一夏のくせになまいきだ   作:シシカバブP

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キング・クリムゾン~

そして今回はいつもより短めです。



第24話 学年別トーナメント

学年別トーナメント当日。

各国政府関係者、研究所員、企業エージェントなど、錚々たる来賓がIS学園へやってくる。

3年にはスカウト、2年には1年間の成果の確認、そして1年も上位入賞者にはチェックが入るとあって、生徒達も皆やる気に満ちていた。

 

そして開会式から少しして、対戦表がアリーナの電光掲示板に表示された。

 

 

ーside翔ー

 

「1回戦目からラウラか……」

 

「手強そうですわね……」

 

そう、Aブロック1回戦目から、ラウラ・篠ノ之ペアとやり合うことになった。

ラウラが強いのもそうだが、今まで篠ノ之がノーマークだったせいで、まったく情報が無いのが痛い。

 

「それで、作戦はどうしますの?」

 

「そうだなぁ……」

 

セシリアの問いに少し考えるが

 

「正直、ラウラ相手に1対1は避けたいな」

 

AIC(慣性停止結界)、ですわね?」

 

「ああ、俺は直接見たことが無いがな。セシリアは?」

 

「わたくしは欧州連合のトライアルで一度だけ」

 

慣性停止結界、対象を任意に停止させることが出来るんだったか。

 

「正直、実体弾が主武装の翔さんとは、相性が良くありませんわね」

 

「ああ、だからセシリアには悪いんだが……」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「来たか……」

 

俺達がアリーナに入ると、すでにラウラと篠ノ之が入場していた。

 

「まさか、1回戦目からぶつかるとは思わなかったがな」

 

「それは私も同じだ」

 

やる気満々だなぁ。それに釣られてなのか、篠ノ之も真剣な顔で打鉄の()を構えている。

 

「それじゃあセシリア、作戦通りに」

 

「ええ、承知しておりますわ」

 

俺達もMARVEとスターライトmkIIIを展開したところで

 

 

――試合開始のブザーが鳴った

 

 

「なっ!」

 

ラウラが驚く声が聞こえた気がした。

まぁ驚くだろう。なにせ俺はラウラを()()()()()して、篠ノ之に向かって吶喊してったんだから。

 

「待てっ! くっ!」

 

ラウラが俺を追いかけようとするが、そこをセシリアのブルー・ティアーズが牽制で押し留める。

 

「申し訳ありませんが、しばらくわたくしと踊っていただきますわよ!」

 

「くっ! 小癪な!」

 

 

「北山が相手か!」

 

「おう、我流剣術どころか、喧嘩殺法で申し訳ないがな」

 

俺達の作戦、それは簡単に言えば『篠ノ之から先に倒してしまって、1対2の状況にしてしまおう』ということだ。

そのために、セシリアにはしばらくの間、ラウラを引き付けてもらうことにしたのだ。

 

「別に構わん。いくぞ!」

 

言うが早いか、篠ノ之が上段の構えから突進してきた。

 

「そんな織斑みたいな突撃、当たるとで――っ!」

 

「甘いっ!」

 

唐竹割から刃を傾けての薙ぎ払いかよ! 少し装甲を掠っちまった。

 

「こんの!」

 

――バラララララッ!

 

引きながらMARVEの弾をばらまくが、篠ノ之の奴、うまく躱しやがる。

 

「はぁっ!」

 

――ガキィィィンッ!

 

下段切り上げからの上段振り下ろしの流れにもまったく淀みがなく、俺はMARVEを交差させて受け止めるしかなかった。完全な鍔迫り合いだ。

 

「篠ノ之流を舐めないでもらおうか」

 

「いやぁ、しくったかもなぁ」

 

当初の予定では、篠ノ之を速攻で倒すつもりだったが、そうもいかなくなりそうだ。

 

ーside翔 outー

 

 

ーsideセシリアー

 

「くぅっ!」

 

まさか、箒さんがあれほど戦えるとは計算外でしたわ!

本来であれば、すぐに翔さんと合流して、ラウラさんと1対2で戦う予定でしたのに。

 

「私もだが、そちらもあいつの強さは予想外だったようだな」

 

「ええ、正直一度も戦うところを見ていませんでしたから」

 

こうやって悠長に話しながら戦えるのも、武装の特性がわたくしに利があるから。

 

「ふっ!」

 

ラウラさんが距離を詰めてAICを使おうとしたところを高速移動で回避、そのままレーザーライフルで攻撃……やはり躱しますか。

 

「ちっ、やりづらい」

 

そう、AICは任意の物体を停止させる力を持っています。それは言い換えれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということ。

ですが、それでラウラさんを攻略できたわけではありません。

 

「ならば!」

 

肩部に搭載されている複数のワイヤーブレードが、わたくしに襲い掛かります。

 

「っ!」

 

「そらそら!」

 

――ガィンッ!

 

「きゃう!」

 

1撃もらってしまいましたが……まだ、いけますわ!

 

(ここは使い時、ですわね……)

 

正直、こんな序盤で使いたくはありませんでしたが、背に腹は代えられません。

 

「お行きなさい、ブルー・ティアーズ!」

 

わたくしは4機のビットを展開、ラウラさんを取り囲みます。

 

「はっ! お得意の無線ビットか!」

 

周囲を取り囲まれているのも構わず、ラウラさんがわたくし目掛けて突撃してきました。

 

「知ってるぞセシリア! お前は自分が回避行動を取ってる間、ビットを操作できないとな!」

 

そう言いながら振り下ろしたプラズマ手刀を回避したわたくしを、ラウラさんが追撃しようとしたところで

 

――パシィィィィン!

 

「ぐあっ! なん、だと……!?」

 

『回避している間はビット操作できない』そう、()()()わたくしでしたら。

ですがわたくしも、いつまでも進歩が無いままじゃありませんのよ?

 

「……なるほど。あの篠ノ之だけでなく、お前も予想外だ」

 

「誉め言葉として受け取っておきますわ」

 

「誉めてるさ。だがな……」

 

 

「勝つのは私だ!」

 

 

そう言ってラウラさんが再度プラズマ手刀を展開したところで

 

 

――ラウラさんのIS『シュヴァルツェア・レーゲン』に、異変が起こりました。

 

 

ーsideセシリア outー

 

 

ーsideラウラー

 

(まったく、世の中うまくいかないものだな)

 

当初の予定では、2人目の男性操縦者の翔と戦って、奴の情報を収集するはずだった。

だが蓋を開けてみれば、奴は篠ノ之とチャンバラを始め、私はセシリアとやり合うことに。

しかもセシリアめ、事前情報にあった弱点を克服していたか。

 

「……なるほど。あの篠ノ之だけでなく、お前も予想外だ」

 

「誉め言葉として受け取っておきますわ」

 

「誉めてるさ。だがな……」

 

ああ、確かにお前は強い。それは認めよう。だが――

 

「勝つのは私だ!」

 

プラズマ手刀を展開して、セシリアに肉薄しようとした瞬間だった。

 

Existence of Sho Kitayama Confirmed.(北山翔の存在を確認)

 

Eliminate the target.(ターゲットを排除します)

 

《 Valkyrie Trace System 》…… boot.

 

(な、なんだこれは!? ヴァルキリー・トレース・システム(VTS)だと!? なぜこんなものがレーゲンに――)

 

その疑問を口にすることも無く、私の意識は落ちた――

 

ーsideラウラ outー

 

 

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