もんむす・くえすと! 勇者ルカと仲間たち 作:J・チェプナクル
僕たちは秘宝の洞窟の最奥、宝物庫の前にたどり着いた。
ルカ「ん?あいつは…」
カムロウ「なんだあれ…!?」
通せんぼするかのように、扉の前に立ちはだかる魔物が一匹。
上半身は女性の体、下半身は狐だが四足。肝心の尻尾は、なんと7本。見るからに強そうで、これまでの相手とは格が違う感じだ。
そして、いつの間にかアリスはいなくなっている。
ルカ「お前、あの妖狐の仲間か…!?」
???「ええ、私は七尾と申します。」
ルカ「え…?こいつが、たまもという奴じゃないのか?」
パヲラ「となると…狐ちゃんの仲間はまだいるってことねい。」
チリ「嘘…まだいるの!?」
七尾「ここから先は宝物庫、ゆえに通すことはできません。引き返すなら良し、それでも進むというのなら…」
その言葉を聞いたラクトは呆れる。
ラクト「おいおい…引き返すなんて、それはないぜ?俺たち、お宝を手に入れるために、こんなところまでわざわざ来たんだ。なぁルカ?」
ルカ「ああ、力尽くでも進んでみせる!」
七尾「分かりました…たまも様の側近、七尾の力を見せて差し上げましょう!」
ルカ「真の勇者ならば、ここで退きはしない!みんな!」
「「「「「「ああ!!!」」」」」」
圧倒的な迫力におののきながらも、僕たちは剣を抜いた。
どんな強敵だろうと、逃げたりはしない!
七尾が立ちはだかった!
こいつはとても強い…ここまで温存してきた体力を全部使ってでも倒せるか分からない…でも!
ルカ「先手必勝!みんな、一斉攻撃だ!」
総力戦なら、なんとか勝てるかもしれない。
出会い頭に、全員で一斉攻撃を仕掛ける。
カムロウ「ラクト、いこう!」
ラクト「ぶちかますぜ、相棒!」
カムロウは
パヲラ「いっくわよ~!」
チリ「私でも…力になるなら!」
パヲラは魔力を握力で凝縮させ、バレーボールほどの光る球を作り、投げつけた!
チリは近くに落ちていた鉄球を、ハンマーで弾き飛ばした!
ジョージ「参るぞ、マモル!」
マモル「いつもの、でいいんですよねぇ?」
ジョージは刀を抜き、一閃した!
マモルは人型の紙を複数枚ばら撒いた!
ルカ「行くぞっ!雷鳴突き!」
ルカは雷鳴のように踏み込み、鋭い突きを繰り出した!
初手の一撃が会心のダメージを与える!
カムロウとチリとラクトの攻撃が炸裂し、パヲラが投げた
ルカの雷鳴突きとジョージの一閃でフィニッシュだ!!
さすがにこの攻撃は効いただろう__
七尾「__少しはやるようですね。」
七尾はそれらを受けたはずなのに、涼しそうな顔をしていた。
カムロウ「き…効いてない!?」
いや、効いただろう。
だけど、恐らく、体力の半分も削れるほどのダメージではないことは確かだ。
チリ「ふ…
ジョージ「ぬぅん!!!」
チリとジョージは岩を投げ飛ばした!
七尾「その程度…」
七尾は片手を突き出し、飛んで来た岩を粉砕した!
チリ「い、岩を…」
パヲラ「粉砕した…!?」
七尾「むんっ!!」
カムロウに、七尾の尻尾が襲いかかる!
カムロウ「くっ…!」
カムロウは盾を前に突き出し、防御の姿勢を構えた。
ジョージ「危ないでござる、カムロウ殿!」
カムロウ「えっ___」
ジョージはカムロウを抱きかかえ、寸前で回避した!
尻尾が地面に叩きつけられる。
振動音、破壊音、すこしだけ洞窟内が揺れた。
尻尾が叩きつけた場所には、地面に亀裂が走っていた。
ルカ「な、なんて威力だ…!?」
ラクト「最悪だぜ…あんなの喰らったら、ひとたまりもないぞ!?」
ふさふさの尻尾に似合わないほどの剛力。
そういえば、妖狐と戦ったときも同じようなことがあった。
あの時は大丈夫だったが、七尾のあれを受ければ骨どころか、内臓がつぶれそうだ。
七尾「では、本気を出すとしましょうか…!」
ルカ「ほ、本気だって!?」
なんと、いままで本気ではなかったらしい。
七尾は頭の上に葉っぱを乗せ、魔力を集中し始めた!
ラクト「いやその葉っぱは意味あんのかよ!?」
その光景を見て、ジョージは何かを察知したようで、険しい表情をした。
ジョージ「…来ませり…!」
マモル「…! あい、分かった!」
マモルがいそいそとルカに近付き、耳打ちをする。
マモル「勇者様、嫌な予感がしまっせぇ…」
ルカ「嫌な予感…?何が起きるんだ?」
マモル「それはわからないんですがねぇ…いますぐ防御の体勢を作らないと、どうなるかわからないですよぉ?」
いつもにやにやしていたマモルの顔には不穏な表情が見えた。
確かにあの様子といい、ただではなさそうだ。
ルカ「みんな!防御だ!攻撃に備えて!」
ラクト「そ、備えろってどうすりゃ…!?」
マモル「皆サン、アッシの後ろにいてくだせぇ!」
マモルは懐から、何枚もの人型の紙をばら撒いた!
マモル「
式神がバリアを展開する!
マモル「
第2のバリアが展開された!
ジョージ「防げるか?マモル。」
マモル「いやぁ…これでも、気休めにしかならねぇ…!」
ジョージ「ぬぅ、これでもか…」
マモルはジョージに、覚悟を決めたような目で見つめる。
マモル「…後は頼みましたよぉ。」
ジョージ「…うむ。」
ジョージは静かに頷き、後ろに下がる。
マモル「誰か、アッシの後ろに壁になる物を置いてくだせぇ!」
パヲラ「だったらこれで…!」
パヲラは近くに転がっていた大岩を持ち上げ、マモルの後ろに置いた!
ラクト「だあああっ!ダメ押し!!」
ラクト「アーススパイク!」
土の棘が、大岩に突き刺さり固定した!
パヲラ「手伝えアホ!」
ラクト「分かってるわバカ!おい、相棒!」
カムロウ「うん!」
パヲラとカムロウとラクトが大岩を支える!
ルカ「僕も支える__」
パヲラ「ダメよルカちゃん!チリちゃんとジョージちゃんと一緒に、あたしたちの後ろにいて!」
ルカ「で、でも…!!」
パヲラ「あなたは切り札なの!!」
ルカ「えっ…!?」
パヲラ「この攻撃で、あたしたちがどうすることも出来なくなったときの希望は、あなたしかいないの!」
パヲラはジョージの方を向いて、ウインクした。
それを見て、ジョージは頷いた。
ジョージ「(託された…!)」
チリ「ルカ、早く!」
ルカ「わ、わかってる…!」
言われた通りに、パヲラ達の後ろに待機する。
七尾は、魔力の集中を終えた!
七尾「さて、覚悟はできましたか…?」
七尾から尋常じゃない威圧感が放たれる。
ルカ「く…来るぞ!!!」
七尾「七つの月!」
岩をも砕く怒涛の連撃が、ルカたちに襲いかかる!!
マモルの式神が展開したバリアが、連撃を防ぐ…が。
マモル「…!」
第1の壁に亀裂、小さな亀裂がビシビシと走り、粉々に砕かれた!
そして第2の壁に連撃が放たれる!
亀裂はさっきよりも早く走り__
マモル「やっぱり、だめですかぃ…!!!」
第2のバリアは崩壊した。マモルは七尾の連撃の餌食になる。
ジョージ「マモル!!」
それでも連撃は止まず、大岩にも牙をむく。
パヲラ「ぬぅぅぅ…!」
ラクト「どうすりゃいいんだよこんなの…!!」
カムロウ「ううぅぅぅ…!」
大岩を隔てても伝わるほどの衝撃波。土の棘で固定しても、人の手で押さえても、ぐらんぐらんと押し返されるほど。
次第に、岩が端から崩れてきた!
そして、押さえていたところから尻尾が突き出てきた!
残像を残す尻尾が見え始めてくる!
パヲラ「だ、だめねぃ__」
パヲラに剛力の尻尾がぶつかる。
ラクト「だめだ…相棒!」
ラクトはカムロウを後ろに蹴り飛ばした!
カムロウ「ラ…ラクト!?」
ラクトはカムロウの方を見ながら、サムズアップした__
___ラクトとパヲラは連撃の波に飲まれた。
カムロウ「___ラクトーッ!!!」
ルカ「だめだカムロウ!」
ラクトに手を伸ばそうとするカムロウの体をルカが抑える。
そして七尾の尻尾は、ルカたちに迫る!
ジョージ「………」
使うしかないか_______
ジョージ「___
ジョージの右腕が赤黒く滲み、いたる箇所から赤黒い蒸気が噴き出す!
ルカ「ジョージさん!?その腕は…!?」
ジョージ「心配ご無用…この術は、拙者の生命力を引き換えに力を底上げする術…いわゆる、力の前借りでござる!」
抜刀し、禍々しい右腕で刀を持つ。
ジョージ「おおおおおお!!!」
迫りくる尾を、何度も刀で弾き返す!
チリ「まだ終わらないの!?」
カムロウ「これって…」
ルカ「一体、いつになったら終わるんだ…!?」
ジョージ「(耐えろ…!もう少しのはずだ…!)」
___洞窟内は土埃が舞っていた。
七尾「__なんとか耐えきったようですね。」
ジョージ「はぁ…はぁ…!」
やっと、剛烈の連撃が止んだ。
ルカたちは土埃の中から現れる。
ジョージの上半身の服は破れてなくなっていた。
土埃が晴れると、マモルとパヲラとラクトが地面に倒れていた。
息はまだあるようだが、どれも瀕死だ。
七尾「…なかなか歯ごたえのある人間です…ふふっ。」
ルカ「ぐっ…!」
こうなってしまえば、状況は最悪だ。
本当に勝てるかどうかもわからない。
しかし、今は瀕死の3人を助けるのが最優先だ!
七尾「月の見えない地下洞窟では、魔力の回復に時間が掛かりますね…」
七尾は少し休んでいる…
ルカ「…みんな、わかってるか?」
今やるべきことは、3人を助ける事だ。
絶対に死なせちゃいけない!
ジョージ「合点承知…!!」
カムロウ「うん…まずは、みんなを救うんだよね…?」
チリ「回復は任せて…!」
ルカ「ああ…やるぞ!今度、迎撃するのは僕たちだ!」
七尾「さて、参りましょうか…!」
七尾は休息を終えた!
七尾「ですがその距離なら…」
七尾はゆらぁ…と尻尾を高く上げた。
七尾「救出するのは無理でしょう!?」
そして、倒れている重傷者めがけて降り下ろした!
ルカ「なっ__」
だめだ間に合わない___
___その攻撃を、カムロウは剣で防いでいた。
カムロウ「よくもみんなを…!」
七尾「なっ…!?」
ルカ「あれは___」
クィーンハーピーと戦った時と同じだ。
眼が涙で輝き、荒々しい風が吹き荒れる。
カムロウは今、みんなを傷付けられて、怒りが最高潮だ。
怒りが最高潮になったカムロウは、普段からは考えられないほどの身体能力を発揮する。
カムロウ「でやああああ!!!」
その荒々しい風の衝撃波が尻尾を弾き飛ばす。
七尾「い…一体どこからそんな力を…!?」
七尾「くっ…ですが、私の尾は一つだけではないのですよ!」
もう一つの尾が、振り下ろされる。
その間に、ジョージが割り込んだ!
カムロウ「ジョージさん!?」
ジョージ「ここは任せよ!」
ジョージ「
右腕が黒く滲み、ジョージの力を増幅させる!
禍々しい右腕で、尾を掴み受け止める!
七尾「なん…!?次から次へと…!」
ジョージ「さぁ…今のうちに!」
ルカ「ああ!!」
チリ「うん!」
ルカとチリは、瀕死のマモル、ラクト、パヲラを引きずって後退する。
ルカ「チリ!後は頼んだ!」
ルカは前線に駆けていく。
ラクト「よぉ…無事…そうだな…」
パヲラ「ああ…良かった…わ…」
マモル「なんとか…耐えたん…ですねぇ…」
チリ「うん、ありがとう…本当に助かった…!!」
…3人共、複雑骨折、内臓破裂。…どれも時間と体力が掛かる。
チリ「
範囲にいる対象を回復させる魔法。これで時間をかけて、ゆっくり回復させる。
後はルカたちが持ちこたえてくれれば…
七尾の前に、ルカ、ジョージ、カムロウが立ちはだかった。
七尾「…
七尾「ですが…あなた方を倒せば終わりです…!!」
ルカ「終わらせるもんか!僕達は「海神の鈴」を手に入れて…」
ルカ「セントラ大陸へ渡るんだ!」
カムロウ「セントラ大陸に帰るんだ!」
ジョージ「セントラ大陸に戻らねばならない!」
ルカ「(信じる夢のために、僕はここで死ぬわけにはいかないんだ…!)」
カムロウ「(お母さんのために、ぼくはここで死ぬわけにはいかないんだ…!)」
ジョージ「(友のために、私はここで死ぬわけにはいかぬのだ…!)」
それぞれの思いが交差する。
七尾「戯言を…!!!」
七尾は衝撃波を放った!
カムロウはそれを盾で受け流し、七尾に近付いた!
七尾「そう簡単に近づかれると不快ですね…!」
七尾は近くに転がっていた鉄球を尻尾で持ち上げ、ぶん回した!
カムロウは盾で防いだが吹っ飛ばされる。
そして、鉄球をジョージに投げる!
ジョージ「
ジョージは赤黒い右腕で刀を抜き、鉄球を一刀両断した!
七尾「…見事。」
ジョージ「お褒めいただき、光栄でござる。」
ルカは、足をバネにし、七尾の懐に近付いた!
ルカ「魔剣・首刈り!」
喉元に鋭い突き。…しかし、うんともすんともいわない。
七尾の尻尾がルカに纏わりつき、ルカは尻尾に絡めとられてしまった!
七尾「はぁっ!!!」
尻尾に力が込められる。右腕と左足が折れた。
ルカ「ああああああっ!!!」
ジョージ「勇者殿を…」
カムロウ「離せっ!」
カムロウ「
ジョージ「
カムロウは荒々しい風を剣に纏わせ斬りかかる。
ジョージは飛び上がり、赤黒い右腕で刀を持ちつつ、上段切り。
七尾「っ…!!」
その攻撃を食らった七尾は、ルカの拘束を解く。
拘束が解けたルカは投げ飛ばされ、壁に激突する。
マモル「勇者様、大丈夫ですかぃ!?」
ルカ「大丈夫…」
ルカは瞑想をした…みるみるうちに傷が回復する!
チリ「そうだ…ルカには瞑想があったんだ…!」
パヲラ「聞いてた通り、本当に回復してるじゃない…!?」
ルカ「よし…!」
右手と左足を動かし、折れていないか確認する。
…痛みはない。折れた骨が戻った。これで戦える!
カムロウ「せいやあああ!!!」
ジョージ「
吹き飛ばされたルカの代わりに、二人は応戦していた。
しかし不意に、ジョージの攻撃の手が止まる。
ジョージ「はぁ…はぁ…はぁ…!!」
右腕に激痛が走る。
カムロウ「ジョージさん!?」
ジョージ「すまぬ…右腕が…!」
ジョージの額から汗がブワッっと噴き出る。
ジョージ「(くっ…使い過ぎたか…!?)」
刀を杖替わりにし、膝を付いてしまう。
七尾「油断しましたね…?」
ジョージに剛撃の尾が迫る!
カムロウ「させるかああぁぁ!!」
カムロウは両手を上に掲げ、普段放つ
ルカ「
カムロウ「
特大火球が迫りくる尾に向けて放たれる!
尾に命中し爆発、そして引火する!
七尾は攻撃を止め、消火を優先した!
カムロウ「
ジョージの右腕に光輝く癒しの粉が舞い、痛みが退いていく。
カムロウ「さっき、助けてくれたお返し!」
ジョージ「かたじけない…助かった!」
後ろから吹き飛ばされたルカが駆け付け、三人並ぶ。
ルカ「二人とも、一斉に攻撃するぞ!」
カムロウ「うん!」
ジョージ「承知!」
ルカ「はああああ!!!」
カムロウ「うおおおお!!!」
ジョージ「
そして三人は七尾に何度も斬りかかり、攻撃を仕掛けていた。
ルカ「(くっ…なんて生命力なんだ…!)」
みんなの攻撃も、僕の一撃でさえ、微々たるダメージに過ぎないようだ。
いったいどれだけ攻撃したら、こいつを倒せるんだ…?
七尾「ええい、しつこい!!」
七尾はルカの腹部にエルボーをし、顔面を殴り、頭にダブルスレッジハンマー、最後に尻尾で薙ぎ払う!
ルカは吹き飛ばされるも、剣を地面に突き刺しなんとか止まる。
ルカ「はぁ…ふぅ……」
七尾「…?」
ルカは呼吸を整え、瞑想をする。再び傷が回復する!
七尾「厄介ですね…妙な技を持っているあなたは!」
七尾は足払いをしてきた!
ルカ「(ジャンプすれば避けれる…!)」
ルカは飛んで回避した___
七尾「飛んで回避すると、逃げ場は無くなることをご存じで?」
ルカ「なっ…!?」
それが狙いだったのか___
七尾「二つの月!」
ルカの腹部に、七尾の2本の尾が刺さった。
まるでそのまま貫通するかのような感触がした。
ルカは吹き飛ばされ、地面に倒れる。
ルカ「ゲホッ…ゲホッ…」
吐血した。前進に痛みが走り、身動きが取れない。
七尾「今度は、回復の暇を与えません…!先に片付けましょう!!」
ノシノシと、七尾がゆっくりルカに近付いてくる。
カムロウ「ルカ!?」
ジョージ「まずい…!」
二人はルカの前に立つ。
これ以上進ませない。ルカに瞑想ができるほどの時間稼ぎを__
七尾「__邪魔をするなっ!!」
七尾「二つの月!!」
鋭く鈍い一撃が2つ、七尾の尻尾がカムロウとジョージを吹き飛ばす!!
カムロウ「あぐっ!!」
ジョージ「うっ…!!」
重い一撃。そして壁に激突し、地面に落ちる。
カムロウ「う…動けない…」
ジョージ「勇者殿…逃げるのだ…!」
二人は体力が限界のようだ。もう立ち上げれそうにない。
ルカ「うあぁぁ…」
痛みのあまり、呻くことしかできない。
後衛で、チリに回復をしてもらっている、ラクト、パヲラ、マモルが、座りながらその光景を見ていた。
ラクト「おい、あいつら…!」
マモル「まずそう…じゃないですかぃ!?」
パヲラ「助けにいくわ…いぅ…」
パヲラは立ち上がろうとしたが、痛みのあまり再び座り込む。
チリ「待って!三人共、まだ回復が…」
さっきよりも、骨と内臓は回復はしたが、それでもまだ全快と言えるほどではない。
下手に動けば、傷が悪化する可能性がある。
ラクト「んなこと言ってる場合か!?あのままだとルカが死んじまうぞ!!」
チリ「確かにそうだね…私が行く!」
マモル「お嬢さん!?」
パヲラ「待って、危ないわ!」
チリはハンマーを担いで、ルカの元に駆け寄ろうとする。
ルカ「だめだ…チリ…来ちゃだめだ…」
チリ「えっ!?」
ルカは地面に伏せながら、チリ達を見て制止するよう声を発した。
ルカ「三人は…まだ…回復し終わってないはず…だ…だから…」
チリ「そんなこと言ったって…!」
ラクト「バカかお前は!?何の意地だか知らねぇけど、お前そのままだと死ぬんだぞ!?」
そう言っているうちに、チリの目の前に七尾が近づいていた。
パヲラ「チリちゃん、逃げて!」
マモル「
マモルは数枚の式神を、七尾に投げる。
七尾「目障りです…!」
七尾は衝撃波を飛ばした。
衝撃波に当たり、目標が定まらなくなった式神は、散り散りに壁にぶつかり爆発を起こす。
さらにチリの体にも当たり、チリを吹き飛ばす。
チリ「うあっ…!」
ハンマーが手から離れ、チリは地面に転がる。
マモル「畜生…!」
パヲラ「そんな……」
ラクト「もう…だめだ…!!!」
ルカの前に七尾が立つ。
勝ち誇ったようにルカを見下し、
ゆらぁ…と、一本の尾を掲げる。
七尾「勇者一行…かなり、やるようでしたが…」
ルカに七尾の尾が叩きつけられる!
ルカ「くっ…!」
七尾「これで…あなたは終わりです____」
だめだ…避けれない________