一夏のくせになまいきだ   作:シシカバブP

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学年別トーナメント編開始までのつなぎ部分になります。(これと次回ぐらい)

一夏が懲罰房行きになって出番が無いので、一夏アンチは一時休業です。
翔への積極的なアタックを始めたセシリアと、失恋のショックと美波のハグポでトンじゃってる鈴をお楽しみください。

それと勝手ながら、感想受付設定を変更させていただきました。(ログインユーザーのみに戻しました)
それに併せて、非ログインユーザーの感想を全て削除させていただきました。(これに関しては単に作者の豆腐メンタルが原因です、申し訳ないです。こちらにとって耳触りの良い感想だけ残すのもフェアじゃないといいますか……)

「感想は見ないかも」なんて言いながら、ついつい見て勝手に凹む奴ですが、引き続きご愛顧いただければと思います。




インターミッション
第18話 対抗戦翌日~GWのご予定は?~


クラス対抗戦中の翌日、SHRの時間。いつもより賑やかさに欠けた教室に、千冬と真耶が入ってくる。

 

「みなさーん、明日からGW(ゴールデン・ウィーク)に入ります。それが明けると本格的にIS実習が始まりますから、事故や病気に気を付けてくださいね!」

 

「「「「はーい」」」」

 

「それではSHRは終わり――」

 

「せんせー、織斑君はどうしたんですか?」

 

クラスを代表して、鏡ナギが自分の席の右隣――織斑の席――に視線を向けながら聞いた。

 

「それは……」

 

「織斑は授業には出ない」

 

と、千冬が代わりに答える。

 

「どういうことですか?」

 

「織斑は対抗戦で独断専行に走ったため、GW明けまで謹慎処分となった」

 

謹慎処分、ものは言い様である。

そしてこれが、千冬が織斑の減刑を願い出てまで2週間の懲罰房行きにして、すぐに執行した理由でもあった。

GWを挟めば、織斑だけが教室にいない時間が減る、孤立感を薄められるのではないかという考えからだった。

 

「それではSHRを終わる!」

 

有無を言わさないかのように話を切ると、千冬が教室を出て行き、慌てて真耶も後を追いかけて行った。

 

 

ーside翔ー

 

「シールドバリアを破って生徒達を危険に晒したことについて、織斑姉弟から謝罪も弁明も無し、か」

 

「何とも釈然としませんわね……」

 

「先生も、弟の織斑君を庇いたいのは分かるけどねぇ……」

 

「教師としてそこは分けてほしかったなー」

 

「そうだそうだ~」

 

SHRが終わり、俺の席に集まってきた面々。(俺、美波、セシリア、相川さん、布仏さん)

元凶は織斑だが、先生にもとばっちりが行った。いやむしろ、織斑の保護者として必要な処置を怠った先生が悪いのか。

 

「あの時北山君がいなかったらどうなってたことか……」

 

「命の恩人だね」

 

「ホントだよー」

 

周りのクラスメイトからの褒め殺しが恥ずい。

なんでも、謎のISが撃破されたのは知ってたが、それが俺の手によるものだと知ったのは今朝になってからだったとか。

 

 

「そういえば、GW明けにまた転校生が来るんだってー」

 

「えっ! ホント!?」

 

「どこ情報!?」

 

「それは秘密だよー」

 

「うわー、ナミママ教えてよ~」

 

美波が転校生の話をしだしたことで、他の女子達も美波の周り(つまり俺の周りにも)集まってきた。

 

「なんでも、フランスとドイツから2人来るんだってさー」

 

「2人も!? 今年は転校生がいっぱいだぁ!」

 

「例年ではあり得ないぐらいですね」

 

集まっていたクラスメイト達は、転校生の話題で盛り上がり始めた。

 

「翔さん」

 

「ん? どうした?」

 

「転校生というのは、昨晩の……?」

 

「ああ、そうだ」

 

そう、昨晩のことだ――

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

――学生寮内の食堂

 

ガツガツ ムシャムシャ――

 

「あ、あのぉ翔さん? もう少し落ち着いて召し上がっても……」

 

「セシリアちゃん、それは無理だと思うな―」

 

ああ無理だ。なにせ死にかけの体を治すだけのエネルギーを持ってかれたんだ、とにかくカロリーを胃にぶち込むことしか考えられん。

 

いつも食う唐揚げ定食、ここまで空腹だと全然味の感じ方が違うな。それにミックスフライ定食、初めて頼んだけど結構美味いな。

そうこう考えているうちに、注文していたものは8割方胃袋の中に消えていた。

 

「それにしても、さすがは篠ノ之博士ですわね。あれだけの傷が、1日足らずで完治するなんて」

 

「確かに、すげぇ技術だよなぁ」

 

そう言いながら、勢いで注文していた『マカロン5種』とやらを食べようと手を……ありゃ、手が届かない。

 

「セシリア、すまんけどそれ取ってくれるか」

 

「それ……ああ、このマカロンですわね」

 

セシリアはマカロンの乗った皿を手に取ると、乗っていたマカロンを手に取って

 

「はい、あ~ん、ですわ」

 

「へ?」

 

ええっと、セシリアさん? つまりそれは、そういうことですか……?

 

「ささ、あ~ん」

 

マカロンを俺の口元に差し出した状態から、まったく動かないセシリア。

 

「あ、あーん……」

 

覚悟を決めて(ある意味諦めて)、マカロンを食べる。……味なんか分かんねぇよ。

というかセシリア、お前まで顔赤くしてどうすんだよ……。

今は周りに人がいないから良かったものの、前に会った新聞部の先輩とかがいたら大変な目に遭ってたぞ……。

 

 

「編入生ー?」

 

 

この恥ずかしい流れをぶった切ったのは、いつの間にか誰かと通話していた美波だった。

 

「そうなんだー。……うん、分かったー。翔ちゃん達にも伝えておくねー。それじゃまたねー」

 

通話を切ると、美波はスマホを仕舞いながら

 

「束ちゃんからだったよー。翔ちゃんが動けるようになって、喜んでたよー」

 

「そうか。今度会ったらお礼を言わないとな」

 

「そだねー」

 

とはいえ、ホワイト・グリントがほぼ全損状態だから、近いうちにSRC(束さんの所)に行って修理を頼まなきゃならんだろうな。

 

「それで美波さん、編入生というのは?」

 

「あ、そうそうー」

 

セシリアからの質問に、美波はポンと手を叩く。

 

「束ちゃんがネットサーフィンしてて知ったらしいんだけどー」

 

ネットサーフィン……ああ、ネットサーフィン(どこかにハッキング)ね。

 

「GW明けに、フランスとドイツの代表候補生がIS学園に転校してくるんだってー」

 

「それは……」

 

「言い方は悪いが、鈴のご同類(男性操縦者目当て)が遅ればせながら、ってところか」

 

「だろうねー」

 

確か、シャルル(シャルロット)・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒだったか。

美波から聞いてたが、どっちも専用機持ちなんだよなぁ。前も思ったが、専用機バーゲンセールしすぎなんだよ。

織斑入学まで、専用機持ちは3年1機、2年2機、1年2機(セシリア含む)の全5機だったのが、現時点ですでに9機だ。(5+織斑+俺+美波+鈴)

そこからさらに2機追加とか、1学年だけで元の全数を倍にしてるじゃねぇか。

 

「あ、それと束ちゃんが、鈴ちゃんとセシリアちゃんに会いたがってたよー」

 

唐突に思い出したかのように、美波が話題を変えた。

 

「篠ノ之博士が、わたくしと鈴さんにですの?」

 

「うん、セシリアちゃんとは『OHANASHIしたいなー』って言ってたよー」

 

「……セシリア?」

 

「なぜでしょう……『少し、頭冷やそうか……』という幻聴が……」

 

なんか、めっちゃ震えてるぞ……?

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「お、思い出したらまた幻聴が……」

 

またセシリアが震えだしたよ……。

 

「それで翔ちゃん、GWはどうしよっかー」

 

「差し当たり、ホワイト・グリントを直してやりたいな」

 

「それじゃあ、初日はSRCに行こっかー」

 

「美波の予定はいいのか?」

 

「私は2日目に鈴ちゃんと買い物行く約束してるから、それ以外なら問題ないよー」

 

そういえば、SHRの前に鈴が来て約束してたな。

 

『ナミママ! GWのどっかでレゾナンス(駅前のショッピングモール)に買い物行こう!』

 

そう言って、美波にしがみついてたな。大昔流行っただっこちゃん人形かよ。

マジで束さんと同じように、ハグポにやられてるな……。

 

「あの、翔さん」

 

「おっ、幻聴からは解放されたか?」

 

さっきまで消えかけてた、目のハイライトは戻ってるみたいだな。

 

「そ、それはさておき……SRCですが、わたくしも同伴させていただけないでしょうか」

 

「束さんに会うためか?」

 

「ええ。どうせお会いするなら、早い内の方が良いと思いまして……」

 

「俺は構わないぞ」

 

「私もいいよー」

 

という軽い調子で、俺達3人のGW初日の予定は決まった。

 

ーside翔 outー

 

 

ーside真耶ー

 

「やっぱりダメですか……」

 

クラス対抗戦で襲撃してきたISの残骸を解析していた私は、すごく困ってしまいました。

だってこれは……

 

「山田君、解析の結果は出たか?」

 

織斑先生が部屋に入ってきました。

 

「一応出ました……凰さんや北山君の証言通り、人が搭乗する箇所に大型コンデンサーを搭載した無人機でした」

 

「……ISコアは?」

 

「無理ですね……コアの破損が酷すぎて、登録されているものかの判断もできません」

 

「そうか……」

 

そう、北山君が撃破した無人機のコアは、2機がレーザーブレードの直撃で大半が溶解。残った1機に至っては機体ごと粉々に粉砕、いいえ崩壊していました。これでは解析のしようがありません。

 

「ご苦労だったな。今日はもう上がるといい」

 

「いいんですか?」

 

「いいさ。山田君にはGW明けに頑張ってもらうからな」

 

「え……?」

 

GW明けに、頑張る?

 

「実は先ほど、IS委員会欧州支部から学園宛てに連絡が来てな」

 

そう言うと織斑先生は、ここに来てからからずっと持っていた大判封筒から紙を取り出すと、私に見せてきました。……え?

 

「GW明けに、フランスとドイツから2人、転校生が1組に入ってくることになった」

 

 

 

「しかも、片方は"男"だ」

 

 

 

「ええっと……それって……」

 

私が戸惑っていると、織斑先生は私の肩を叩き、

 

「寮の部屋割り、再調整を頼む」

 

……決めました。今日はもう帰って、お酒を浴びるように飲んで寝ましょう。

 

ーside真耶 outー




あれだけのことがあって説明なし:
女子生徒→千冬の好感度down(小)

命の恩人:
女子生徒→翔の好感度up(大)
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