On The Road ~仮面ライダーディケイド・AFTER CHRONICLE~ 作:地水
ディケイド達4人が強敵たちと戦っている同じ頃。
ディシルドとディサルドはその圧倒的なコンビネーションで自分達に襲い掛かる強敵達を撃破していた。
武神鎧武が振り下ろす大橙丸と無双セイバーの二刀流をディシルドは片手に構えたディシルドドライバーで弾き、すかさずパンチを叩き込む。
よろけた所へディサルドの投げ飛ばしたディサルドドライバーの投擲が迫る。
【ATTACK-RIDE…SLASH】
「てりゃああああああ!!」
"アタックライド スラッシュ"によって光の刃と化したディサルドドライバーの一撃が武神鎧武を貫いた。
必殺の一撃を受けてしまった武神鎧武はそのまま爆炎を放って消滅。
苛烈な攻撃を仕掛けてくる強敵の一人をまた退けたディシルドとディサルドは背中を合わせて言葉を交わす。
「こうしてまたお前と戦う事になるとはな」
「別に懐かしくもないでしょ? いっつもそうしてきたじゃない」
「まあな……悪かったな、寂しい思いをさせて」
「どうしたの? 急に謝るなんてアナタらしくないじゃない」
ディシルド――カイルのらしくない言葉を聞いて、訪ねてくるディサルド――ルキナ。
二人はこちらへと向かってくるエターナルとソーサラーの二体の仮面ライダー達を応戦しながら、自分達の脳裏にとある出来事を浮かばせていた。
――それは、とある世界での出来事。
『とある強敵』と交戦時、二人はその圧倒的な追い詰められていた。
今まで様々な世界の仮面ライダーや怪人と戦ってきたが、あれほどの強敵は類を見ないほど強かった。
その圧倒的な強さの前にこのままでは二人ともやられて倒れる……そう思ったディシルドは最後の掛けに出た。
自分をも巻き込んだ特攻を仕掛け、時空の彼方へと消し飛ばした。
その結果、カイル自身も巻き込まれてしまい、このロストワールドに来てしまった。
思いがけない形で再会できた今、辛い思いをさせてしまったルキナの事が心残りだが……。
エターナルが繰り出した"ロケットメモリ"のマキシマムドライブによるミサイル攻撃を持前の防御力で防いで凌ぐディシルドへ、ディサルドはソーサラーの戦斧・ディースハルバードを捌きながら口を開いた。
「私の事なら気にするなっつーの。今は再会できただけでチャラになったんだから」
「……だがな」
「ああもう、気にするなって言っているから、気にしないでって言ってるじゃない!」
振り下ろされたディースハルバードを薙ぎ払いながら、ディサルドはディシルドへいきなり近づいてくる。
ディシルドと交戦しているエターナルへ向けて鋭い突きを叩き込むと、自身の得物を地面へ突き立てて、ディシルドの頬に手を添えた。
「大丈夫、今度は一緒にいてあげるから。私とあなたは盾と刃なんだから」
「ああ……ありがとう。その言葉を聞いたらそれだけで俺は……」
まるで子供を優しく諭す母親のようにディサルドはディシルドをそっと抱き寄せる。
その間にもエターナルとソーサラー、高熱を用いた火炎攻撃を繰り出してくる。
「戦える!」
だが、ディシルドの振るった腕……その腕に装備していたディシルドドライバーが火炎攻撃を見事に防ぐ。
そしてディシルドは何枚にも及ぶ新たなカードを構え、ディシルドドライバーに装填した。
【KAMEN-RIDE…】
「大盤振る舞いだ!」
【GATACK! ZERONOS! IXA! ACCEL! BIRTH!】
電子音声が鳴り響くと、ディシルドの合計5人の仮面ライダーが出現。
仮面ライダーガタック。
仮面ライダーゼロノス
仮面ライダーイクサ。
仮面ライダーアクセル。
仮面ライダーバース。
エターナルとソーサラーの前に現れた彼ら5人の仮面ライダーのうち、まず最初に動いたのはバースだった。
【CELL-BURST】
無骨そうな電子音声と共にバースのアーマーの各部カプセル型パーツから追加武装が飛び出し、それらは合体して戦闘用支援ドロイド『CLAWs・サソリ』へと変化。
サソリは突貫しながら両腕の鋏を用いてソーサラーを捕縛、そのままバースのドロップキック攻撃を叩き込まれる。
その傍らではガタックが呼び出したクワガタ型特殊マシン『ガタックエクステンダー・エクスモード』が空を舞い、クワガタムシの顎のような形状のエクスアームでエターナルを捕まえる。
身動きができないエターナルを強く挟み込んだ状態で、ガタックはそのままガタックエクステンダーを蹴り飛ばす。
なすすべなくエターナルとソーサラーは激突……そこへ、いくつもの光線や青いカプセル型爆弾が二体に襲い掛かる。
……見れば、イクサが操る重機のような見た目をした白いドラゴン型メカ『パワードイクサー』による爆弾投下攻撃と、アクセルと砲台型支援メカ・ガンナーAが合体した合体形態『アクセルガンナー』による破壊光線、さらにゼロノスが操作する二両編成の時の列車『ゼロライナー』によるエネルギー砲が炸裂。
5人のライダーの支援メカによる強力な攻撃にソーサラーは倒れて炎を上げて爆散、残るエターナルも片膝をついて相手を見やる。
――目の前には悠然と立つディシルドと、彼に寄り添っているディサルドの姿があった。
彼ら二人を見ているエターナルはまるで何かをうらやましそうに見ている……そんな気さえ思える程の何かの意志らしいものを感じ取ったディシルドはひとりぽつりと口にする。
「生憎だったな……オレはまだまだ、死ねそうにないらしい」
「かつては大事な身近な人間を守るために死に物狂いで戦いはじめたオレだけどな……ロストワールド、こんな世界に来てまでも誰かを守るために戦いたいと思った」
「だから、色んなもの一切合切背負って生きて、戦い抜く。オレが、『
そう言いながら、ディシルドはエターナルへと言い放った。
対してエターナルは自身のベルトからガイアメモリを引き抜き、それをナイフ型武器・エターナルエッジへ装填する。
【ETERNAL/MAXIMUM-DRIVE】
周囲に発生した青い炎が渦巻き、刃に収束を始める。
エターナルレクイエム……エターナルの必殺技でもソレを見てディサルドは叫んだ。こちらも必殺の一撃を以て決めるべきだと……。
「カイル! 私達も決めるよ!」
「いや、お前はこっちにいろ。守りにくいから」
「うん……えっ!?」
不意に言い放たれたディシルドの言葉に素っ頓狂な声を上げるディサルド。
そんな彼女の腰を抱き寄せた後、ディシルドは自身の武器であるディシルドドライバーにさらなるライダーカードを装填。
鳴り響くのは、決着をつけるための
【FINAL-ATTACK-RIDE…DESHIELD!】
ディサルドを抱き寄せながらディサルドはディシルドドライバーを前へ突き出した。
するとディサルドドライバーを中心に大きな光のカード型エフェクトが渦状に展開される。
それは宛ら世界ごと守るような大きな盾の壁……ディシルド自身の心意気と矜持を示した光景である。
「こういうのはガラじゃないが……折角生死の境を彷徨った身なんだ。ぶつかり稽古と洒落こもうじゃないか」
「カイル!? 待って、ちょっと待って、心の準備が!?」
「構うものかよ。一蓮托生なのは同じだろう!!」
2人の痴話喧嘩じみたやりよりはさておいて。
ディシルド達に目がけて、エターナルはエターナルレクイエムによる必殺の斬撃を放った。
灼熱すら生ぬるいほどの青い炎の斬撃が火柱となって迫り、ディシルドの光の盾に直撃。
……別のとある世界なら、『世界の一つや二つ永遠に破壊できる』と言われるほどのエターナルの一撃。
だが、ソレすら受け止めてディシルドは盾を構える。
いや、ディシルドだけではない……傍らにいるディサルドも一緒に盾を支えていた。
絶対に受け止め切る。二人のその意志が体現され……。
そして、時はやって来た。
『ディメンションカウンター』
相手の放った攻撃が強力ほど、受け止め切った時には強力な反撃を繰り出すディシルドの大技。
エターナルの攻撃を受け止め切ったディシルドの頭上……そこには光でできた巨大な剣が顕現。
先程展開していた光の盾が形を変えて現れたそれはロストワールドの天すら突き抜けて輝き、勢いよくエターナルへと迫る。
「「いっけええええええ!!」」
ディシルド、ディサルドの二人が勢いよく振るった光の剣。
2人の思いを形にしたような必殺の一撃にエターナルは避けることもなく、その刃に貫かれる……。
轟音。
爆炎と共に、ディシルドとディサルドの戦いはひとまず終わった。
残されるのは、ディケイド達が待っている最終決戦だけだ。