異邦の男とクソ親父   作:舞波@現在進行形ゴールデン

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説明回のような過去回のような何かです。解釈違いがあったらごめんなさい。


呪いを塗り潰す

事の発端は突如として発生したオーロラ現象だった。しかも発生したのは地球ではなく宇宙空間であり、今では根も葉もない考察という名の議論が巻き起こっている。

そして調査隊が発見したのが謎のMSだった。MS絡みの事であった為に機体はベネリットグループが引き取る事になったのだが、従来のMSと比べても頭一つ大きいその機体はベネリットグループ企業の製品と比べても類似した点が無い。4本のブレードアンテナにシンプルなその形状は何処か神々しさを感じさせるものであった。

だが更なる事態が起こる。コックピットから現れた男は外傷も無く生存していて、尋問官に意味不明な話をするのだ。

 

「…やはり、地球連邦軍は存在しないのか…」

 

「お前は先程から何を言っている?」

 

「…信じられないだろうが、俺はこの世界の出身ではない」

 

「それを信じられるとでも?」

 

「俺の戸籍も所属も存在しない筈だ」

 

「何?おい、お前名前は?」

 

「アムロ・レイ。地球連邦宇宙軍独立機動艦隊『ロンド・ベル』のMS部隊長で、階級は大尉だ」

 

「…わかった」

 

 

尋問官は内線をかけ一連の流れを伝えた後、アムロの事について裏付けをするよう命じた。

 

 

「軍人だったのか」

 

「ああ。敵との最終決戦が終わったと思ったらこれだ」

 

「俄には信じられん。まるでアニメーションの展開だ」

 

「自分でもそう思うよ」

 

 

約5分後。内線からの連絡が入る。

 

 

「…お前が言った通り、戸籍も所属も見つからなかったそうだ」

 

「やはりか」

 

「…どうしたものか」

 

「…困らせてしまっているな。すまない」

 

「謝る事ではない。私もこの手の仕事をして長い、お前が悪意を持って芝居を打っている訳でも、ましてや狂っている訳でもないのは分かる」

 

 

再び内線が鳴り、尋問官はその連絡の内容に驚愕する。

 

 

「なに…!そうか、すぐに連れて向かう」

 

「どうしたんだ?」

 

「総裁…このベネリットグループ総裁のデリング・レンブラン様がお呼びだ、一緒に来てもらおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入れ」

 

「件のMSパイロット、連行致しました」

 

 

アムロが連れて行かれた広い部屋には厳格な雰囲気を纏う男が一人。この男がデリング・レンブラン…総裁なのだろうと察した。

 

 

「ボディチェックは済ませているな?」

 

「はっ!武器等の危険物を所持していないのは確認済みです」

 

「…よし。ならばその男を置いて退室しろ。護衛もいらん」

 

「はっ…?御言葉ですが流石に捕虜と2人きりにするのは」

 

「私の命令が聞けないのか?」

 

「…失礼致しました」

 

 

尋問官の男は足早に退出した。残るのはアムロとデリングだけ。

 

 

「座れ」

 

 

妙に綺麗な来客用のソファーに移動してアムロに座るよう促す。アムロとしてはここで断る選択肢は無いので対面する形で大人しくソファーに腰掛けた。

 

 

「…さて、貴様の話は聞いた。別の世界の出身だそうだな?」

 

「信じられないだろうが、此方としてはそう言う他ないな」

 

「無論、信じられる筈は無い。だが貴様の語った中で唯一信用できるのは貴様がMSパイロットだという事だ」

 

「…まあνガンダムがある以上は、な」

 

「…何?」

 

 

微妙な変化ではあるがデリングの表情が固くなるのが分かった。

 

「何か?」

 

「ガンダムだと?」

 

「ああ。あの機体はνガンダムだ。…もしかしてこの世界にもガンダムがあるのか?」

 

「存在する。だが私が根絶した」

 

「根絶とは穏やかではないな。たかがMSだろう?」

 

「いや、あれは呪いだ」

 

「呪い?」

 

「乗った者の命を吸い尽くして殺し続ける機械など呪いだ。人が人を殺す事があれど、殺した上で使用者すら殺す機械に何の価値がある?何の意味がある?人を燃料にして動く機械が戦うのが戦争だとでもいうのか」

 

「…成程…、そうだな、そんな物はあってはならないな…」

 

「…まさか」

 

「似た様な物なら向こうにもあった。…俺のνガンダムにもそれが発展したものが搭載されている」

 

「同じ過ちをしたのか」

 

「搭載されているそれはサイコフレームというのだが、アレ自体はさほど危険な物ではないし素材としても非常に優秀なものだ。それにニュータイプが乗らなければ…」

 

「ニュータイプ?新しい形…それが貴様だとでも?」

 

「…一応はそう呼ばれた事があるというだけさ。ニュータイプのみが使える兵器もあるがな。別にそれ自体は大して問題じゃない。…ただその強み故に人を無理矢理ニュータイプとして運用しようとした非道な実験があった。過ちと言うならそれだろう」

 

「…此方のガンダムはGUNDフォーマットを搭載したMSの総称だ」

 

「GUNDフォーマット?」

 

「鉱物であるパーメットを媒介とした身体拡張技術GUND…それをMSに流用した技術だ。簡単に言えばより複雑かつ緻密な制御が可能になった義肢の様な物だと思え」

 

「流用…とはまさか、MSを直接接続して操作する技術という事か?」

 

「そうだ」

 

「危険過ぎる。ニュータイプが乗る機体でも直接身体に接続などしなかった。それにそのGUNDは元は義肢の為の技術なのだろう?MSの操縦とはスケールが違い過ぎる」

 

「その通り。結果、接続によって身体に流入するパーメットとデータストームによって廃人になる者が相次いだ。故に私はガンダムを否定し消し去った」

 

「……………」

 

「…長々と話してきたが本題だ。あのMSに使われている技術は此方のそれとは似て非なるものだ。貴様が生きていく上で衣食住は必要だろう?それを此方で提供する対価としてあのMSの技術と貴様のパイロットとしての力を寄越せ」

 

「…構わない。このまま宇宙に放り出されると思っていた身としては有り難い話だ」

 

 

少しだけ目を伏せデリングは質問する。

 

 

「軍人として貴様はMSはどうあるべきだと考えている?」

 

「兵器であるならそれ以外になってはならないと考えている。ましてや象徴になんてなるもんじゃない。ただその代わりに、MSの汎用性を戦争以外の場所に流用出来ないかとも考えた事がある。MSなら出来た作業にMSを使わないならば、代わりの答えがいる」

 

「フン…ならば決まりだ

 

 

 

 

 

 

 

貴様のガンダムをもってGUND-ARMを塗り潰す。精々励め」

 

「やるからにはベストを尽くそう」

 

 

こうして、独裁者と流星の契約は始まったのだ。




次回は…開発された物について、ですかね。

次回予告は

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