On The Road ~仮面ライダーディケイド・AFTER CHRONICLE~ 作:地水
仮面ライダー・怪人による強敵たちを前にディケイド達の戦いは苛烈を極めていた。
ディケイドはライドブッカーによる斬撃で切り倒し。
クウガは超変身によるフォームチェンジを駆使して翻弄。
キバーラはキバーラサーベルによる斬撃で切り払い。
ディエンドは遠くからの銃撃で撃ち抜いてく。
仮にも様々な世界で巡り合った修羅場を潜り抜けてきた彼ら四人によって捌くのは苦ではなかった。
それが相手がライダーだろうと、怪人だろうと、変わらない。
あらかたの敵を倒しおれたディケイドはライドブッカーの刃をなでる仕草をしながら、周囲にいるクウガへ声をかける。
「どうやら腕は落ちていないようだな」
「当たり前だ士。俺達と何度戦ってきたんだよ」
「さぁてな、多すぎて数えるのが面倒だ」
仮面の下で眩しい笑顔を浮かべるクウガに対し、ディケイドは素っ気なく返す。
いつものやり取りを見て、キバーラは嬉しそうな笑い声を上げ、ディエンドは安堵した様子を伺わせないように背を向ける。
だが、敵の追撃を収まる事はない……新たなる強敵がディケイド達へと迫る。
突如ディケイド達に襲い掛かる紫の炎。多少のダメージを受けながら四人は耐え凌いだ後、攻撃した方向へと視線を向ける。
……そこにいたのは、黒いボディに白い外骨格に覆われた一人の仮面ライダーがいた。
頭部につけられた"十五"という金色の飾りを見て、ディケイドは忌々しそうに呟いた。
「仮面ライダーフィフティーン……アイツもロストワールドに辿り着いていたのか」
「それって、確か士君が戦って言う……」
「ああ、あの時は苦戦した上、1号ライダーの力を纏った鎧武が倒したが……今回ばかりはそうはいかない!」
かつてとある世界で巡り合ったその敵の仮面ライダー……仮面ライダーフィフティーン。
彼を前にして、苦い思い出を浮かべるディケイドだが、フィフティーンはお構いなしに手に持った骨型の剣・黄泉丸を振り回して切りかかってきた。
キバーラがキバーラサーベルを以て接敵に、ディエンドがディエンドライバーで発砲して応援するが、フィフティーンは切り払って凌ぐ。
そこへクウガが助走をつけながら走り出し、大きくジャンプ。
右足に集まったエネルギーを叩き込むクウガ・マイティフォームの必殺キック『マイティキック』を繰り出そうとする。
だがそれを見越していたのか、フィフティーンはある錠前型アイテムを取り出す。
――それは、平成ライダー15人の力を秘めた平成十五ライダーロックシードだった。
【平成十五ライダー!】
【クウガ!】
電子音声が鳴り響いた後、クウガの必殺キックを阻むように炎の塊が現れる。
それはクウガの頭を模した鎧であり、マイティキックの直撃を受け止めた後、蹴り飛ばされた勢いを利用してフィフティーンの体へと装着・展開された。
【クウガアームズ!】
【超変身・ハッハッハ!】
クウガのアームズを纏った形態・フィフティーンクウガアームズへと変貌を遂げると、フィフティーンは両手に炎を生み出す。
それを拳大の火炎弾として、ディエンドとキバーラ目掛けて放つ。
「なにっ、ぐあ!?」
「きゃああ!」
火炎弾が炸裂して吹っ飛ばされるディエンドとキバーラ。
倒れ込む彼らの間を駆け抜けて、クウガがフィフティーンへと殴り掛かる。
互いに殴打の応酬を続けていくが、数々の世界で旅をして修羅場を潜り抜けたクウガの方が次第に押し始める。
「これで、どうだぁ!」
最後はクウガから繰り出されたストレートパンチがフィフティーンの纏うクウガアームズへと直撃。
フィフティーンは数メートルまで吹き飛ばされてしまい、クウガアームズは砕け散る……だが、平成十五ライダーロックシードを操作する。
【オーズ!】
【オーズアームズ!】
【タトバ・タトバー!】
消滅したクウガアームズの代わりの出現したのは、仮面ライダーオーズの頭部を模したアームズが装着される。
今度はオーズの力を得た形態・フィフティーンオーズアームズへ変わると、飛蝗の如きジャンプ力で飛び上がり、両腕から虎の爪を模したオーラで切り裂く。
「ぐあっ!?」
「ユウスケ、下がれ! ここは……オレがリベンジする」
ディケイドはライドブッカーからとあるカードを取り出すと、すぐさまディケイドドライバーへと装填する。
【KAMEN-RIDE…DRIVE】
「変身」
【DRIVE! TYPE-SPEED!】
赤い光のエフェクトと共にディケイドの姿は別のライダーへと変わっていく。
一本のタイヤ型パーツを襷のように胸部に嵌めた赤いボディと、自動車のヘッドライトを模したマスクを有する仮面ライダー・ドライブへと変身を遂げると、手元にあるブレスレット・シフトブレスを操作する。
【SP・SP・SPEED!】
「ハァッ!!」
元のドライブが有する能力・重加速による加速能力を駆使し、超高速の世界へと入るディケイド。
フィフティーンが向かう先へ先回りすると、ライドブッカーを構えて逆転の一撃を叩き込もうとする。
【FINAL-ATTACK-RIDE…D・D・D・DRIVE!】
「食らえ!!」
ライドブッカー・ソードモードを構えて、勢いよく回転。
本来のドライブが専用武器・ハンドル剣を用いて発動する必殺技『ターンスラッシュ』を繰り出し、フィフティーンのオーズアームズを叩き斬る。
身に着けていたオーズアームズを見事に真っ二つにされ、空中へと放り出されたフィフティーンはすぐさま別の形態へと変えるべく、平成十五ライダーロックシードを手に取る。
だが、ディエンドライバーから発射された光弾がロックシードを撃ち抜き、粉々に砕け散る。
フィフティーンが何事かと視界に捉えたのは、こちらへと銃口を向けたディエンドの姿だった。
「もったいない気がするけど致し方ない。背に腹は代えられないからね」
皮肉交じりに呟く彼へ反撃しようとするフィフティーンだが、その直前に衝撃に叩き込まれる。
クウガが再び放ったマイティキックが体へと直撃したからだ。
「おりゃあああああああ!!!」
クウガが繰り出したその一撃は、フィフティーンへと突き刺さる。
強力なロックシードを失ったフィフティーンは黄泉丸で切り伏せようとする……。
だが、クウガはさらなる追撃するわけでもなく思いっきり叫んだ。
「夏海ちゃん、今だ!」
「いきます!」
目前に飛び込んできたのは紫色に輝く光の翼で飛ぶキバーラの姿。
彼女は手に持ったキバーラサーベルを構え、そして通り過ぎざまにフィフティーンを一閃。
フィフティーンへ紫の斬撃が刻まれた後、黒と白のボディは塵となって消滅する。
「やったな、士」
「まあな……だが、相手は残ってるぞ。」
かつてディケイドはおろか平成ライダーすら苦戦させた強敵を仲間を含めた4人の力で倒した。
その事を深く噛み締めながら、ディケイド達は次の敵へと立ち向かっていった。