もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち   作:J・チェプナクル

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第25話 活気のない港町

そして、港町のイリアスポートに到着したのだが__

アリス「聞いていた話の通り、ずいぶんと活気がないな。」

ルカ「そうだね…」

思っていたより、イリアスポートは寂れている様子だった。

もっと出店が並んでいると思っていたが、商人の姿はほとんど見られない。通行人もまばらで、商業の要所とは思えないほどだ。

吹く潮風が、寂しく感じる。

 

ルカ「お二人とは、ここでお別れですね…」

ジョージ達とは、目的地が同じという理由で同行してもらった。

なので、ここでお別れだ…と思っていたら、

ジョージ「…勇者殿。拙者たち、セントラ大陸に着くまで同行しても良いだろうか?」

ルカ「えっ…?」

なんとジョージ達は、もう少しの間、一緒に付いてきてくれるようだ。

ジョージ「勇者殿の言う通り、イリアスポートに着く間までとは思っていたが…」

マモル「セントラ大陸に渡れないとなると、アッシらも困りますからねぇ…」

ルカ「そうですか…」

確かに、この人達もセントラ大陸に行こうとしていたんだった。

それなら、利害の一致という奴だ。

同行期間を、セントラ大陸に着くまでの間、にすればいいだろう。

ルカ「良いですよ。…というか、僕からもお願いします。」

ジョージ達のような強い実力者がいれば安心…と真っ先に思ったのは内緒だ。

ジョージ「では、お言葉に甘えて…」

マモル「お願いしますぅ。」

 

もう少しだけ、ジョージ達が付いてくることになった!

 

ルカ「さて…どうやってセントラ大陸に渡ろうか。」

マモル「八方塞がりですねぇ。」

とりあえずイリアスポートに来たはいいが、結局、海を渡る方法はないのだ。

ラクト「ルカ、良い案はあるか?」

ルカ「いや…」

ラクト「お前らは?」

パヲラ「泳いで…」

ラクト「却下。大砲以外ならいけると思うなよ。」

カムロウ「大砲で…」

ラクト「もっと却下。お前、あれ好きなのか?」

ジョージ「おお、拙者も大砲で飛ぼうと…」

ラクト「もう勝手にしろ!!」

ジョージ「では…」

ジョージは近くの大砲に入ろうとする。

チリ「ええっ!?」

マモル「お前さん、戻ってきなぁ。そういう意味じゃねぇ。」

ジョージ「む?違うのか?」

 

ルカ「さて、どうしよう…」

パヲラ「何か手はないかしら…」

まさか、本当に泳いでいくわけにもいくまい。思わず頭を抱えた、そんな時だった。

 

???「手はあるわ、勇者様!!」

僕たちの前に、一人の影が躍り出た!

 

残念なラミアが現れた!

 

そこには上半身は蛇、下半身は人間の、誰も得しないアイツがいた。

アミラ「私はアミラ、残念なラミア。潮風に吹かれ、たたずむヘビ。」

パヲラ「あらアミラちゃん。」

カムロウ「また会ったね!」

ジョージ「おおっ、蛇神様だ…」

ラクト「化け物だろ!!」

ジョージとマモルは拝み始めた。

ルカ「おいおい…お前、イリアスベルクに住んでたんじゃなかったのか?」

アミラ「私はアミラ、旅をするヘビ。略して旅蛇。」

チリ「旅蛇…?」

アミラ「ダーリンに付き従い、時には先回りするの。」

ルカ「そうか…それじゃあ。」

ラクト「ああ、またな。」

その場を立ち去ろうとする僕たちを、アミラはすかさず止める。

アミラ「待ってダーリン。私はただウザいだけのキャラじゃないの。ダーリンのために、お得な情報をゲット。いわば罪な情報屋。」

アリス「よかろう、話だけは聞いてやろう。」

アミラ「黙れ泥棒猫。」

アリス「な、何を…貴様…!」

ラクト「なんでお前(アミラ)はアリスに対して当たり強いんだよ…」

ルカ「…おいおい、いったい何なんだよ。」

ルカ「その…情報とやらを、聞かせてくれないかな。」

アミラ「ええ、ダーリンが聞くなら、私なんでも答えるわ。」

アミラ「例えばスリーサイズ。上から275・78・93。」

ラクト「聞いてねぇよ!」

チリ「聞いてないよ!」

ルカ「どこのサイズか検討もつかないし、聞きたくもないよ。それより、セントラ大陸に渡る方法でもあるのか?」

アミラ「私が集めた情報によれば…この町を出て少し東に行ったところに、とある洞窟があるの。そこには、伝説の女海賊キャプテンセレーネが残した財宝や秘宝が眠っているらしいのよ。」

ラクト「キャプテン・セレーネ!?」

ルカ「あのキャプテン・セレーネが…?」

カムロウ「誰?」

ラクト「知らないのか?百年前に、世界の海を股に掛けた伝説の大海賊!その名を知らないやつは…まぁ…お前ぐらいだろ。へへっ。」

カムロウ「え~」

パヲラ「こら、意地悪しない。」

ラクト「悪かった、悪かった、へへへっ。」

アミラ「その秘宝の中に、「海神の鈴」と呼ばれるアイテムがあるらしいの。この鈴があれば、どれだけ海が荒れ狂っても船は沈まないそうよ。」

ルカ「なるほど、それが本当なら…セントラ大陸に渡ることが出来るはずだ!」

あの伝説の大海賊、キャプテン・セレーネが残した秘宝ならば、そんな不思議アイテムがあってもおかしくない。

アミラ「でも、その洞窟は魔物の巣窟になっているみたいよ。多くの冒険者がキャプテン・セレーネの秘宝を求めて潜ったのだけれど…ほとんどの人は、戻ってこなかったみたい。」

ラクト「ひっ…!」

チリ「ひぃ…!」

アミラ「きゃっ!アミラこわい!」

ラクト「何だお前!!」

ルカ「ぐっ…!」

つい斬りたくなってしまうが、今日は有益な情報を与えてくれたのだ。僕はぐっと我慢した。

アミラ「アミラのうれしはずかし情報はここまでよ。お役に立てたかしら?」

ルカ「…微妙に腹が立つけど、すごく役に立ったよ。」

アミラ「それでは、私は潮風の中に去るわ。」

カムロウ「うん、バイバイ!」

アミラは去ろうとしたが、すぐに立ち止まった。

アミラ「…なお、私のエロシーンはありません。ラミアスキーの皆さん、怒らないでね。」

パヲラ「ええええええっ!!?!??」

ラクト「なんでお前は残念そうなんだよ!!」

アミラはそのまま、地面を這ってどこかに消え去ってしまった。

チリ「もしかしてこれからも、こうやって付いてくるんじゃ…」

ルカ「…次、会ったら斬る。」

チリ「抑えてっ!抑えてっ!!」

 

アリス「海賊の秘宝か…その中に美味いものはなさそうだし、あっても腐ってそうだな。」

ルカ「食べ物の話はどうでもいいよ。とにかく、その洞窟に行ってみよう。」

ラクト「そうだぞ。食べ物はどうだっていいんだ。」

ラクトは大笑いしながらこう叫んだ。

ラクト「財宝だよ!財宝!!金だ金!!!」

ルカ「………」

こうして、予定にはなかった洞窟探索へと向かう事になったのである。

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