異聞 黒の剣士   作:こしあん

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 先にお礼をば。感想評価ここ好き等々誠に有難うございます。

 今回もスーパー難産でした。あまりにも考えすぎて途中から頭バグってたかもしれません。そのうち冷静になったら「なんじゃこりゃ!」とか思って加筆修正するかもです。

 内容的には原作第8巻《はじまりの日》です。やっとサブタイトル回収ができたような、できてないような⋯⋯。

 ちなみに、前回『次も同じくらいの分量(5000字くらい)』と言いましたね。
 あれは嘘だ。





幕間 兜の理由(下)

 

 あの日。〝遊び〟が終わり、このゲームが真の意味で始まったあの日。

 《はじまりの街》を飛び出し、視界に映るモンスターを薙ぎ倒しながら草原を走破したセイバーは《ホルンカの村》に辿り着いていた。

 

 夕闇を忍ばせる小さな村の散策も程々に、とあるクエストを受けた。

 《森の秘薬》と題されたそのクエストは、和人曰く片手直剣を使っていくなら必須級だ。というのも、序盤では破格の性能を誇る《アニール・ブレード》を入手できるためである。

 

 クエストのストーリーはシンプルだ。

 クエスト依頼者(NPC)は村の小さな民家のおかみさん。重病にかかった娘の治療のために、ホルンカの西に広がる森に生息する捕食植物モンスターの胚珠を持ってきて欲しい、という話だ。そのお礼(報酬)が先祖伝来の長剣────即ち、《アニールブレード》というわけだ。

 

 

 

 

 すっかりと暗くなってしまった───と言っても、VR特有の空間ライティングによって、ある程度の照度に調整されている───夜の森を疾走する。

 

 木々の隙間を縫うように駆ける彼女の足取りには一辺の迷いもない。《索敵》スキルなどなくとも、超人的な動体視力と第六感が森に這う敵の姿を即座に捕捉するからである。

 

 高速で後ろに流れていく視界の端に緑色のツルが映り込む。それを認識するや否や、急旋回しながら地を蹴り、宙を躍った。

 

「ハッ────!」

 

 まだこちらに気づいた様子のない《リトルネペント》────歩くウツボカズラといった風貌のアクティブモンスター────の脳天目掛けて、自由落下とともに思い切り剣を振り下ろす。

 

 ズバンッというサウンドとともに伝わる確かな手応え。背後からの急襲にネペントが戦闘態勢を取ろうとするが、剣戟はその僅かな隙を逃さない。

 

 右手が霞む。一拍の間に上下左右から放たれた十を超える鈍色の軌道がネペントの胴体の上で激しく交錯し、鮮血じみたダメージエフェクトが闇夜を照らす。

 急激に減少していくHPゲージ。堪らずたたらを踏んだネペントが、最後の足掻きとばかりに短剣状になった両のツルを矢のように引き絞り、突いてくる。

 

「フ────ッ」

 

 その健気な反撃をただの一閃で沈黙させ、お返しとばかりに《バーチカル》で己の身の丈ほどのネペントの体躯を両断する。赤く染まっていたHPバーが消失し、直後に青色の硝子片が弾け飛んだ。

 

 視界に映るリザルト表示を気にも留めず、瞬時に体を反転させる。一秒前まで立っていた地面に着撃する腐食液を背に、奥に隠れていた()()()()に剛剣の嵐を浴びせる。こちらのネペントもまともな反攻を許さずほんの数秒のうちに屠ってみせた。

 

 一度構えを解き、俄かに荒い呼気を整える。現実世界(アルトリア)であればこの程度の運動で疲労を感じるなどあり得ないのだが、仮想空間ゆえ────正確には《セイバー》というアバターのもつステータスとやらが枷になっているらしかった。

 

 ぐるりと辺りに視線を巡らせる。敵影はない。

 しかし、風のざわめきに混じってずるずると何かが地面の上を滑る音が耳に届く。現実と比べてこの手の聞き分けが容易なのは、一重にこの世界の()が良くも悪くも区画的だからだろう。

 

 駆け、数メートル先の茂みを潜り抜ける。接敵に気づいた三匹のネペントがツルを掲げて威嚇してくるが、勿論意に介さず腕を奔らせる。

 断続的に舞い散る赤と青のライトエフェクト。光芒の中に照らされる黄金の輝きが、鬱蒼とした森の中で縦横無尽に尾を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 烈風の如き踏み込み。鋭い気合いとともに放たれる無数の斬撃の檻。

 都合二十度目にも及ぶ破砕音を聞き届けたセイバーは、次なる獲物目掛けて再び猛然と駆け出す────ことなく、剣呑な瞳で背後の木を睨め付けた。

 

 

「誰だ。そこにいるのは判っている。姿を見せるがいい」

 

 鋭く息を呑む音。

 

 ────実を言うと、その気配には最初から気づいていた。特に敵意は感じられなかったため無視していたが、ずっと付き纏われるとなると流石に不気味さが勝つ。

 

 きっかり十秒返事を待ってみるが、賊が出てくる様子はない。腰を落として剣を後ろに引き、〝構え〟をとった。

 姿を現さなければ斬る。仄かな殺意を視線に乗せると、今度こそ慌てたように追跡者が転げ出てきた。

 

「ご、ごめん。mobを狩ってたら戦闘音が聞こえて、様子を見に来たんだ。最初に声をかけるべきだったんだけど⋯⋯⋯つい、見惚れちゃって」

 

 出てきたのは敵エネミーでもNPCでもなく、プレイヤーだった。真面目そうな顔立ちの男性⋯⋯いや、少年。歳はさしてセイバーと変わらないだろう。初期装備で飛び出してきたセイバーと違い、彼はホルンカで買ったと思しき革鎧とバックラーを帯びていた。

 

 空の両手を上げて気まずそうに弁明する姿からは悪意も害意も感じられない。少なくとも、彼の今の言葉に偽りは無いと判断した。

 

 肩の力を抜き、一先ず剣を納める。

 

「⋯⋯謝罪は受け取りましょう。私も少し過剰反応だった。しかし、隠れて女性に付き纏うのはやめた方がいい」

「ご、ごめんなさい」

 

 深く頭を下げて謝罪する姿に、さらに警戒ゲージを下げる。朴訥とした、といった形容がしっくりくるだろう。見た目で判断するわけではないが、少なくとも何か裏がありそうな雰囲気ではない。

 

 恐らく、彼はベータテスターだ。この時間帯にここに立っているということ、それ自体がその証左と言える。ひょっとしたらセイバーのような〝レアケース〟の可能性も捨て切れないが、この世界特有の物理エンジン────即ち、仮想空間の重力に慣れた立ち方がそれを否定した。

 加えて先ほどの『mobを狩っていた』という台詞と、得物が同じ片手剣(スモールソード)であることを鑑みるに────。

 

「⋯⋯⋯貴方も《森の秘薬》クエストを進めているのですか」

「え? あ、ああ。うん、そうなんだ。あれは片手剣使いにとって必須だからね。なんたって報酬の《アニールブレード》は三層の迷宮区まで使える」

 

 彼は気を取り直しニヤリと口の端を上げたが、すぐにその顔に苦笑を滲ませた。

 

「⋯⋯でも、全然《花つき》が出なくて困っていたところなんだ。ひょっとしたらベータの時よりも湧出(POP)率が渋くなってるのかもしれない」

 

 同意を求めるような視線に、曖昧に首肯する。ベータにおける細かいポップ率なんて和人から聞いた覚えが無いからだ。

 彼から聞かされていたのは、クエストのキーアイテム《リトルネペントの胚珠》をドロップする《花つき》と、絶対に倒してはいけないトラップモンスター《実つき》の存在くらいのものだ。

 

「そこでちょっと相談なんだけどさ⋯⋯。クエ、少しだけ手伝ってくれないかな? 僕、ベータの時は基本パーティーでやってたから、ソロには不慣れで⋯⋯。

 あ、もちろん最初のキーアイテムはキミに譲るよ。その後の二匹目まで付き合ってさえくれれば⋯⋯」

 

 申し訳なさそうな表情で懇願する少年に、首を静かに横に振って答える。

 少年は残念そうに肩を落とした。

 

「そっか⋯⋯。いや、そうだよね。ごめん、無理を言って。キミってばすっごく強いから、甘えそうになっちゃった」

「⋯⋯いえ、そうではありません。その申し出は受け入れましょう。ただ、胚珠が出たら貴方に渡します」

「へ⋯⋯? で、でもそれは⋯⋯」

 

 慌てる彼の前でウインドウを操作し、一つのアイテムを手元に出現させる。仄かに光る薄緑色の球体だ。

 

「《リトルネペントの胚珠》⁉︎ もうドロップしてたのかい?」

「ええ。⋯⋯ですから《花つき》は一体で十分でしょう」

 

 実のところ、戦闘を開始してものの数分程度でセイバーは《花つき》のネペントと遭遇し、瞬時にこれを打ち倒した。丁度レベルが2に上がってすぐのことだ。

 

 その後も狩りを続行していたのは《スモールソード》の耐久値がまだかなり残っていたから。報酬の装備に新調したら出番はなくなるだろうから、ここで使い切っておこうと考えたのだ。

 

「そうなんだ⋯⋯。でも、なんだか悪いな。付き合わせちゃって」

「構いません。死なれては困りますから。ゲームクリアを目指すプレイヤーは多いに越したことはありません」

 

 彼はなぜか一瞬鼻白んだが、すぐに柔和な微笑みを浮かべた。

 

「⋯⋯よかった。じゃあ、しばらくよろしく。僕は《コペル》」

「ええ、よろしくお願いします。私の名前は《セイバー》です」

「せ、剣士(セイバー)?」

「ええ。⋯⋯そういう貴方のプレイヤーネームは、やはり天文学者からとっているのですか?」

「う、うん。まあ、どっちかっていうと経済学的な側面で尊敬してるんだけどね」

 

 ある意味でゲームらしく雑談を交わしながら、二人して森の奥へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

「ハァ────ッ‼︎」

 

 轟音を散らすセイバーの剣がウツボ部分と太い茎の接合部────コペルから教えてもらった弱点部位────を正確に断ち切る。半減していたHPを吹き飛ばし、ネペントを爆散させた。

 

「相変わらず、凄いなぁ⋯⋯」

 

 タゲ取りに専念していたコペルの何度目かも分からぬ感嘆に、僅かに眉を下げる。己の剣技には自覚があるので謙遜こそしないが、かといって自ら磨き上げた術理ではないのだから得意にはなれない。反応に困る、というのが正直なところだった。

 

「⋯⋯⋯しかし、出ないね」

 

 二百匹目のネペントの討伐。コペルの声には色濃い疲労が滲んでいた。

 セイバーは疲れこそまだ感じていないものの、胸の内でむくむくと肥大化する疑問に眉を顰めていた。

 

 あまりにも()()()()()()のだ。

 セイバーは開始数分で花つきのネペントと遭遇し、これを討伐した。それは彼女の幸運A(特典)のお陰であることは間違いない。だが、今こうして1時間以上も森を彷徨っていて影も形もないのはどういうことか。

 

 ひょっとしてコペルがそれを打ち消すほどの幸運Eを保有しているのではないか────そんな失礼な想像をしていると、目前から再びネペントの群が近づいてくるのが見えた。しかし、残念ながら花つきの姿はない。

 

 それでも、倒せば倒すだけ花つきの出現率が上がる。ネペントはまだこのレベル帯では経験値が美味い方なので、セイバーにとってもメリットはある。

 

 二人同時に駆け出そうとして────。

 

「ッ」

 

 片手をコペルの前に突き出し、制止させる。

 怪訝そうな顔をする彼に、顎でネペントの奥を指し示した。

 

 ウツボカズラを思わせる胴体。その下に続く移動用の無数の根。腕の代わりに生えた鋭いツル。マダラ模様の捕食器。殆ど通常のネペントと変わらない。しかし、細い茎の上に乗っかっている直径20センチほどの紅玉だけが通常個体とは明らかに異なっている。

 

「《実つき》⋯⋯⋯」

 

 呻くような呟きに小さく頷き返す。

 

 和人から聞かされていた話は、《花つき》よりも《実つき》の恐ろしさの方が多かった。

 ⋯⋯⋯と言っても、笑い話が殆どだったのだが。偶発的に実に剣が掠ってしまったために辺りのプレイヤーを巻き込んで全滅の憂き目に遭ったとか、ベータ序盤ではMPK集団vs金策パーティーvs暇を持て余したトッププレイヤーによる血で血を洗う争いが繰り広げられていたとか、そういう話。

 

 だが、デスゲームと化したこの世界においては全くもって笑えない。あの実にほんの少しでも傷をつけてしまえば、即座に破裂して同胞を呼ぶフェロモンを撒き散らす。そうなれば数十にも上るネペントの群れが大挙として襲いかかってくるのだから。

 たとえそんな状況に陥っても切り抜けられる自信はある。しかし、リスクを冒してまで実を攻撃する理由はどこにもない。それにその間コペルを守り切れる確信はなかった。

 

「退きますよ。向こうに気づかれないうちにここを離れましょう」

「⋯⋯⋯⋯待ってくれ」

 

 踵を返そうとするセイバーの動きを止めたのは、感情の窺い知れない声だった。コペルは視線をモンスターの群に固定させたまま続けた。

 

「⋯⋯あれを壊さなくても、ネペントは《実つき》の周りに集まってくる習性があるらしいんだ。ひょっとしたら、子孫を守るための本能(アルゴリズム)かもしれない。うまく立ち回ればいい()()()()になる。それに、花つきは実つきとセットで現れる可能性が一番高いだろう?」

 

 セイバーの知らない情報。単純に和人が知らなかったのか、或いは詳細まで話す必要はないと判断したのかは分からない。しかし、こうして本物のベータテスターが言うのだから間違いあるまい。

 

 コペルの作戦は非常にリスキーだ。

 だが、一方で合理的でもある。闇雲に森の中を探索するより効率がいいのはたしかだ。

 

「⋯⋯いいでしょう」

「ありがとう。僕が《実つき》のタゲを取るから、セイバーさんは他のネペントを」

「解りました」

 

 アイコンタクトを一つ交わし、同時にダッシュする。若干重量の勝るコペルを置き去りに、十数メートルの距離を数歩のうちに踏破した。

 

 実つきを隠すように折り重なるネペントの群れ。それが子を守るためなのか、偶発的なヒットを誘ってのものなのかは分からない。

 四匹のネペントがぐるっと体を反転させるのと同時に、システムアシストに頼らない大振りの水平斬りを胴体に叩き込む。三割以上もHPバーが目減りし、ネペントたちのヘイトが完全にこちらに向いた。

 

 左右から殺到するツル攻撃を剣で斬り払いつつ肉薄し、薄墨のような軌跡を描きながら全霊で剣を加速させる。痛烈な瞬間火力がネペントのHPを見る見る内に削っていく。

 ソイツを倒し切る寸前、端っこの一体が捕食器をぷくっと膨らませた。腐食液発射の予備動作だ。

 弾けるようなバックステップで飛び退き、ネペントの陰を利用して攻撃を回避する。おまけでネペントの背に一発見舞わせれば、甲高い断末魔とともにポリゴン片となって四散した。

 

 非実体の硝子片が身を透過するよりも早く今度は左に跳び、鞭のように迫るツルを躱す。

 ブーツの底が柔らかな地面に触れるや、瞬時に力の指向を凝縮し、次なるネペントの弱点に《ホリゾンタル》を命中させた。システムアシストへのブーストとレベルアップによる恩恵により、その一撃のみでネペントを屠ることに成功する。

 

 

 チラリと視線を奥に向ければ、大回りで迂回したコペルが円盾と剣で器用に実つきネペントの攻撃をあしらっている。向こうもタゲ取りはうまくいっているらしい。

 

 あと数秒でセイバーは残りの敵を殲滅するだろう。あとは交代で実つきの相手をしつつ、緩慢に集まってくるネペントを倒していく。その内花つきも姿を見せることだろう。

 

 

 

 しかし。

 

 パァァアンッ!

 

 

 ────そんな思考を遮ったのは、凄まじいボリュームの破裂音だった。同時に、異様な臭気が辺りに立ちこめ鼻腔を擽る。

 

「コペル!」

 

 三匹目のネペントを最速の剣舞で屠る。振り返り、視界に入ってきたのは予想通りの光景。爆散する硝子片と、垂直斬りの技後硬直に陥った片手剣使いの姿。

 恐らく、誤って発動させた《バーチカル》がネペントの実に直撃したのだろう。

 

 途端に周囲に押し寄せてくる敵の気配。鬱蒼とした森を隙間なく埋め尽くすネペントの大群だ。一瞬遅れて視界に映った無数のカラー・カーソルは少なく見積もっても三十を超える。

 

 離脱するような隙はない。であれば、迎え撃ち鏖殺するのみ。一先ずはコペルと合流しようとして───⋯⋯⋯。

 

「⋯⋯⋯⋯?」

 

 彼が視界に映らないのに気づく。プレイヤー特有のグリーンのカラー・カーソルも見当たらない。既にネペントに押し潰されたのか、と一瞬嫌な想像が脳裏を過ぎる。

 しかし、茂みの一つから押し殺した気配を感じることから、身を隠したのだと気づいた。恐らく《隠蔽(ハイディング)》なるスキルだろう。

 

 

 ────小さく息を吐き、剣柄に力を込める。

 

 抱いたのは安堵だ。

 システム的に守られた状態ということであれば、コペルの心配は不要だ。目の前の敵をただ倒すことだけに集中できる。

 しゅうしゅうと猛り狂いながら雪崩のように襲いかかるネペントを迎撃せんと腰を落とした、その時。

 

 ギリギリ聞こえる程度の微小な囁き声が耳に届いた。

 

「実に引き寄せられるネペントは、場合によっては50匹以上だ。流石のキミもそれだけの数相手に一人じゃ厳しいんじゃないかな?」

「──────」

 

 体を硬直させる。

 先刻までとは少しだけ色合いを変えた声音。憐憫か、嘲弄か、愉悦か、或いはその全てか。何にせよ、これまでの彼のイメージとは正反対の暗澹としたものだ。

 

 遅まきながら、コペルの行動の真意を察する。

 彼は()()()ネペントの実を破壊することで周囲から大量のネペントを呼び集めたのだ。そして自分だけは隠蔽スキルで身を隠し、ネペントの大軍をセイバーに擦りつける。

 トレイン行為、MPK(モンスター・プレイヤー・キル)と称される手法だ。

 

「⋯⋯目的は胚珠か」

「違うよ。僕が欲しいのはアニールじゃない。もっと綺麗で、自動で僕を守ってくれる、ずっと斬れ味のいい()さ」

 

 僅かに目を見開く。背筋を撫でる粘ついた視線に篭っているのは底知れない〝執着〟だ。

 

「────キミだよ、セイバー。キミが僕の()()になってくれるなら、隠蔽スキルで助けてあげるよ。ネペントたちをやり過ごすために抱き締めることになるけど、僕のものになるなら構わないよね?」

「⋯⋯戯けたことを。まさか私を装備欄にロックでもしておくつもりか?」

「⋯⋯そうだね。だから、これは口約束だ。システム的な効力は一切ない。だから構わないだろう? つまらないプライドで死にたくはないでしょ?」

 

 悪意に満ちた猫撫で声に舌打ちを一つ鳴らし、刻一刻と迫る死の行進を強く睨む。

 

「⋯⋯⋯だとしても、その条件は受け入れられない。貴方の庇護など不要。己の力のみで敵を斃し尽くして見せよう」

「⋯⋯そうか、残念だ。丁度ネペントたちがキミを捕捉したみたいだね。せめてその胚珠だけでも有効活用させてもらうよ」

 

 それきり言葉が続くことは無かった。本格的にハイディング状態に入ったのだろう。

 

 ────不思議と、怒りは沸かなかった。ただ一つ、胸を満たす感情に名前をつけるとするならば─────⋯⋯。

 

 

「ッ!」

 

 渦巻く思考を強引に塞ぎ、直感に任せて体を捻る。頬の真横を緑色の短剣(ツル)が過ぎる。即座に右手を閃かせ、その根本を一刀両断する。

 

「考えるのは後、か」

 

 悲鳴じみた咆哮をあげるネペントを数撃で倒し、セイバーは怪物の奔流に身を躍らせた。

 

 

 

 

 

 

 四方八方から襲い来るツルの嵐。津波のように押し寄せる腐食液。その尽くを弾き、躱し、返す刀で斬り刻む。

 

 超人的に翻る体。雷光となって迸る刃。

 

 常人であれば必殺であろう一撃を一息のうちに幾重にも重ねる。技後硬直を課されるソードスキルは使わない。その分ダメージ効率は若干落ちるが、卓抜した技量がそれを十分補っていた。

 

 殆ど作業じみた戦闘行為に昂りはない。ひたすらに剣を冴え渡らせるのみ。

 

 乱戦が始まってから10分程度が経過しただろうか。最上段から渾身の斬り下ろしを炸裂させ、遂に最後の一匹となったネペントをデータの海に帰した。

 チラリと視線を向ければ、HPゲージは1ドットたりとも削れていなかった。

 

 いつ砕け散ってもおかしくないほどに損耗したスモールソードを鞘に納め、コペルの隠れ潜む茂みに向かう。

 復讐などするつもりは毛頭ないが、せめて皮肉の一つでも言ってやりたかった。

 

 だが────⋯⋯⋯

 

「──────ッ」

 

 異変に気づき、脚に力を込める。瞬時にフルスロットルでアバターが加速した。

 

 しかし、ほんの少し遅かった。

 

 枝葉の網を抜けた先。僅かに開けた天然の広場に、既にコペルの姿は無かった。甲高い大音響の破砕音と青白いポリゴンの粒子だけが彼の残滓だった。

 代わりにこちらを睥睨するのは、10匹のネペント。

 

 なぜ。

 彼は隠蔽スキルでネペントの大群をやり過ごしたはずでは無かったのか。いや、確かに思い返してみれば、瀑布の如き包囲網は後方だけ妙に手薄だったような気もする。

 

 コペルの隠蔽スキルの熟練度がネペントを騙し切れるほど高くなかったのか。

 押し寄せるネペントの波に怖気付き、ヘマをかましたのか。

 あるいは、そもそもネペントのようなエネミーに隠蔽スキルの効力が薄かったのか。

 

 ────いや。そんなことは最早どうでもいい。

 コペルは死んだ。僅か1時間程度とはいえ、言葉を交わし肩を並べて戦った片手剣使いは、もうこの世界にはいないのだ。それだけが唯一客観的かつ揺るぎない事実だった。

 

 捕食器の裂け目から涎を撒き散らして突進してくるネペントの小隊を、旋風(つむじかぜ)じみた斬撃でもって撥ね返す。神業の如き剣技を披露しつつ、セイバーはやけに透き通った思考の海に潜っていた。

 

 

 コペルに対して怒りはない。悲しみも、ましてや憎悪も感じ得ない。

 ただ一つ、凪のような静かな心に浮かんでいるのは『憐憫』だった。呆気なく死んでしまった彼への憐みではない。もとより人の死に意味などないのだから。

 

 であれば、それはヒトという生き物への憐み。遠い昔、彼方の世界に置き去りにしてきた人間らしさ(弱さ)に対する哀憫だ。

 

 ────獣性や悪性。それらは、誰しもが当たり前のように抱える人間の業だ。そこに大小はあるだろうが、無ということはあり得ない。

 しかし、それは人間の一側面でしかない。多くの人間は、それを覆い隠すような善性を備えているものだ。悪意が本性なのではなく、その上に敷かれた正の顔を含めた総体が人間の本質。

 コペルもまた、そうだったはずだ。善悪を適度に備えるありふれた誰かだった。少なくとも、出会い、《実つき》を発見するその瞬間までは。

 

 だが、彼は裡に秘めた負の側面を露わにし、死という末路を辿った。

 善性(ベール)を剥がしたのは、このデスゲームが生み出した極限状態。そうした状況下において人は容易く歪む。悪性に身を堕とす。他人の命を冒してでも我欲を優先させたコペルのように。きっと、誰しもが。

 実に儚き人の脆さ。強者の驕り()と知りつつも、哀愍の如き情動を覚えてしまったのだ。

 

 

 

 

 ────いつの間にか、辺りはしんと静まり返っている。敵の気配は一つも感じられない。

 スリット状の空から覗く青白い月の輝きに目を細めながら、全身に溜まった澱を押し出すように大きく息を吐いた。

 

 いくら憐れんだところで得るものは何も無い。〝人は変わる〟という事実が揺らぐことは無いのだ。重要なのはそれを受け入れた上で〝次〟を考えていくこと。

 

 

 ほんの数時間前、茅場晶彦は言った。この世界に囚われたプレイヤーたちが解放の日を迎える条件はただ一つ、このゲームをクリアすることだと。即ち、浮遊城を構成する百の層を踏破し、フロアボスを倒せばよいと。

 

 ⋯⋯実のところ、先刻の一件が起きるまで、そこに至るまでの障害はフィールドに跋扈するモンスターやフロアボスなどに限定していた。

 プレイヤー間に生じる不和が大勢に影響を出すことは無い。そう、楽観視していた。何せ、他のプレイヤーを害することは全体の利益(ゲームクリア)を遠のかせることに他ならないのだから。

 

 だが、違う。人は弱い生き物だということを、身をもって知った。人は時に非合理的な判断で動き、私欲に身を窶す。現実世界から完璧に切り離された仮想空間だからこそ、それはより顕著になり得る。

 ある意味で、その内在的弱点こそがこの先のゲーム攻略における最大の障壁となる。セイバーはそう悟った。

 

 その内、我欲に囚われる人間が出てくるだろう。それがもしこのゲームのクリアを阻害するというのなら。セイバーは躊躇なくそれを斬る。有り体に言えば〝殺す〟だろう。

 

 いや。確かに、それが単なる点であればそれで片付く。

 しかし、セイバーにはある種の確信があった。いずれその火の粉は大きなうねりとなり、ゲーム攻略に致命的なダメージを与える、そんな予感が。

 

 それがどんな形で現出するのかは分からない。だが、もし火種を煽り立てる何者かが現れ、有象無象を集団化させるようなことがあれば、単純な戦闘力だけで片付く問題では無い。むしろ、敵対者の目を欺き、背後から短剣を突きつける心得こそが求められるだろう。

 

 攻略の前線を押し上げつつも、裏では不穏分子を監視・排除する。陰で暗躍するのは趣味ではないが、誰かがその役目を負わなければならないというのならば────。

 

 視線を切り、顔を前に戻す。視界に広がるのは重苦しい冷気を孕んだ濃密な闇夜。

 セイバーは躊躇なく足を踏み出し、冥闇と同化するように静かな歩調で進んでいく。その面持ちは鋭く研ぎ澄まされていた。

 

 

 はじまりの街を飛び出した時は、ゲーム攻略を推し進めるため先頭に立ってヒロイックに───それこそ騎士王の如く立ち回るという考えもあった。

 だが、恐らくそれだけではこのデスゲームをクリアに導くことはできない。己の目の届かぬところで広がった火の手によって無自覚なまま焼き尽くされる⋯⋯⋯そんな嫌な想像ばかりが脳裏をよぎった。

 

 

 影に溶け込み敵を排除する。

 セイバーは一人、粛とその覚悟を決めた。

 

 

「⋯⋯フード付きの装備がいるな。欲を言えばフルフェイスの甲冑が欲しいが」

 

 ────己が容姿は悟られていない方が都合が良い。正体不明の相手に対する猜疑心を持たせることや、敵の虚をつくことができるから。

 

 何よりも。この世界では誰もが敵になりうる。友情や愛情といった類いの感情は足枷にしかならない。それに絆され、裏切られて死ぬようでは目も当てられない。

 だから、それは決意の証。何者をも拒む冷たい仮面。

 

 冷たく痺れる脳裏でこれからの立ち振る舞いをシミュレートしつつ、夜の帳に沈んでいく。

 

 

 しんしんと降り注ぐ仄暗い闇の中。捕食者の如き黄金の瞳だけが、爛々と輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────⋯⋯⋯長々とつまらない話を聞かせましたね。結局、私は誰も信用していないというだけのこと。誰も彼もが〝変わってしまう〟のではないかと、そんな妄想に取り憑かれている。そんな私が集団を率いることなどできないでしょう」

 

 滔々と語る彼女の顔は、ヒトの弱さを嘆いているようにも、いずれ現れる〝敵〟への宣戦を誓っているようにも見えた。

 

 ────それほどの経験を経てもなお人を憎まず、不遇を嘆かぬ強靭な精神。常人では飛躍した発想にしか映らぬ高座の視点。

 そのどちらも、アルゴには理解できない。いや、誰だって彼女に共感を示すことはあるまい。

 

 ただ一つ確かなことは、その重みを一人で負うには少女の背はあまりにも小さすぎるということ。似つかわしくない自嘲を漏らすセイバーの姿は、あまりにも痛々しかった。

 

 なんと声をかけたものか考えあぐねていると、隣に座るアスナがゆっくりと彼女に近づき手を取った。驚天動地の剣技を生み出すにはあまりにも儚げな指を、両手でそっと包み込む。

 

 戸惑うセイバーに、アスナが酷く優しい囁き声で語りかけた。

 

「わたしは、セイバーを裏切ったりなんかしないよ。貴女の隣に立って、ずっと一緒に闘う。もちろん、キミが危険視してる〝敵〟ともね」

「⋯⋯⋯なぜ、貴女はそこまでするのです。昨日今日知り合った程度の私に」

「それは⋯⋯⋯正直、わたしにも解らない。でも、貴女の隣に立っていたいっていう気持ちは本物。信じて、なんて言うつもりはないわ。いつか貴女の信頼できるパートナーだって思わせるから」

 

 挑戦的な声音に、疑心に満ちていたセイバーの瞳が和らぐ。慈愛に満ちたアスナの微笑が、出会った頃のような硬度を取り戻しつつあった彼女の雰囲気を氷解するのがわかった。

 

 ⋯⋯まるで二人だけの世界に入り込んでいる。

 ちょっとだけ、面白くない。

 

「おいおい、お二人サン。イチャつくのは構わないケド、ひょっとしてオイラのこと忘れてないカ?」

 

 本当に頭から抜け落ちていたのか、ビクンと肩を跳ねさせたアスナの顔が途端に緋色に染まっていく。揶揄いたい気持ちを抑えつつ、アルゴもセイバーの前まで近づいた。

 「冗談だヨ」と前置きしつつ、口を開く。

 

「⋯⋯辛い話をさせちまって悪かったナ。顔を出したら、だなんて無神経な話だっタ」

 

 頭を下げると、セイバーは眉を下げてかぶりを振った。仄かに困ったような気配に、思わず笑みをこぼす。なんだかんだ言いながら根っこは優しい女の子だ。

 顔を上げ、務めてシニカルな笑みで続ける。

 

「⋯⋯モチロン、本当に危ないヤツらが出てくるようならオレッちも手を貸すヨ。《鼠のアルゴ》様はこそこそと嗅ぎ回るのが得意なんだゼ?」

「⋯⋯危険だ。私の杞憂が現実のものとなれば、相手は人殺しすら厭わないのかもしれません」

「自分のことを棚に上げてよく言えたもんダ。それに、アーちゃんにやらせておいてオイラにはダメって言うつもりカ?」

 

 セイバーは僅かに逡巡を見せたが、やがて観念したように肩を竦めてみせた。

 

「わかりました。

 ⋯⋯ですが、これまでのように単独でチョロチョロ動くのは控えて下さい。いざという時、守れなくなってしまいますから」

 

 思わず、ぐっと喉を狭めてしまう。心の奥底に秘していた帆坂朋にダイレクトアタックを喰らい、《鼠のアルゴ》の顔が崩れてしまいそうになった。

 

 幸いにもセイバーは気付いた様子もなく、二人を順にゆっくりと見つめ、口元を綻ばせた。

 

「⋯⋯アスナ、アルゴ。ありがとうございます」

 

 伶俐に整った顔立ちに浮かぶ柔和な微笑み。超然としたオーラを取り払い、年相応な雰囲気を醸し出すその温かな表情を──⋯⋯。

 

「人は誰しも〝変わる〟ものです。ですが、貴女たちだけは信じられるかもしれません。これから危険な目に遭わせてしまうかもしれませんが⋯⋯どうか、私に力を貸して欲しい」

 

 ────その表情(カオ)を、アルゴは一生忘れることはないだろう。

 これから先、このデスゲームを通じて無数の悲劇を目の当たりにするかもしれない。しかし、この瞬間だけは記憶の中で燦然と輝き続ける。そんな確信があった。

 

 





 その夜。
 不眠で岩を叩こうとしていたセイバーだったが、アスナとアルゴの賢明の説得によって押し留まり身体を休めていた。

「もっきゅもっきゅ⋯⋯⋯もっきゅもっきゅ⋯⋯」

 ───というより、アルゴの『トールバーナで仕入れておいた携帯食料でも食おうゼ』という言葉(釣り針)に滅茶苦茶食いついていた。

(めっちゃ食べてル⋯⋯⋯⋯)
(可愛い⋯⋯⋯⋯)

────────────────────────

 なお、この間セイバーの両頬には狐のような三本線のペイントが入ってるものとする。



  さて。
 先に釈明させて下さい。
 実のところ、セイバーが容姿を隠す理由って結構難しかったんですよね。単純に男の視線が〜とか、リアルバレが〜とか俗っぽい理由は彼女らしくないためです。
 本作においては、ラフコフの登場を予期したため、という形となります。

 ⋯⋯とは言え、この設定が活かされることは(たぶん)ないんですけどね()。重要なのは、『セイバーが信念をもって容姿を隠している』『一部の相手にしか顔を晒すことはない』ということです。


 さて、次話からはアニメ版通りに『赤鼻のトナカイ』編に突入──────ではありません。
 劇場版を観て少々思うところがありまして、スケルツォ(SAOP4巻)だけ先に描こうかと思います。アンケート取っておいて大変申し訳ありません。非常に美味しいシーンがてんこ盛りなので我慢できず⋯⋯。その次こそ25層まで話が飛びます。



以下、本編の副音声的なやつ。

リトルネペント
→レベル3モンスター。作者は劇場版アリアを観てあまりのキモさに衝撃を受けた。

アルトリアの身体能力
→流石に本家ほどの怪物じみた破壊力は発揮できないが、その気になれば現実の世界記録をいくつも塗り替えられるくらいのスペックを誇る。まだレベルが低いので現実ほどの挙動を再現するには至らない。
 ⋯⋯え? アリシゼーション編? 金本(ジョニ黒)をぶん殴ってお終いですけど?(思考停止)。


→GGOにてキリトがやったアレ。セイバーの場合は標準装備。索敵スキルなど不要。

ストーカー
→たぶんあまりにも次元の違う挙動に白目を剥いていた。

コペルから悪意や害意を感じなかった
→指摘を頂いたので追記。
 少なくともこの時点では、コペルはセイバーを手籠にするような悪辣な考えを抱いてはいなかった。セイバーの剣技に見惚れていたのも本当。
 彼が欲を露わにしたのは、実つきを見つけたのとセイバーが虚言を信じたため。即ち、その瞬間に彼は〝変わった〟ということ。

胚珠
→戦い始めて割とすぐに手に入れていた。幸運A。

「ゲームクリアを目指すプレイヤーは多い方がいい」
→セイバーには、キリトが抱いていたような「最強であり続けたい」や「優越感を得たい」といったエゴを理解できない。利己的な感情にはとんと疎いのである。

全く出てこないネペント
→何でだろうなー(棒)。
 なお、マジレスすると、本サービスになってから24時間に1体しか花つきが湧かなくなってしまったため。
 私は最近この追加設定を知った。そりゃベータテスターが恨まれるわけだ⋯⋯。

「《実》を割らなくてもネペントは寄ってくるよ」
→完全にコペルの虚言。この世界では表情筋から感情を読み取るなんて芸当はできないので、見抜けなかった。

コペルがハイドしたことに安堵を見せるセイバー
→ここもまた一般人とはズレた感覚。自分だけ隠れやがって! とはならない。

セイバーに執着するコペル
→あまりにも美しいセイバーの美貌や空前絶後の剣技に加え、デスゲームという極限状態が彼を狂わせた。

『憐憫』
→強者ゆえの憐み。悪の一つ。

組織化された〝敵〟
→有り体に言えばラフコフのこと。
 8巻に書いてあるが、実のところ似たような危惧をキリトも抱いていた。彼もまた、はじまりの街を飛び出した時点でPKerの出現を予期していたようである。

兜の理由
→例えば、ラフコフと敵対した場合。
 黒い鎧騎士の姿を強く印象付けておけば、 フードやコイフ、或いは素顔で接すれば相手の警戒心を下げ虚をつける。また、セイバーの顔が分からなければラフコフ内部での疑心暗鬼も狙える。
 そういったテクニカル的な面もあり、顔を隠している。

セイバーに寄り添うアスナ
→友達でいたいから、という言葉は流石に恥ずかしくて言えなかったもよう。

セイバーに手を貸すアルゴ
→とはいえ、情報屋としての責務があるため、常に行動を共にするわけではない。ただ、時折パーティーを組んだり、近況をメッセージで飛ばしたり、お茶をしたりするようになった。


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