もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち   作:J・チェプナクル

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第18話 潜入!ハーピーの里

夕方、ルカたちとハピネス村の女性達は、森の中をひたすら進む。

おばさん「この奥です……少し行けば、ハーピーの集落があるはず。」

ルカ「はい、分かりました。」

集落である以上、当然たくさんのハーピーがいるはず。その中からボスだけを狙って倒す。

カムロウ「どきどきする…大変だけど…」

チリ「えぇ、やるしかない!」

ルカ「じゃあ、僕たちが先に乗り込んでボスを倒してきます。ハーピーが混乱し始めたら、お願いしますね!」

おばさん「ああ、気を付けなよ!危なくなったら、すぐに引き返してくるんだよ。」

ルカ「__もし僕たちがダメだったら…その時は逃げてください。じゃあ、行ってきます!」

 

アリス「__おい、ルカ。」

ルカ「え…?」

不意に、アリスがルカを呼び止めた。

アリス「…戻ってこいよ、ルカ。こんな下らんところで、魔物の餌食にはなるな。」

ルカ「…ああ!」

急に、アリスらしくない事を言う。しかし、悪い気はしなかった。

ラクト「…いったいどういう風の吹きまわしなんだぜ?」

パヲラ「いいじゃないの、ファイト!って意味でしょ?」

カムロウ「うん!頑張ろう!」

チリ「ほら、ラクト。そんな事言ってないで早く。」

ラクト「分かってる、急かすなよ。」

両手に魔力を込め、ルーン魔導を描く。

ラクト「スモークミスト(煙幕霧魔法)!」

周囲に霧のような煙が立ち込める。これなら視界は十分に遮られ、見つかる可能性も低くなるはずだ。

ルカ「よし、みんな行くぞ!」

僕たちは気合いを入れ、ハーピーの集落へ向かう。

母さん、イリアス様、どうか僕を守ってください__

ルカ一行は、夕陽に照らされる森の中を駆けて行った。

 

 

 

夕方、ハーピーの里。あちらこちらの樹の上には家がある。おそらくハーピーの家だろう。外をうろついているハーピーもいない。

ルカたちは茂みの裏にいた。

ルカ「ふぅ…なんとか、ここまでは見付からずに来れたな。」

ラクト「順調、順調…」

パヲラ「でも、油断大敵よん。」

ルカ「アリスが言うには、ボスのハーピーは一番高いところにいるんだったな…」

ラクトはカバンから双眼鏡を取り出し、辺りを見渡した。

ラクト「んで、その親玉さんのお家はどこなんだぜ?」

チリ「どこかな…?」

カムロウ「あれじゃないかな、あの大きい家。」

カムロウが指差した、中でも一番大きい樹木には、最も立派な家があった。

ルカ「よし、あそこだな…」

チリ「慎重に行こう…」

おもむろに、一歩を踏み出しだ時だった。

???「おねえちゃん、あそこにだれかいるよ?」

???「本当だ…人間みたいね。」

ルカ「しまった…!」

ラクト「最悪だぜ…!」

ルカたちの目の前に、二人のハーピーが降り立った。

 

ハーピーツインズが現れた!

 

妹ハーピー「おねえちゃん…この人たち、はじめて見るよ。」

姉ハーピー「そうね、ここの人じゃないみたい。なんでこんなところにいるのかな…?」

ルカ「くっ…見つかったか…!」

やむを得ず、僕たちは武器を構えた。ここで他のハーピーを呼ばれたら困る。

パヲラ「ここは、あたしが戦うわ!」

チリ「私も出るわ!」

パヲラとチリがルカの横に並んだ。

そして、パヲラがルカにある提案をする。

パヲラ「ルカちゃん、あの小さい子を狙うのはやめておきましょう。」

ルカ「ああ、そうだね。可哀そうだ。」

妹と思われるハーピーを狙うのは、さすがに可哀そうだ。

ここは、姉のハーピーを少しばかり封印するしかないようだ。

 

ルカ「せぇい!」

ルカの攻撃!

しかし、ハーピーツインズは空に舞い上がり、剣が届かない!

妹ハーピー「びっくりしたよ…おねえちゃん。」

姉ハーピー「大丈夫、人間は空を飛べないんだから。こうやって空を飛んでたら、痛いことはされないからね。」

ルカ「くっ…またか…!」

ラクト「全く、空を飛べるなんて便利だなぁ、おい…」

姉妹そろって空中に舞い上がり、剣が届かない。前の戦いのように、密着してきたところを狙わないと__

 

後衛にいたカムロウは、少し後悔をしていた。

カムロウ「弓とか、そういうの持ってくればよかったかな…」

思いつかなかったとはいえ、準備不足だった。

ラクト「飛び道具か…」

それを聞いて、ラクトはこう思った。そうだな、今度、作ってみるか。

ラクトは何かを閃いたようだ。

 

チリ「てんちゅ…」

大きなハンマーを、ぶんぶん振り回して投げようとする。

それをパヲラが止めた。

パヲラ「待って!チリちゃん!今は隠密行動中!もしそれを投げちゃったら、大きい音で周囲にバレちゃうわ!」

チリ「ええっ!じゃあどうすれば…」

パヲラ「前に出てきてもらってきて悪いけど…防衛に回って!」

チリ「わ、分かった!」

その隙に、妹ハーピーが突っ込んできた。

チリはルカの前にたち、ハンマーで防御をしようとした。

姉ハーピー「__こっちよ。」

ルカ「えっ!?」

なんと姉ハーピーはルカの背後に回り込み、強引に押さえ込んできた!

チリ「しまった!ルカ!」

ルカ「くっ…!」

しかし、この密着状態は、逆にチャンスでもあるのだ。

ルカ「今だ!」

ルカは会心の一撃を放った!

姉ハーピー「きゃっ!」

ルカ「よし…!」

妹ハーピー「ああ、おねえちゃん!」

ルカ「よし、ハーピーとの戦い方は、だいぶ分かってきたぞ!この調子なら、なんとか勝てるはずだ!」

妹ハーピー「おねえちゃん、いたくないの?」

姉ハーピー「うん、大丈夫だよ。」

そう言いつつも、動きは鈍くなっている。

ルカ「今なら、普通の攻撃も当たるはずだ!」

パヲラ「あとはあたしが!急所は外すわ!」

そう言って、パヲラは飛び上がる!

パヲラ「カーディ(ガン)!」

ハーピーツインズの前に飛び上がったと思うと、それは残像だった!

姉ハーピーの後ろから、手加減をした当て身をした!

姉ハーピー「うぅっ…!」

攻撃を食らった姉ハーピーは、地面に落ちる。

慌てて妹ハーピーが近寄る。

妹ハーピー「おねえちゃん!しんじゃやだ!おねえちゃん!」

姉ハーピー「大丈夫、あなたは、お姉ちゃんが絶対に守るからね…」

妹ハーピー「やだぁ!おねえちゃんをころさないで!」

その光景を見て、ルカ一行は沈黙する。

ルカ「………」

パヲラ「殺すつもりはないけれど…」

チリ「なんだろう…とてもすごい罪悪感。」

ラクト「…最悪だぜ。」

カムロウ「…!!」

突然のフラッシュバック。カムロウはある出来事を思い出す。

姉を庇って前に出る自分、自分を守るために庇った母。

あの時の出来事が、目の前のハーピー姉妹と重なって見えてしまったのだ!

カムロウは動揺した。

カムロウ「ル…ルカ、ここは…」

ルカ「…ああ、もう!みんな逃げよう!ラクト!」

ラクト「ああ、分かった!スモーク(煙幕魔法)!」

周囲に煙が立ち込めた。その隙に僕たちは背中を見せ、その場から逃げ出す。

ハーピーツインズは追いかけては来なかった。

 

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