一夏のくせになまいきだ   作:シシカバブP

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バトル描写とか書いたことなかったんで、すごい難産でした。


第8話 代表決定戦~vs セシリア・オルコット~

クラス代表決定戦当日。

3人がぞれぞれ2戦ずつ、計3試合が行われることになり、抽選の結果、対戦順は以下のようになった。

 

第1試合 織斑一夏 vs セシリア・オルコット

第2試合 織斑一夏 vs 北山翔

第3試合 北山翔 vs セシリア・オルコット

 

そして現在、翔は第3アリーナのピットで、美波の手を借りながらラファールの最終チェックをしており、翔と同じピット内に織斑も居るのだが……

 

ーside翔ー

 

「なぁ箒」

 

「何だ、一夏」

 

織斑の横には、幼なじみらしい篠ノ之がいた。

本来ピットには関係者以外立ち入り禁止だが、それを指摘する気はない。それを言ってしまえば、美波も関係者外ってことになるからな。

 

「俺さ、1週間前ISについて教えてくれって言ったよな?」

 

「ああ」

 

ほう、訓練機も借りずに何をしていたのかと思えば、ISの勉強をしていたわけか。

参考書を間違って捨てた、事前知識0なやつだったから、そこを先に補完するって考えは無しではない。あれ全部覚える期限(織斑先生からの執行猶予)も1週間だったし。

……昨日用事があって職員室に行った時、山田先生が「やっぱり北山さんの予想通りになっちゃいました~!!」って涙目だったが。

 

「俺、今日まで剣道しかやって無かった気がするんだが……」

 

「……」

 

「目・を・そ・ら・す・な」

 

ええー……ないわー……

確かにISは操縦者の身体能力や技術も無関係じゃないけど、そっちに全振りってどういうことだよ?

織斑に手配されるISって、どういうものかも知らされてないんだろ?それで近接装備に刀剣類が含まれてなかったらどうすんだ?というか、今気づいたけど、専用機まだ届いてないのか?マジで?

ふと視線をずらすと、美波も「まぁ織斑君だしー」って顔をしていた。ああそうか、「織斑だから」で全部片付くのか。

 

「織斑くーん! 来ましたよ! 織斑君の専用機!!」

 

そんなことを考えていると、山田先生と織斑先生がピットに入ってきた。

 

「織斑、大至急初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)を行う」

 

「織斑君、こっちに来て下さい」

 

「は、はいっ!」

 

「それでだが……北山」

 

「はい」

 

「織斑機の準備に時間がかかる。なので予定を変更して、お前とオルコットの試合を先に始めたい」

 

まあ、そうなりますよね。

こいつ(ラファール)の場合も30分はかかってる。それが第3世代機ともなれば、もっとかかってもおかしくはない。

 

「美波」

 

「だいじょーぶ! すぐに動かせるよー」

 

美波からのVサインが返ってきた。

 

「――とのことなので、先に出ることについては了解しました」

 

「そうか」

 

「ただし」

 

「ん?」

 

「織斑機の準備が完了するまでの時間が稼げなくても、文句はなしでお願いします」

 

先に言質を取っとかないと、あとでグダグダ言われたくないからな。

 

「当たり前だ。お前は全力で戦えばそれでいい」

 

「分かりました――それでは」

 

 

ーside翔 outー

 

 

ーsideセシリアー

 

『間もなく第1試合を始めます』

 

(やっとですか……)

 

『尚、予定を変更して第1試合は北山翔対セシリア・オルコットになります』

 

「ふぇ!?」

 

て、てっきりあの織斑一夏と対戦すると思っていたせいで、く、口から変な声がでてしまいましたわ!

 

『両者、アリーナへ入場してください』

 

アナウンスに従って、ブルー・ティアーズを纏った状態でカタパルトから射出、アリーナに入場。

一瞬眩しさを感じると、反対側から北山さんも入場していました。

 

「あーっと、オルコット、聞こえてるか」

 

プライベート・チャネルから、北山さんの声が聞こえてきます。

 

「ええ、聞こえてますわ。まさか貴方と先に戦うことになるとは思いませんでしたが」

 

「織斑の専用機を用意してた連中が、なかなか時間にルーズだったようでな」

 

「あら、いけない方々ですわね」

 

軽い雑談が終わると、わたくしは改めて北山さんの機体を観察しました。

 

「やはり訓練機、ですか……」

 

「まぁな。だからって手加減いらないぞ」

 

「分かっておりますわ」

 

そうしてわたくしがスターライトmkIII(レーザーライフル)を展開。北山さんもラファールの標準装備であるヴェント(アサルトライフル)を展開したところで

 

 

壮絶な撃ち合いが始まりました

 

 

ーsideセシリア outー

 

 

ーside千冬ー

 

「なんだよ、ぐるぐる回って撃ち合ってるだけじゃないか」

 

調整のために『白式』に乗ったままモニターを見ていた一夏が呑気なことを言っているが、私と山田君はそれどころではなかった。

 

ぐるぐる回って撃ち合う、何も知らなければそう見えるだろう。

だがあれは円状制御飛翔(サークル・ロンド)と呼ばれるもの。

互いに円軌道を描きながら射撃を行い、それを不定期な加速をすることで回避する、高度な機体制御が要求される代物だ。

代表候補生であるオルコットはともかく、1週間ラファールに乗っただけの北山が出来るものではない、はずなのだが……

 

「山田君」

 

「い、いいえ、入学試験の時にはまったく……それにあの時は、打鉄を使ってましたし……」

 

作業の手は止めていないものの、山田君の顔も気持ち青褪めている。

 

(あいつは一体、何者なんだ……?)

 

ーside千冬 outー

 

 

ーside翔ー

 

(やっぱり、こちらが押されてるか……)

 

射撃と回避を続けながら、俺は手詰まりを感じていた。

いくらラファールが機動性重視の機体とはいえ、未改修で第3世代機のブルー・ティアーズを相手にするのは荷が重い。

バイザーからの情報を見ると、ラファールのSE(シールド・エネルギー)が3割、ブルー・ティアーズが6割になっていた。むしろオルコット相手によく4割も削れたもんだ。

しかも、これはまだ前哨戦だ。なぜならブルー・ティアーズには――

 

「流石ですわ、北山さん」

 

そう言って、オルコットは射撃と高速機動を止めた。

 

「手を抜いていたわけではありませんが、ここで奥の手を出させていただきます。お行きなさい、『ブルー・ティアーズ』!!」

 

オルコットから離れた4機のBT、レーザービットが俺の周りを囲む。

絶体絶命……本来なら。だがもし、事前に美波から聞いた情報が正しければ――

 

――バララララッ!

 

「そんな攻撃にあた――えっ!?」

 

やったことは単純。右手にガルム(アサルトカノン)を展開してオルコット本人を攻撃。向こうが回避している間にビットに接近、左手にレイン・オブ・サタディ(ショットガン)を展開してビットをハチの巣に。

事前情報通り、オルコットは『自分が回避行動をしている間はビットを操作できない』!

 

「くっ! ですがまだっ!」

 

オルコットの方も、隠し玉だったであろう2機のミサイルポッドを展開して応戦する。

そしてビットを全て撃墜した時には、ブルー・ティアーズのSEは3割、ラファールは1割を切っていた。

 

「はぁ……はぁ……そろそろ、降参なさいますか?」

 

「降参、降参ねぇ……」

 

SEの残りは1撃圏内。その上、ビットを潰すために撃ちまくったから、装備のほぼ全てが弾切れ。

う~ん、これは勝ち目ないかもなぁ。けど、

 

「ちなみに、もしオルコットが俺の立場だったらどうする?」

 

その問いに、オルコットは一瞬虚を突かれたような顔をしたが、

 

「フフッ……SEが尽きるまで、戦うのみですわ」

 

「だよなぁ」

 

 

「なら、最後まで戦おうか!」

 

残っていたブレッド・スライサー(近接ブレード)を展開すると、俺はオルコットに向かって

 

――ドンッ!

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?」

 

ここまで使わずにとっておいた瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使って、真正面から一気に距離を詰める。

そしてオルコットの装甲外部分を狙って

 

「さ、せませんわっ!」

 

咄嗟にライフルで庇われるが、そのライフルはオルコットの手から弾かれた。これで――

 

「まだ……っ! 『インターセプター』!」

 

オルコットの手にもショートブレードが展開される。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

俺はオルコットの首を、オルコットは俺の胴体を切り裂くように得物を振り上げ、そして――

 

 

 

『両者、SEエンプティ。よってこの試合は引き分けとなります』

 

 

 

ーside翔 outー

 




う~む……一夏アンチものなのに、ただのバトルものになってしまった……

そして、翔がセシリアと引き分けられた理由については
最適化(フィッティング)されたラファールを使用
・束のラボでの訓練
・これまで渡ってきた外史での戦闘経験
ということでひとつお願いします。
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