俺がホロライブのマネージャーになる!?いや、無理だよ! 作:武田光璃
「君に頼みがあるんだ。聞いてくれないかい?」
谷郷元昭社長に呼ばれてやって来るや否やそんなことを言われてしまった。彼、白龍剣豪は怪訝そうな顔をしてそれを聞いていた。剣豪は名前のせいで馬鹿にされて来てから喧嘩に明け暮れていた元不良少年だった。それこそむしゃくしゃしている時は誰であろうと構わず喧嘩をしたりしており周りからも怖がられていた存在である。しかし親が倒れてしまいそんなことをしてることは出来ないと考えて今ではカバー株式会社で正社員として働いていた。昔は金髪にしていたが地毛の白髪に戻して真面目に働いていた時に社長に呼ばれたのだ。それは何事だと思うであろう。
「あの…………自分、何かしましたか?こう言っては何ですけど真面目に働いてたと思うんですけど……」
「うん、君の働きぶりには目を見張るものがあるよ。こんなに真剣にこの会社に貢献してくれてるんだから。」
「では何故呼ばれたのか聞いてもよろしいでしょうか?」
「実を言うと君を今の部署からあるところに移動させようかと思ってね。」
「違う部署ですか……それはどこでしょうか?」
「今現役で活動してもらってるホロライブのマネージャーにーーー」
「すいませんがお断りさせてもらいます。」
剣豪は谷郷元昭社長が言い切る前に断っていた。
「それはどうしてだい?賃金だって今よりもいいよ?」
「いえその………自分はこんな身なりでこの名前です。昔は女の子達からこの名前で虐められたりしていたんですよ。そんな男をそこに入れるのは酷かと思いませんか?」
「ふむ…………確かに配慮が足りなかったね。申し訳ない。」
「分かってくれましたかーーーー」
「けど君を待ってる人達が居るんだよ………僕自身も向こうで活躍して欲しいとは思ってるんだけど何故かホロメンの皆が君のことを知っててね……」
「……………はい?」
剣豪はそう言うと頭に疑問を浮かべていた。記憶に居る女の子などほとんど居なかったからだ。居たとしても旅行してからもう会わないであろう女の子達が居るくらいでーー
「…………そう言えばホロメンってあれですよね、割と人以外の女の子も居るって聞いてるんですけど写真を見せてもらってもいいですか?」
「勿論だよ。えっとこれなんだけど見覚えのある顔は居るかな?」
社長から見せてもらった写真の中に確かに知り合いの顔があったのだ。
「…………雪花、不知火、常闇、天音、夜空、癒月、紫咲、百鬼、大神、白上、戌神、猫又、兎田、角巻、獅白か………ここまで知り合いがいると逆に笑っちまうな。」
剣豪は写真を見るとそれはたくさんの知り合い達がいた。一緒に酒を飲んでから馬鹿なことをしたり怪我をしていたりして治療してあげたりしたりして少しだけ話す仲になっていた女の子達だ。まさかここで働いてるとは思ってなかったのだ。
「それにしてもホロメンを知らなかったのかい?これでもかなり有名なんだけど………」
「仕事に関係ないですからね。VTuberよりも自分はYouTuberを見てますから。」
嘘である。剣豪は確かにYouTuberを見ていたがVTuberだって見ていた。にじさんじやぶいすぽ、個人勢まで。しかしホロライブに興味が無かった理由が明確にある。
「マネージャーの件は明日までに返事をしますので時間をくれませんか?」
「勿論だよ。明日までに返事をくれたらこっちも動きやすいからね。」
剣豪は社長室を出てから仕事を続けていた。すると隣に座っていた後輩の女の子、春先のどかが声を掛けてきて
「何があったんですか?急に社長に呼ばれるなんて中々ありませんよ?」
「俺も何が何だかだよ。ホロライブのマネージャーになってくれだって言われたもんだから困ったもんだ。」
「え、そんなこと言われたんですか!?勿論受けましたよね?ここで働くよりも向こうでは皆が仲良くしてるって聞いてますし。」
「保留にしてるよ。」
「どうしてですか?お母さんの為に働いてるって話してたじゃないですか。」
「あ〜、実はなーーー」
剣豪はのどかの耳元でコソコソと話した。のどかはそれを聞くと目を開いて驚きを隠せなかった。
「そ、そうだったんですか!?」
「まぁそういうことだからそこら辺は"相談"しないとな。」
剣豪が保留にしてる理由、いじめを受けたからもあるが本当の理由はホロライブに興味が無いのと同じ理由である。剣豪は家に帰りご飯を食べてから父親と電話をして母親の様態を確認していた。そして夜9時になるとパソコンを起動させてから"配信"をし始めたのだ。
「待たせたなお前らぁー。CRのハクだぞ。」
・待ってましたァ!!
・今日はコラボだもんなぁ!
「おい遅ぇぞ、ハク!!」
「こっちは準備万端だぞ。」
白龍剣豪、またの名をCR(クレイジーラクーン)所属のプロゲーマーハク。幼馴染であるだるまいずごっとと一緒に入ってから活動して約二年目である。カバー株式会社で働きながらゲーム配信で生計を立てているのだ。ホロライブに興味が無い理由がこれである。にじさんじやぶいすぽのメンバーはカスタム等で知り合うため話す為に配信等を見るのだがホロライブはアイドル達なので他のグループと関わらない方針なのだ。だからこそホロライブに関しては誰一人として調べなかったのだ。
「なぁ〜俺さ仕事してるって言ったじゃんよ。」
「おん、仕事クビでもなったか?」
「ご愁傷さまですな。」
「最後まで話を聞かんかい。カバー株式会社って所で働いてるんだけどホロライブのマネージャーしないかって言われてんだよ。保留にしてるけどなぁ〜。」
「お、いいじゃん!やればいいんじゃねぇの?」
・けど配信頻度が落ちるのは悲しいかな
・毎日配信してくれてたもんな
「しかもめちゃくちゃ知り合いがいて驚いたわ。ほら一時期旅行してた時あるじゃん?その時の知り合いがほぼホロメンになってた。」
「なにその奇跡。俺達にもそんな出会いがあればな〜。」
「けどマネージャーに関してはいいと思うぞ?やった所でCRからは抜けさせられることはないと思うしな。」
「ん〜もう少し考えるよ。まぁ今はゲームしようや。」
「「うぃ〜〜。」」
その頃の谷郷元昭社長はと言うと
「ま、待ってくれ!!明日、明日には返事があるんだ!」
「ん?すいちゃんは今日来て欲しかったなぁ〜。」
「私もちゃんと話したかったのに………来ないんだもんね。」
「みこ達ぐらいだにぇ。剣豪さんとちゃんと話してないメンバーは。」
「あの時のお礼も言いたいなぁ〜。」
「本当に明日なんだよね?」
「も、もちろんだよ!」
0期生のメンバーに斧や刀を突きつけられてから言い訳をしていたのだった。
「「「「「早く会いたいなぁ………」」」」」