ウミウミの海兵は平和を愛す。   作:豆乳大納言

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 続きました。
 でも、まだタイトル詐欺してるので、そろそろ主人公には海兵になってもらおうと思います。

 高評価と感想をくれたら続くかもしれないので、ご期待くださる方は、是非評価と感想をしていってください。

 ※肉体再生能力の名前を「生々流転」に変更しました。


四話 ウミウミの海兵は戦闘を知る

 

 

▽月●日

 

 昨日は俺がガープさんに出会った◆月〇日から▽月○日までの四日間について書いた。だから、今日はそれから今日に至るまでの三日間について書こうと思う。

 

 と言っても、昨日については日記を書いてほぼ潰れたので、正確に言うと昨日までの二日間が正しい。

 

 時系列にすると

 ◆月○日 俺がウミウミの実を食べ、フーシャ村に転移する。ガープさんと出会い、この日から一週間フーシャ村に滞在することが決まる。

 ▽月✕日 フーシャ村に来て三日が経つ。俺の瞬間移動の原理がおおよそ判明する。

 ▽月〇日 フーシャ村に来て一週間が経つ。フーシャ村についてのから一週間の前半を日記にしたためる。・・・・・・夕方にフーシャ村を出た。

 ▽月●日 今日。今は海軍の船の上で、波に揺られながら日記を書いている。フーシャ村に着いてからの後半について日記を書こうとしている。

 

 という感じだ。

 

 ただ、ぶっちゃけ後半はある出来事以外を除けば、そんなに大変では無かった。一昨日*1はお別れ会をしただけだったしな。

 

 ・・・・・・いや、丸三日能力の研究してたわけじゃないから。村の皆と結構ふれあってたから。

 

 具体的には、食べられる魚を教えて貰ったりとか、ガープさんと釣りをしたりとか、村の子供達相手に鬼ごっこしたりとかな。

 

 そんな風に年相応の時間もちゃんと過ごしてたさ。

 

 え?じゃあ、何が大変だったのかって?

 

 ――――――五日目に遭った*2ある出来事が本当に大変だっただけサ。

 

 いやぁ、まさか。

 

 海軍の英雄と手合わせすることになるとは思わなかったなぁ

 

 

 ***

 

 

 

 それは五日目の朝のことだった。

 

「シンカイ、ちょっと俺と手合わせせんか?」

「え、嫌ですけど」

 

 俺はガープさんの地獄のような提案に、恐ろしい早さで拒否を示していた。

 

 ・・・・・・いや、考えてもみてほしい。俺の目の前で嬉々として模擬戦を要求してくる人は、かの有名な海軍の英雄、モンキー・D・ガープその人である。

 

 ・・・・・・模擬戦とはいえ、無事で済む気がしない。

 

 その上、この人は原作の年老いた状態ですら、自然(ロギア)系能力者である赤犬を殺せると言い放った程の実力者だ。

 七十六歳ですらアレなのに、俺の目の前にいるガープさんはおそらく四十代後半。口調も原作よりも若々しく、髪も黒い部分が多い。一人称も俺だし、所謂祖父ちゃん口調でもない。

 

 つまり、現役バリバリなのである。

 

 ガープさんが少しでも手加減をし損なったら、おそらく俺は死んでしまうだろう。

 

 そういう嫌な確信がある。

 

 ――確かに、俺には肉体が完全に死にきる前であれば、水を供給することで一瞬で全快することができる能力「生々流転(せいせいるてん)」がある。

 

 腕がもがれようが、心臓をオペオペでパクられた後に潰されようが、水さえあれば何度でも蘇ることができるのだ。

 

 死にきる前に水を供給することができれば、の話だけどな。

 

 そう、俺の唯一と言っていい弱点。それは、一瞬で身体を跡形も無く吹き飛ばされたら死んでしまうというところだ。

 

 そう言う意味で言うと、俺にとって一番戦いたくない相手はボルサリーノさんとだったりする。

 まあ、ボルサリーノさん相手なら水蒸気を操作して、光を屈折させれば良いんだけど。レーザーによって水蒸気すら残さず消し飛ばされたら、俺もノーダメージとは言えない。

 

 また、同じ理由でガープさんとも戦いたくは無い。連打でも受けて、身体が再生できないレベルで吹き飛ばされたら流石に俺でも死んでしまう。

 

「――お前の強さがわかっとれば、俺もお前の海軍入隊を後押しできると思うんだがなぁ」

「なにやってんですかガープさん、さっさと浜辺に行きますよ」

「わかりやすいなァ。お前」

 

 ・・・・・・命には代えられないっすからね。そりゃ。

 

 

 ***

 

 

 俺はかの邪知暴虐のガープさんを許すわけにはいかなかった。

 俺が海軍に入隊できないと間接的に死ぬことを知り、それを使って俺を脅した彼に一矢報いてやらねばならぬと言う私怨の炎が俺の中で、煌々と燃えていた。

 

「――沈んでください、ガープさん!!!」

「こい、小僧!!」

 

 俺は、暴力的なまでの覇気を放つガープさんに向かって全力疾走する。・・・・・・剃はまだ使えないので、ただの七歳児の全力疾走だからかなり遅い。

 

 だが、俺の強みはそこでは無い。

 

 俺の悪魔の実は()()()()()()

 

 無尽蔵に水を生み出し、操作する。それが、俺の強みだ。

 

水天・渦潮(すいてん・うずしお)

 

 周囲に巨大な水の球体を二十ほど作り出し、そこから螺旋状に圧縮した大量の水を放出する。放たれるのは、二十の渦巻く鉄砲水。

 

「――ほう」

 

 ガープさんが感心したように、息を吐く。・・・・・・この物量で息を吐く程度か、と思うと頂の高さに絶望しそうだけ――は!?

 

「ふん!!」

 

 なんと、ガープさんは俺が放った渦潮を殴りつけ、破裂させた。しかも、タイミングが本当に微妙に違う二十もの高圧水流全てを一撃で、だ。

 

「馬鹿力過ぎませんか!?」

「ガッハッハッ、鍛え方が違うんだよ。鍛え方が!!」

 

 そう言いながら俺との距離を縮めてくるガープさん。剃も使えるだろうが、俺に合わせてくれたのか、普通に走っているだけだ。ただ、それでも鍛え抜かれた海兵の全力疾走なので、俺の何十倍も速いスピードで距離を詰めてくる。

 

「――ッなら!!」

 

 しかし、近距離戦を望んでいるのは俺も同じ。

 

「ハッ――」

 

 俺は全身から超高温の蒸気を噴き出す。目くらまし兼、時間稼ぎだが。正直これでどれくら――

 

「洒落臭いわ!」

 

 拳一発でかき消される高温の蒸気。

 ――一瞬も持たないとか、やっぱこの人ルフィの祖父ちゃんだわ。だけど、一瞬あれば時間は十分。

 

 かき消された蒸気の中――ではなく、俺はガープさんの頭上でフワフワと浮かんでいた。

 

「・・・・・・小僧。お前、海水人間じゃなかったのか?」

「そうですよ。俺はウミウミの実を食べた、海洋人間。そして、海は雲でもあり、氷河でもあり、蒸気でもあります」

 

 不思議そうに俺を見ているガープさんに、俺はそう答える。

 

潮流変化(ストリームチェンジ)蒸気形態(スチームスタイル)。この姿の俺は、――中々、熱いですよ。ガープさん」

「面白れぇ」

 

 にやり、と笑ったガープさんは、すぐさま拳を握りこみ、俺に接近する。

 

「――その速度じゃ、俺に追いつけませんよ」

 

 だが、俺は空気中の水分を一瞬だけ固め、それ蹴ってその反作用で高速移動した。

 

「“剃”か」

 

 空を切った拳を見て、ガープさんはそう漏らす。

 

「・・・・・・小僧、お前たしか六式は使えないんじゃなかったか?」

「素の状態ならそうです。ですが、この潮流変化(ストリームチェンジ)蒸気形態(スチームスタイル)の体重は通常の百分の一以下。地面を十回も蹴らなくても、高速移動と呼べるだけの速力は出せます。それに――」

 

 俺は手の平から蒸気を噴き出す。

 

「こうやって、蒸気を噴出することで、推力を増加させることもできます」

 

 瞬間、膨れ上がる覇気を察知し、俺は再び剃――蒸気・剃(スチーム・ソル)を使って距離をとる。

 

「・・・・・・くく、まるでアイツと戦ってるみてェだわ。拳一つありゃすむ話に、あーだこーだ理屈をつける。本当にお前ら親子はセンゴクに似ているなァ!!」

「そりゃ、どーもです。センゴクとやらがどこのどなたかは存じませんが*3!!」

 

 先ほどまでの攻撃と違って武装色を纏った一撃を避けた俺はお返しとばかりに、蒸気・剃(スチーム・ソル)を使って蒸気の拳をガープさんにぶつける。

 

 予想通りガープさんは俺の拳を殴りつける。

 

 ガープさんの膂力に釣り合うよう、俺は背中から放出する蒸気の量を増加させる。

 

 今の状態の俺に体重はほぼ無いので、こうでもしないと打撃のダメージはおろか、こうやって拳を付き合わせて拮抗状態を作ることすら難しい。まあ、この一撃は別に、拳でガープさんに一撃入れるための物では無い。

 

 俺の狙いは、俺が纏っている高温の蒸気をガープさんに喰らわせることだ。そりゃ、人間の目で捉えられない様な速度でぶつかったら、蒸気のようにほとんど質量の無いものは、作用反作用の法則で進行方向に飛んでいく。

 

 流石のガープさんも、これを喰らえば火傷くらいはするだろう。

 

「オラァ!」

 

 と思っていた俺が愚かでした。まさか、裏拳で蒸気を全て吹き飛ばすとは思っていなかった。・・・・・・石仮面を被った経験がおありではないでしょうか?

 

「――ヤバい蒸気・剃(スチーム・ソル)!!」

「遅いわ!!」

 

 左手の裏拳の後に来る正拳突きを避けようと後ろに蒸気・剃(スチーム・ソル)を発動する俺だが、それを予期していたガープさんに剃を使われ、距離を詰められノーガードで正拳突きを喰らう。

 

「あ、加減間違えた。すまん」

「――っハ、ウソだろ」

 

 加減を間違えたとはいえ、手を抜いた一撃で人間が衝撃の吸収されやすい砂浜で何度もバウンドするとか、絶対に人間の腕力じゃない。

 

 ・・・・・・幸いなことにガープさんから百メートルほど距離を取ることができた。その上、この蒸気形態(スチームスタイル)は衝撃が身体から逃げやすいので、まだ戦うことはできる。

 

 ただ、正直な話をするともうやめたい。でも、この人は俺が気絶するか、底を完全に見せるかしないと模擬戦止めそうに無い。

 

 それに、まだ()()()()()()()

 

 

「――俺の正義は、まだ沈んじゃいないってとこ、見せてやりますよ。白天・縛鎖(はくてん・ばくさ)!!」

 

 ボソリと呟いた後、俺は体中に纏う蒸気の密度を高め、ガープさんに向けて放つ。ただし、高温とはいえ、蒸気は蒸気。物理ダメージはほとんど狙えない。だけど、それがいい。

 

潮流変化(ストリームチェンジ)凍結形態(フリーズスタイル)。からの、氷天・縛鎖(ひょうてん・ばくさ)!!」

 

 狙いは俺とガープさんの間の空間に水蒸気をばら撒くこと。

 

 ばら撒いた水蒸気も水。つまり、俺の支配下にある。そして、蒸気を扱えるのなら逆も然り。

 俺は氷も扱える。と言っても冷気を扱えるわけではないから、俺の扱える低温なんてヒエヒエと比べたら拙いものでしか無い。

 

 しかし、それでも氷だ。分子運動を停止させるなんてことはまだできないが、水蒸気を集めて水にし、凍らせることくらいは今の俺でもできる。白い蒸気の鎖は、澄んだ氷の鎖へと変化し、ガープさんに纏わりつく。

 

 だが、俺の予想通り氷の鎖はガープさんに蹴られ殴られ、触れる前に砕かれていく。

 

「まだまだ、氷天・樹海(ひょうてん・じゅかい)!!」

 

 猛スピードで近づいてくるガープさんに対し、俺は地面から氷の樹を生やして対抗する。

 

「俺を侮るなよ小僧!!!この程度の氷、俺に壊せないワケがないだろうが!」

 

「知ってます。貴方がこの程度の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。でも、俺にはあえて透明じゃない白い氷を作る必要があったんだ」

 

「ふん!!」

 

 ガープさんが俺の目の前にあった最後の氷の樹を砕き、俺に向かって拳を振り上げる。

 

「おらァ!!」

 

 鋼鉄と鋼鉄がぶつかったような甲高い音が浜辺に響く。

 

 俺は覇気を纏った両腕を使いクロスアームブロックでガープさんの拳を受け止めた。ただ、それだけじゃ俺のこの小さな身体じゃ耐えきれない。

 

「・・・・・・なるほど、コイツは囮か」

 

 だから、さっきの氷天・樹海(ひょうてん・じゅかい)で足の裏から地中に広げていた氷の根に本体を移し、地中から抜け殻の肉体に覇気を送っていたのだ。流体に覇気を流すのは無理でも、こうやって固体に覇気を流すことができる*4のは、原作でも確認済み。

 

 そして、その囮の肉体を介して、氷や水蒸気の間を突っ切ってきて、湿っているガープさんを凍らせるのは俺にはたやすい。

 

「っと、あぶねぇ」

 

 と思っていたが、ガープさんは凍りつつあった右手を力尽くで引き抜いた。

 

 当然のように、その余波で俺の元肉体は砕けた。マジかよ(絶句)。

 

 ・・・・・・このまま地中にいても埒があかないので、俺はガープさんが砕いた氷の樹から身体を再構築させた。

 

「お、出てきおった」

 

 ガープさんはなんともないように、笑っている。

 

「・・・・・・さっきのアレ、結構冷たい自信があったんですけど」

 

「なぁに、火照った身体にゃちょうどいいくらいだ。しかし、こうやって出てきたってことは、そろそろお前の手品も品切れか?」

 

 そう思うのなら、腕をグルグルと回すのを止めてほしい。

 

「いやいや、まだ最後の手品が残ってます。最後まで楽しんでください」

 

 ただ、こちらも最後のとっておきがある。

 

潮流変化(ストリームチェンジ)天候形態(ストームスタイル)――ちょっと荒々しく行きますよ」

 

 俺は両腕からバチバチと電気を放電しながらそう言った。

 

 潮流変化(ストリームチェンジ)天候形態(ストームスタイル)蒸気形態(スチームスタイル)凍結形態(フリーズスタイル)に続く第三形態にして、今の俺の最後の切り札。それがこの天候形態(ストームスタイル)である。能力は名前の通り、天候を再現することだ。

 

「(といっても、自分の内側に常時見聞色を使わないといけないこの形態は長くは続かない!この一撃で終わらせる!!)」

 

「行くぜ、ガープさん!!これが俺の今の最高潮!!!空天・野分(くうてん・のわき)ィィィィィイ!!!」

 

 瞬間、全身から放たれる雷、雹、鎌鼬。空天・野分(くうてん・のわき)は、その名の通り俺を中心として擬似的に台風を再現する範囲技だ。俺から放たれた水と蒸気を操作することで気流を生み出し、気流に揉まれた雹が真空の刃と静電気を生み出す。いくらガープさんとはいえ、雹はともかく、鎌鼬*5と雷はその性質上、人間なら多少のダメージは受けるはず。

 

 徐々に大きくなっていく台風がガープさんを飲み込まんと膨れ上がる。あと数秒もすれば、ガープさんは空天・野分(くうてん・のわき)の有効範囲に入る。

 

 俺が勝つということはまあ無理だろうが。せめて、一撃は入れられる。この時の俺は少なくともそう思っていた。

 

 しかし、海軍の英雄は俺の想像の斜め上を飛び越えた。

 

「せぇい!!」

「――ハァッ!?!?!」

 

 あ・・・ありのまま、今、起こったことを話すぜ!拳圧で俺が全力で作っていた気流が停止した。何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか、わからなかった。

 

 ・・・・・・というのは流石に冗談。原理は簡単。おそらくガープさんは、空天・野分(くうてん・のわき)の範囲外から、俺のすぐ横に俺への直接攻撃に使わなかった威力の打撃を打ち込むことで、気流を生み出していた水の運動エネルギーを霧散させ、空天・野分(くうてん・のわき)の回転を停止させたのだろう。要するに、拳一つで小さいとは言え台風を逆回転させたんだ。

 

 本当に人間かこの人。

 

「(――なんて言ってる場合か!?クソッ、このままじゃやられちばう)」

 

 必死に思考を回すが、既にガープさんの拳はあと数フレームもすれば俺の腹部にめり込む距離にあった。

 

「(仕方ない、ここはッ――)」

「・・・・・・ほぉ、これも囮か」

 

 ガープさんは振り抜いた拳の感触の軽さに、俺が再び身体を囮にして逃げたのだと推測したようだった。事実、それは正解だ。俺は今、さっきまでの俺の肉体があった場所のすぐ下の地中に液状化して逃れていた。

 

 ここが砂浜なのも幸いだった。もし、ここが岩盤の上とかだったら、いくら俺でも地中に潜り込むことはできない。

 

「(ただ、身体に不純物が多く入ってるのは気分が悪いし。このままここにいても徒に時間が過ぎるだけ。何か、逆転の一手を考えねぇと・・・・・・)」

 

 能力者で無いガープさんが、地中の俺を攻撃することはできないと無意識のうちに考えていた俺は、先ほどまで張り詰めていた意識を緩め、再度ガープさんに向かうためのプランを練り始めた。

 

「――実を食って数日でこの応用力。流石はアイツの息子ってところか。ただ、そろそろ俺も飽きてきたんでな。これで終わらせてもらうぞ」

 

 だから、俺はガープさんが俺の真上でそんなことを言ってるのに、全く気がつかなかったんだ。

 

「――オッラァ!!!!」

 

 次の瞬間。俺は空中に身を投げ出されていた。

 

 

 

 ・・・・・・突然だが、皆さんはダイラタンシー現象という現象を御存じだろうか。

 

 この現象は簡単に言うと、水の中にある粒が素早い力を与えると、衝撃で粒同士が並んで、粒と粒の間に隙間ができて、その隙間から力が加わっていない部分に水が逃げていくという現象である。この現象は主に水に混ぜた片栗粉とかで起こる現象なんだが、泥とかでも起こすことができる。

 

 つまり、俺はガープさんの一撃で、周囲の砂ごと巻き上げられた挙げ句、ダイラタンシー現象の応用で砂と水に分離させられたってわけ。もう、馬鹿力すぎて意味不明だよコンチクショウ。

 

 その上、先ほどまで泥水状態だった俺は、蒸気を噴出できるほどの熱さも、氷を纏って防御力を向上させられるほどの冷たさも持ってない。

 

「――がッ!?」

 

 ――せめてもの抵抗に腹部をありったけの武装色で覆うも、俺はガープさんの一撃を腹部に受け気絶した。

 

 

 

 ***

  

 

 これがフーシャ村滞在五日目の俺に起きた全てである。

 

 ほんともうね。しんどかったわ。

 

 一番しんどかったのは、昼前に模擬戦を始めて目が覚めたのが翌日の朝だったことかな。・・・・・・最後の一撃、手加減すんの忘れてただろあのオッサン。よしんばしてたとしても、七歳児にぶつける拳じゃ無いんだよなぁ。マジ頭ルフィ。

 

 あと、フーシャ村の人たちが本当に優しくてビックリした。

  

 ・・・・・・本当、心の中で人外魔境と呼んでいてごめんなさい。異常なのはフーシャ村じゃなくて、モンキーの血でした。

 

 

 ***

 

 

 日記を書き終えた俺は、ペンを置き、船室の窓から夜空を見上げる。

 

 海軍中将であるガープさんの戦艦は、英雄の船だけあって非常に大きく、俺のような余所者に個人で船室を使わせても部屋に余裕があるほどだ。

 

「おい、小僧!そろそろ飯だぞ!!」

「あ、はーい!」

 

 ドアの前からガープさんの声がする。俺は日記とペンをフーシャ村で貰った鞄に突っ込み、いそいそと船室を出るのだった。

 

 

 第一章~完~

 

*1
つまり、フーシャ村に来てから六日目

*2
誤字では無い

*3
本当は知っているが、知らないフリをしている。フリをするくらいには余裕が残っている証拠

*4
ゾロら剣士が武装色で武器を黒化するのと原理は同じ

*5
鎌鼬現象は、空気中に真空ができ皮膚が触れると、体内気圧と外気圧のバランスを保とうとするために発症するので、当たればダメージが発生する





 登場悪魔の実解説・追記

 ウミウミの実
 水を生み出し、操作するだけでなく、周囲にある水分も操作できる。また、水の三態も操作可能。それを応用し、主人公は三種類の形態を開発した。

 蒸気形態
 身体を高温の蒸気で構築した形態。その高温から全身から白い蒸気を放出しており、ただ触れるだけでも火傷をする。また、蒸気そのものであるため、体重が非常に軽く、物理攻撃の衝撃が逃げやすく、ダメージを受けにくい。
 高速移動を主軸に置いた近接戦闘に特化している。
 
 凍結形態
 身体を極低温の氷で構築した形態。両手足は氷で覆われている上に、常に周囲の水分を凍結させており、ダイヤモンドダストを常に纏っている。ただし、ヒエヒエと異なり、自分の支配下にある水を介して凍らせるという手順が入るため、凍結スピードや温度はヒエヒエに劣る。
 イメージとしては、ウミウミでの凍結が不正なハッキングだとするなら、ヒエヒエは管理者権限によるコントロールのようなもの。
 ただし、支配下にある水はウミウミのコントロール化なので、ヒエヒエに凍結させられたとしても、能力者にコントロールを奪われることはない。・・・・・・ので、クザンとの相性はかなりよく、クザンがシンカイと戦うには覇気を使った肉弾戦しかない。
 また、ダイヤモンドダストを常に纏っていることから、ピカピカのレーザー攻撃も反射させることが可能。
 氷による遠隔攻撃と防御を得意としている。

 天候形態
 身体を積乱雲のような雲にした状態。両腕からは雷がバチバチと放電されている。また、原作主人公のギア5のように羽衣を纏っている。この羽衣の内部では発電の為に小さな氷の粒が精製されぶつかり合っている。小さな水の粒子を操り、気流を生み出すという戦闘スタイルの都合上、常時見聞色の覇気を使わないと形態の維持ができないので、短期決戦戦用。
 ちなみに、発電はできるが雷を操ることはできないので、基本は纏って殴るか、放電するかしかできない。

※すべての形態に共通するところだが、あくまでウミウミは水を操る能力なので、氷や蒸気を直に生み出すということはできない。そのため、どの形態も身体の一割は完全に水な部分がある。・・・・・・というか、そうじゃないと凍結形態は真面に動けない。という設定。
 
 
PS 若いガープさんの口調が死ぬほど難しかった。資料が少なくて死ねる。
 

 本作にご期待いただける方は、是非とも高評価と感想をお願いします。

 今後とも、「ウミウミの海兵は平和を愛す」をよろしくお願いいたします。 


オリ主以外に転生者が登場しても…?

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