異邦の男とクソ親父   作:舞波@現在進行形ゴールデン

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いよいよ本編と噛み合わなくなってまいりました。
でもまだ本編前。それではどうぞ。





株式会社GUNDAM(ボソッ)


ミオリネと地球寮

いつもの地球寮にて。

少女2人が他愛もない世間話をしていた。

 

 

「で、最近の地球企業は調子が上がってる訳か。良かったじゃない、あのクソ親父も偶には人の為になる事をするものね」

 

「あはは…本当、今の地球寮はデリング総裁とアムロ先生に頭上がらないからなぁ」

 

「クソ親父を相手にする時に遠慮なんて要らないわよ」

 

 

ミオリネとニカ。

2人が出会い話すようになったのもアムロが原因で、単純に甘える為に(本人は認めないが)アムロに会いに来るミオリネに、アムロの事を少しでも知りたかったニカが質問したのが始まりだ。

それ以降2人は日頃からごく普通の友人としての付き合いをしている。これがミオリネからすると新鮮に感じる事も多く、結果それなりに地球寮の面々とも親しくなっている。

ちなみに2人がこの会話をしているのもニカの自室である。

 

 

「そういえばさ、そろそろこっちに来ないの?前にそれっぽい事言ってたじゃない」

 

「言ったけど…良いの?アムロはもうそういう次元にいないけどアーシアンだし、私スペーシアンだし。来年にも新入生が入って来るんでしょ?」

 

「そんなの気にしないの。それにベネリット社から寮にお金出してもらってるんだし、誰も文句言わないよ」

 

「…一応、聞いとくんだけどさ」

 

「何?」

 

「マルタンに許可取った?」

 

「…………取ったよ!」

 

「秒で分かる嘘つかない」

 

「えー、でもどうせ学校生活送るなら先生の近くにいたいんでしょ?」

 

「当然で…しょ…」

 

 

ミオリネはゼフィランサスに負けず劣らずのスピードで飛び出した本音に顔を赤くして全力で顔を逸らすが、それを見るニカはいたずらが成功した子供のような顔だ。

 

 

「ほんと先生の事大好きだよね」

 

「そ、そんなんじゃないわよ!…ただ、私の周りの大人にああいうのがいなかったから…」

 

「その先生も結構変わってると思うんだけどなあ…デタラメなくらい勘が良いし、何も言わなくても自分の考えを読まれる事あるし」

 

「アムロがやるならそれくらい普通の範囲内よ。っていうかそう言うニカはどうなのよ」

 

「私?そうだなぁ…小さい頃にイメージしてた大人の男性そのままって感じかな?」

 

「ああ…何となく分かるかも」

 

「でしょ?あれだけ強くて気配り上手なのに普通に隙も多くて…あとしっかりしてる」

 

「何が?」

 

「ほら先生ってよく掴み合いの大喧嘩に出くわしたりすると止めるじゃない。アスティカシアってご令嬢・ご令息ばっかりであんまり教師がとやかく言ったりしないから」

 

「ヘタレが多いからね…そりゃそのまま成長して将来バチバチにやり合うギスギス競争社会が出来上がる訳だわ」

 

「その時言ってた『そうやって暴力で上回っただけで相手より上だと思う性根は教師としてではなく大人として正してやる』って言葉が忘れられなくて」

 

「…あんまアムロらしくないわね、そのセリフ」

 

「受け売りなんだって」

 

「…納得」

 

 

そうやって誰かに叱られた経験がアムロにもあるのだろうか、と思考をしつつまだ何ともない話は続く。

 

 

「あんまり聞いてなかったけどデリング総裁ってどんな人なの?間接的にだけどお世話になってる人だし気になって」

 

「あいつ?口下手独裁者。以上よ」

 

「ええ…それだけ?」

 

「そうよ。なんか最近性格が輪をかけてめんどくさくなってきてるし、大した事でもないのに通信入れてきたりするし」

 

「それって単に会話の口実がほしいだけじゃ…」

 

「それなのよ。今まで何の考えも悟らせないような顔してたくせに最近それが分かるようになってきて」

 

「…取り敢えずそれなりに仲良いのは分かったよ」

 

「違うから!」

 

 

まだ日は高く、2人の世間話はまだまだ終わりそうにない。尚、先程少女2人の会話で上がった張本人であるアムロはというと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご足労いただきありがとうございます、アムロ先生」

 

「君に呼ばれるとは思わなかったな、シャディク」

 

 

決闘委員会の使用している巨大なモニターがある部屋に、アムロは呼び出されていた。本来、一生徒が教師を呼び出す事はそうそう無いが、決闘委員会相手だと少々事情が異なるのだ。

尚、今この部屋にはアムロとシャディクしかいない。

 

 

「それじゃあ早速本題なんですが…アムロ先生はあのオーロラのMSのパイロット。そうですよね?」

 

「何故そう思ったんだ?」

 

「…否定しないんですね。ここまで過去の経歴が無く、かつ記録に残りやすいMSのパイロット。突然ポッと湧いたあの機体に乗っていたなら辻褄が合う」

 

「そうだな。俺がそのパイロットだったならな」

 

「白を切るならそれでも構いません。僕が知りたいのはそのMSは今どうなったのか、あの新型機は何なのか。その2つです。デリング総裁と親しいらしい貴方なら何か知っているんじゃないですか?」

 

「どちらも知っていたとしても教える訳にはいかないだろう。それこそ俺から情報を抜きたいなら決闘があるだろう?」

 

「まさか。貴方には敵いませんよ。…でもそうですね、貴方の口から聞けないならーーーーーー」

 

「俺の生徒に手を出そうというなら、こちらも容赦はしないぞ」

 

「ーーー!」

 

 

何を問われても平然としていたアムロから強烈なプレッシャーが放たれ、銃口を向けられたような寒気がシャディクに走る。

 

 

「…へえ、そこまであの地球寮の奴らが大事でーー」

 

 

シャディクは幻視する。アムロの背後に立つ白いMSが向ける銃口から光が収束するのを。アムロの目は戦闘をしている時のそれで、濃密な死の感触と共に持って行かれる、と思ったその時には視界は元に戻っていた。

 

 

「…こちらも言いたい事があったからここに来た。

あの子らの後ろ盾は弱い。

地球と宇宙ではまだ隔たりが大きすぎる。

故に、色々と裏で考えているだろう君への警告だ。

 

彼等彼女らを利用してみろ、その先に『未来は無い』ぞ」

 

 

言いたい事は言ったと言わんばかりにアムロは背を向け退室した。

残されたシャディクは幻視こそしていないもののまだ重圧が体から抜けきっておらず、動けないでいた。

 

 

「…規格外過ぎるだろ」

 

 

この呟きは、彼以外の誰にも聞こえなかった。




グエルの成長は凄まじい。
何があったら、あそこまでの熱意を持てるんだろう。
アムロ・レイ。彼もまた分からない。
次回、「偽物と本物」
もう、忘れてしまった。

次回予告は

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