君影草の俺が頑張る話   作:ネコ耳パーカー

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命大事に ※Google先生参照


Take care of life

俺たち…と言うより、千束とたきなは、そのまま沙保里さんちに泊まることに。

念の為、一緒にいた方がいいだろう。

 

「じゃあ親睦も兼ねて、パジャマパーティーなんてどうです?」

 

「いいわね!」

 

「やたー!たきな、私とお兄ちゃんは荷物持ってくるから、しばらくよろしくね。無茶はしないように、命大事にだからね」

 

「はぁ…。すみません、沙保里さん。うるさいヤツなので、遠慮なく叱ってやってください」

 

というわけで、俺たちはリコリコに帰ってきた。

 

「お兄ちゃん!私のお泊まりセットは!?」

 

「押し入れだわ!というか自分の荷物は把握しとけ!アホ!ついでに戦闘用意も忘れるなよ!」

 

戦闘用意も整え直した俺たちは、沙保里さんちへ急いでいた。

そしてその道中。

 

「…たきな!?」

 

「急ぐぞ!」

 

俺たちは慌ててたきなに駆け寄り、そのまま担ぎあげて、壁の裏に引きずり込む。

 

「何してんのー!?」

 

「尾行されてたので、誘き出しました。彼らが銃の所在を…」

 

「ちょーい!ちょいちょいちょい!沙保里さんは!?」

 

「車の中です」

 

「…はぁ!?護衛対象を囮にしたのか!?お前アホか!なんのための俺たちだ!」

 

思わず俺も叫んでしまう。

そもそもあんな末端共が、そんな情報を知ってるはずがないだろ!

 

「自分が守るべき対象を、自分から危険に晒す護衛がどこにいる!」

 

「彼らの目的はスマホのデータです!沙保里さんを殺す意図はないかと思います!」

 

「人質になるだろうが!そもそも銃撃戦の最中に、絶対に当たらない確証もねぇだろう!たとえ射撃に自信があっても、射線上に沙保里さんが出てきたらどうする!1度引いた引き金は、もう戻せないんだぞ!」

 

「2人とも!そこまで!今は喧嘩してる場合じゃないでしょ!」

 

千束が慌てて俺たちの間に入って、喧嘩を止める。

はぁ…仕方ない。

俺は銃を引き抜いて、安全装置を外した。

 

「…チッ。千束、やるぞ。たきな、お前はそこで見てろ、邪魔だから」

 

そう吐き捨ててから、俺は後ろを飛んでいたドローンを、オリジナルカスタムをした愛銃のRuger-57で撃ち抜いた。

 

「GO!」

 

俺の声に合わせて、千束が飛び出す。

ドアを盾にしていた男に対して

 

「やあ。取引したいんだけ…」

 

言い切る前に撃たれるも、ご自慢の眼で瞬時に見抜き躱す。

 

「…ど!」

 

ドアを蹴り飛ばして男を挟み、そのまま全弾掃射。

その隙に俺も飛び出して、バンに飛び乗り、屋根を滑って裏に行く。

 

「…よう」

 

「なっ!?テメェ…!?」

 

銃を向けられるより早く、俺は男の銃を回し蹴りで蹴り飛ばす。

そのまま回転を利用して後ろ蹴りで車にめり込ませて、思いっきり顎を振り抜く。

さてと、もう1人は千束が片付けたし、俺は運転席の怪我人でも手当するかね。

 

「千束、クリーナーに連絡しろ。あと沙保里さんも頼む」

 

「ほいほーい」

 

「…おう、生きてるか?」

 

「殺さないでくれ…」

 

うるせぇな、死なせないために手当してやるんだろうが。

 

「…命大事にって、敵もですか」

 

「ま、そこは千束に言え。俺は千束ルールに則ってるだけ…だっぶねぇな!」

 

俺は傷口縛った後、銃を引き抜き、最初に千束が無力化した敵の頭を撃つ。

そこから出る弾は…特注の非殺傷弾だ。

血しぶきの代わりに、先端に付けられたいるゴムが、粉々に散るその姿は、彼岸花が散るように見えるらしい。

 

「おい千束、ちゃんと確認しろって」

 

「ごめんごめん!連絡は済んだよー!」

 

「よし。たきな、今度こそきっちりやれ。また同じことしたら、お前に彼岸花咲かせるぞ」

 

「は、はい…」

 

俺は銃を回しながら、しまい直す。

そのまま荷物を預けて、その場を立ち去ったのだった。

 

■

 

「…ごめんね、たきな」

 

「何がですか?」

 

「お兄ちゃん、仕事にはすごく厳しい人だから」

 

夜、沙保里の家に泊まりに来ていた2人は、こっそりと寝室を抜け出して2人きりで話していた。

 

「…いえ、一護さんの言い分は何一つ間違っていません。護衛対象を囮に使うなんてダメだとは分かっていながら、私はそれをした。そのリスクを、完全に把握していた訳ではないのに」

 

たきなにはあの位置からなら、沙保里に当てずに全員射殺する自信はあった。

だが、沙保里自身の動きまでは、考えていなかった。

もし彼女が突然起き上がったら?

その時、たまたま射線上に顔を出していたら?

リコリスやリリベルには、殺人が許可されている。

だが、だからといって、罪もない一般人を撃っていいのか…答えは流石にNOだというのが、たきなの自論だ。

 

「…一護さんもフキさんも、何も間違ってはいない」

 

「そうね。でも殴るのはダメだよね〜」

 

呑気にいいながら、千束は空を見る。

 

「お兄ちゃんは現実主義者だからさ。私の命大事にをモットーとして掲げながら、それの厳しさを真剣に考えてくれる。だからこそ、こういう荒事には、かなり厳しい人なの」

 

「…私には命大事に、っていうがのよく分かりません」

 

「いつか分かるよ、たきなにも」

 

■

 

「…ったく、イチャついた写真を投稿するから、こんなことになるのよ」

 

翌日、千束のスマホに送られた画像を見ながら、ミズキが早速僻みだした。

 

「僻まない」

 

「僻みじゃないわよ!無自覚なSNSの投稿が余計なトラブルを招くって言ってんのよ!」

 

早口で捲したてるなよ…事実に見えるぞ。

…先生、老眼か?

 

「どこだ?」

 

「ここだよ、先生」

 

俺は画面をタップして拡大してあげる。

ここまでしてやっと分かったのか、渋い顔をして詳細を聞いてくる。

 

「…あの日か」

 

「3時間前だって」

 

「楠木さん、偽の情報掴まされてやんの〜」

 

千束が悪い顔をしながら、司令の楠木をバカにする。

あの澄まし顔の眉間に皺がよるのが、想像出来る。

 

「そういえば、その襲ってきた連中どうしたのよ?」

 

「クリーナーが持ってった」

 

「あんたら!またクリーナー使ったの!?高いのよ!?」

 

「DAに引き渡したら、殺されるだろ?それにあんな末端だ、情報も持ってないだろうし、殺され損だろ?あいつらが」

 

「いや殺されるのに、損得ないからね!?」

 

俺は別に千束のほど、命大事にって考える訳ではない。

銃を持ち、引き金を引く以上、いつどこで殺されても文句は言えない…それが俺たちのような裏稼業の人間だ。

要するに因果応報…それが俺の信条だ。

 

「とにかく!こいつらを追えば、たきなの復帰に近付くかもってこと!どう思う、たきな!」

 

「やります!」

 

おう、ものすごい食い気味で来たな、あいつ。

たきなの制服は千束の色違いだ。

髪型もツインテールにしており、全体的によく似合っている。

 

「うはぁ〜!可愛い〜!なになに!?●▲♂〒※仝〇ゞ▲▽」

 

…なんて言った、あいつ?

可愛いまでしか聞き取れなかったぞ、今。

まあいいか、あいつがおかしいのはいつもの事だ。

 

「可愛いじゃん、たきな」

 

「っ!?…ありがとうございます」

 

…うん?

なんで顔を赤くさせる?

不思議に思ってると、千束とミズキに呆れられた。

 

「お兄ちゃん…」

 

「あんたって本当に…はぁ」

 

「いや、だからなんだよ」

 

店長まで、なんだよその顔。

不思議にそう思っていると、突然千束に引っ張られた。

 

「よし!写真を撮ろう!先生もミズキも!もっと寄って!」

 

千束が早速写真を投稿したところで、来客を告げるベルがなる。

金髪のナイスミドルだ。

 

「やあ、ミカ」

 

「っ!?」

 

にこやかに挨拶をする客と、息を呑む先生。

先生の知り合いか?

 

「ほらたきな、お客さんだよ!練習通り!」

 

「「「いらっしゃいませ!」」」




これにて一話は終了です。
それでは失礼します。
ありがとうございました。
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