にポンズは瞬時に獣だと気づき、変わり果てた姿を見たリュウマたち以外の観光客はバスに乗ってこの場を去っていった。
「君たちは帰らなくてよかったのかい?」
守衛に聞かれたリュウマたちは、ここに来た理由を説明した。
「…なるほどね、キルア坊ちゃんの友達ですかい、うれしいねぇ…あたしゃ20年勤めてるけど、あんたたちが初めてだよ」
そういいながら、お茶を用意してくれリュウマ達に渡す。名前はゼブロと言うらしい。
しかしゼブロは邸内に入れる訳にはいかないと言った。理由は先ほどの大きな腕の持ち主がいるかららしい。しかし、頭のいいクラピカは、少し疑問があるらしい
「あなたは、なぜ無事なんですか?あなたは中に入れるんでしょう?中に入らないのなら、鍵を持つ必要もないですからね」
ゼブロは少し笑い
「いいとこ、突くね…でも半分あたりで半分外れです」
先ほどのカギは侵入者用の鍵で、ゼブロが入るときは鍵は使わず、本当の門は先ほど壁との事
試しの門と呼ばれ、初めにレオリオが挑戦するが、当然ピクリともしない。
「押しても引いてもびくともしねえ!」
「単純に力が足りないんです。この門さえ開けられない輩では…ゾルディック家に入る資格なしってことです」
「ゼブロさん、俺がやってみてもいいか?」
「ええ、構いませんよ」
そういうとリュウマは腕を回し軽く準備運動をする。
「おいリュウマ、いくらなんでも無茶だぜ!推してもびくともしないんだぜ?」
「まぁ見てろ」
そういいながらリュウマは門に手を付け、特に気合も入れずにゆっくりと力を籠めて押す。
ギィオオオオオ
音を響かせて開いた扉は7つ、全て開いたのだ。合計で256トンの扉が軽々と開き、ゼブロやポンズ達も目を見開く。
「ふぅ…少し力いるなこれ。こんなものかゼブロさん?」
「は、はい。これは驚きました。まさか旦那様やあの人以外で全て開いたのは初めてですよ。ちなみに、一の扉は片方2トンあります」
「合計4トン?!」
「冗談きついわよ⁉︎リュウマはともかく…私達じゃ開けられないわよ」
「これを全て開けたリュウマ君は256トン程ですかね…」
「にっ…256トンだと⁉︎」
クラピカも遂に声に出し驚き、思わずリュウマを見る。この扉は七の扉まであり、一つの扉ごとに重さが倍になっていく、そして力に応じて、大きい扉が開く仕組みらしい。
「前にキルア様が戻ってきた時は3の扉まで開けておられました」
「3⁉︎」
少し前にも帰って来たキルアは3の扉まで開いていたとのこと、レオリオは驚き、ポンズとクラピカも声には出さないが驚いていた。
「3って事は、12トン!!」
「16トンだ…ゴン」
「さっきの話を聞いてどう間違えるのよ…」
「あはは…」
ゴンの間違った計算に、クラピカが突っ込みを入れる。
「おわかりかね?敷地内に入るだけでこの調子なんだ、住む世界が違うんです」
「ゼブロさん、何年か前にメガネをかけた白髪の老人が来た事はないか?」
「ん?メガネをかけた白髪のご老人ですか?ええ…数年前に夜遅くにここに来て、あなた同様にこの扉を7まで開けて入っていましたね。それがどうかしましたか?」
「やっぱり…レイリー師父、俺に黙ってここに来てたみたいだな」
「っ!もしや君、レイリーさんと知り合いなのかね?」
「ああ、レイリー師父は俺を鍛えてくれた人だ」
「そうでしたか。これを全て開門させるのも納得です。彼は今もお元気で?」
「ああ、元気だよ」
どうやらゼブロもレイリーと顔見知りのようでこの様子だと何かしら交流を深めたのだろう。
「うーん、気に入らないな…おじさん鍵貸して」
「ゴン!無茶よ!?さっきの見えなかったの⁉︎あんな大きな怪物がいるのよ!」
「友達に会いに来ただけなのに、試されるのなんてまっぴらだ…俺は侵入者でいい。貸してくれなくても同じだよ、よじ登ってでも中に入るから」
レオリオもクラピカも止めるがゴンは絶対に、こんな門からは、入りたくないらしい
「こうなっちまったら聞かねえな…」
「確かに…」
「まあ、ゴンだからね…」
「ゼブロさん、この通りゴンは一度決めた事は意地でも曲げない。仮に拷問したとしても折れない奴だ」
「そうですか…」
そこからゾルディック家の執事にゼブロさんが電話してくれたり、ゴンが掛けなおして執事にキレたり、色々あった。
その後ゼブロさんの提案で私たちが試しの門を開けれるように鍛えてくれることとなり、ゴンはまだ少し納得できていないようだが、なんとか説得して、渋々受け入れてくれた。
それからの特訓はリュウマ以外からしたら相当苦労していた。寝るとき以外は、常に50キロのベストを付けて、慣れたら更に重くなっていき、お茶を飲むときも湯飲みが20キロもあり、トイレの扉なども500キロの重さだった。
リュウマに至ってはこの手の特訓も叩き込まれており、もう寛いでいる状態で過ごしており、ポンズは当初歩く事さえ困難でしばらくの間リュウマが所々で補助するくらいであった。
ゴンは怪我の治っていない中一人でトレーニングし始めレオリオに叱られたりもされた。この特訓を続けていき、重さになれていき、力も強くなっているのは各自感じていた。ポンズに関しては別メニューをさせ、リュウマと軽く組み手を行ったりなどもしていた。今はレオリオ達と同じくらいのレベルがあれば充分と判断した。ポンズは元々アマのハンターとして活動していただけあって筋は良かった。
「はぁっ……はぁっ!」
「だいぶ動ける様になったなポンズ…最初の頃に比べたらかなりいいペースだぞ」
「はぁ……ふぅ、私だけ別メニューにさせたのは納得だけど…条件は同じなのに一発も当てられないなんて…」
「この手の修行も叩きこまれたからな」
「そういえばハンター試験の時も重りを身につけてるって言ってたけど…どんな重りを付けてるのよ?」
「今は詳しくはいえないが…下に着てるシャツとリストバンドと靴がそうだな…」
「え?シャツとリストバンドが?」
「持ってみるか?」
リュウマは片方のリストバンドを外すとポンズに手渡す。
「なっ…何よこれ⁉︎ただのリストバンドじゃないの⁉︎」
リストバンドを持ったポンズはこんなに重いことに驚きをかくせず声を上げる。
「両腕揃って50キロぐらいだな…シャツが100で靴もリストバンドと同じくらいだな。俺の場合あえて負担をかける為に着てるんだがな…」
「これ…一体なんの素材でできてるのよ?」
「俺達が着てる服と同じさ。レイリー先生が知り合いに特注した服だって言ってたからな…悪いが詳細については今は明かせない」
「……それもあなたが教えてくれる力に関係してるの?」
「そんな所だ…教えるのはキルアの事が終わった後だな。試しの門を開けるまでは基礎能力は上げていく…今のポンズはあの3人に勝てるかも怪しいからな」
「わかってるわよ…」
「よし、後一本終わったら休憩にする…最後まで気張れよ?」
「ええ!」
2人は夢中に組み手を行い気がつけば辺りは夕方だった。一度ゴン達は試しの門に挑戦するも開ける事はまだ無理だった。
「あの時より更に腕を上げたみたいじゃのリュウマ…見違えたわい」
1人の老人が陰に混じりリュウマの事を見ていた。
ポンズの念の系統について、情報がないのでこの三つの中にします
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具現化系
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操作系
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特質系