一夏のくせになまいきだ   作:シシカバブP

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前回から時間をすっ飛ばして、今回ようやっと入学編です。

皆様お待たせ致しました、一夏アンチ開幕です!

今回から地の文が出てきますが、その際人物は名前表記です。(ただし一夏は除く)


原作開始~クラス代表決定戦
第5話 入学


――IS学園

 

IS運用協定、通称「アラスカ条約」に基づいて設置された、IS操縦者やメカニックを養成する国立高等学校である。

 

東京湾沿岸にある人工島に存在し、本土からの出入りは海上モノレールのみ。

国際規約により、建前上はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという、地理的にも法的にも『孤島の要塞』と呼べる場所である。

 

そしてISは女にしか動かすことが出来ないため、その操縦者養成機関であるIS学園は、女子校と言って差し支えない。

当然、生徒は全て女子であり、男はごく一部の職員しかいない、まさに女の園であった。

 

 

そう、ISを起動させられる"男"が見つかるまでは。

その報を受けた各国が緊急の適正検査をした結果、"さらにもう1人"男性操縦者が見つかるまでは――

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

IS学園、1年1組の教室――

 

学園生活最初のSHRで、クラス中の視線が、ある一点に集中していた。

 

「えー、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

「「「「……」」」」

 

名前を言うだけの自己紹介をする"ただ1人"の男・織斑一夏に、さらに視線が集まる。

 

(((まだあるよね? あるよねぇ?))))

 

「以上です!」 ガタンッ! ドン!

 

期待のいう梯子を外されて、クラスの大半がコケたり机に頭をぶつけたりしていた。

 

 

――ガンッ!

 

「痛ってぇ!」

 

「自己紹介もまともに出来ないのか、お前というやつは」

 

「げっ、千冬姉!」

 

――ガンッ!

 

「学校では織斑先生だ」

 

2度目の拳骨で織斑を撃沈させると、千冬が教壇に立つ。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君達新人を1年で使い物にするのが仕事だ」

 

「「「「きゃああああああっ!!」」」」

 

女子生徒達の(黄色い)絶叫が教室中に響き渡った。

 

「千冬様! 本物の千冬様よー!」

 

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

 

「はぁ……毎年よくこれだけバカモノが集まるものだ…」

 

我先にとアピールを行う女子生徒達に、千冬は額に手を当ててため息をついた。

とはいえ、本人も口にした通り、彼女がIS学園に赴任してから恒例となっているわけだが。

 

「さて、SHRを続けたいところだが……入ってこい」

 

ウィィィン――

 

「えっ?」「どういうこと?」

 

教室のドア(自動)が開くと、騒がしかった教室内が一瞬で静かになった。

 

 

 

 

 

ーside翔ー

 

「急遽この学園に入学することになった北山翔だ。自己紹介を」

 

「2週間前の緊急適性検査で適性が見つかってIS学園入学になりました、北山翔です。これからよろしくお願いします」

 

…予想はしていたが、本当に『IS起動→拉致られてホテルに軟禁→受験していた高校の合格取り消し→IS学園に強制入学』のコンボを決められるとは思わんかったわ。

 

 

 

「「「「えええぇぇぇ!!」」」」

 

うるさっ! 廊下にいた時もうるさかったけど、それ以上だろ!

 

「男!? 2人目の男性操縦者!?」

 

「マジで!?」

 

「ああ、お母様私を産んでくれてありがとう!今度の母の日はちょっと奮発するね!」

 

最後の人、君は一体何を言ってるのかな?

 

――バンバンッ

 

「静まれお前達! 何度もうるさくされたら敵わん!」

 

織斑先生が出席簿を教壇に叩き付ける音で、ようやっと静かになる。

 

「さて、北山の席だが、後ろから2番目だ。ではここでHRを終わりとする」

 

そう言うと、織斑先生ともう一人の先生(実技試験を受けた時の試験官で、確か山田真耶先生だったか)は教室を出て行った。

 

 

 

「翔ちゃーん、こっちこっちー」

 

そして最後列の席から、美波がブンブン手を振っていた。

 

自分の席(苗字が同じだから、必然的に名前順で美波の前)に座ると、わらわらと周りの女子生徒達が集まってきた。

 

ちなみに織斑の方にも集まっているようで、教室の前と後ろで、人口密度が偏っている。

 

と思ったら、織斑の方に集まっていた人達もなんかこっち来た。

 

「あれ? 織斑君の方に行ったんじゃないの?」

 

「そうなんだけど、なんか篠ノ之さんに連れていかれちゃったのよ」

 

「そうなの?」

 

「うん。なんでも2人は幼なじみなんだって」

 

「へ~」

 

という女子達の話を横で、俺は適性検査を受ける前に美波から聞いていた内容を思い出した。

 

 

 

突然だが外史とは、現実世界で創造された創作世界だ。

創作。つまり前提として、その世界を作り出すための原点、『原作』と呼べるものがあり、当然この外史にも『原作』が存在する。

 

あいにく俺は知らなかったが、美波がその『原作』の内容を知っていた。とはいえ、最後に見てから長い時間が経っているから、うろ覚え程度らしいが。

その中で、織斑一夏の周りには様々な女子が引き寄せられるそうだ。ざっと挙げると

 

篠ノ之箒        :IS開発者である篠ノ之束の妹、後に専用機持ち

セシリア・オルコット  :イギリス代表候補生、専用機持ち

凰鈴音         :中国代表候補生、専用機持ち

シャルロット・デュノア :フランス代表候補生、専用機持ち

ラウラ・ボーデヴィッヒ :ドイツ代表候補生、専用機持ち

 

なぁにこれぇ。専用機持ちバーゲンセールしすぎだろ。

こいつらを織斑から引き離すのがロキ(あのやろう)からの指示なわけだが…マジかよぉ…

 

 

 

「ところで、北山君ってナミママと……」

 

「兄妹だよー」

 

「えっ!そうなの!」

 

というか美波…どうしてすでにクラスメイトから『ママ』呼ばわりされてるんだ…?

 

 

「──ちょっとよろしくて?」

 

振り返れば(金髪縦ロール)がいた。

 

そして集まっていた面々は、危険を察知したのか美波以外は撤収済みだった。

 

―――――――――――――――――――――

 「セシリア・オルコットさん、だったか?」

 

 「ええっと……どちら様?」

―――――――――――――――――――――

 

いやいや、これ間違いなく下は地雷だろ?

 

―――――――――――――――――――――

⇒「セシリア・オルコットさん、だったか?」

 

 「ええっと……どちら様?」

―――――――――――――――――――――

 

「セシリア・オルコットさん、だったか?」

 

「あら、ちゃんとわたくしのことをご存じですのね」

 

「一応、専用機持ちについては調べたからな。それで何か用か?」

 

「世界で2人しか居ない男性IS操縦者がどのような人物であるか見に来たんですわ。北山さんでよろしくて? 」

 

「ああ。こっちもオルコットさんで?」

 

「ええ、構いませんわ」

 

 

 

その後は特に当たり障りのない会話が続き、チャイムとともにオルコットは引き上げていった。

 

あの時選択を間違えてたら、きっとすげぇ面倒なことになってただろうな…

 

ーside翔 outー

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

入学早々の授業は、真耶によるISの基礎項目についてだった。

 

一般に知られている内容もあるにはあるが、ほとんどが専門的な内容だ。

 

とはいえ、IS学園を志望し、なおかつ入学試験に合格するだけの実力があるなら、そこまで難解でも無いのだろう。

 

事前に勉強していれば(・・・・・・・・・・)

 

 

「――ではここまでで、質問のある人ー」

 

板書を終えた真耶が見回すが、誰一人手を上げない。

 

「えーっと…それじゃあ織斑君?」

 

とりあえず目の前の生徒を指名するが、

 

「……」

 

「織斑君?」

 

「っ!? は、はいっ!」

 

体をビクンッとさせながら、織斑は慌てて返事を返す。

 

「分からないところがあったら、遠慮なく言ってくださいねー」

 

「えぇっと……」

 

「はい」

 

「ほとんど全部わかりません!」 ガタンッ! ドン!

 

あまりにもなカミングアウトに、SHRの時のようにクラス全員(織斑除く)がコケた。

 

「……はい?」

 

『お前の授業分からん』と言われた形の真耶は、ほぼ半泣き状態。

 

「……織斑、入学前の参考書はどうした? 『必読』と書いてあったはずだが」

 

「あぁ~……間違えて捨てました」

 

――ガンッ!

 

「ぐはっ!」

 

「再発行してやるから、1週間で覚えろ」

 

「い、いや、1週間であの分厚さは…」

 

「1週間だ、やれ」

 

「はい…」

 

 

ちなみに織斑は、翔も自分と同じだと思っていたようだが、真耶に当てられた問題をすらすらと答えているのを見て絶句していた。

『原作知識+適性検査前に受けたIS開発者直々の授業』は伊達ではないのだ。

 

なお、休み時間は箒に連れ出され、授業中は席が離れていることもあり、織斑と北山兄妹のファーストコンタクトは未だ果たされていない。

セシリアからの接触はあったものの

 

「いや、君誰か知らないし」「代表候補生って何?」「教官?それなら俺も倒したぞ?」

 

と、セシリアの地雷を尽く踏み抜いていた。

 

 




・セシリアのことを知っている:
セシリア→翔の好感度up(微小)

・授業で当てられても答えられる:
クラス全員→翔の好感度up(微小)

・参考書を間違って捨てる:
クラス全員→織斑の好感度down(小)

・「君誰か知らないし」他3点セット:
セシリア→織斑の好感度down(小~中)


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