タイトルの元ネタも量産機絡みで、パーティの準備のお話。それではどうぞ。
神姫完全復活カァ…
「パーティか…」
「どうした?ミオリネ」
「あ、アムロ」
ミオリネもすっかり馴染んだ地球寮。
それぞれに個室が与えられても地球寮の面々は広間で過ごす事が多く、ミオリネもなんとなくその空気に合わせて広間にいる事が多かった。…自室にいると割とだらけるから、というのもあるが。
「パーティの招待状が届いたの。まあ毎年届いてたけど」
ミオリネの端末に表記されているのはインキュベーション、資金集めパーティの招待状だ。ベネリットグループ内でも小規模の企業が多額の融資を受けるチャンスでもある。
「社交場か。毎年やるとはまた…去年まではどうしてたんだ?」
「任意だから欠席してたわ。…今年はどうしようかなって」
「その様子だと、あまり良い感情を抱いてはなさそうだな」
「そりゃね。視線やら下心を隠そうともせず近付いてくる輩とか、幾らでもいたし」
「…ああ、俺の所にも来ていたよ」
「大方クソ親父絡みね、多分懐刀としてアムロを周知させたいのよ。急に現れた凄腕のパイロットなんて、子供から報告された親連中は混乱しっぱなしだったんじゃない?」
現状、教師としてアスティカシアに勤めているアムロが知られているのは元の所属がベネリット社である事、地球出身である事。元軍属で凄腕のパイロットである事の三つだけだ。
ミオリネやゼフィランサスのメカニック達以外はアムロの正体を知らない。勿論、これは生徒の中でも関わりの深いグエルも同様だ。
「確かに必要な事だろうし、俺は出る事にするが…ミオリネは?」
「…今年は出ようと思うわ。前にアムロが言ってたでしょ、生まれながらの義務は誰にだって少なからずあるって」
「ああ、言った」
「なら、こういう社交場に出るのもベネリット社の令嬢としての義務なのかなって思って。それにアムロがいるなら心強いし…」
「そうだな。出来ることから始めてみるのは良いことだし、パーティ中もエスコートは出来ないが護衛として動く事は出来るだろう」
「じゃ、決まり。ちゃんと守ってよ」
「勿論だ。…ん?」
「どうしたの?」
「招待状一つにつき一人まで連れてきていいと書いてあるが…」
「そうね。一応、ベネリットグループの関係者か、この学園の生徒に限定されるけど」
基本、生徒に送られた場合大体が同じ生徒を想定されている為、制限はあって無いようなものではあるが。
「それなら地球寮から誰か連れてく?」
「…どうしたものか。まだ子供相手に対して、アーシアンだスペーシアンだと差別をする輩は流石にいないと思いたいが…」
「…じゃあやめとこうかしら」
「2人ともさっきから何の話してるの?パーティとか聞こえたけど」
「ああ、ニカか。資金集めパーティに地球寮から2人連れて行けるがどうするべきか考えていてな」
「あ、それ知ってます」
「「え」」
ニカの言葉にアムロとミオリネの声が驚きで重なるが、それも当然で一般の生徒ではほぼ知り得ない情報だ。せいぜい時期が分かるくらいである。
「地球の企業の方で作られてる新型のお披露目をするんですって」
「成程、あれは確か地球企業の方で各パーツを生産しているものな。それならみんなも知ってる訳か」
「はい。だから地球寮から何人かどうかって招待状が届いたんですけど」
「あれ、その言い方だと行かないの?」
「やっぱり私達アーシアンだし、社交場の人達から見たら子供だし、ね?行っても針の筵かなって」
「他のみんなも同じか…浅ましい考えだが…、こればかりはどうもな」
子供云々は兎も角として差別の根はいつの時代も根深いもので、これからの地球が再び力を付けても今の地球は弱いままだ。嫌な話ではあるが、そういう目で見られる事は避けられないだろう。
「…なら目に物見せてやろうじゃないの」
「ミオリネ?」
「ニカ、あんた後で私の部屋来なさい」
数十分後。
何とか少し散らかってる程度で収まっているミオリネの部屋にて。
「えーと…あ、あったあった」
「ミオリネ?何を…」
「ドレス探してたの。つい最近クソ親父から贈られたのが2着あって、今後の成長分込みで作ってあるの。私とニカじゃあんまりサイズ変わらないしこれ着て出なさい」
「え、でも私…」
「言うこと聞く!私の親友がそんなちゃっちい事で悩まないの」
「親友?」
あーでもないこーでもないと服飾品をゴソゴソしていたミオリネの手が止まる。その目はどこか拗ねているように見える。
「…何よ、そう思ってたの私だけ…?」
「そんな事ない!うん、私達親友だよ」
「なら腹括って出てね。いつか大成したらこういう事もあるんだから」
「えっ」
ここまでミオリネの手中である。
もしこのやり取りをアムロが見たらやはり親子だけあって似ているな…と思われた事だろう。
一方その頃アムロはというと…。
「ーーーーーという訳だ。最近は特に年相応の顔を見せるようになったな」
『そうか』
ミオリネについての話が半分を占めるデリングへの定時連絡中である。
「あと近日中にあるインキュベーションには俺とミオリネ、それから地球寮から1人出席する」
『1人だけか』
「まあ無理強いをするつもりはないし、構わないがな」
『…その1人の名前は?』
「…ニカ・ナナウラだ」
『…そうか』
デリングは面白い事になったものだ、とでも言いたげな顔だ。その表情の変化が分かるアムロは何かあったかと思考を巡らせ、一つの結論に辿り着く。
「…まさか⁉︎」
『そのまさかだ。彼女が提案したジェガン強襲型…いや、スタークジェガンを制式採用する事が決定した』
結局ミオリネに押し切られて出席する事になったインキュベーションパーティ。
社交場に出てみるのも勉強…なのかな?
先生もいるし大丈夫だよね…
…というかデリング総裁とご対面する事になるんじゃ…
と、とにかく次回!「
地球企業の機体がどうなってるのかを見れるのは素直に楽しみかな?
次回予告は
-
いる
-
いらない