君影草の俺が頑張る話   作:ネコ耳パーカー

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都会の迷彩服※Google先生参照


Urban camouflage

「千束、明日は俺は別行動だから、自力でどうにかしろよ!」

 

「はーい」

 

「分かってねぇな…」

 

もう知らん。

俺はそう思って、さっさと自分の布団に入る。

さてと…明日はしんどいぞ。

 

 

「zzz…やっばぁ!寝過ごした!」

 

お兄ちゃんどうして起こしてくれないの!?

っていうか、お兄ちゃんいないし!?

 

「えぇっと…これと、これ!」

 

私は走りながらスマホを確認する。

よく見ると、2件のメールと3件の着信が。

…全部お兄ちゃんだ。

そういえば、別行動だって言ってたっけ。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

唸れ、私の健脚よ!

全力疾走で、お店に着いた私は、そのまま店内に飛び込んだ。

 

「おまたせ〜!千束が来ましたー!お、ヨシさん!」

 

お店に着くと、1か月ぶりにヨシさんに会った。

たきなの初めてお客さんだから、よく覚えてる。

ロシアのお土産を貰って、ヨシさんが帰ったところで

 

「千束」

 

先生からいつもの銃を渡される。

私はマガジンに弾を込めながら、状況を確認する。

 

「どんくらい急ぎ?」

 

「現在、武装集団に追われている」

 

お〜…それは大変だ。

 

「たきな、仕事の話もう聞いている?」

 

「はい、一通り」

 

「OK!そう!昨日話してたブツ、そこに置いてあるから、帰りに持って帰ってね♪」

 

ブツとは、私セレクトのおすすめ映画だ。

映画鑑賞が趣味な私は、少し古い映画をよく見る。

ちなみに私は映画にはお菓子が必須で、お兄ちゃんはあればつまむって感じ。

 

「ミズキとお兄ちゃんは?」

 

「ミズキは逃走経路の確保に動いている。一護はその補佐だ」

 

「ミズキ張り切ってるね〜、めずらし」

 

「報酬は相場の3倍、一括前払いだ」

 

道理でやる気を出すわけだ…。

よし、準備完了!

 

「危機的状況だ。5人から10人、プロよりのアマ、ライフルも確認した。気をつけろ」

 

「了解!行こうたきな」

 

道中移動で電車を使ったから、駅弁買ったのに、すぐに降りることに。

 

「だから説明したじゃないですか」

 

えへへ…聞いてなかった。

たきなが仕方なさそうに、これからの説明をしてくれる。

この先の駐車場で、今回の護衛対象のハッカー、ウォールナットと接触。

車で移動して、途中車を変えて羽田まで目指す。

 

「マジ!?ハイハイハイ!千束が運転します!」

 

「私が運転します」

 

「え〜!?たきな、車運転できんのかよ〜!?」

 

「…出来なきゃリコリスになれないでしょう」

 

そう呆れられながら着いた駐車場に止まっていたのは、赤いスーパーカー。

思わずフェンスにしがみついて、大興奮する私。

 

「スーパーカーじゃん!すげーすげー!やっぱり私が運転するー!」

 

「目立ちますね…」

 

何言ってんの!

その目立つスーパーカーでガンアクション…まさに映画じゃん!

ジェ〇ソン・ステ〇サムじゃん!

そんな大興奮の私の耳に入る、エンジン音。

 

「ん?」

 

振り向いた時、隣の公園から白い軽自動車が飛び出してきた。

なになになんで公園から!?

運転席に座る、犬の着ぐるみを着た人物が、私たちに向かって

 

『ウォール!』

 

「ナット」

 

「え?え?」

 

何それ、今の合言葉?

すげーダサい。

 

『早く乗れ!追っ手が来るぞ!』

 

というか待って、スーパーカーは!?

 

「私スーパーカーがいい〜!」

 

 

白い軽自動車に乗り込んだ千束たちは、そのまま車に揺られていた。

車内では何故か演歌が流れていた。

 

「なんで守られる側が、颯爽と車で現れるのよ。普通逆でしょ」

 

未だにスーパーカーがいいとごねる千束と、冷静に目立たない方がいいというたきな。

 

『予定と違ってすまない。ウォールナットだ』

 

「はいはい、千束です。こっちはたきな」

 

やる気がなくなったような、ダルそうな声で自己紹介をする千束。

 

「なんか、イメージしてたハッカーさんとは、違いますね」

 

『底意地の悪そうな痩せたメガネ小僧とでも?だったら映画の見すぎだよ』

 

そのイメージは当初千束が描いていた、ハッカーのイメージそのものだ。

思わず顔が引きつる千束と、呆れるたきな。

 

「ほらやっぱり」

 

「いやいや、だからといって、着ぐるみじゃないでしょ」

 

『ハッカーは顔を隠した方が長生きできるってだけさ。JKの殺し屋の方が異常だよ、リコリス』

 

「熊のハッカーよりは合理的ですよ」

 

「たきな、犬だよ」

 

『リスだ』

 

「「…」」

 

リス…これが?

と言った顔で、思わず黙り込む2人。

それを知ってか知らずか、ウォールナットは話を続けた。

 

『どう合理的なんだ?』

 

「つまり、日本で1番警戒されない姿だってことですよ」

 

『…JKの制服は、都会の迷彩服ってことか』

 

そこでたきなが、ずっと気にはなっていたものに、目をつけた。

 

「この大きいのなんです?」

 

『僕のすべて。荷物は身軽な方がいいだろう?』

 

「いや今のあんたの姿が、身軽じゃないんですけどね!?」

 

そうツッコミを入れた千束は、何気ない動作で後ろを確認する。

 

「でもいいな〜…私も海外行ってみた〜い」

 

『…一緒に行くかい?』

 

「私たち戸籍がないから、パスポート取れないんですよ」

 

『…そうか』

 

ほんの少しの寂しさを乗せた千束の声に、こちらも寂しさを乗せた返事をしたウォールナット。

だが2人は尾行の確認に気を取られていて、その事に気付いていなかった。

 

「…来ませんね」

 

「来ないね〜。このまま行くの?」

 

「いえ、1度車を変えます。ウォールナットさん、ここに向かってください」

 

『…承知した』

 

しかしその車は高速を使わず、下道を走り続けてしまう。

 

「あれ?高速を使うのでは?」

 

『どうした?』

 

「いや、それはこっちのセリフだけど」

 

ウォールナットが恐る恐るハンドルを手放すと、そのハンドルが勝手に動いていた。

その事に冷静にウォールナットが呟いた。

 

『…車を乗っ取られたか』

 

「…えぇぇぇぇぇ!?ちょっとちょっと!」

 

身を乗り出した千束だが、急加速の反動で、後ろに転がり戻される。

 

『ロボ太か、腕を上げたな』

 

「ぐぉ!?どこ向かってるの…!?」

 

『加速してる。…このまま海に落とす気か』

 

「回線の切断を!」

 

『いや、直ぐにロボ太に上書きされる。物理的にネットを切るしかないが、これは僕の車じゃない。ルーターの場所が分からない』

 

車内でどうするか話し合っていると、たきなが車の後ろに、ドローンが着いてきていることに気づく。

 

「いや〜…あれは自信ないわ。そっちはたきなに任せた」

 

方針が固まったところで、反撃に出る。

 

『制御を取り戻すぞ。3,2,1…』

 

制御を取り戻した瞬間、千束がガラスにヒビを入れて、たきなが体当たりで割る。

その勢いのまま身を乗り出して、ドローンを撃ち落とした。

そして…何とか車を止めることに成功したのだった。




というわけで、2話スタートです。
そして2話の構成上、いきなり一護と千束のハモりが出せなかった…。
それでは失礼します。
ありがとうございました。
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